とある外道の6人組   作:毛糸ー

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読者の皆さん、「とある外道の6人組」を読んでくださり、本当にありがとうございます!
これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!


3.殺しと脅しは外道の華

――潮岸のシェルター・応接間――

 

「……どういうつもりじゃぁ?」

 

 ドロームは青筋を浮かべながら潮岸に問いかける。先程彼は駆動鎧(パワードスーツ)を纏った潮岸に思い切り殴られかけたのだ。だが、無傷だ。

 

「化け物め……!」

 

 潮岸は戦慄しながら駆動鎧(パワードスーツ)の拳を引っ込めようとする。しかしできない。『峰岸』、いやドロームに駆動鎧(パワードスーツ)の拳を掴まれているからだ。潮岸の驚愕を見なかったかのように、『峰岸』は続ける。

 

「のう、潮岸よ。ワシはおどれを弊履(注:はき潰した草履)めいて叩き潰した上で『ドラゴン』について聞き出すことも出来たんじゃぞ?」

 

 ドロームは淡々と言葉を続けていく。しかし、その調子はだんだんと興奮の色を帯びていく。

 

「それは誠意の現れに他ならんやないけ。それをお前、いきなり殴りかかってくるとは何事じゃぁ!」

 

 口調と共に口角までも吊り上がり、そして不気味な圧力を醸し出す『峰岸』を前に、潮岸は身じろぎも出来ぬ。そしてドロームのテンションは最高潮に到達する。

 

「もうおどれ、〆てもええか?よし〆る!〆ちまおう!」

 

 そう言っていきなりドロームはいきなり目潰しを放つ!ドロームの腕は駆動鎧(パワードスーツ)を豆腐めいて貫通し、潮岸の両眼球を過たず捕らえる!

 

「ぎぃあぁぁ!?!?」

 

 潮岸の悲鳴に構わず、ドロームは鼻歌でも歌うかのように駆動鎧(パワードスーツ)を粉砕し、剥き出しになった腹に一撃!

 

「ぐぼぉ!?」

 

「な、潮岸よ。死にとうなかったら『ドラゴン』について機嫌良う話さんかい」

 

 ドロームは中破した駆動鎧(パワードスーツ)を片手で持ち上げ、潮岸を尋問する。この数分後、キャッシュディペンサーめいて情報を吐き出した潮岸を弊履めいて投げ捨て、ドロームは潮岸のシェルターを非常口から出て行った……。

 

――第三学区・地下街――

 

ズ ド ォ ン ッ !

 

「さて、狩りの時間だ。精々楽しませてくれよ……!」

 

 血に飢えた狩人、O・スカーは破壊されたコンクリの壁から現れ、今回のターゲット、浜面仕上とフレンダ=セイルヴェンを見つける。

 

「ハハハ……」

 

「浜面っ!!フレンダッ!!超逃げてください!!恐らく彼らの狙いは私たちではありません!!むしろ本命はあなた達の方です!!」

 

「ハハハハハハアアァァァーーーッ!!!」

 

BLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!!

 

 獲物を見た狩人が為すことは一つ。獲物を狩ることだ。

 

 O・スカーは絹旗最愛を抑えるとりあえずの部下達に一切目を向けず、フレンダと浜面を追う!アンティークめいたピストルの5連射は当たらず。だがそれで構わない。拳銃はあくまで牽制。狩人の本懐は、自らの手で獲物を縊り殺す所にあるのだから。

 

「ちょ、ちょっと」

 

「その小娘は適当に始末しておけ!」

 

 突如暴走を始めたボスに唖然とする『影業部隊(シャドーパーティー)』の部下達を適当にあしらい、スカーは浜面とフレンダを追う!

 

「ちょ、ちょっと!?アイツ、こっちを追って来たって訳よ!?」

 

「フレンダ、煙幕、投げたら……?」

 

「わ、分かったって訳よ!滝壺!喰らえ!!」

KBAM!KBAM!KBAM!

 

 フレンダは滝壺からの指示を受け、煙幕ペンシルミサイルを投擲!しかしスカーは背中に掛けていたオベリスクめいた穂先の槍を手に取り、神速の薙ぎ払いを放つ!

 

KBOOOOM! BLAM!

 

 薙ぎ払いに巻き込まれ、ペンシルミサイル爆発!そして容赦なくスカーはアンティークめいた散弾銃を発砲!しかし、フレンダと浜面、そして彼に背負われた滝壺理后は、それに目もくれず逃げだす!着弾は無し!それを気にせず追うスカー!

 

「ハハハッ!ハハハハッ!」

BLAM!BLAM!

 

 この時、スカーは愉快の極致にいた。なんせ、獲物がおり、狩人たる自分がいる。邪魔するものは何もいない。しかし、彼の狩りを邪魔する無粋者が接近し、地獄の極光を放たんとしていた。

 

ZAAAAAAAAAAAAAP!

 

 スカーの感覚が凡俗のものであったなら、彼は狩りの喜びに浸ったまま死ねただろう。だが、彼の狩人としての鋭敏な感覚は、彼に死ぬまで狂喜の中にいることを許さなかった。それゆえ、彼は麦野沈利の能力、原子崩し(メルトダウナー)の一撃から間一髪で逃れることができたのだ。

 

「貴様ァーッ!!」

 

 スカーは狩りを邪魔する女に対して叫ぶが、女は目もくれない。この所、超能力者(レベル5)第四位、麦野沈利の傲慢さは浜面仕上に倒されてからも変わっていないと言えた。

 

 このままだと、麦野沈利の最期は無能力者(レベル0)ですらないゴロツキに心臓を一突きにされた上、腹いせに全身をネギトロめいたズタズタにされた、という不名誉極まりないものになりかねなかったが、スカーに送られた通信が、彼女を救った。

 

『お前、さっさと撤退しなよ?お前らは囮、本命は麦野なんだからさ』

 

「何だと……!?俺の狩りを邪魔した奴を、みすみす見逃せというつもりか!?……殺すぞ」

 

『おーおー怖っ!こいつときたら……だけど、ちんたらしてたらお前らのボスに迷惑がかかるかもねぇ?』

 

「貴様、必ず殺す。震えて待っていろ」

 

『全く、こいつときたら、そんなことはできないんだっての!』

 

 『アイテム』を担当していた『電話の声』に促され、スカーは誰にも悟られず撤退。超能力者(レベル5)の雪辱戦が、始まった。




O・スカーのモデルはbloodborneの狩人です。

潮岸のシェルターには自分だけ逃げるための非常口がきっとある……!!
潮岸さんはそういうロマンが分かるお方……!

やっぱりニンジャスレイヤースタイルで書こうかな……。

19巻の麦野対浜面、直前まで暗部残党達が一杯おったのに、妨害一切ないんですよね。だから現場指揮官とか、生き残ってた連中は『アイテム』担当『電話の声』に退却を促されたんじゃないかと思ってます。

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