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「とある外道の6人組」をこれからもよろしくお願いします!
――『6人組』定例会――
0930事件が終わった後の『6人組』の定例会は波乱の始まりであった。
『鋼龍』による、ローマ正教による攻撃を利用した
そして、蠢動を何とか現実に帰還させ、改めて定例会が始まる。
「……いや、すまん」
「頼むぞ、蠢動俊三。貴様が発狂したら誰がドロームの補佐をするんだ?」
事ここに至っては、学園都市の裏側で長年やってきた蠢動俊三が統括理事会で失言・暴言・迷言を放ちまくるであろうドロームの補佐をするしかない。どちらにせよ、こいつらに協力しなければ未来は無いのだ。蠢動はそう腹をくくった。
「いつまでも蠢動一味と呼ぶのも味気ないからのう。おんしらは今日から『スウォーム』じゃ。周知徹底しとけよ」
「ああ。致命的なヘマ以外ならフォローしてやる」
蠢動関連が一段落した後、多々羅道雄がゆっくりと口を開く。その表情は、いつも通りに見えて、どこか堅かった。
「……『鋼龍』は学園都市に食い込めたようで何よりだが、良くない知らせがある」
「何じゃいな?」
「……『転換計画』が何者かに感づかれた。ローマで『転換』した者達が次々と元に戻されている。それと合わせて、ローマ正教が我々との同盟関係を解消すると言ってきた。タタラローマ支所とも連絡が取れん」
多々羅が報告したことを聞いて、他の『6人組』の面々は顔色を変えた。もしや、タタラが『鋼龍』と繋がっていることを感づかれたか?あるいは、『6人組』の存在すら、ローマ正教に明らかになっている恐れがある……!
「聖人レベルの魔術師なら、『転換計画』に感づく可能性があるか……」
「……こりゃ、どんな手を使ってでもローマ正教を完膚なきまでに消滅させてやる必要があるかもしれんの」
「ククククククク……彼らの方から戦端を開くとは……。やはり奴らも戦いたくてたまらぬということか!WIN-WINよな!」
「今からでも”指示”を出して、ローマの連中を攪乱する必要があるんじゃないのか?俺達『スウォーム』としては、学園都市の事をやりながら、ローマの連中を気にしてはいられんぞ」
「……いつかどこかで壊滅させる必要がある腐れ宗教ヤクザ共だ。今すぐにでも燼滅してしまえばいい」
血気にはやる『6人組』の面々を抑えたのは、多々羅会長自身だった。
「落ち着け。ローマ支社の連絡が取れんだけだ。忘れたか?スペインやフランスにもタタラの支社があり、そしてローマ正教の支部があることを。『転換計画』はローマ正教の支配下にあるあらゆる地域で行われている。ローマの目敏い魔術師が気付いただけだ。全体は掴んでおらんだろうさ」
「何だつまらん。ローマにミサイルを撃ち込んで戦端を開いてやろうと思ったのに」
「……まだじゃ。まだ、余計な真似はすんなよ」
ともすれば暴走しかねない甘粕を、ドロームが牽制しながら定例会は進んでいく……。
――特能総研:応接間――
「ひょひょひょ……来てくれたかね」
「こんなところに呼び出して、何の用だね?」
先日特能総研に加入した木原幻生と、特能総研副所長『博士』は特能総研の応接間で、サシの話し合いをしていた。
「……交雑君の事でねぇ。彼はなぜ、ここにいるんだい?」
木原幻生が神妙に切り出したのは、木原交雑の話題だった。『博士』が知る限りでは、彼は木原一族でも下の方におり、大した存在ではないはずだが……。
「……本人が言っていたんだが、自分は木原一族の中でも地位が低く、スパイ活動をしていることすら忘れられている節がある、と言っていたな。木原一族の割にパンチのない研究をしているから、事実と思っていたが……」
「……ひょひょひょ、成程、成程……そう来たか」
「『そう来たか』とは?」
木原交雑自身の研究成果は『空気中に放つと爆発的に増殖する細菌』という、木原一族の研究の割に被害が少なく、またそれほど異能じみたものでもない。それ故、木原一族の中でも地位が低いという木原交雑の発言にも信憑性があったが……。
「いや、交雑君が大したことがないのは事実だが……彼は唯一くんに恋しているんだよ。それはもう、異常なぐらいね」
「……!」
幻生の口から出た”唯一くん”とは、女性の木原、木原唯一である!彼女は木原一族の中でもかなり高位に位置する存在であり、木原一族重鎮、木原脳幹の世話を任されるほどの存在なのだ!
その木原唯一に、低位の木原である木原交雑が恋しているとは……。
「……きな臭いな」
「そう。交雑君は唯一君から命令されたら何でも聞くぐらいに彼女にぞっこんだからねぇ。多分、木原一族全体では忘れ去られているのは事実だと思うけど、唯一君にここの発明品の情報を流しているのは確実だと思うよ」
「……ただ、警告したところで所長は聞きやしないからなぁ……」
いみじくも『博士』がぼやいたように、人格がひん曲がっているザゾグ・ザンリックは、自分と同じ探究者とみなした者には気を許しがちであり、木原交雑の不審な点を指摘しても「捨て置け」としか言わないのだ。
「裏切られるのも覚悟の上なのが彼の性質の悪い所だよねぇ……」
「しょうがない。それは我々がフォローしていくしかないだろうな」
木原幻生と『博士』は、木原交雑への今後の対処を思い、溜息をついたのだった……。
『転換計画』、当初はもっとこの計画について書くつもりだったんですよ。
でも、ぽっと出がすぐやられるのも禁書らしいな、と思って今回みたいな感じになりました。