とある外道の6人組   作:毛糸ー

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新約3巻、いくつかの島が舞台になってたんすね……初見では全然気づいてませんでした……。
本日2本目。


2.パールハーバー・リターンズ

――ハワイ・オアフ島・海軍ブラックポート基地――

 

「たかが子飼いの魔術師が。グレムリンに届くとでも?」

「小アルカナのフルセットでおもてなししてやるぜ」

BRTTTTT!BRATTT!

 

 PMC『トライデント』の部隊の真ん中で『グレムリン』の魔術師と魔術結社『明け色の日差し』の一員、マーク=スペースが戦いを始めようとしたちょうどその時、機関銃によるインタラプト(注:妨害)が彼らを襲った!銃撃を危なく避けた彼らが見たのは、旧日本軍めいた薄茶色の軍服に身を包んだ兵隊である……!

 

 そして、マーク=スペースはその軍服の胸に刻まれた紋章、下り藤とZの組み合わせマークを見て、目を見開く!負業部隊(ふごうぶたい)が引き起こした事件は実際魔術世界にとどろき、その紋章の情報までもが行き渡っていたのだ!

 

「……負業部隊(ふごうぶたい)だと!?壊滅したはずでは!?」

「……戦争なき世に我々は再び戻ってきたぞ」

「フン。たかが紋章を模しただけの偽物風情が。死」BRATTTTTTTTT!

 

 『グレムリン』の魔術師が不審な動きを見せた直後、彼女はハチの巣めいて穴ぼこだらけとなり、死亡!負業部隊(ふごうぶたい)の兵に機関銃で銃撃されたのだ!マーク=スペースがそれを見て、目の前の相手は負業部隊(ふごうぶたい)ではないかもしれぬが、油断ならぬ手練れだ、という確信を深める!

 

 それによく聞けば、魔術師同士の争いに交じり、発砲音が各所で聞こえだした!そして『トライデント』隊員の恐慌の声に交じり、狂笑としか言いようのない笑い声、暴力に飢えた虎狼めいた怒声も次々と聞こえだす……!

 

「何なんだコイツ等ぁ!?」

「ハハハハハハハーッ!!久方ぶりのイクサ!血が、うずくっっ!!」BRTTT!BRATTTTTTT!

「かかってこい!臆病者共がァーッ!蜂の巣にしてくれるぞォーッ!」

ZGAGAGAGAGAGAGA!ZGAGAGAGA!

「早く基地の中へ行かねぇと!殺されちまうっ!」

「逃げろぉ!コイツ等を相手にしてる暇はねぇ!!」

「任務を果たしてさっさと逃げ、バァッ!?」

「ワハハハハハハッ!ウヒャハハハハハーッ!」ZG-TOOOOOOM!

 

 それを聞いてしばし呆然としていたマーク=スペースは、機関銃につけられた銃剣を腹に突き刺そうと突進する負業部隊(ふごうぶたい)兵に気付くと、危うく回避!代わりに刺されたトライデント兵を負業部隊(ふごうぶたい)兵は振り払うと、頭部に銃撃!

 

「死ね」

「小アルカナのフルセットで、おもてなししてやる……!来い!死にぞこない!」

 

 負業部隊(ふごうぶたい)兵とマーク=スペースはどちらが果てるとも知れぬ命のやり取りを開始した……!

 

――ラナイ島――

 

 そして展開した負業部隊(ふごうぶたい)が襲い掛かったのは、オアフ島だけではなかった。ハワイ全域は平等に負業部隊(ふごうぶたい)から襲われたのだ。

 

ZG-TOOOOOM!KRA-TOOOOOOM!

 

「おいおい嘘だろ『トライデント』の奴等!市民まで巻き込もうってのか!?」

 

 学園都市の学生上条当麻と御坂美琴が恐るべき蛮行に呆然とする横で、自国の危機にホワイトハウスを抜け出してきたアメリカ大統領、ロベルト=カッツェは絶叫する。今しがた、ミサイルが()()()()()()()()()()()着弾し、()()が街を焼いていた。

 

 オーレイの娘リンディの身柄を強引に確保しようとする大統領補佐官や『トライデント』を止めると決意表明した矢先のことであった。

 

「……嘘でしょ」

「あいつら……ここまでするのか!?自分たちの目的を果たすために、罪もない市民を虐殺するってのか!?」

 

ZOOOOM……!KABOOOOM……!

 

 何とか撃ち込まれるミサイルを止め、住人を助けようと住宅地に駆けだそうとする御坂美琴と上条当麻の二人の手を引いたのは、ロベルトだった。二人の剣幕にもひるまず、抜本的な解決をしようと呼びかける。

 

「「何で止めるんだ(のよ)!」」

「お二人さん、ここでミサイルを止めたところで、いたちごっこだぜ?それならリンディを確保して、『トライデント』もローズも止めて、ミサイルが撃たれない状況を作らねぇと」

 

「そんなことを考える必要は無い。貴様らはここで死ぬのだからな」

 

 不穏な一言を聞き、振り返る三人の目に写ったのは、軍人。それも、米軍やトライデントめいた現代的な軍服ではなく、旧日本軍めいた古めかしい軍服に身を包んだ、野蛮そうな顔つきをした坊主頭の男。その男は嬉々として市街砲撃の凶行について話し出した……!

 

「そもそも、市街砲撃など、腑抜けのPMCに出来るはずもあるまい。これは我等負業部隊(ふごうぶたい)による号砲なのだよ。我等の軍靴の音を忘れ去った貴様らに、改めて戦争の音を伝えるためのな」

「そんなことのために……!関係ない人たちを巻き込むってのか!!」

「??関係無い連中が千切れ飛んでいくのは戦争の花だろう?何をそんなに怒っている?……まさか我々を……止めるつもりとでもいうのか?それなら……ここで死ね」

 

 上条の抗議を聞き、貫手を放つ坊主頭。このままでは上条青年の頭は弾け飛び、死ぬだろう!だが、そうは問屋が卸さぬ!

 

バチバチバチィッ!

「グワーッ!?」

「行って!」

「み、御坂!?」

 

 突如走った電撃に坊主頭は痙攣!電撃を放ったのは……女子中学生御坂美琴である!何を隠そう、彼女は学園都市の超能力者(レベル5)第三位、超電磁砲(レールガン)なのだ!その力は電気を操る電気使い(エレクトロマスター)の中でも最上位!人間を感電させることぐらい訳ないのだ!

 

「コイツらを倒したらアンタたちに合流する!だから、早くいって、リンディって子を助け出してきなさい!」

「……ボーイ、行くぞ。あの子の決意を無駄にしちゃいけねぇ」

「御坂……!」

 

 御坂美琴を殿に置き、上条当麻とロベルト=カッツェはリンディ=ブルーシェイクを救出するために動き出した。それを尻目に、先程電撃を喰らったはずの坊主頭がゆっくりと起き上がる。それを驚愕と共に見つめる御坂。

 

「嘘。あれでまだ足りないっての!?」

「小娘がァ……!殺す!!」

 

 坊主頭が殺意表明すると、その体が細かく震え始める。恐怖ではない。この坊主頭、晴累九朗(はれ るいくろう)軍曹は、シバリング*1を意図的に起こし、戦闘に活用できる改造手術を受けているのだ!毎秒5000回以上の振動を起こしている彼の体に触れれば、重症は免れない!

 

ピシピシッ!ピキピキピキィッ!

 

 御坂美琴は坊主頭の足元に亀裂が広がるのを見て、冷や汗を流し対峙する!そして、彼女がゲームセンターのコインをレールガンめいて射出すると同時に、累九朗軍曹が襲い掛かる!

 

「イヤーッ!」

*1
寒さで体温が下がった際に身震いで熱を発生させ、体温を保とうとする生理現象

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