とある外道の6人組   作:毛糸ー

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「とある外道の6人組」の読者の皆さん、いつもありがとうございます!
これからも一生懸命執筆するつもりですので、「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!


A.ローマ・南米・ロシアから選べる殺戮ツアー! ①

――ブラジル・サルヴァドール大聖堂――

 

 第三次世界大戦が始まった次の日、一応ローマ陣営に属している南米ローマ正教陣営は、地獄に叩き落された。

 

 『鋼龍』同盟組織の『謝肉祭』構成員達が突如サルヴァドールの中央に出現。市民を喰い散らかしながらサルヴァドール大聖堂へ突撃していった。そして、サルヴァドール大聖堂側は逃げてきた市民を受け入れ、『謝肉祭』に対し徹底抗戦体制をとった。

 

「急げ!防御網を立て直せ!奴らを第三防衛ラインで食い止めろ!」

 

「正規軍は何をしているんだ!?他国を攻めている余裕などないだろう!?」

 

 件のサルヴァドール大聖堂では、修羅場が広がっていた。突如現れた『謝肉祭』により電撃的な襲撃を受け、孤立状態に陥ったのだ。ブラジル政府も以前から燻ぶっていた南米への覇権意識が、第三次世界大戦によって爆発。南米各国に侵攻を始め、国内は手薄となっていた。

 

 現在、サルヴァドール大聖堂の第二防衛ラインまで肉の軍勢に押し込まれている。この第三次防衛ラインを突破されれば、魔術師達はもちろん、力のない女子供までも殺戮されるだろう。実際、逃げ遅れた子供や女性が、奴等が持つ異形の肉体に押し潰され、斬り潰され、殴り潰されている。

 

「攻性結界、展開しました!」

 

 作業をしていた魔術師の声が上がる。南米に進出した十字教が、異教の者たちを退けた伝承を元に作られた結界は、『謝肉祭』に所属する異形の怪物共にも効果があった。一気に魔術師達、そして避難してきた者達を襲わんと突撃してきた彼らは、攻性結界に衝突した直後、その体全体や一部が焼け落ちたのだ。

 

「「「グワーッ!?」」」

 

「よし!効いているぞ!」

 

 結界に阻まれている隙に、サルヴァドール大聖堂側は二の矢を用意する。奥から出てきたのは、個のサルヴァドール大聖堂の長、大司教である!その恰好は異様であった!十字教で扱われる処刑具をゴテゴテにとり付けた、灰色の修道着を身にまとい、頭にはコルコバードの『神の子』像めいた意匠!

 

 無論、突如大司教が奇怪衣装趣味に目覚めたわけではない!これこそ、ブラジル正教派の決戦霊装。『神の子』の処刑から派生し、十字教で使われてきた処刑の伝承をもって、敵を討つ魔術を発動する……!

 

「「グワーッ!?」」

 

「アババ、アバババーッ!?」

 

 大司教が祈ると、電灯に集まる蛾めいて結界付近に集まっていた『謝肉祭』の者達に、処刑の伝承を利用した魔術が襲い掛かる!火あぶりの伝承を利用した業火が、磔刑の伝承を利用した十字と荒縄が、串刺しの伝承を元にした槍が、冒涜的な肉の塊共を屠っていった……!

 

――スペイン・アルムデナ大聖堂――

 

 情熱の国スペイン。その首都、マドリードにあるアルムデナ大聖堂は、『剣の契約』に攻め込まれ、その命脈は今まさに絶たれようとしていた。司教以下、上層部は早々に避難し、結果的に捨て駒にさせられた魔術師達は全滅。

 

「いやぁ、助かりましたな」

 

「そうですな。彼らも主の元に行けて本望でしょう」

 

「ここはローマに逃げ、援助を乞うのが良いかと」

 

「しかし、あの野蛮人共め、我等スペイン星教派に手を出すとは……彼らの頭は主の恩寵を理解できないらしい」

 

「精々、イギリス清教やロシア成教相手に遊んでおればいいものを!」

 

 そして、犠牲になった魔術師達を一切慮ることなく、尻尾を巻いて逃げだした司教やそれ以上の地位の者達は、避難用の馬車めいた霊装で好き放題戯言をほざいていた。この霊装はあの『歩く教会』にも匹敵する防御力を持つ。彼らは、野卑なチンピラ共風情にこの防御を破れるわけがないと高を括っていた。

 

 だがしかし、彼らは無知ゆえに、『剣の契約』、ひいては『鋼龍』の生まれ故郷である”異世界”の住人が持つ暴力への異常な情熱を見くびっていた。

 

「「「アイエェェェ!?」」」

 

 突如、霊装の屋根を日本刀の刃が貫く!上層部は悲鳴をあげる!日本刀は天井を円形に切り抜き、切られた天井ごと、素浪人が霊装内部に落ちてきた!彼こそは『剣の契約』棟梁、笹浪である!

 

「あ、ありえない!この霊装が破られることなど……!」

 

「な、なんだコイツは!誰か!誰か!」

 

「目に見えるものしか切れぬのは二流の剣士だ、と言っておったのはどこの誰だったか……」

 

 司教達の怯える声をよそに、牧歌的な独り言をこぼしながら、笹浪は剣をかまえる。目の前の連中を斬り殺すために。大上段に刀を構え、一人目を斬り殺そうとした矢先、一人の司教が命乞いしてきた。

 

「ま、待て!助けてくれ!貴様が欲しいものは何でもくれてやる!だから、私だけは……!」

 

「き、貴様!」

 

「栄えあるスペイン星教派の一員として、恥ずかしくないのか!?」

 

 笹浪は命乞いに伴う周囲の糾弾を気にすることなく、黙考する()()をして見せる。周囲の司教、大司教達が安堵の顔色になってきたところで、笹浪は一気に彼らの首を刎ねる!

 

SPLAAAAAAAAAAASH!!!

 

 宗教家の首から噴水めいて吹き出る血飛沫の中、笹浪は飛んできた生首を掴む。その首は、最初に命乞いをしてきた司教のものだった。というよりも、自分でこの生首が自分の元に飛んでくるよう調整したのだが。そして、彼らに種明かしの言葉をかける。

 

「ああ、私の欲しいものはもうもらったよ。君らの首だ」




ブラジルが覇権意識を剝き出しにしたのは、『6人組』の()()()()の策略です。

今作初のオリジナル霊装です。何か不備などありましたら、感想でご指摘ください。

※2023/03/23 修正
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