とある外道の6人組   作:毛糸ー

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「とある外道の6人組」を読んでくださり、本当にありがとうございます!
継続して読んでくださっている方には感謝してもしきれません!

これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!

今回、原作では死ななかった人が死んで、死んだ人が生き延びます。ご注意を。

違和感のある描写など見つけましたら、どしどし感想欄などでご指摘ください!


3.死者と生者の交錯

――少年院・特別房扉付近――

 

 少年院に潜入した『グループ』は、概ね『スウォーム』の思い通りに事態が進んでいた。海原光貴、一方通行(アクセラレータ)は特別房に向かう途中で離脱した。あとはサングラス男が離脱してくれれば……。

 

「……アイツが離脱しようがしまいが、このまま殺るぞ。今のヤツならヒダルマの敵じゃねぇ」

 

「……知ってるのか?」

 

 サングラス男を睨む賽に、佐久が訪ねる。賽の目つきが、明らかに見知った相手を見るものだったからだ。それも、因縁の相手を。

 

「ああ。奴は土御門元春。必要悪の教会(ネセサリウス)に所属する魔術師だ。長老の調べじゃぁ、奴ぁ魔術を十全に使えなくなったらしい。魔術の使えねぇ魔術師なんぞ、ヒダルマのいいカモだ」

 

 一番の武器を失った魔術師ごとき、不死身のヒダルマならいいようにできるだろう。そう残忍に思考を巡らせる賽に、山手が声をかける。結標淡希とサングラス男はもう、すぐそばまで来ている。待ち受ける準備をしなければならない。佐久と山手もすでにPCをしまっていた。

 

「おい、口がにやついてるぞ。アイツ等はもう少しでここに来るんだ。にやついてるアンタを見て罠に感ずくかもしれねぇだろ」

 

「……ああ、すまん」

 

 賽が表情を直した直後、結標淡希と土御門元春がやってきた。二人は相応に消耗したようで、肩で息をしながらこちらを睨んでいる。

 

 ここからは、佐久と山手がどれだけ早く結標淡希を怒らせるかの勝負になる。土御門元春も来てしまった以上、サッサと畳みかけて奇襲しなければ罠に気付かれ、一人も殺せないという事態になりかねない。佐久は内心の緊張を押し殺しながら口を開く。

 

「ほう……『グループ』か」

 

「……この焼死体の山はなんだ?」

 

 土御門元春が特別房の扉の前に重なった焼死体めいた群を見て、不快感に目を細めながら佐久達に尋ねる。これには、山手が答える。

 

「侵入した傭兵共が焼き殺したここの警備員どもさ。まったく、学園都市製の火炎放射器はすげえな!」

 

「……結標淡希。あの扉についてる爆弾が見えるよな。お前が俺たちの要求に従わなかったら、アレがボン!と爆発して、お前のお仲間もこうなる」

 

 山手の発言に続けて、賽が淡々と脅しの言葉を口にする。土御門が賽を見つけてギョッとした表情になったが、直後、それ以上の変化が起こった!

 

 ブォ‼という轟音が突然響いた。歯を剥き出しにした結標の能力が暴走したのだ。天井にあった蛍光灯のいくつかが消滅し、壁や床へと乱雑に突き刺さる!彼らはこれをこそ待っていたのだ!賽は素早く犬笛を取り出し、鳴らす!

 

「!!結標!これは罠だ!」

 

「遅いんだよ!!クズ共!!まとめて、死ね!!」

 

「アバー!!」

 

DOOOOM!DOOOOM!

 

「くっ!」

 

 土御門の警告むなしく、焼死体の山から飛び出したヒダルマの体は燃え上がり、結標の顔面を掴んで、床に叩き付ける!間髪入れずにもう一度叩き付けると、炭化した結標の頭は完全に崩壊した!そのまま、即座に逃げだした土御門を追わんとする!

 

「ヒダルマさん!追わなくて構わねぇ!火を消してこっちこい!よくやった!」

 

 だが、賽がそれを押し留める。このままヒダルマが土御門を追えば、一方通行(アクセラレータ)とかち合う。猪突猛進しか能のないゾンビでしかないヒダルマは、この世のあらゆるベクトルを操る一方通行(アクセラレータ)に殺されることは無い。が、勝つことも出来ないだろう。

 

 最悪の場合、そのまま一方通行(アクセラレータ)がこちらにやってくれば皆殺しにされかねない。ここは結標の首一つで満足してそのまま引くべきだ。

 

「……お前ら何呆けてやがる。さっさと引くぞ。インチキ一方通行(アクセラレータ)にゃ、俺達じゃ勝てん」

 

「…………は!?いや、ヒダルマの体が」

 

「おれはヒダルマさんだ。アバー……」

 

「……ヒダルマさんの体が燃え上がったのに驚いてな」

 

 呆然としていた佐久と山手は、賽の一声で正気に戻る。そして、先程のヒダルマの体が燃えたことについて尋ねる。だが、解答は曖昧なものだった。

 

「……ゾンビなんだから体が燃えても良いだろうがよ」

 

「ええ……」

 

 その適当な答えにゲンナリしながらも、佐久と山手は賽と共に撤退のために自分たちが乗った車に向かった……。

 

 

――『ストレンジの九龍城』――

 

 『スウォーム』の手助けを終えた賽は、『ストレンジの九龍城』にヒダルマを伴って戻ってきていた。撤退時の車内で、ドロームから落ち武者狩りめいてうろついていたゴロツキ達が数人がかりで落武者めいた『アイテム』構成員を捕らえたと連絡があったからだ。

 

 すさまじく凶暴な笑みを浮かべながらチンピラ達が伝えた部屋に入ってきた賽の目に入ってきたのは、全裸で縛られ、転がされた金髪の小娘だった。賢明な読者諸君なら分かるであろう!彼女はフレンダ=セイルヴェン。『アイテム』の構成員である!

 

「よう、クソガキィ……三日ぶりぐらいかぁ?」

 

 猿轡をされて怯える彼女に賽は語り掛ける。目は殺意で爛々と輝き、口角は残忍に吊り上がったその姿を見て、フレンダは涙目になる。それを一切無視して賽は淡々と最終通告を下す。

 

「洒落てる命乞いをしたら助けてやらねぇこともねぇが……まぁ言いたいことがあるなら言ってみろよ」

 

 そう言いながら賽はフレンダの猿轡を外すと、後ろに回って首を掴んだ。フレンダがつまらないことを言えば、そのまま抹殺できるようにするためである……!フレンダは暫し震えていたが、意を決したように言葉を紡ぎだした……。




焼死体のゾンビなのだから、体が燃えてもいい。自由とはそういうことです。

※2023/12/09 加筆修正
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