とある外道の6人組   作:毛糸ー

56 / 203
「とある外道の6人組」を読んでくださり、本当にありがとうございます!
これからも執筆していくので、是非「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!


A.ローマ・南米・ロシアから選べる殺戮ツアー!➂

――ブラジル・サルヴァドール大聖堂――

 

 魔術師達と『謝肉祭』との争いは膠着状態に陥っていた。確かに、肉の軍勢は結界にたどり着くことも出来ずに死んでいる。だが、止めどない肉の軍勢は、津波めいて押し寄せ、前線の前進を許さない。一応の戦線を築いて、もう5時間立つ。

 

 眠ることが許されないかのような熾烈な闘争は、突如終わりを告げた。だが、それはサルヴァドール大聖堂にいる魔術師達の勝利を意味しなかった。きっかけは、体を焼かれながらも結界に虫めいて張り付く影が現れたことだった。

 

 当初、魔術師達はこの影を気にしていなかった。どうせ、結界に焼かれてそのうち堕ちるだろうと、皆が予想していたのだ。だが、影はしぶとい蟲めいて張り付き、眼下の()()をギラギラした目玉で睨みつけていた。

 

 大量の腕を生やし、影の太陽めいた有様と化した影、つまり『謝肉祭』の長ハイドラは、この弱弱しい薄皮をぶち破り、眼下に広がる脳髄を一番に啜るために、生やした腕腕に力を籠める!力がこもるたびに、結界は軋み、ヒビが入り、ついに壊れた!

 

「なっ!?」

 

 結界が破られたことに気をとられ、上を見上げてしまった魔術師達は、肉の津波に飲み込まれた。そして、肉の軍勢、ひいてはそれを率いるハイドラに魔術の一撃を加えようとした者達には、脳髄にハイドラのストロー舌が突き刺さった。そして奇跡も何も起こることなく、そのまま脳髄を啜られ、死んだ。

 

 肉の狂騒の後、残った者は元は大聖堂だった廃墟ばかり。肉の軍勢は魔術師・避難者の区別なく食い尽くすと、次なる獲物のため、ある者は肉の車輪めいて転がり、またある者は皮膜を作り出して空を飛び、消えて行った……。

 

――フランス・抜け道――

 

 フランスからイタリアへと向かう抜け道を走るトラックのコンテナ内には、『剣の契約』の外道共がわんさか乗っていた。無論、トラックの運転手の方も堅気ではない。『鋼龍』所属の、バック運転での殺しを好む殺人鬼である。

 

「やっこさん、来なすったぜ」

 

 運転手がトラックの上に座す笹浪に、トラック、ひいては『剣の契約』を止めに来た魔術師の到来を伝える。彼らは一様に殺気立っており、『剣の契約』がフランス国内でやらかした凶行のおぞましさを感じさせた。

 

 魔術師達が運転手目掛け一斉に魔術を放つ!トラックの停車と共に笹浪は飛び降り、それらを切り払う!それを機に、一気に魔術師達が襲い掛かってきた!

 

「貴様らはどれだけ!死をばらまくつもりだ!無辜の市民も!幼子も!のべつまくなしに殺して!何を望むというのd」

 

「話が長いぞぉ」

 

 笹浪は糾弾魔術師を一刀両断!薄ら笑いを浮かべながら骸を生み出すその姿に、若輩の魔術師は激怒する!

 

「貴様ァーッ!」BOOOM!

 

KRACK!KRACK!KRACK!

「ハハハ。全く、殺されるというのに、勤勉な事だ」

 

「そんな薄ら笑いを浮かべていられるのも、今の内だ……!」

 

 怒号と共に放たれた魔術群を全て切り払い、余裕を見せる笹浪に、苛立ちを含みながらも答える年嵩の女魔術師。彼女には勝算があった。迷彩魔術を使用した魔術師による不意打ちである!だが彼らは忘れていた。目の前の殺人鬼は、魔術師達の常識を超えた怪物であることを。

 

「なるほど、そこか」

 

「がっ!?」

 

「!?貴様、何故分かっt」

 

「き、貴様ァーッ!!」

 

「貴様五月蠅いぞ」

 

「アバーッ!?」

 

 女魔術師の何か狙いがある言葉から伏兵を察知した笹浪は、小刀投擲!伏兵即死!女魔術師も返す刀で殺害!残った若輩魔術師は激して突撃!しかし鎧袖一触!瞬殺!

 

「さて、行こうか。もっと殺しに」

 

「クヒヒヒッ!了解、了解ぃ……」

 

 そのままの勢いで、笹浪はトラックに飛び乗り、トラックは抜け道を走りだした……。

 

――ロシア・大聖堂前――

 

 ロシア成教の本拠地の前に、トラックが止まっていた。そこには、『鋳鉄工業』の兵隊と兵器がしこたま詰められ、ロシア成教抹殺への恐るべき意気込みを感じさせた。車内から大聖堂を望むは、『鋳鉄工業』の幹部、オールトキング。

 

 このオールトキング、生粋の殺人鬼である。さる革命組織に『人を殺したいから』という理由で加入し、虐殺をしまくってその咎で脱退させられそうになった時には、逆ギレ気味に革命組織の上層部を殺戮し、壊滅させた。

 

 その後、その狂った経歴が『主任』の目に留まり、『鋳鉄工業』の食客となった。彼自身は何ら体に改造を施していない。ただその、殺戮の中で鍛え上げた柔道の腕一つで、非道兵器を組み込んだ狂人共と肩を並べているのだ。

 

「……始めようぜ」

 

「qq」

 

 オールトキングの声に応えたのは、四脚ロボット。彼の名は戮鮫(りくざめ)。不本意な言語野破壊手術を受け、まともな言葉を喋れなくなった元軍事企業所属の改造兵士である。その彼は今、肩に仕込まれたミサイルポッドを露出させ、大聖堂めがけてミサイルを撃ち放つ!

 

KABOOOOM!KABOOOOM!KABOOOOM!

 

「クククク……革命の始まりだ……!」




アンケート機能、使ってみようかな……。

今作はニコライおじさん大勝利!……とはいかないものの、ワシリーサはそこそこひどい目にあいます。

戮鮫の姿は丁度、ACVのB2K四脚バージョンです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。