とある外道の6人組   作:毛糸ー

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「とある外道の6人組」を読んでくださり、いつも感謝しております。
これからも鋭意書き続けるつもりですので、「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!
感想・高評価などくれるととっても嬉しいです!


1.無礼な客に出す茶菓子なんぞ、毒入りでいいよな?

――『ストレンジの九龍城』入口――

 

「ハー……暇だなぁ……俺もカツアゲに行きたかったぜ……ん?」

 

 『ストレンジの九龍城』の車両搬入口で見張りをするチンピラは、遠くに車を見つけた。退屈しのぎにその車を観察していると、どうやらこちらに向かってきているらしい。

 

(一応、長老に連絡を入れておくか……相手次第じゃ厳戒態勢をとる必要もあるだろうしな……!)

 

 むしろ、厳戒態勢になってくれた方がありがたい。存分に暴れられる。ほくそ笑みながら望遠鏡を覗き込んだ見張りチンピラの目には、車に乗る者たちの姿が鮮明に写っていた。アロハシャツのグラサン、そして運転手。

 

 このチンピラは知らないことであったが、車に乗っているのは学園都市でも最精鋭の暗部組織『グループ』のボスにして『必要悪の教会(ネセサリウス)』所属の魔術師、土御門元春であった……。

 

――数時間前・車内――

 

 『グループ』は『迎電部隊(スパークシグナル)』を撃退した。先日の暗部抗争で結標淡希を失ったとはいえ、人質の8割を無傷に抑えたその手腕は非凡と言ってよい。しかし、『グループ』の面々は残り2割の犠牲を無視できるほど非情ではない。

 

 そして、その彼らは自分たちのアジトで、何とかして学園都市上層部を出し抜くために考えを巡らせていた。手掛かりは『ドラゴン』なる符牒。

 

 一方通行(アクセラレータ)が倒した垣根帝督が持っていた超微粒物体干渉吸着式マニピュレーター、通称『ピンセット』を用いて、滞空回線(アンダーライン)と呼ばれる学園都市中に散らばった情報収集用ナノマシンから得た情報の中に紛れ込んでいた謎の符牒。

 

 それを探ろうとした途端、『グループ』に『迎電部隊(スパークシグナル)』の排除を依頼した統括理事会会員、潮岸が手下を差し向け『グループ』を消そうとしてきた。『グループ』のメンバーはそれぞれ逃げ延び、今は合流する機会を伺っているのだ。

 

 そして土御門元春は、今から『ストレンジの九龍城』に向かい、潮岸に対抗するために最狂の統括理事会会員『峰岸』、またの名をドローム・A・ヴィスタと名乗る『鋼龍』の首魁に協力を求めようとしていた……。

 

 『峰岸』と協力する旨を電話で知らせたところ、やはり色好い返事をもらうことはできなかった。一方通行(アクセラレータ)が言う。

 

『……そのクソヤロォと協力することなんざ認められねェな。やりたきゃ一人で勝手にやれ』

 

「ああ。俺一人で奴との協力は取り付ける。協力を取り付けることが出来たら、潮岸のシェルターの場所を送る。来たければ勝手に来い」

 

『…………』

 

 黙りこくった学園都市第一位をよそに、土御門は電話を切る。そして、既定の10倍の料金を出して『ストレンジの九龍城』近くまで運転させたタクシーの中で、土御門は『ストレンジの九龍城』を真っ直ぐに見ていた……。

 

――『ストレンジの九龍城』ドロームの居室――

 

「よくもまぁ、ここに単身で来たもんじゃ。感心するぞ」

 

 呆れながらドロームが話しかけた男は、土御門元春。暗部組織『グループ』の首魁である。彼は先刻、一人で『鋼龍』の現アジト、『ストレンジの九龍城』に乗り込んできたのだ。

 

「……他の統括理事会会員から村八分にされている貴様なら、『ドラゴン』の事を出せば食いつくと思ったまでだ」

 

「ハッ!『ドラゴン』について話したいと入り口ででかい声で叫ばれりゃぁ、入れる他無いわな!カカッ!……で、おんどれ。何話すつもりじゃ?」

 

 顔を覗き込んでくるドロームを努めて意識外に置きつつ、土御門はゆっくりと口を開く。ここから先は、下手なことを言えばそのまま殺され、『グループ』虐殺の狼煙になりかねない。慎重に、慎重に、少ない情報から、この化け物の興味関心を引く言葉を紡ぎだす……!

 

 このイカレ野郎の情報は多くない。恐らく最も『鋼龍』と交戦している、イギリスの『必要悪の教会(ネセサリウス)』、ロシアの『殲滅白書』ですら『鋼龍』の首魁の情報はほぼ無い。だが、やらねばならぬ。

 

「……潮岸のシェルターに俺達と一緒に襲撃をかけて、『ドラゴン』について聞きださないか?」

 

「…………ククク……クカカカカカカァッ!」

 

 仰け反って笑い出したドロームを見て、土御門は身構えるが、杞憂であった。そもそも、ドロームは『ストレンジの九龍城』に一人で乗り込んできたこの男に感心していたのだから。

 

「ええじゃろ!ここに一人で来た勇気に免じて、おどれらに乗っちゃる!」

 

 土御門は深く息を吐いた。何とか、この魔物の協力を取り付けることができた。後は潮岸のアジトに乗り込み、『ドラゴン』について聞きだすだけだ。

 

(さてさてさて!あの白ガキごとコイツ等消したるか!まずは潮岸に連絡を入れんとなぁ!『グループ』を消した礼に『ドラゴン』について聞き出せりゃぁ完璧じゃな!)

 

 土御門は気付いていなかった。同権限者視察制度の手続きのため土御門に背中を向けたドロームの表情が残忍な笑みに染まっていたことを。

 

 『グループ』の一員、一方通行(アクセラレータ)の『6人組』内での評判はすこぶる悪い。上条当麻に次いで嫌われていると言っても良い。絶対能力進化計画の中断、そして停止の件でザゾグが何度もブチ切れ、定例会が荒れたことは一度や二度ではない。

 

 そしてドローム本人も、”悪の調停者”面しだした一方通行(アクセラレータ)を心底嫌っている。その彼が属する『グループ』を消そうとするのは当然の心理と言えた……。




この作品中、一方通行(アクセラレータ)は割とひどい目にあいます。そのつもりで読んでください。

暗部抗争編の元々のプロットでは、黄泉川には死んでもらうつもりでした。
一方通行(アクセラレータ)には仏心を出した私に感謝してほしいですね!

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