とある外道の6人組   作:毛糸ー

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「とある外道の6人組」を読んでくださり、本当にありがとうございます!
今後とも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!

統括理事会会員の任命については独自設定です。
これが妥当な所だろ、と思いますけどね……。


1.警察掃除(ポリススイーパー)

――学園都市の道路、その一つ――

 

「いやぁ、本当にこうなるとはなぁ……」

 

 夜道を歩くチンピラの一群の一人が、そう洩らす。彼らの足元には、死んだ警備員(アンチスキル)達が転がっていた……!

 

『この黄色のガキが見えるけ?このガキがワシらにとっての解放の戦士よ!クカカカッ!』

『このガキが学園都市に潜入してしばらくしたら、警備員(サル)風紀委員(イヌ)共がバタバタと倒れだす!おんしらはソイツ等にとどめを刺していけ!』

『起きとる奴がおったら、無理に殺さんでもええぞ。余裕があったらでええからな』

『ワシ?ワシゃ、こんな舐めた真似が二度と出来んよう、()()()を講じるのに忙しくなるから、残念なことに虐殺に参加できんのよ!ワシの分も奴らを殺さんかい!』

 

 これが、先刻彼らが聞いたドロームの言葉である。それが全て事実であるのだから、彼らが驚くのも無理はなかった。

 然り。殺された警備員(アンチスキル)を見ると、もがいた後が全く見えない。その上、視点をよそに移せば、この蛮行を咎めるべき他の警備員(アンチスキル)も、意識を失い倒れている……!

 

「お!コイツ取り残しかぁ。きちんと殺っとかないとな!」

 

 その気楽な声と共に、倒れていた警備員(アンチスキル)の頭がグシャッとバットで潰される。

 

 学園都市の機能が死んだ中、『鋼龍』のゴロツキ共はいくつかの小グループに分かれ、警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)を殺して回っていた。後にわかる事だが、彼らの活動によって全体の半分強の警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)が殺され、学園都市の治安は急激に悪化することになる……。

 

 ”ヒーロー”もこの場にいない中、倒れる警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)はただの的でしかなかった……。

 

――天体水球(セレストアクアリウム)バックヤード――

 

「……静かすぎる」

 

「ああ。一体何が起こってやがるんだ?」

 

 ザゾグの求めに応じて木原幻生の行方とその身柄の確保方法を調べていた佐久と山手は、異常な静かさに気付いて手を止めた。

 この天体水球(セレストアクアリウム)は水族館であるが、それよりもデートスポット、告白スポットとして有名であり、丁度夜の時間帯になったこの時にこそ人が増える。普段は実際そうだった。だが、今は一切人の気配や物音がせず、聞こえる音と言えば佐久や山手がキーボードを叩く音だけであった。

 

「どういうことなんですか?蠢動さん」

 

『……俺も詳しくは知らないぞ。ただ、ドロームの奴からは『黄色いシスターがワシらにとっての自由の旗手となるんじゃ!』とは言っていたがな』

 

「……意味が分からん」

 

 このグループの副リーダーである佐久が、リーダーたるシャチに脳を埋め込んだ蠢動にこの状況について問うても、要領を得ない答えが返ってくるばかり。だが、一つ明白なことがある。

 

「この状況なら、刑務所まで行って木原幻生の身柄を確保することも難しくないんじゃないか……?」

 

「そうだなぁ、佐久。初めに話を聞いた時には厄ネタだと思ったが、こりゃ楽勝かもな!」

 

 ザゾグの要請は木原幻生の身柄確保である。木原幻生は暗部の一角を占める怪物であったこともあり、普段の警備は非常に厳重だろう。だが、この非常時ならば、あるいは警備も緩んでいるかもしれない!

 そう考えてやる気を滾らせる佐久と山手を更に後押しする状況が蠢動からもたらされた!

 

『あー……ドロームから連絡だ。今から車をそっちに回す。連絡したら幻生の閉じ込められてる刑務所にワシが送る使者と一緒に行け、だとさ』

 

「まぁ、この時を逃せば好機は無くなるからな。非常時である今、一気に勝負を決めたいんだろう」

 

「奴も、ザゾグ博士の気まぐれをさっさと何とかしたいと思ってるんですかね?」

 

『まぁ、きっとそんなところだろう』

(その割には声が弾んでいたのが気になるが……)

 

――統括理事会会員トマス=プラチナバーグの住居――

 

(クソッ!一方通行め……このままで済ませると思うな!統括理事会に楯突いた罪は重いぞ……!)

 

 先程人生で初めての挫折を味わったトマス=プラチナバーグはその下手人、学園都市第一位『一方通行』に恨みを燃やしていた。

 

(奴は実験動物の分際で、この私の肋骨をショットガンで撃ちやがった!絶対に許さん!)

 

 その恨みの炎はそれなりに大きいものであったがこの後、それが霧散するほどの衝撃に襲われる……!

 

 

 

「のう、おんどれェ。ワシゃ、統括理事会に入りたいじゃァ。何すりゃいいか教えてくれんけ?」

 

 

 

(!!?!?!!!?!!?!!)

 

 突如トマス=プラチナバーグの眼前に、くたびれた燕尾服と山高帽、そして口には葉巻を加えた”死神”が現れた!そうとしか形容できない存在が、前触れもなく彼の顔を覗き込んだのだ!

 地獄の底めいた圧力を醸し出す”死神”の言葉を前に、プラチナバーグは首を縦に振る事しかできない。

 

「首を振るだけじゃわからんわい!キチっと言葉を話さんかい!」

 

「ヒィッ!?と、統括理事会会員になるには、統括理事会会長による直々の任命が必要なんだ!」

 

 ”死神”の一挙手一投足に怯え、言われるがままに情報を渡すその様は、統括理事会会員として不適格と言われかねない醜態であった。だが、そんなことに頓着する”死神”ではない。己の目的が楽に果たせそうと分かると禍々しい笑う。

 

「クカカカカカカッ!そんな簡単な事でええんけ!?」

 

「はい、そうです!その通りです!」

 

「ほぉ、そうけ、そうけ!邪魔したな!……また会おうやんけ、同僚殿!!」

 

 無様に平伏するプラチナバーグに特段の注意を払うことなく、”死神”はやってきた時と同じように、前触れなく消えた。

 

 

 

 0930事件後、学園都市のローマ正教の刺客『前方のヴェント』によって殺された統括理事会会員はつつがなく補充された。その補充メンバーの中には、ドローム・A・ヴィスタ扮する『峰岸』なる胡乱な男が入っていた……。




はい、書きたいシーンの一つがここで書けましたねぇ!
実際(そんな人間がいたかどうかは別にして)ヴェントさん襲来時に警備員(アンチスキル)風紀委員(ジャッジメント)に恨みを持っていた人間が動けたら大惨事になってたと思うんですよね……。

この章にはヴェントさんは出ません。ご了承ください。
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