とある外道の6人組   作:毛糸ー

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EX.次のシノギへ

――ロシア・森の中――

 

「な、何なんだ!何者なんだ貴様は!」

 

「死神、とでも言うてほしいんか?」

 

 浜面仕上は、戦慄していた。彼と滝壺理后、フレンダ=セイルヴェン、麦野沈理は先ほどまで学園都市の部隊に包囲され、絶体絶命の危機に陥っていた。……だがそこに、()()()()()が乱入してきた。

 

 明らかにゴロツキ然としたその集団はしかし、極めて効率的に学園都市の部隊を()()した。奇怪な義眼をつけた男がいきなり拳銃を連射した隙をついてゴロツキ共は手持ちの武器で学園都市の部隊員達を()()()()()

 

 そうして学園都市の部隊はあっという間に一掃され、もはや彼らの主であったヘルメットの女しか残っていない有様であった。女の命も、いまや風前の灯火。一党のリーダーらしき包帯を身体中に巻き付け、全体的にくたびれた燕尾服の男に、首を掴まれ、持ち上げられていた。

 

「こ、こんな事をして統括理事会が黙っているとでも……!」

 

「あー……本当に、本当に申し訳ないんじゃがな?統括理事会に、『峰岸』っちゅう奴がいることは理解しとるけ?」

 

「……まさか、貴様がその『峰岸』だとでも!?貴様がいくら無法者そのものの『峰岸』であったとしても、統括理事会会長直々の命令には逆らえないはずだ!!こんなところにいるはずが無い!!」

 

「残念ながら、おるんだなァ、これが」

 

 『峰岸』と名乗る男は、残忍に笑うと、ヘルメット女の首をへし折った。そして、浜面に向き直る。暗部とも違う、異質な暴力の気配を滲ませながら……。

 

「さて、浜面仕上よ。よう今まで生き残りよったものよな。褒美をくれてやる。喜べ。コイツ等を皆殺しにして機嫌がいい。素養格付(パラメータリスト)について詳しく教えたる」

 

――『6人組』定例会――

 

「フィアンマのカスが想像以上にカスだったのォ…………あれだけお膳立てしてやったのに負けよって。ハァァァァァァ………………」

 

 第三次世界大戦が終わった後の『6人組』定例会では、珍しくドロームがローテンションだった。ため息をつくドロームをアーランズが慮る。だが、第三次世界大戦で『6人組』にもたらされたのは凶報だけではない。

 

「我々の敵を一掃できたかもしれないというのは魅力的だったが、失敗した者はしょうがないだろう。ロシア成教とローマ正教をほぼ壊滅状態に追い込んだだけでも大金星だろう」

 

 多々羅の言うように、ドロームの部下達はロシア成教・ローマ正教を壊滅、と言っていい所まで戦力・人的資源を削り取っていた。もはやイギリス清教、あるいは学園都市の支援を受けねば立て直せないだろう。それに、()()はそれにとどまらなかった。

 

「君らが派手に暴れてくれたおかげで、戦乱の種をばらまけたよ。後は、丁重に世話して大戦争という大樹にするだけだ」

 

 負業部隊(ふごうぶたい)の甘粕が言うように、今回の第三次世界大戦中に南米、アフリカで戦争が起きた。現在もその戦争は継続しており、国際社会の課題となっている。そして裏では、負業部隊(ふごうぶたい)の魔の手が国際社会に着実に浸透している、ということでもあった。

 

「……確かに、売女の腹に巣食う寄生虫めいたアレイスターはいまだに生きている。だが、此度のロシア遠征で我々は新たな知見を得た。もしかすれば神を引き摺り堕とすのに何か役立つかもしれん」

 

 ドロームの落胆した視線に気づくことなく、ザゾグは淡々と報告する。その内容に反応したのは、ドロームの数々の蛮行にゲンナリしていた蠢動俊三であった。

 

「何!?何とかしてそれを分類不能(ブランクペーパー)にかけられないか!?」

 

「いや、そうもいかない。分類不能(ブランクペーパー)はぼんやりとでも概要が分かっていないと精度がガタ落ちする」

 

 はやる蠢動を制動したのはアーランズ。一度観測されただけの謎の現象を分類不能(ブランクペーパー)で解析、発展させようにも限界がある。

 

「ま、そうなんじゃがのう……今回のドンパチで、ワシらは大量のもんを得たんじゃがのう……ハァ…………」

 

「重症だな。今日の定例会はもう終わるとしよう」

 

 またもため息をつくドロームを尻目に、今回の『6人組』定例会もお開きとなった……。

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