とある外道の6人組   作:毛糸ー

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数多くあるとある二次創作から「とある外道の6人組」を選んでくださり、ありがとうございます!
これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!


EX.今更結成秘話

――『6人組』定例会――

 

「沈んだあの要塞は、ワシらにくれんかの?大改造を施して、おんしらビビらせたるわ!」

 

「……まぁ、いいが。タタラが接収するにしても、かなり目立つだろうしな。『鋼龍』が有効活用できるというなら、任せん手はない」

 

「ありがたいのう!度肝抜いちゃるわ!」

 

 アーランズは突如学園都市近辺に現れ、そして同じぐらい突如海に沈んだ要塞*1を譲り受けてもらうために交渉する上機嫌なドロームを見ながら、沈思黙考に浸っていた。配下のチンピラから水没要塞のことを聞くまで、工房から出てきたドロームは不機嫌の極みであった。

 

 これはザゾグならいざ知らず、ドロームにおいては非常に珍しい事であった。ドロームは筋金入りの無法者であるため、大抵の無礼は暴力の口実としてとらえる。そして、大抵の失策は自他共に水に流す度量もある。……それが良い事かどうかはひとまず置いておく。

 

 とにかく、ドロームはそう簡単に不機嫌にはならないということだ。その彼が、あの緑炎を纏った警備員(アンチスキル)と話をした後は、短時間ながらも不機嫌だった。それが意味する事とは……?

 

 そして、アーランズが思考の海に沈んでいる間に、蠢動があの不自然警備員(アンチスキル)について、ドロームに尋ねる。

 

「……おい、ドローム。不自然な挙動を繰り返す警備員(アンチスキル)が『ストレンジの九龍城』に向かったと連絡を入れたが、大丈夫だったか?あの後、曖昧な連絡しか入ってこなかったから、詳細を聞きたいのだが……!?」

 

 その言を聞いたドロームは、明らかに尋常の者ではない気配を発しながら機嫌が急降下した。その気配に蠢動は気圧され、ザゾグ・多々羅は訝しみ、甘粕は物騒な気配を感じ取り、笑った。そしてアーランズは()6()()()()()()()として、ドロームに不機嫌な理由を尋ねる。

 

「……どうしたんだい?警備員(アンチスキル)に新兵装でも自慢されたか?」

 

()()()()だったらこんな不景気な面しとらんわい。んな舐めた真似されたら『鋼龍』の連中に呼び掛けて警備員(アンチスキル)共の皆殺しに行くぞ。ついでに統括理事会も二、三匹殺しとく」

 

「じゃ、じゃあ何だというんだ!?俺が何かしたか!?」

 

 何か地雷を踏んだかと狼狽する蠢動は、何とか不機嫌の理由を聞き出そうとする。ドロームはそれを見て、深く深呼吸をして話し出した。

 

「……ワシのおった”異世界”から、腐れ縁の連中がワシに会いに来よったのよ」

 

「フム……腐れ縁が会いに来たという割には不機嫌だな?」

 

 多々羅の冷静な言葉を聞き、ドロームはしかめっ面のまま喋り始める。

 

「あの腐れピンボケは義理も人情も分からんクソ野郎じゃからのう。ローマを襲撃したワシの部下にちょっかいをかけたことを誤りもせんで同盟組もうとほざいてきよった。もちろん突き返したがな」

 

「意外だな。君ならそんなことをする相手は殴り飛ばすと思っていたが」

 

 ドロームはアーランズの茶々を聞き、更に顔をしかめた。それが出来ればどれだけ楽か。

 

「……奴は実際、ワシと同じぐらい強い。それゆえ、本気で殺り合えば学園都市が最低でも半分は消し飛ぶことになる。それは上手くない、じゃろ?」

 

「なるほど……戦端を開く時ではないということか。今は、まだ」

 

 妙な理解をした甘粕を、『6人組』の他の面々はスルーする。下手に絡むと碌な事にならないからだ。それをよそに、多々羅がふと思いついた疑問をドロームに伝える。

 

「……そういえば、なぜ貴様は『6人組』を組織したのだ、ドローム。そもそも貴様は”異世界”の人間だ。ここまで我々に協力しても旨味は少ないはずだが?」

 

 ドロームは多々羅の言を聞いてニヒルに笑う。先程よりは機嫌が戻ってきた彼は、ゆっくりと『6人組』結成秘話を話し出した。『神を引き摺り堕とす』という荒唐無稽な目的を掲げ、ロクデナシ共を集めた目的を。

 

――ドローム・回想(inロンドン)――

 

「ハァーア……()()はどこに行ったんじゃぁ……」

 

 10年前、ドロームは()()があって”この世界”を訪れていた。だが、それを果たす見込みすら立たず、途方に暮れていた。それゆえ、日暮れのロンドンの中、やけ酒をするために酒場に向かっていた。

 

 

 ……そして、酒場!ドロームは窮地に陥っていた!”この世界”の金を……持っていないのである!もう散々飲み食いした後であり、なかったことにしろといった所で、酒場の店主は了承しないだろう……!

 

(ウーム……”この世界”の戦力が分からん以上、暴れるのは上手くないのう……)

 

 ドロームがいかにしてこの窮地を切り抜けようかと考えているその時、横から男の声が聞こえてきた!男は何かミスティックかつ、危険な雰囲気を纏っていた!後の『目覚め待つ宵闇』の長、アーランズ=ダークストリートである!

 

「……店主、この男の酒代、私が立て替えよう。いくらだい?」

 

「「……あん?」」

 

 男の声に、ドロームと店主は不本意ながら、同じ反応を返した。その後、店主は狼狽えながらもドロームが飲み食いした分の金を、男に立て替えさせた。ドロームは男の狙いがつかめないながらも、会話を始める。

 

「……おう、兄ちゃん。ワシの飲み食い、立て替えてくれてありがとよ。……で、何でじゃ?おどれ、見ず知らずの奴が困っとっても助けるタマじゃぁないじゃろ」

 

「……ここでは場所が悪い。私のアパートに移動しよう」

 

 ドロームはこの奇妙な男を訝しむと同時に、興味を引かれていた。それ故、この胡乱な男の誘いに乗って、住処までついていった……。

 

 

 ……男*1の住処は、安っぽいアパートの一室。加えて、何か妙な紙やら道具やらが散乱し、とても足の踏み場がない有様であった。そのゴミ部屋の中で、何とかドロームと男は座り場所を見つけ、向かい合っていた。黙って向かい合う二人のうち、男が口火を切った……!

 

「……君は、この世界にオカルト的な力があると聞いて、信じるかね?」

 

「何?」

 

 男は、思いがけないことを言い出した。それを言うなら自分は”異世界”から”この世界”にやってきたのだが……。男は猶も話し続ける。その視線は、何かを確信した目つきだった。

 

「そのオカルト的な力を操る連中は、時折徒党を組むことがある。私もそんな集団の一人だったのだが……この度、その組織を乗っ取ろうと思うんだ」

 

「で?おどれの狙いは何じゃい」

 

「手を組まないか」

 

「あ?」

 

 男を凝視するドローム。何を言っているんだコイツと言わんばかりの目線を向けてくるドロームに対し、男は続ける。

 

「君が暴力を心底求めているのは一目見て気付いた。そして、恐らく私があった存在の中で最も強いことも。どうか私と手を組んで、クーデターを起こさないか?」

 

 それを聞いて、ドロームは呆気にとられた後、下を向いてクツクツと笑い始めた。この男も、自分と()()かと、知己を見つけたような笑みを浮かべ、話を続ける。

 

「……どうせなら、クーデターしたら、何かド派手な事をやろうやないけ。何が、したい?おんしの望みを、言え!!」

 

 明らかにこの世ならざる者の異様な気配を発しながら問うドロームを前に、アーランズはゆっくりと考え、そして何か世間話でもするような軽さで、恐るべき冒涜を言い放った。

 

「そうだなぁ……神でも引き摺り堕とそうか」

 

「クカッ!クカカカカカカッ!良かろう!それではクーデターと共に、その計画についても詰めようやないけ!」

 

 そして彼らは、後に『6人組』となる組織について話し合い、企み談議に花を咲かせた。この後すぐにアーランズは魔術結社をクーデターにより掌握。そしてドロームは自らの配下を”この世界”に呼び寄せ、大暴れを始めた……。

 

――『6人組』定例会――

 

「まぁ、そんな感じやの」

 

「なるほど」

 

 『6人組』結成秘話を聞き、頷く多々羅。そして、話題は全く別のものに移った。

 

「……『グレムリン』のクソ共が、ハワイを襲撃するそうなんじゃがの?『グレムリン』の連中は徹底的に妨害してやると決めたんでな、魔術師を拉致ろうと思うんじゃぁ」

*1
後日、ドロームが『盗み見』した所、ラジオゾンデ要塞と呼称されていたことが判明。

*1
アーランズ=ダークストリートと言うらしい。恐らく本名だろう。




やっと連載70話目にして『6人組』結成秘話をやるとは……。
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