とある外道の6人組   作:毛糸ー

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やっとだ……長かった……!

Xなどやっております。


8.サンシタが調子に乗るものじゃない

――バゲージシティ・第一食糧工場――

 

[[ウケケケケケケッ! ヒヒヒヒヒヒヒッ! いやぁ、<<<愉快>>>! <<<愉快>>>!]]

「あっ……かっ……!」

「…………!!」

 

 トルネンブラは目の前の光景を愉快がっていた。小娘にゆっくりと自分の首を絞めさせ、保護者らしき白コートの男にそれを見届けさせている光景を。あの死すべき慮外者共を追い払った後、彼は”演劇”の趣向を少し変えたのだ。

 

 即ち、操った雲川鞠亜に自分で首を絞めさせ、木原加群にそれを見届けさせる形にしたのだ。転ばせ続けるのは見栄えも悪いし、何より自害の瞬間を見逃す恐れもある。雲川の自害の瞬間を加群に見届けさせ、絶望させる。それこそこの娯楽における最上の瞬間だというのに。

 

「あっ……あっ……あっ…………あっ………………あっ……………………」

 

 もはや、小娘の命は風前の灯火!伏せる男の体は震えている!この理不尽への怒りを滾らせているのだ!……だがその怒りは実際、何も生まぬ。旧支配者の力の前に、無力なモータルの力など、そこらの塵に等しい。ましてや、怒りなど!その上、トルネンブラは音なのだ。

 

 我等は災害だ。トルネンブラは残忍に笑う。我々に怒りを向けるなら、つまらぬ正義感を発揮し、我等の目を引き付けた貴様自身を呪うが良い!愉悦を浮かべるトルネンブラ!

 

 ……だが、図に乗ったサンシタの末路は悲惨である!たとえ、旧支配者であっても!

 

[[グワーッ!!!?]]

 

 突如激痛!雲川と加群の制御ロスト!加群はトルネンブラの操る木原病理に突進!激痛に呻きながらもトルネンブラは雲川鞠亜に未元物質(ダークマター)ウンカを差し向ける!それに気づいた彼は、雲川をかばう!

 

「先生!」

「じっとしていなさい……!」

 

 天井を破壊し現れた暴力の群れは、『致命傷を絶対に回避する』木原加群の魔術を無効とし、ガリガリザリザリと肌を削り取る!彼は雲川鞠亜を抱え込む!この致命的雲霞嵐に巻き込まないために!

 

[[{where}の<<<イヂオット>>>の仕業ダ!!]]

 

 不本意な形で木原加群を始末する羽目になったトルネンブラは怒鳴り散らす!それに応じるように、ゆっくりと扉が開く!そこから現れたのは……

 

『ド0000モ011101001トルネンブラ=サン0010100ザン0ギャクです10110』

 

 テレパシーめいた力でトルネンブラにアイサツするザン・ギャクと。

 

「おい!ベルシ!大丈夫か!?」

 

 木原加群、あるいはベルシに駆け寄ろうとしている魔術師、マリアン=スリンゲナイヤーであった!

 

「来るな!」

 

 ベルシはマリアンを遠ざける!白ウンカがいまだに彼を襲っているゆえに、マリアンをこの暴威にさらすわけにはいかないと考えたのだ!だが、マリアンは笑みを浮かべる。

 

「大丈夫さ!ベルシ!お前を、死なせやしないさ!」POW!

 

 そう言ってマリアンがウンカ集団に鋸を当てると、加群を削り殺そうとしていた白ウンカの集団は霧散!だが不可解!マリアンの魔術にこの白ウンカ共を一気に消滅させるほどの効果は無かったはずだが……!?

 

「ま、マリアン……!?」

「大丈夫か、ベルシ!こっちに来い!」

「……俺は大丈夫だ。それよりこの子を……!?」

 

 マリアンに雲川を預けながら、様子を観察する。……変に瞳孔が開いている上に、目元から血が流れている。何か、妙なことをされたか?もっとも怪しい下手人は、狂気に取りつかれたような視線を漂わせ、今は木原病理と交戦している黒中折れ帽の男。だが、それより今は。

 

「マリアン、下がるぞ」

「あ、ああ……」

 

 マリアンはベルシの有無を言わさぬ調子の言葉に気圧され、従う。実際自分の魔術は強くなっているというのに。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、マリアンはベルシとメイド服少女と共に、暴力吹き荒れる最前線から下がっていった……。

 

 

「チッ」BLAM!

 

 銃剣付きショットガンを発砲しながら白イナゴを落とすザン・コクは舌打ちする。あのままマリアン=スリンゲナイヤーが魔術を使い続けていれば、脳の過負荷で殺せたものを。

 

 ザン・ギャクはマリアンへの問いかけの際、『ベルシを助けたい』と答えた彼女にノロイをかけた。いや……ザン・ギャクの現在の状態を考えると、ノロイと言うより、脳を侵すコンピュータ・ウイルスめいたものかもしれない。

 

 ザン・コクに理解できた部分だけを抜き出すと、あの裸オーバーオール小娘は、魔術の強化と引き換えに脳を侵され、最終的には脳波フラットラインに陥り死ぬ、そういうことだ。白コートのクソインテリ面野郎はそれに朧気ながら気づいたのだろう。小娘と一緒に最前線から去った。

 

「クソ忌々しいぜ!あのままならあのガキくたばってたのによ!」BLAM!

「仕方あるまい。楔を打ち込めたことでも良しとしよう」

 

 車椅子女と睨み合う長兄を横目で見ながら、ザン・コクはさらに発砲する。白イナゴがさらに落ちる。通常、タダのショットガンで未元物質(ダークマター)製のイナゴを撃ち殺すことなどできない。あの茫洋たる長兄、ザン・ギャクが行った()()により、白蝗はただの蝗同然と化したのだ。

 

 それゆえ、末弟ザン・コクの銃声と共に、白イナゴは次兄ザン・ニンの棒手裏剣で次々と落とされていく。その光景に歯噛みするトルネンブラ。しかし、そちらばかりに目を向けるわけにもいかぬ。

 

[[オノレっ、・。、、、。・・!]]

「…………」

 

 睨み合う木原病理(あるいはそれを操るトルネンブラ)とザン・ギャク。だが、その時!

 

CRAAAAAAAAASH!

 

「やぁ。……全く、鬱陶しいな!バッタ共が!はははは!」

「主、流石に正面突破は……!」

「だが、見事にやっこさんは不意を突かれたようだぞ?」

[[・。、・。。、## ## #クズ### ## 共ガ!!!!!]]

 

 突然の乱入者にトルネンブラは激昂し、流石のザン・ギャクも不意を突かれたように目を見開く!右腕触手であらぬ壁と元致命飛蝗を薙ぎ払いながら、アーランズ、そしてその配下『目覚め待つ宵闇』の面々が現れたのだ!




一応言っておきますが、この小説は「6人組」という外道共が主人公です。
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