とある外道の6人組   作:毛糸ー

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A’.長老は激怒した

――学園都市統括理事会会議――

 

 第三次世界大戦中の統括理事会の会議にて、明らかな欠席があった。統括理事会会員、貝積継敏(かいづみつぐとし)は欠席者の名前を見ると、眉をひそめた。あの『峰岸』が、欠席?あの、対して重要でもない会議にまで出張り、散々引っ掻き回すことを楽しみにしているようなロクデナシが?

 

 ……当初貝積は、『峰岸』を統括理事会から排除するつもりであった。恐らく、多くの統括理事会がそうであったように。だが、排除に動き出そうとした矢先、親船が死に、そしてあの悪趣味なビデオが届けられた。

 

 そのビデオには、警備員(アンチスキル)が凄惨に殺される映像が記録されていた。だが、顔面は学園都市のディープフェイク技術により、当時統括理事会に所属していた者たちに加工されていた。この残虐ビデオのメッセージは明白だった。

 

「我々はお前たちを、いつでもこんな風に殺せる」

 

 その日から、『峰岸』および彼が率いているらしきゴロツキの集団に対する、統括理事会からの妨害が消え去った。

 

(何を企んでいる……?)

 

 貝積は、欠席した『峰岸』について、腑に落ちない、何か気持ち悪い感触を覚えていた……。

 

――ロシア――

 

 結論から言うと、貝積の懸念は全く当たっていなかった。いや、ある意味当たっていると言えるのかもしれない。現在『峰岸』、つまりドロームは、僅かな配下を引き連れロシアにいた。右方のフィアンマを暗殺するためである。

 

「長老、フィアンマとかいう奴のため()()()ロシアに来たのか?」

 

 普段着のドロームと違い、たっぷり厚着をしているキラーBが尋ねる。彼は”異世界”でバリバリシノギをしていたところ、突如このクソ寒いロシアに呼び寄せられ、非常に不機嫌なのだ。既に彼らを誰何しようとしたロシア兵数名を銃底で殴り倒している。

 

「いや、機を見計らえりゃぁ、一気に邪魔者を始末できそうでな。おんし、覚えとるけ?上条当麻とかいうツンツン頭のガキを」

 

 ドロームの言に、キラーBの目つきが変わる。彼は己のシノギを邪魔した者を決して許さない。”この世界”で彼のシノギに茶々を入れてきた『絶滅犯』には、すでに数名の刺客を送っている。そして上条当麻は、彼にとってシノギの邪魔者という訳ではないが、因縁深い相手ではあった……。

 

「……あの寝言を大声で言ってそうな小僧か」

 

「フィアンマの操る魔術はの、『聖なる右』ちゅう、『倒そうと思った相手を一瞬で倒す』てな滅茶苦茶な代物よ。奴と上条当麻が対決するときに、奴は『聖なる右』を最大出力で用いるじゃろうな。そん時に奴の脳髄を操作して、『ワシらの敵』を標的にさせて鬱陶しい奴らを皆殺しにしてやろうっちゅう寸法よ」

 

「……相変わらずえげつないことするな。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ドロームは、彼らの位置からだとゴマ粒めいて見える巨大空中要塞『ベツレヘムの星』を指さして、堂々と卑劣な真似を行うことを告白する。今までドロームは、フィアンマと上条当麻の因縁を『盗み見』で見てきたのだ。それゆえ、彼らの関係性もよく知っている。

 

 フィアンマと上条当麻は間違いなく対決するであろう。その時にドロームが持つ能力の一つ、『傀儡(くぐつ)の糸』でフィアンマの脳髄を操作し、『聖なる右』を『6人組』の敵へ撃たせ、邪魔者を一掃しようとしているのだ……。

 

「だからさっきからチラッチラ『盗み見』をしていたわけか。だが、こんな寒風吹きすさぶ中、フィアンマとやらが『聖なる右』?とかいう魔術?を発動するまで待つのは現実的ではないぞ」

 

「そういうと思ったわい。今までワシらがどこに向かっとんのか、分かったかのー?……ワシらは『錆び鎖派』のアジトに向かっとるのよ。そこにあるストーブで暖まりながら待とうやないけ」

 

 ドロームは遠くを指さしながら、寒さで頭が全然はたらいていないチンピラ達と、不機嫌なキラーBを先導して、『錆び鎖派』のアジトに歩いていった……

 

――『錆び鎖派』アジト――

 

「ヒャーッ!あったかけぇぜ!」

 

「生き返る……!」

 

「酒だ酒だ酒だ!ヒック!」

 

 『錆び鎖派』が人力で凍土を掘り進んで作った洞窟の中で、ドローム達はくつろいでいた。『錆び鎖派』はドローム達を歓待する用意を一切していなかったが、寒中を進んできた彼らにとっては、寒風を防ぐ壁と、体を温める暖房と酒があれば充分であった。

 

「悪いのう、急に訪ねてきて」

 

「いえまぁ、大丈夫でさぁ。俺達は今回、『殲滅白書』とやらを壊滅させればいいだけですしね」

 

 ドロームの軽い謝罪に、ヒラの『錆び鎖派』の構成員が答える。現時点でロシアにおける『錆び鎖派』の仕事は、ほぼ終わったと言っても良い。『錆び鎖派』はワシリーサとサーシャ=クロイツェフを除き、『殲滅白書』の連中を全滅させたのだ。

 

 ニヤリ、と笑いながらドロームは『盗み見』を発動する。そのまましばらくの間はチンピラ達とキラーB、『錆び鎖派』構成員達は互いに情報交換をしたり、つまらぬ雑談をして、ドロームから意識を外していた。ドロームが行おうとしている作業は、多大な集中が必要だと本能的に悟ったからだ。

 

 だが、しばらく時間がたった時、突如ドロームは立ち上がり、明らかに激昂しながら何か口汚い罵りを吐き出しながら、懐に入れていた生首を投げつけた!壁にぶつかった生首はザクロめいて爆裂!激怒したままドロームは『錆び鎖派』のアジトから出ていく!

 

 慌てて追いかけるチンピラ達とキラーB。ドロームを追うチンピラが、つまらぬジョーク以下の戯言を発した。

 

「これはアレだな、長老は激怒したってやつだ」




ロシア成教の『殲滅白書』の連中、原作で出番あるんだろうか……。
アイツら、全然出てこないし、出てきても活躍がしょっぱいからなぁ……。
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