とある外道の6人組   作:毛糸ー

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間延びした印象がぬぐえないので、会話を表す「」の間の行は詰めました。


3.これもうパールハーバーじゃなくてハワイ全域攻撃じゃね?

――ハワイ・オアフ島――

 

「ハーッ!ハーッ!撃つな!撃つと貴様らの少佐殿に迷惑がかかるぞ!」

 

 オアフ島を蹂躙する負業部隊(ふごうぶたい)の一部隊に、両手を挙げた三人組が接近してきた。一人は全身を柿渋染めの布で覆う胡乱な忍者めいた男。一人は赤い露出度の高いチャイナドレスを纏う露出狂めいた女。そして最後の一人は、黒いサングラスをかけた何処かのエージェントめいた男。

 

 ハワイ住人かと思い銃撃しようとした負業部隊(ふごうぶたい)の兵は、『少佐』という言葉を聞いて手を止める。そして、剣呑な目つきで、問う。負業部隊(ふごうぶたい)の復活を止めようとする勢力ならば、撃ち殺してしまおうと思いながら。

 

「何者だ。貴様ら」

「貴様らの上司、少佐と同盟を組んでいる組織の配下だ!おれたちを殺すと少佐殿とやらに迷惑がかかるぞ!」

 

 それを聞いて、負業部隊(ふごうぶたい)の兵たちは顔を見合わせる。目の前の相手が事実を言っているかどうかは測りがたい。だが、事実であるとすれば、ここで彼らを撃ち殺せば甘粕少佐は非常に苦しい立場に追い込まれることは間違いない。

 

 だがここで、一人の兵が柿渋染めの男の背中に括りつけられた、テープで顔面以外をぐるぐる巻きにされた女に気付いた。この不審な男に銃を突き付け、誰何する。

 

「その背中に張り付いた女はなんだ!」

「魔術師だよ。おれたちが捕らえた、な」

 

 柿渋男の口から出た『魔術師』という言葉は、負業部隊(ふごうぶたい)の兵達を狼狽させた。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「そ、それは事実か!?」

「ああ。貴様らの研究顧問に生きたまま持っていけば喜ぶだろうな。……ただし」

 

 場のイニシアチブは完全に柿渋染めの胡乱男(=ザン・ニン)に移っていた。ザン・ニンは息をのむ負業部隊(ふごうぶたい)の兵に続ける。

 

「貴様らがおれたちを殺しにかかった際には、この小娘も道連れだ!」

「「「アイエエエ!?」」」

「分かったら貴様らの船まで連れていけ!ワカッタナ!」

「「「ハイワカリマシタ!」」」

 

 ザン・ニンの怒声により、負業部隊(ふごうぶたい)の雑兵たちは一も二もなく、自分たちが乗ってきた潜水艦へ3人組(+魔術師1名)を案内し始めた。

 

「……本当に上手くいくとは」

 

 三人組の一人、上川は、疲労困憊の中、やっとのことで口を動かす。ベニゾメはその気力もない。対してザン・ニンは余力が残っているものと見え、ぺちゃくちゃと益体もないことを喋りだす。ぺちゃくちゃ喋る1人と黙りこくった2人は先導する負業部隊(ふごうぶたい)兵について行った……。

 

「まぁ、奴らにとって魔術師は未知なる存在だ。存分に解剖して組み立てて、研究したいだろうさ」

「「…………」」

「ただ、あそこで兵士共が襲い掛かってきても、おれの敵ではなかった。実際、”おれの故郷”にいるマフィア共の秘密部隊『十人』と殺り合うよりははるかに気が楽だ」

「「…………」」

「おい!早く来い!」

「アイ、アイ……」

 

――ハワイ・ラナイ島――

 

 ハワイのラナイ島市街に、一人の坊主頭、晴累九朗(はれ るいくろう)が倒れていた。その体には、ゲームコインが突き刺さり、黒焦げになっていた。軍服だけは異常に丈夫と見え、少し煤けているだけだ。

 

 無謀にも学園都市の超能力者(レベル5)、御坂美琴と交戦した彼は、当初はゲームコインを利用した超電磁砲(レールガン)を避けるなど善戦した。しかし、ほんの少しの隙をつかれ超電磁砲(レールガン)を撃ち込まれた時、この戦いは決着したのだ。

 

 超電磁砲(レールガン)を一発撃ち込まれた直後に、御坂美琴はもう一発超電磁砲(レールガン)を彼に打ち込み、その上で最大電力で彼を感電させにかかったのだ。一度感電させたにもかかわらず、累九朗は何もなかったかのように起き上がってきたのを彼女は見ていたため、容赦はなかった。

 

 普通の人間なら即死していただろう。実際、御坂美琴は普通の相手をここまでオーバーキルすることは無い。だが、彼女の戦闘勘が、この坊主頭は尋常の存在ではないと警鐘を鳴らしていた。そして、それは正しい……!

 

 負業部隊(ふごうぶたい)所属者は皆、再生力強化手術(リジェネレーション)を受け、尋常ならざる再生能力を身に着け、不老となっている。それゆえ、見よ!晴累九朗(はれ るいくろう)の様子を!黒焦げであった皮膚がはがれ、肌色が戻る!そして、体に突き刺さっていたゲームコインもはじき出される!

 

 そして、御坂美琴がこの場を去って5分も経たないうちに、晴累九朗(はれ るいくろう)は元の姿を取り戻した!そして、累九朗はその場から消えた。正確には、視認できない勢いで跳び、負業部隊(ふごうぶたい)が乗ってきた潜水艦を探しにいったのだ!

 

(今まで、我々は魔術のみを警戒すればよいと思っていたが……学園都市とやらの超能力も侮れんことが分かった……!この情報、少佐殿のために持ち帰らなければ……!)




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