とある外道の6人組   作:毛糸ー

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本当に投稿が遅れて申し訳ありません……。


EX.示談の条件

――ストレンジの九龍城・ドローム居室――

 

「で?クソドブネズミ。よくもまあ、色々と引っ掻き回してくれよったのう」

 

 ドロームが珍しく不機嫌な様子で話しかけるのは()()()()()警備員(アンチスキル)。この哀れな警備員(アンチスキル)はトゥールスチャに乗っ取られているのだ。そして今回もトゥールスチャは中継係であり、その相手は当然、ホス卿であった。

 

『トルネンブラはよくやったよ。相性最悪の相手がいながらよくぞあそこまで引っ掻き回した。……アレを()()出来なかったのは残念の極みであるが』

 

 ホス卿は淡々とトルネンブラの働きぶりを語る。ドロームは不機嫌を隠そうともせず、ホス卿に語り掛ける。

 

「のうクソボケ。あのクソ音についてどうこう言う前に、一言いうことがあると違うんかい」

 

 ホス卿はその抗議に対し、通信越しにも全く意味が分からないという様子を見せる。ドロームの舌打ちを聞き、彼の者はすっとぼけた言葉を続ける。

 

『うーん……分からん。何を言えばいいんだい?』

「……このクソボケ。事前にナシもつけんでバゲージシティにちょっかいかけくさったじゃろ。それへの謝罪をせんかい。ドチンピラ」

 

 罵倒するドロームに対し、ホス卿は通信越しにも分かるアルカイックスマイルという名の圧倒的無表情!ドロームはいよいよ、不機嫌を隠さぬ!

 

「……これ以上舐めた口聞いとると、殺すぞ」

『……ほう?随分物騒な事を言うんだなぁ』

 

 殺意を吹き出したドロームに対し、ホス卿も殺意をぶつける!彼らの膨大な殺意に、ストレンジの九龍城のみならず、学園都市が鳴動する!しばし、彼らは通信越しに睨み合う!

 

「……ケッ!やめじゃ、やめやめ!ここでワシらが潰し合っても、アレイスターの奴を喜ばせるだけよ!」

 

 だが意外にも先に矛を収めたのはドロームであった。ここで潰し合う愚が分からぬほど、彼は愚かではなかった。そしてドロームはつまらない小競り合いを止め、本題に入る。

 

「おんどれェ……今回の件、どうトシマエ(落とし前の意か)つける気じゃァ」

『落とし前?……何の?』

 

 この期に及んですっとぼけるホス卿に対し、ドロームは淡々と言葉を紡ぐ。

 

「バゲージシティの一角を派手に消し飛ばした件に決まっておるじゃろうが」

『ううん……そうか』

 

 ホス卿はその明らかに苛立った言葉を聞きながら、いやにゆったりと考え込む。わざとらしいうーん、うーんという唸り声に苛立ちながら、ドロームはホス卿の答えを待つ。……その時である。突然、通信越しのホス卿が大声を上げた。

 

『ああ!そうだ!アレがあったんだった……前々から目をつけていたアレが』

「何じゃそりゃ。はよ言わんかい」

 

 まだるっこしいホス卿に対し、殺意をチラチラ見せながら、核心を話すよう急かすドローム。

 

『………………………………其は、人間擬きにして、最も純粋な人間。情報を喰らいし人型の蟲。魔女狩りを生き延びし唯一の乙女。魔神が求めし囚人。その名は……フロイライン=クロイトゥーネ』

 

 長い長いタメと、無駄に長く大仰な前口上から紡ぎ出された名は、ドロームも知るものだった。フロイライン=クロイトゥーネ。アレイスターが己の居城、『窓の無いビル』で拉致監禁している少女らしき実体。ドロームにとっては、実際取るに足らぬ存在ゆえ、放置していたのだが……。

 

「そのクロイトゥーネが何じゃい」

『そのクロイトゥーネをだねぇ……ククク……君達に貴重な戦力として()()した上で下げ渡してやろうというのだよ』

「……何?」

 

 いかなる下らん戯言を抜かすかとつまらなさげに聞いていたドロームの眉が上がる。現在、『6人組』は『スウォーム』の戦力不足に頭を抱えていた。シャチ一匹と非戦闘員2名。ここに狙撃を得意とする胡乱痴女パパラッチも加わったが、それでも力不足は否めない。

 

 『鋼龍』も『負業部隊(ふごうぶたい)』も、隠密行動が必要なスウォームには相応しくない人員がそろっている。また、パソコンは扱えても、ハッキングにおいてはほぼ素人な『目覚め待つ宵闇』の人員を派遣しても足手纏いになるだけだろう。

 

 そこに隠密行動が出来る暴力担当が加わるのなら否やは無いが……取引を持ち掛けてきた相手が不穏過ぎた。

 

「何を企んでおる?」

『ククク……企む?私はただ、自分が見たいもののために頭をまわしているだけだよ』

「……話を聞こうか。おどれの描いとるクソ絵図を見通すためにものう」

 

 ドローム側の譲歩と共に、ドロームとホス卿はクロイトゥーネ掠め取り計画を詰めていった……。

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