これからも懸命に書いていきますので、「とある外道の6人組」をどうぞよろしくお願いします!
一気に時が飛びます。具体的には20巻から22巻の終盤あたりまで。
そして胸糞シーンがあります。ご注意を。
――モスクワ・大聖堂最奥部――
KABOOOOM!!
爆炎と共に吹き飛んだ大聖堂の奥に続く扉と共に現れたのは、戮鮫とオールトキング。一度侵入してしまえば、あとは容易かった。戮鮫に備え付けられた兵器群が、魔術師達を消し炭にしたのだ。
そして、大聖堂の大広間には、一人の冴えない司教めいた中年男がいた。恐らく、男は多くの手駒を抱えていたのだろう。しかし、同時多発的に生じた『鋳鉄工業』の襲撃によって、部下を方々に派遣せねばならなくなった結果、こうして一人で侵入者達を迎え撃たねばならなくなったのだ。
「き、貴様ら!これは、何のつもりだ!」
冴えない司教、ニコライ=トルストイは震えながら侵入者を誰何する。権力を手に入れるためローマ正教のフィアンマの手を借りた卑怯者とはいえ、この蛮行を見逃すほどニコライは阿呆ではない。だが、あまりに遅すぎた。
「寝てろ。起きたら世界が変わってるぜ?」
「え」
KRAAAAASH!
突如眼前に黄色い柔道着の怪人物が現れたかと思うと、ニコライは謎の浮遊感を感じた後、意識を失った。一体この小物司教に何が起こったのか?
読者の皆さんの中に、トンボ並みの動体視力の持ち主がいたならば見ることができたであろう!凄まじいすり足で一瞬にしてニコライに接近し、装束を掴むと、そのまま頭から床に叩きつけるように投げたオールトキングの姿を!
やすやすと障害を排除した戮鮫とオールトキングは、大広間の奥に進む。その先の扉の向こうにいる、ロシア成教総大主教を殺し、もってロシア成教の歴史に幕を下ろすために!しかし、それを止めるために、彼らの元にやってくる女がいた。
女の修道女装束は血に加えてオイルにまみれており、『鋳鉄工業』構成員を相当数屠ったことがうかがえる。女の名はワシリーサ。『一本足の家の人食い婆さん』という強力な魔術を操る、『殲滅白書』の長である!
「……一本足の家の人喰い婆さん。誠実で非力な娘に力を貸して」
KRAAAAAAAAASH!
怒りと共に魔術の詠唱を行いだしたワシリーサはしかし、突如浮遊感に襲われ、そのまま意識を断たれた。先程のニコライ同様、一瞬でオールトキングに接近され、頭から投げられたのだ。ニコライの場合と違い、頭蓋を粉砕されたが。
ワシリーサを投げ潰し、残身するオールトキングは再生し始めるワシリーサの頭蓋に気付き、踏みつぶす。それと同時に、戮鮫に対し顎をしゃくる。総大主教を殺させるために。そうして、再生し続けるワシリーサの体を踏み潰しながら、ニヤニヤ笑いを続けていたオールトキングだが、残忍な思い付きを呟いた。
「丁度いい。戮鮫、総大主教をここに引っ張ってこい。この女の目の前でバラバラにするとしよう」
死にながら、怒りのあまり体を震わせるワシリーサ。だが、オールトキングは何も、悪趣味だけで斯様な見せしめを命じたわけではない。一応は革命組織にいた経験上、総大主教が死んだことの証人が必要だと悟っていたのだ。
「変な生存説が出てきたら”革命”がパーだからなァ……」
証人が誰もいなければ、権力者の生存説はついて回る。それを旗印にして再びロシア成教徒が結集されては面倒である。それゆえ、死なないワシリーサを
「8j8hq8eq49」
苦言めいた雑音を吐き出しながら、戮鮫は奥の扉に消えて行く。ワシリーサは殺されながら血の涙を流したが、どうにもならぬ。程無くして、武装のとっかかりを利用して総大主教が連れ出され、地面に落とされた後はそのまま……
KABOOOOM!
……榴弾で体を消し飛ばされた。ワシリーサはもはや、思考できなくなっていた。戮鮫やオールトキングが消えた後も、ワシリーサは総大主教だった焦げ跡を見つめていた……。
――バチカン・聖ピエトロ大聖堂――
元ローマ教皇マタイ=リースが返ってきた聖ピエトロ大聖堂は、一時の安堵感が消え去り、焦燥と狂騒渦巻く戦場と化していた。
「奴らを通すな!マタイ=リース様が『ベツレヘムの星』を解体する方策を組み立てるまで、ここを死守しろ!」
『剣の契約』が、トラックと共にバチカン大聖堂に突っ込んできたのだ。現在、マタイ=リース以下数名の魔術師達が、右方のフィアンマの企みを阻止するために、聖ピエトロ大聖堂地下で資料を漁っている。『剣の契約』がそれを邪魔することだけは防がねばならない。
だが、地下室前であからさまに防御を固めていては、ここに何かあります、と言っているようなものだ。事実、『剣の契約』の棟梁、笹浪は敵の布陣の不自然さに気付いていた。
「地下室に
笹浪が刀を振り上げ、魔術師達を殺そうとした時!不思議なことが起こった!
KABOOOM!
「グワーッ!?グワーッ!?」
(なんだ!?この火は!?この呆けた面からして、ローマ正教の連中によるものではないな……!)
突如笹浪の体を緑の炎が襲う!『剣の契約』の他構成員も緑に燃え上がり、もがく!しかし、もがきながらも笹浪は、この緑の炎の法則性を見抜いていた……!
(地下室から離れれば、火勢は弱まる……!?このままでは焼け死ぬ!撤退もやむなし……!)
「貴様ら!出直しだ!逃げるぞ!」
かくして、『剣の契約』は緑の炎にまかれて撤退した。しかし、ローマ正教は無視できぬ出血を強いられ、一時は解消しようとしていたタタラとの同盟関係を続けることを強いられた……。
――???――
「どうやら上手くいったようだな。笑える悲劇をもたらす組織には存続してもらわねば……」
「ヤク」
「ん?」
「ヤクくださいよ。ヤク。奴らを止めたんですから」
「……いや、
「…………ア”ア”ア”ァ”ァ”、ダリい……クソ、あの野郎、世界を救うとか言いやがって……」
この後、世界に悪意渦巻く状況でありながら、右方のフィアンマが世界中の悪意に対して発動した『聖なる右』は出力不足で幻想殺しに負けた。だが、その敗北は真正の腐れ外道共による妨害があってのものであることは、空中要塞『ベツレヘムの星』で激闘を繰り広げた当人たちは知らなかった……。
この章、ちょっと出来に満足いかないところが多すぎますね……書き直すかもしれない。
突然の緑の炎と謎会議については、新約に入ってから補足します。
感想・高評価などいつでも待っております!
※2024/02/08 修正