↓執筆した作品です。良ければご覧ください。
『ザ・シェイプ・オブ・ニンジャ・トゥ・カム・イン・ゲンソウキョウ』
https://syosetu.org/novel/338308/
ああああえあ さん、誤字報告ありがとうございます!
――バゲージシティ屋上――
いかにも魔術師然としたローブを纏った者が、耳から血を流し倒れていた。『目覚め待つ宵闇』所属の魔術師、ダッジである。ダッジは奇襲で雷撃を放ってから、『グレムリン』の女魔術師との戦闘を優位のまま進めていた、はずだった。
女魔術師の名はマリアン=スリンゲナイヤー。手に持つ霊装*1に触れた人間を自在に改造する術式の持ち主。そしてそれはダッジの操る魔術と相性最悪であった。
ダッジが操る魔術は無論、『今は失われた体系』であり、その中でも電撃系の魔術であった。そしてこの魔術、オート迎撃機能がついている。近づいた攻撃や敵を電撃により迎撃するのだ。それゆえ、接近しなければ術式を使えないマリアンは、ダッジに対し不利をとった。
ダッジは勝利を確信し、とどめの一撃を放とうとしたその時、突然爆音がダッジに襲い掛かり、意識を断ち切られた。その機に乗じてマリアンは逃走。屋上には、彼のみが残された。
無論爆音の主はトルネンブラ!最高の喜劇を見るため、邪魔臭いドロームの同盟者を排除しにかかったのだ!
……だが、見よ!ダッジが身動ぎを始めた!生きている!トルネンブラはこの世界の者たちを実際侮っていた。しかし、どれだけ痛めつければ相手が死ぬかを見誤るほどサンシタではない!
記憶力の良い読者諸君なら覚えているだろう!『目覚め待つ宵闇』の者達が、”異世界”の悪魔的薬物、生と死の境界を歪める無倫理科学の結晶たるリザレクターを投与していることを!そのため、彼らは実際不死の力を持つ。それ故、即死爆音攻撃を受けても生きているのだ。
ダッジは脳にダメージを受けたと見え、小刻みに震えながら、何とか身を起こした。そして、転げるように屋上から階下に移動していった。口から黒雲めいた煙を吹き出しながら。
――バゲージシティ・選手控室前廊下――
反学園都市サイエンスガーディアンが開催した格闘大会ナチュラルセレクターの選手控室前廊下。そこには今、選手達の姿はない。代わりにいるのは、魔術師然としたローブを纏った者たち。『目覚め待つ宵闇』の構成員達である。
そこに交じった襤褸を纏う3人組は辟易した表情で『目覚め待つ宵闇』の連中を見ていた。これでは学園都市の部隊、とやらにアンブッシュをかけにくい。代表してニタリが『目覚め待つ宵闇』とやらのリーダーらしき片腕を触手に変えた男に抗議する。
「……おい、アンタら。こんなとこでたむろしてないで出てって学園都市とやらの部隊をどんどん殺……いや、こっちに誘導してくれ。このままじゃ奴等がきてもアンブッシュが出来んだろ」
途中でヨゴレからの刺すような視線を受け、言葉を変えるニタリ。だが、触手腕男の返事は色好いものではなかった。
「……ここは
そのもったいぶった言い方にカチンと来たのか、ヨゴレが触手椀男に怒鳴る!懐に隠してあった小刀を振り回し、周囲の魔術師が距離を取る者もお構いなしで。
「テメー、訳の分からんこと言えば要求通せると思ってんじゃねぇだろうなコラーッ!!長老の同盟者だか何だか知らねぇが、舐めた真似すると容赦しねぇぞコラァッ!!」
怒り狂っているヨゴレに、触手男、つまりアーランズ=ダークストリートは冷静に言葉を返す。
「……まずは自己紹介をしておこうか。私は実際ドロームの同盟者で、アーランズ=ダークストリートというものだ」
「何舐めた口きいてんだテメッコラーッ!!イヤーッ!」
「お、おい!やめろって!」
怒り狂ったヨゴレは、アーランズの自己紹介に耳も貸さず、一気呵成に切りかかる!だが、アーランズは触手腕で防ぐ!それを見て落ち着いたヨゴレを見てゆっくりと話し出した……。
「……落ち着いたかね?危険と言うのはだな、ここから出て行けば分かるが、妙な雰囲気がこのバゲージシティを覆っているのさ。加えて、妙な気配がする場にいると、爆音で
「俺達だましてペテンにかけるつもりじゃねぇだろうなコラ……」
「妙な気配、とは……悪いが、騙されてるとしか思えんぞ」
「アア……だから外、変、なのか……」
アーランズの言葉に、怪訝そうな表情をするニタリとヨゴレ。だが、超常感覚を持つオオセは、アーランズが言う内容に覚えがあるのか、頻りに頷いている。それを見てニタリとヨゴレは顔を見合わせ、事態の静観を選択した……。
――バゲージシティ地下・指令室――
「地上の様子はどうだ」
黒駒が周囲のオペレーターに地上の様子をたずねる。ここはバゲージシティの首脳部専用地下シェルターにして、地上に指示を出すための管制室でもある。それに対するオペレーターの答えは、奇妙なものだった。
「……奇妙なことに、木原一族以外の学園都市の部隊が次々に
その不自然な学園都市の部隊の動きに、黒駒は目を細める。我々を潰すために送られてきた精鋭であろう学園都市の部隊が同士討ちを起こすはずも無い。また、『鋼龍』の連中から逃れるように展開しているというのもおかしな話だ。
当惑する黒駒に、また別のオペレーターが追い打ちをかけるかのように言う。
「まるで、まるで……奴らは何かに操られているようです……。タタラは遠隔洗脳にまで手を出したのですか!?」
「そんな訳がないだろう。それなら木原一族を寝返らせている」
オペレーターの半パニック状態をいなした黒駒は、事態の奇妙さに頭を抱えるのであった……。