とある外道の6人組   作:毛糸ー

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旧約 第7章:0930警備員・風紀委員殺戮事件
0.ポリ公殺しは悪党の華


 9月30日。

 それは一般人にとっては実態がよく分からない事件が起こった日であり。

 上条当麻や一方通行など、学園都市の一部の人間にとっては大いなる転機となった日であり。

 

 そして『鋼龍』にとっては、邪魔臭い警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)に手ひどい一撃を食らわせた日であり。

 特能総研にとっては、最悪の木原一族にして所長の友人を”復活”させた日となった。

 

――『ストレンジの九龍城』――

 

 『鋼龍』アジトの『ストレンジの九龍城』には、いつもより多くのゴロツキ共がいた。

 

 ドロームが異常にワクワクしているのを見たゴロツキ共や、人ずてにそれを聞いたゴロツキ共は、()()()()ことを本能的に悟り、自発的に集まってきたのだ。そして、その勘は当たった。

 

『おどれら!喜ばんかい!ローマのバナナ小娘が、ワシらに開放をもたらしてくれる!詳細を知りたきゃ、午後4時ぐらいに、大講堂に集まらんかい!……今までワシらにさんざ煮え湯を飲ませてきた警備員(サル)風紀委員(イヌ)が殺し放題なんじゃあ!来ん理由がないと思うがのう!』

 

 『ストレンジの九龍城』に張り巡らされた放送網からその声が届けられた時、ゴロツキ共は沸き立ち、『ストレンジの九龍城』にいなかった者たちにこの素晴らしき吉報を届けていた……!

 

「ヒャッハー!血祭だぁ!」

「信じてたぜ長老!」

「チョーシこいてたことを後悔させてやるぜぇ!」

「皆殺しだぁ!」

 

「マジだって!長老がそういったんだよ!」

『信じらんねぇ!最高じゃねぇか!今そっちに行くぜぇ!』

 

「シノギやってる場合じゃねぇ!今日の賭場はここで終わりだ!はよ賭札返せ!」

 

「おい!帰るぞ!」

「ああん?まだ三人しかカツアゲしてねぇじゃねぇか!儲けも少ねぇしよ」

「……警備員(サル)風紀委員(イヌ)が殺し放題でもか?」

「ヒャーッ!なんじゃそりゃぁ!?そんならちゃっちゃと帰らねぇとなぁ!おい、運が良かったなぁ!てめぇ!」

 

「クヒャハハハハハァーーーッ!!!長老!信じていたぞっ!このまま警備員(アンチスキル)のボケ共や風紀委員(ジャッジメント)の乳臭えガキ共に舐められたままでおいては置かんとなァーーーッ!」

「うるせぇぞ『人形師』。……このままで済ましちゃ置かねぇとは思ったが、”殺し放題”と来たか。相変わらずボスは俺達の予測の上を行く」

「血が匂い立つぞぉ……!奴らの血が!」

「この血狂いスカーの奴はどうすんだ?賽」

「アンドレ、ちょっとソイツ黙らせろ」

 

――特能総研――

 

「幻生……貴様なのか?」

『ひょひょひょ……なぜ君に僕が見えているのかは知らないけど、確かに僕だよ。木原幻生だ』

 

 ザゾグは自らの研究室で、廃人となったはずの木原幻生と再会していた。どこか存在感が朧気であったが、悪魔的科学者、木原幻生に相違ない。この忌々しい学園都市での唯一と言っていい親友と再会したザゾグはしかし、再会の喜びを訴えるよりも先に問いかけた。

 

「いや……!有り得ん!貴様はあの腐れ売女の第五位に廃人にされたはずでは!?それにその朧気な姿……何があった!?」

 

『ひょひょ……相変わらず君の罵倒の語彙は恐ろしいものがあるねぇ。食蜂君に心理掌握(メンタルアウト)を叩き込まれそうになった時、肉体を全部捨てたんだよ。だから、見える人間は数少ないはずなんだがねぇ』

 

「……つまり、今刑務所に押し込められている貴様の肉体はただの”抜け殻”というわけか」

 

 幻生が肉体を捨てたという言葉を聞いても、ザゾグは驚かなかった。幻生ならそれぐらいはするだろうという信頼があったからだ。しばらくの間、両社は黙っていた。そして、ザゾグがゆっくりと口を開く。

 

「……幻生。元の肉体に戻りたくないか」

 

『……この姿は物に触れなくて不便だけど、元の体に戻る気はないねぇ。肉体の方には『物事を集中して考えられなくなる』心理掌握(メンタルアウト)が叩き込まれてしまっているんだよ』

 

「……その頭の事については私に案がある。と言ったら?」

 

『ひょひょひょ!そんな案があるなら見てみたいものだよ!……良いだろう。君がそんなことを万が一にでもやってのけたら、肉体に戻ってやってもいいよぉ』

 

「それなら問題は体だな。……さて」

 

 幻生の体を取り戻さんとするザゾグは電話を取り出し、どこかへとかけ始めた……。

 

――天体水球(セレストアクアリウム)バックヤード――

 

「ん?……蠢動さんから転送か……連絡主は、ザゾグ・ザンリック!?珍しいな……」

 

「ドロームの奴が無茶ぶりするのはよくあることだけどよ……ザゾグ博士が俺たちに連絡?絶対厄ネタだぞ……」

 

 蠢動俊三が潜む水族館、天体水球(セレストアクアリウム)のバックヤード。そこは、蠢動一派の悪の根城と言っても良い場所である!そこは、眼下に広がるシャチの水槽を一望でき、暗部組織としての機材と水族館としての機材が明確に区別して配置されている。

 そこに潜む蠢動の部下の二人、佐久辰彦と山手は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の送り主を見て、この後に起こる厄介事を懸念した。

 

 奇しくも、()()()()()()()()()()()スピーカーから、厄ネタが投下される。

 

『転送したメールは見たか?……ザゾグがな、木原幻生の閉じ込められた監獄を探り当てて、その肉体を傷つけず特能総研に持ってこい、と頼んできやがった』

 

「「はぁ!?」」

 

 スピーカーからの声に、佐久と山手の二人は驚きの声をあげる。何故なら、暗部では木原幻生は廃人となった、というのが定説になっているからだ。生存説もないではないが、暗部の浅い層で戯言として離されるだけだ。

 『6人組』の中でも新技術を生み出し続けるほどのザゾグが知らないはずもないが……。

 

()()()()、奴は狂ったんですかい?」

 

 山手がそのことを念頭に置き、()()()()()()()()()()()()()()蠢動に問いかける。

 

「ハァ……その直後にな、ドロームの奴からザゾグの頼みごとを聞け、とメッセージが送られてきたんだぞ?ザゾグが発狂した可能性は極めて低い。今からでも木原幻生の周辺情報について色々さらっておけ。大仕事になるぞ」

 

「ええ、分かりました。はぁ……」

 

「しょうがねぇさ、佐久。ちゃっちゃと終わらせちまおうぜ」

 

 スピーカー越しに蠢動は佐久と山手に指示を出し、二人は陰鬱にうなづいて下調べを開始した……。




幻生さんは超電磁砲にわかであっても出しかったんです……!許してください!
幻生さんの口調が違ったら遠慮なく指摘してください!

マジでマッドサイエンティストのキャラ造形として木原幻生と木原端数は100点満点だと思う。
というか最新刊現在、幻生はAIM思考体として生存してる疑惑があるんだよなぁ……。

え?蠢動俊三?あの人はほら、マッドサイエンティストよりも謀略めぐらす暗部組織のボスの方が似合ってるから……。

食蜂さんを売女呼ばわりしたのは許してください……。
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