とある外道の6人組   作:毛糸ー

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さぁ、ここからがバゲージシティの本番です。


4.悲劇の始まり

――バゲージシティ・第一食糧工場――

 

 バゲージシティ地上部にある食糧工場で、一つの戦いの決着がつこうとしていた。孤独な復讐者が(かたき)と共に無理心中めいて死ぬという分かり切った結末に進む戦いが。

 

「なんて、事でしょう……別に、あれを殺す必要なんてない。こんな、こんな所に、あれを『諦めさせる』には格好の相手がいただなんて……」

 

 首長竜めいた何かが、腰を抜かした雲川鞠亜(くもかわ まりあ)ににじり寄っていた。この首長竜の正体は、木原病理。このバゲージシティに襲撃を仕掛けた木原一族の中で最も地位の高い人物。そして様々な仕掛けを駆使して相手を『諦めさせる』ことに病的な情熱を注ぐ女。

 

 その彼女は体に『この世に存在し得ない物質』未元物質(ダークマター)を体に仕込み、ラスボスめいた多段変形を可能としていた。しかし、過去に彼女が心優しい先生という道を『諦めさせた』木原一族、木原加群に彼女の知らぬ魔術なる技巧によって追い詰められていた。

 

 未元物質(ダークマター)による変形も破られ追いつめられた病理の前に現れたのが雲川鞠亜。彼女は木原加群の元教え子であり、彼女が『諦めさせた』上で刺客として差し向けた少年が木原加群を襲った時にその場に居合わせていた少女である。

 

 その鞠亜を殺せば、木原加群はきっと、何もかも『諦めて』しまうに違いない。歪んだ愉悦と共に雲川鞠亜に近づく病理であったが……

 

[[ウヒハッ!!]]

 

 悪意ある愉悦に溢れた声。暗転。

 

――バゲージシティ・どこかの通路――

 

「!!」

 

 先程から蜘蛛の糸を掴まんとする罪人めいてもがきながら歩いていたザン・ギャクは弾かれたようにいづこかを見据えると、突如走り出した!

 

「おい!おーい!待てよ、ギャクの兄貴!」

「チッ……兄者は一体何を見出したんだ……!」

 

 それに遅れて気付き、追うのはザン・コクとザン・ニンの二人。彼らは今まで一度も学園都市の部隊と交戦しておらず、血に飢えている!

 

――バゲージシティ・選手控室前廊下――

 

「……来たぞ、元凶……」

 

 退屈を持て余し、ポーカーをしていたニタリ、ヨゴレ、そして『目覚め待つ宵闇』の魔術師達はオオセのぼんやりとした発言を耳ざとく聞きつけ、凶暴な笑みを浮かべながらトランプをうち捨てる……!

 

 ……魔術師達はオオセの指定した場所に即座に急行せんとしたが、死体漁り共は魔術師の散らかしたトランプを片付けてからと頑として譲らなかったのはここだけの話だ。

 

――バゲージシティ・どこかの通路――

 

「…………」

 

 タタラの最精鋭人造人間、(かい)は、食糧工場から発せられる不気味な気配に、顔を上げる。その足元には、学園都市の部隊の死体。そこには、明らかに同士討ちの跡がある。

 

 灰には、『カタナで切ったものを殺す』能力が備わっているが、このバゲージシティでは、一切それを使っていない。遭遇する学園都市の部隊が、皆同士討ちで死んでいるからだ。それ以外にも、死体には奇妙な点がある。

 

 それは、いずれの死体も()()()()()()()()()()、死んでいることだ。明らかに、彼らは操られていたとしか思えない。だがどうやって?何のために?

 

「…………行くか」

 

 灰は、その答えを知るために、不気味な気配の元に歩き始めた……。

 

――バゲージシティ・第一食糧工場――

 

[[ウヒハッ!ウヒウヒ、ウヒヒィーッ!]]

 

 雲川鞠亜は、今にも死にかけ()()()木原加群と共に、邪悪な高笑いをあげる病弱な女()()()()()を見据える。

 

 先程まで全身から血を流し、片腕もなくしていた木原加群は、木原病理に最後の一撃を与えるために最期の力を振り絞っていた。だが急に、怪我も何もかも治ってしまったのだ。それを吉兆と受け取ることはできなかった。

 

 なぜならば、今目の前で行われている冒涜の主が彼の体を回復したと自分から証言したからだ。

 

[[感謝{want}! 感謝{want}! わた4が<腐れスポンジ!!>である{you}を直したんデスカラ!!]]

 

 目の前にいる木原病理には憎悪と恨みしかない。少年を利用し木原加群の中の『木原』を引き出し、また()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()筋金入りのクソ女に、憎悪以外の何を抱けばよいというのか。

 

 だが、これは。これはあまりに、無惨だ。

 

[[ウヒハハハハハッ ヒヒヒヒヒヒヒィィーッ!!<腐れスポンジ>の人生は<<<アワレ!!!!>>>ココデ、。、、、オシマイデースッ!!!!]]

 

 壊れたラジオめいて高笑いと絶叫を繰り返す木原病理を見て、木原加群はこぶしを握り締める。その傍に立つのは雲川鞠亜。

 

「……先生」

「ああ」

 

 二人が木原病理、ひいてはそれを冒涜する存在するものと対峙しようと決意を新たにした時、冒涜者が口を開く。

 

[[ウクッ!ウクククッ! ひどいじゃないデスカ、。。。 、 {you}のフクシュー心を()()()()()()()()()()()()()()ワタ4にそんな目を向ケルナンテ、・。 ; 。。]]

 

 彼の者に立ち向かわんとする加群を嘲笑する冒涜者。そのふざけた物言いに、初めから硬化していた態度を更に硬化させる木原加群。そして、雲川鞠亜も、まるで()()を都合の良い道化扱いするような物言いに機嫌を損ねる。

 

「……貴様()()()に言われずとも、木原病理に対する私の復讐心は揺るいだことは無い」

「……これはもう、プライドが傷つく、傷つかないの話じゃない。先生の思いをマリオネットみたいに操った気になるんじゃない。外道が」

 

 彼らの言葉を受け、木原病理の似姿は邪悪に、高らかに嘲笑う!そして、木原加群にとって衝撃的な一言を吐き出した……!

 

[[ププッ!ウププププッ!!ko-んな 上手く iくなてe!木サマが<<<殺>>>した{boys hitman},ワ ザ ワ ザワタ4が<<<派遣>>>してあげたノニ、。。 。・。・]]

「何?」

[[ウププププ、。、、、。・カンが<<<B A D>>>!!! チョードいいd e a t h カラ<<<実演>>>して差し上げまショウ!!]]

 

 冒涜者のふざけた発言と共に加群と鞠亜の元に歩いてきたのは学園都市の部隊!二人は身構えるが……死んでいる?喉と心臓を過たず撃ち抜かれた死体、力なく歩く。人形師に操られるマリオネッテめいて……。

 

ボキリ。

 

 そんな冒涜的な音と共に、死体が変形し始めた。体格が縮み、折りたたまれる。そしてまた開かれると……おお!何という冒涜的変形か!学園都市の部隊所属の成人男性が、あの日、木原加群を襲った少年そのままの姿に!

 

 その光景に戦慄する二人に対し、冒涜者は笑う。

 

[[<<★ゴ安心クダサイ★!!>> モチロン、木サマに差し向けた のは{no}悪人!! ト ゼ・ン罪もない<<子供達>>デスヨ!! {laugh,laugh,laugh}!!]]

 

 木原加群がかつて守ろうとしていた子供達を()()()()、彼のトラウマをしばしば抉ったことを自慢げに話す冒涜者に、雲川鞠亜は絶句する。そして木原加群は、もはや一言も放つことなく、冒涜者が宿るであろう木原病理の似姿に突撃する……!




分かってると思いますが、直すは誤字じゃないです。

トルネンブラの喋りを入力するのつらい……。スパムトンっぽくやろうとした結果がこれだよ!!
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