これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!
――潮岸のシェルター――
「……これはどういうことなんだ?」
学園都市統括理事会会員、潮岸は困惑していた。彼の目に写るのは、『統括理事会会員による同権限者視察制度』の申請用紙である。
提出者は『峰岸』。0930事件以後に統括理事会に加入した狂人で、恐らく親船最中殺害の下手人。
しかし、潮岸が呆気にとられたのはそんなものではない。いや、正確には申請自体ではなく、その申請用紙に仕掛けられた透かし文字であった。申請書をあらためさせようとした矢先、部下がこの奇妙な透かしに気付いたのだ。
『PS.ワシは『グループ』の連中に脅されてこんなものをおんしに出す羽目になっちまった!今すぐ奴らを迎撃する準備をした方がええぞ!それと、ワシも『ドラゴン』については前々から知りたかったんじゃ。サシで話そうやないけ!』
「……どうします?」
傍らにいる配下の暗殺者、杉谷も困惑した表情で潮岸に判断を仰ぐ。その透かしの文面は、とても統括理事会会員が書いたとは思えないほどに粗暴な調子であったからだ。
「…………とりあえず、これを書いたのが奴本人であることは間違いない。……それと、奴とは一対一で話し合うことにする。お前たちは『グループ』の連中に対処しろ」
驚く杉谷・美濃部をよそに、潮岸は親船の末路を思い出す。『峰岸』に楯突いて死んだ愚かな女狐を。彼女は『峰岸』の提案したカジノ合法化に強硬に反対し、”夜道に気をつけろ”という事実上の殺害予告を受けたそのすぐ後に暗殺された。
そして『峰岸』は統括理事会議会の際に精巧に親船の首を模したマネキンを持ち出し、手で弄んでいた。『峰岸』は何も言わなかったが、統括理事会会は皆、『ワシに逆らう奴はこうなるぞ』という無言のメッセージを感じ取っていた。
その『峰岸』との会合に、自分だけ護衛を引き連れてくれば、間違いなく『峰岸』は激怒してこちらを殺しにかかってくるだろう。……そんな
――潮岸のシェルター――
ガシャン!!
外の足止めを土御門に任せ、潮岸のシェルターに乗り込んだ
(あとは……潮岸の部隊があのクソ共を始末してくれりゃぁ、万々歳じゃの)
(チッ……あの屑と潮岸のクソ野郎は共謀してやがッたのか?どちらにせよ、コイツ等を倒さないとどうにもならねェな)
ドロームは隔壁から遠ざかるにつれ、口角がドンドンと吊り上がり、ついには哄笑しだした。『グループ』の連中の、蠟燭めいてか細い命運を楽しむかのように。
「クカッ、クカカッ!調停者気取りのクソガキ!色ボケのスパイ共!纏めてここで!あの世行きよ!親船のように!何も為せずに!死ね!クカカッ!クカカカカカーッ!!」
――潮岸のシェルター・応接間――
学園都市の最高幹部、統括理事会の二人は正面から向き合っていた。間にあるのはテーブル。
「親船は死に!『グループ』のクソカスクズ共の命運も風前の灯!いやぁ、いいもんじゃの!邪魔者が勝手に消えて行くっちゅうのは!見せしめに自分の手で消すというのも面白くはあるが、この感覚も悪くない!」
最初に口火を切ったのは『峰岸』。この非道極まりない言動は、『峰岸』に限ってはすべて真実だ。彼は本心から邪魔者が死んだのを喜び、そして自分の手で殺すことを一切ためらわない。その上、その本性を一切繕おうとはしない。
統括理事会としては異質であり、それ故に恐れる者が多い。殺されたことさえ分かってもらえず、ただの心臓発作として処理され守ろうとした物も何も残らない親船の末路を見て、その恐れはさらに増大した。親船と並んで穏健派の貝塚も、彼に手を出そうとはしない。
黙りこくった潮岸を見て、ドロームは怪訝な表情をし、更に言葉を発する。潮岸にとって不愉快極まる戯言を
「ん?どうした?まさか、親船のクソアマ、おんしの愛人だったんけ?そうだとしたら趣味悪いのう……」
「ふざけるな。そんなわけがない」
「そんな怒んなや……あ、それと。『ドラゴン』について教えてもらいたいんじゃがの」
あっさりと。あまりにもあっさりと口に出された本題に、潮岸は数瞬唖然とし、その後何とか口を開く。
「……『峰岸』クン。君は『ドラゴン』についてどこまで知っている?」
「ククク……分からんから頼んどるんやないけ。ま、あのヘタレのアレイスターが有難がる奴じゃ。大体予想はできとる。ただ、確証を取りたいんじゃぁ。おんしの口から、教えてくれんけ?」
「あれは人の目に触れてはならないものだ」
皮肉気なドロームの言葉に気付くこともなく、潮岸はそう呟く。
「私は学園都市を守るために必要な事柄を一つ一つ果たしているに過ぎない。『ドラゴン』とは、それほどの危険な価値のある単語なのだよ。君は私を思わせぶりと称するだろうが、それは『ドラゴン』について詳しく知らないからだ。そして私も知らせるつもりはない」
そして、それにかぶせるように、ドロームは吐き捨てるように言葉を紡ぐ。潮岸が持つ『ドラゴン』についての過度な恐れを何とか取り除こうとするかのように。
「ケッ!こんな箱庭、何の価値があるっちゅうんじゃぁ……。おどれら、ただ知らんものに蓋をしとるだけやないけ。それじゃ暗闇を怖がるガキと変わらんぞ。……のう、おんどれ。ちっと教えてくれるだけでええんじゃ。あとはワシの後見しとる研究所の連中に分析させりゃええ」
「しつこいな。私の心は変わらない。あれは人目に触れるべき存在ではないのだ」
「……決裂、かのう。科学の最先端というから期待しておったが、上層部がこれではなぁ……」
『峰岸』がウンザリしたように言う。それに合わせてゆっくりと潮岸は立ち上がり、身にまとう
ドロームはドヤ顔してましたが、原作を見ればわかるように親船と一緒でもこうなってました。
現実は非情也。
美濃部(テクパトル)は普通にエツァリと戦ってリタイアです。