とある外道の6人組   作:毛糸ー

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読者の皆さん、「とある外道の6人組」を読んでくださり、本当にありがとうございます!
これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!

※仮題名のままだったのでつけておきました。


EX.ショーの準備

――『6人組』定例会――

 

「ついにロシアが学園都市に宣戦布告したな」

 

 『6人組』の定例会でまず話題となったのは、後に第三次世界大戦と世に言われる、ロシア勢力と学園都市勢力との戦争の口火が切られたことであった。多々羅道雄によってもたらされたこの知らせを一番喜んだのは、生粋の戦争狂、甘粕義彦である。

 

「ククク……魔術師のバカ共も、戦争をしたくてたまらぬということだ!ウィンウィンよな!」

 

「ほんで、どうなんじゃぁ?おんしら、なんか暗躍しとるんけ?」

 

 今にも椅子から立ち上がって小躍りしそうな様子の甘粕に残忍な笑みを浮かべて問い掛けるのはドローム。世界を戦争で覆いつくすことを目指す甘粕達が、世界大戦という絶好のチャンスを逃すはずもないと思ったゆえの質問であった。

 

 そして、当然甘粕達は暗躍していた。第三次世界大戦の戦火を世界に広め、終わらない闘争の世界という、彼らにとっての楽土を作り上げるために。

 

「この素晴らしき闘争を傍で見ているだけなのは許されないとも!当然、傍観者ぶっている中東、アフリカ、中南米に我々の技術を売っている!無論、対立も煽っている!降って湧いたこの闘争の機会を存分に楽しむためにな!」

 

 『6人組』の面々は甘粕の長口上に動じることなく、今後の動きについて話していく。口火を切ったのは多田羅道夫。今回の第三次世界大戦中に、兵器を売りさばくつもりだ。

 

「対岸の火事である限りは、どんどん戦争が広まってくれる分には別にいい。学園都市の連中が勝手に技術を売り込んでくれる上に、”生物兵器”の売り上げも発展途上国を中心にどんどん伸びているしな」

 

 景気のいいタタラグループとは逆に、腐っても統括理事会会員のドロームには、避難命令が出ていた。しかし、そんなものに唯々諾々と従うドロームではない。

 

「奴等ァ避難せぇと言うてきたが、ワシは今後一切上層部の命令に従うつもりはない!……と伝えたら使者のガキ、キレとったわ!ロシアの連中に負けるつもりもない癖にの!」

 

 ザゾグも避難命令のナンセンスさを非難する。大体、科学技術だけで言えばロシアは学園都市にぼろ負けしており、学園都市に攻撃できる見込みなぞないのだから。

 

「……フン、アレイスターの犬の情婦なんぞ、門前払いをしてやれば良かったものを。どうせ学園都市の連中はロシアの奴等を虐めて兵器を売りさばくことしか考えておらんだろうしな。統括理事会会員の避難もポーズだろう」

 

 アーランズは相変わらず放言まみれのドロームとザゾグを見ながら楽しそうにしていたが、この狂人共が学園都市の裏側からちょっかいをかけられないようにしていた蠢動は疲れ果てた顔をしながら諫言した。効果は無いと分かっていたが、気休めが必要だったのだ。

 

「クククク……学園都市上層部の連中はジョークが上手いと見える。むしろ、ロシアの閣僚の方が避難が必要そうだというのにな」

 

「頼むから、それを外で言うなよ……。貴様らが学園都市上層部の連中に目をつけられたら苦労するのは俺達なんだからな!」

 

 そして、今後の動きを話し合いながら『6人組』の定例会は更けていった……。

 

――”異世界”ラミーハウス――

 

 時間が前後するが、ロシアによる学園都市への宣戦布告の少し前。ドロームは”異世界”に戻り、旧友と麻雀に似たトランプゲーム、ラミーをしていた。薄汚いカーキジャケットに身を包んだペテン師、ギ・ホヴェルグが、カーキの帽子を直しながらドロームに問いかける。

 

「別世界での暗躍は上手く行っているのか?」

 

「ま、そうじゃの。奴ら、魔術師しか敵はないと思い上がっとるからな。ゴロツキ流を見せてやったらまあ狼狽えること狼狽えること!見とって痛快なくらいだったわ!クカカカカカカッ!」

 

 高笑いするドロームを五月蠅そうに見る胡乱な老人は自分の手札の悪さに舌打ちしながら、腐れ縁に話しかける。この老人、ヤマンソは賭け事に弱いうえ人格もクソジジイであり、ドローム達が戦っている十字教勢力を八つ当たり感覚で壊滅させる気なのだ。

 

「チッ……儂も連れていけ。小僧。憂さ晴らしがしたい」

 

「おんし、ブタだからと言うて、八つ当たりはようないぞ……」

 

「ヒヒヒ……悪いね、上がりだ」

 

 クソジジイの無法極まる発言にドロームが諫言しながら手札を捨てたその時、薄汚い衣の塊、正確にはそれを纏う者、アイホートがあがってしまった。点数の集計をしながら、アイホートは剣呑な表情でドロームに問いかける。

 

「時に、オマエラが相手している宗教、博打を禁じているのはホントか?」

 

「その通りよ!クカカッ!」

 

 ドロームの首肯を見て、アイホートの表情が剣呑なものに変わる。アイホートは生粋の博打狂いであり、博打が存在しない国、博打を禁じる国はディストピアであり、滅ぶべきものだと考えていることを考えれば、無理からぬことであった。

 

 周囲のラミーハウスの客がドローム達の机から離れるほどの異様な気配が漂いだしても、ドロームは平然としながら言葉を続ける。それは、第三次世界大戦において引き起こされる大惨事を予言するような言葉だった……。

 

「まぁ、安心せぇ!奴らのでかい派閥は近々壊滅させて、骨抜きにするつもりじゃて!」




何か麻雀出来る人ってかっこいいイメージがあるのは私だけでしょうか。
麻雀のルールはよく分からんので、麻雀に似ているらしいトランプゲーム、ラミーで代用してみました

※2023/02/8 本文の修正
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