とある外道の6人組   作:毛糸ー

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話すことが一杯あると、会話の記述がまとまらないこと、あると思います。

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これからも「とある外道の6人組」をよろしくお願いします!!


7.蛆虫の集結

――バゲージシティ・裏路地――

 

「で、これからどうする?」

 

 白イナゴの暴威から逃れたザゾグ、木原乱数、MIBめいた男は、あの第一食糧工場から離れたところにある裏路地めいた場所で、ひとしきり事情の説明を終え、善後策について話し合おうとしていた。MIBめいた男が名乗る。

 

「私は(かい)。タタラのエージェントだ。……そちらは」

 

 (かい)と名乗った男は、木原乱数を胡乱げに見る。木原乱数はたじろぐ。実際彼はバゲージシティに破壊活動を行うために訪れており、そのことが眼前のタタラエージェントにばれれば確実に殺されるだろう。だというのに、ザゾグはそんなことをまるで分かっていないと見える。

 

「この男は木原乱数。学園都市からこの街をぶっ潰しに来たそうだ。幻覚を扱える」

 

 ザゾグが端的に木原乱数を紹介した結果、彼の喉元に(かい)が持つカタナが突き付けられた。濃い黒のサングラス越しからでも分かる凍てついた視線!その視線が向けられているのは木原乱数だけではなかった……!

 

「……どういうつもりだ?ザゾグ殿」

「今この状況で学園都市だサイエンスガーディアンだにこだわるのもおかしかろう」

 

 灰はタタラと同盟を組んでいるという研究者、ザゾグの言を聞いて考える。実際、このバゲージシティにいるらしい奇妙な音声存在はこのバゲージシティに蠢く『鋼龍』『タタラ』『サイエンスガーディアン』『学園都市』『グレムリン』のいずれの勢力にも属していないらしい。

 

 そしてその胡乱存在が学園都市の技術である未元物質(ダークマター)を恣にして暴れている。これは実際、タタラ・学園都市双方にとって見過ごせない問題であり……ザゾグの言を信じるならば未元物質(ダークマター)を採取するチャンスでもある。

 

 加えて木原乱数なる男の所作と表情から察するに、ザゾグを畏怖しているようだ。奴の抑揚の変化、些細な機嫌の上下にも怯えている。バゲージシティを潰しに来た事を考慮しても、危険度は想定より低いと考えるべきであろう。ゆえに。

 

「よかろう。あれをどうにかする方策が貴様らにあるのか?」

 

 この胡乱科学者共と協力する事にした。

 

――バゲージシティ・第一食糧工場連絡通路――

 

「ハァハァ、クソッ!」

 

 マリアン=スリンゲナイヤーは舌打ちしていた。万全であればこんなクソゴロツキに後れを取ることもなかったであろうに……!

 

「ヒャハハハーッ!!シギンとかいうガキはあのスカベンジャー共が確保したらしいからなァーッ!!つまりテメェはブチ殺してもいいって寸法だぜェッ!!イヤーッ!」

 

 中肉中背かつ筋骨隆々なゴロツキが凄まじい速度で振るった銃剣付きショットガンを危うく避けるマリアン。だが、そこにケリ・キックが襲い掛かる!その脚に工具をぶつけ、改造しようとするも、脚の方が、ハヤイ!

 

「がばぁっ!?」

 

 たまらず肺に溜まっていた息を全て吐き出し、地に伏せるマリアン。そこに歩み寄るゴロツキ。その眼光は暴力の喜悦に歪みながらも、油断ならぬ視線も見え隠れする……!

 

 このゴロツキはザン・コク。ザン三兄弟の末弟であり……恐るべきスラッシャーだ。兄二人は万が一の事態に備え、フォローできるようつかず離れずの距離を保っている。だが、結果的にその必要は無かったと言えるだろう。

 

 ザン・コクは三兄弟の中で最も頭が悪いとはいえ、マリアンの持つあからさまな工具を警戒しないほど愚かではないからだ。今も、学園都市の部隊を一人もブチ殺せなかった憂さ晴らしめいて、嬲るようにマリアンをズタボロにしていても、一度も工具攻撃に当たらずに戦闘不能に追い込んでいる……!

 

 もはや動けぬマリアンを、ザン・コクはショットガン射殺でカイシャク(注:介錯)しようとする。阿呆と言えども、今まで培った経験上、カイシャクの際に反撃されることが往々にしてあることを知っているのだ。

 

 それゆえ、この一撃はマリアンによるものではない!

 

「グワーッ!?」

『すま01んな0110111001011本当にす11まん』

 

 神秘的首筋チョップ、アテミを受けたザン・コクは、長兄からのノイズ交じりのテレパシーを受けながら気絶。次兄のザン・ニンは長兄ザン・ギャクにより締め落とされ、テレパシーを受け取った上で気絶済みだ。

 

「あ……な……」

『チャ01ンスをやろう011101001二つの01向かうべき道を001!1011』

 

 呆然とするマリアンに、ザン・ギャクが問いかける……!

 

――バゲージシティ・非関係者締切倉庫――

 

「さて……あの死体漁り達が急にあの小娘の輸送を請け負ったのは不気味だが……騒ぎの中心地に向かうとするか?ヴェイズ」

 

 『目覚め待つ宵闇』の者達は、関係者以外立ち入り禁止となっていた倉庫にて、拉致されていた『グレムリン』の構成員、シギンを発見した後、突如彼女の身柄確保を言い出した死体漁り共を放って事態の中心地に向かおうとしていた。

 

 だが、『目覚め待つ宵闇』の縁の下の力持ち、アーランズ=ダークストリートの懐刀ヴェイズは、それに賛成しなかった。

 

「……あの死体漁り共は、言動が下賤な向きはありますが、野性的な勘はあります。現に、あの悲劇の渦から取り残されているようなあの場所で2()()()学園都市の部隊を仕留めているのですから」

 

 ヴェイズの言うとおり、このバゲージシティを覆う()()()()()がないあの場所で学園都市の部隊を仕留めているのは破格とも言っていい。ナチュラルセレクターの選手を一応確保しておこうとする動きを無意識に察知し、アンブッシュの布陣を敷いた手腕は侮れぬ。更にヴェイズは続ける。

 

「奴らがシギンを確保しタタラに引き渡すのに立候補したのは、この先に奴等でもどうにもならない危険が待ち受けているのを察知したからではないでしょうか?そうだとすると、騒乱の渦中に突き進むのは浅慮だと思われますが」

 

 冷静なヴェイズの意見に考え込むアーランズ。だが、答えはすぐに出た。自分たちがどういう名目で潜り込んでいるかを考えれば自明であった。それに、黙って見過ごすというのも、アーランズの性に合わぬ。

 

「おいおいヴェイズ、騒乱を解決しないで何が警備担当だ?」

「それは事実ですが……どうせ結局は面白そうだから、でしょうが」

「そうだな」

 

 ヴェイズの指摘に即頷くアーランズ。どうせなら、難事を楽しもうではないか。

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