継続して読んでくださっている方には、感謝してもしきれません!
これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!
14巻はあまりに改変要素がないのでスキップしました
暗部抗争は戦闘シーン多すぎて更新遅くなりそう……
ニンジャスレイヤーを読み返す必要もありそうだ……
0.火種と逆ギレ
――学園都市の裏路地――
「ひぃっ、ひぃぃっ!」
学園都市の裏路地を、
だが、それを放っておく暗部ではない。彼を追う刺客が放たれ、今まさに追いつこうとしていた。
ゴキッ
学園都市に巣食う半グレ集団『鋼龍』の一員である賽は、たった今暗殺の副業を終え、根城に帰ろうとしていた。だが、この学園都市の暗部は彼を放っておかなかった。
「チッ……何の用だ、てめぇら」
後ろを振り向いた賽の目に写るのは、女4人。ピンクのジャージ女を除いては、いずれも物騒な雰囲気を漂わせていた。長身のモデルめいた女。金髪碧眼の小娘。ボブカットのクソガキ。
「あんた、ボスが統括理事会入りしたからって、図に乗りすぎなんだよ。人の仕事奪って殺されねぇとでも思ったか?」
「新参の俺にシェア獲られるようなカスは業界から消えればいいだろうが。殺し屋稼業なんざ止めて男に股でも開いとけ。失せろ、クソアマ共」
言いたいことだけを言って立ち去ろうとする賽を、女たちのリーダーが見過ごすはずもなかった。長身のモデルめいた女の名は麦野沈利。学園都市が誇る超能力者、その第四位である。
彼女の能力は
そして、彼女は非常にプライドが高い。ゆえに、賽の下劣な発言を黙って見逃すはずもなかった。
「ブッ殺す!!」
ZAAAAAP!
完全にブチ切れた麦野沈利は、躊躇なく
……だが、そうはならなかった!ゴロツキは己の懐から折り畳みめいたゴルフクラブを取り出すと、それを
「なっ……!?」
破壊の閃光が弾かれ、遠くにある建物を消し飛ばす。閃光を放った本人ですら唖然とする光景を一瞥することなく、賽は四人の女を殺さんと接近する!
しかし彼女たちもさるもの、ボブカットの少女、絹旗最愛が賽に向かう!
絹旗最愛は
その彼女が賽の振り下ろしたゴルフクラブを能力で防いでへし折り、、それに驚いた賽を殴り飛ばす!
「ガァッ!?」
「消し飛べ!」
ZAAAAAP!
「結局、お前の最後は死しか有り得ないって訳よ!」
KBAM!KBAM!KBAM!
「チィッ!」
吹き飛ばされた隙をついて放たれた
(クソッ!さっきあの光線を弾き返したせいで脆くなってやがった!長老製の殴打用ゴルフクラブだぞ!?あの光線、なんつぅ威力だ!)
ここで先程の、賽による
”異世界”において上は伝説の傭兵から下は軍人崩れのチンピラまで修めているこの剣法を応用し、賽は
それ故、今の賽は無手。麦野沈利と絹旗最愛という強力な能力者と、爆薬のエキスパート、フレンダ=セイルヴェンを相手をするには非常に心もとない。
だが、そんなことに拘泥する賽ではなかった。今彼にとって重要なのは、シノギの邪魔をしてきやがったクソッタレ畜生女集団を皆殺しにすることだ!
それ故、モデル女(麦野沈利)が携帯の着信を受け取ったとしても、関係なく女たちを殺しにかかった!
「殺す」
「超やらせませんよ」
そこに立ち塞がったのは絹旗最愛!賽の拳による一撃を危なげなく能力で防ぎ、カウンターの一撃!顔面に向かった一撃に、賽は頭突きを返す!
DOOOOM!!
「なっ……!」
(
「その薄っぺらいクソ皮、引っぺがしてやるよォ!クソガキィ!!」
頭突きを受けた箇所の
「ふざけんな!横紙破り野郎を見逃せってのか!」
『ソイツは新入りの統括理事会会員の一人、峰岸の子飼いだ!
「なっ……!」
「滝壺!逃げるって訳よ!あんな化け物と殺し合う場に居たら、結局、命がいくつあっても足りないって訳よ!」
「分かった」
「その薄皮引っぺがして、テメーの生身ィ磨り潰してやるよォ!!」
「……!」
絹旗と賽は、麦野と電話の相手との口論が耳に入らないほどに、殴り合いに集中!フレンダは非戦闘員滝壺を避難させに動く!
賽のストレート!絹旗は避けて胸に一撃!これをブリッジ回避し、賽は起き上がり越しのチョップ!絹旗はこれを
絹旗はたたらを踏むが、賽の一撃をかろうじて腕で防ぐ!それを受けて賽はさらにローを狙う!下がろうとする絹旗の足を踏みつけ、さらにロー!絹旗は無防備な賽の顔面を思い切り殴りつける!尋常の者なら頭が吹き飛ぶ一撃!
しかし賽は余裕で耐え、哄笑しながら頭突き!絹旗は両腕防御!そして殴り返す!賽は殴られのけぞりながら笑い、のけぞりから更に高威力の頭突きを返す!無論、絹旗の爪先は無慈悲な踏み付けで抑える!絹旗の
ZOOOOM!!
絹旗は何とか頭へのクリーンヒットを防ぐが、
一方賽はというと、目は炯々と輝き気力体力十分という様子で、吹き飛んだ絹旗に向かって歩き出した!
(くっ……超馬鹿げた怪物ですね。コイツは)
風向きが変わったのは、麦野の一言だった。
「……撤退だ!クソッ!」
「分かったって訳よ!喰らえゴロツキ!」
「テメェこのクソ共、がッ!?」
麦野の声に応じて、爆薬系西欧美少女フレンダ=セイルヴェンがペンシルロケット弾を賽に発射!煙幕と催涙ガスが襲い掛かる!その機に乗じて少女たちは撤退!
煙幕と催涙ガスが晴れた頃には、賽の目に見えるところには、襲撃少女達は影も形も見えなかった。
「……あのクソアマ共、今度会ったら必ずブチ殺してやる…………!!」
――『ストレンジの九龍城』ドロームの私室――
「……ハァ、ワシらを舐めすぎじゃろ、奴ら」
ドローム・A・ヴィスタは、『ストレンジの九龍城』にある己の私室でぼやく。統括理事会入りした後、自分たちに対する妨害が相次いでいる。特にひどいのは親船最中による、学園都市内カジノ合法化の反対運動だ。売春合法化は自重して取りやめたというのに、どうしてこんな扱いを受けねばならないのか。
そして今回の賽襲撃。他の統括理事会の連中が自分たちを敵視しているのは明らかだ。
「親船のクソには死んでもらうとしても、さて、どうすっかのう……」
自分たちをやたら敵視する統括理事会をどうするか、親船を見せしめにするか、そこからさらに殺すかを考え込んでいる最中、ドロームは珍しいものに気付いた。
自分がそばに置いておいたPCに、『スウォーム』の連中からメールが届いたのだ。普段彼らは自分にメールを送り付けてきたりはしない。それゆえ、この珍事はドロームの興味を引き、そして結果的には10月15日に、ある統括理事会会員が死ぬ遠因となった。
「何々……ヒョーッ!あのクソくたばり損ないクソババーの暗殺計画が進んどるって!?カカカッ!こりゃソイツ等に全部罪を押し付けてやれそうじゃの!!それに、暗部連中でドンパチが起きそうじゃと!?サイコーじゃな!こりゃ!クカカカ、クカカカカカカァァァーーーッ!!!」
ドロームの大笑が、 私室内に響き渡った……!
――『ストレンジの九龍城』屋上――
「クソッタレ……まさか長老が情報封鎖を受けてるとはな……あの売女共の行方がサッパリ分からなくなっちまった」
賽は『ストレンジの九龍城』の屋上で黄昏ていた。ドロームはデビュー時に派手に行き過ぎたせいで、他の統括理事会会員から爪弾きにされ、閲覧権限が制限されてしまっていたのだ。これでは自分に襲撃をかけてきたクソッタレクソアマ共の行方も、素性も分からぬ。
愛用していた得物は、幸いドロームが作った在庫があり、取り戻すことができた。しかし、殴る相手の情報が分からねばどうにもならない。途方に暮れていた賽の元にアーランズがやってきて、隣に座る。
「珍しいな。君がこんなところで黄昏ているとは」
「フン。お前こそ、『
「まあね。だがまだまだ、ゲームを楽しむためには準備がたっぷりと必要だな。少なくとも、君の仇討ちに参加することはできん」
「ケッ……仇討ちってほど上等じゃねぇ。シノギの邪魔をしくさったクソッタレクソ共を殺すだけだ。それに、奴らの事は何にも分からねぇんだ。どうにもならねぇよ」
完全に不貞腐れている賽にアーランズは笑い、朗報を話し出した。
「そんな君に良い知らせだ。蠢動からの知らせだが、この街の暗部で近々争いが起こりそうな雰囲気らしい。それに乗じて、彼女らを殺せばいいんじゃないか?」
「フン……そりゃ無理だ。あのときゃ頭に血が上って食ってかかっちまったが、よく考えりゃぁ俺は奴らの事はなんも知らねぇんだ。そんな下調べも何もねぇ状態で殺しにかかっても返り討ちにあうのがオチだ」
「正直、君も合わせて”異世界”の連中は割と自分を過小評価しすぎだと思うんだがね……彼女らの情報なら、ないこともない」
「何?」
「蠢動の部下の事は覚えているかい?彼らは元々、彼女らと同格の組織を率いていた関係上、彼女らの情報も持っていたのさ。彼女らは『アイテム』。女四人しかいないが、暗部でも最精鋭だそうだ。下部組織も多数抱えている」
その言葉を聞いて、賽は凶悪な笑みを浮かべる。自分のシノギを邪魔した畜生共(『アイテム』とかいうらしいが、どうでもいいことだ。どうせ標識名でしかない)を血祭りにあげることが現実味を帯びてきたからだ。
「こうしちゃいられねぇ。『スウォーム』の連中と話し合いをしねぇとな。……情報、ありがとよ」
「どういたしまして」
……10月9日。暗部抗争、勃発。
賽の
絹旗の格闘能力強すぎですかね?
※2023/11/27 誤字修正
※2023/12/09 加筆