インフィニット・ジェネレーション   作:ハルン

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夏休み&学園祭前の話です。


18話

福音を倒し、イチカ達に日常が戻っていた。

授業を終え、イチカとマドカは自室に戻る。

何故、マドカも一緒の部屋に向かっているのかというと山田先生の計らいにより、「知らない人より、知っている家族と一緒の方がいい」と言い同室になったのだ。

「今日の授業も退屈だったな」

「いや、ちゃんと授業を受けた方がいいと思うが」

「あんなの、MSやMAの種類にその対抗策、世界によって異なる技術を覚えるより楽なんだよ。兄さん」

「分からなくもないがキチンと受けた方がいいぞ。マドカ」

通路を歩いていた二人はその場に止まる。

「そろそろ、出てきたらどうですか。 更識楯無さん」

「以前よりは上手く消したつもりなんだけどな」

そう言うと通路の影から一人の女性が出てくる。

水色の髪をし、簪のとは違い癖毛は外側を向いている。

そしてその手に広げられた扇子には『天晴』と書いてある。

「知らない人もいるみたいだし、もう一度自己紹介しておくわ。私は更識楯無。このIS学園の生徒会長よ」

「楯無...対暗部用暗部、更識家の当主か」

「一体何の用です? 機体の詳細スペックは教えませんよ」

「確かに貴方達の機体のスペックも気になるけど、今日はお礼に来たのよ」

そしてまた扇子を広げる。

そこには『感謝』と書いてある。

「俺は貴女に何かした記憶はありませんよ」

「ううん、私の事じゃなくて簪ちゃんのことよ」

「簪のこと?」

「そう、貴方のお陰で友達も増えたみたいだし、それにこの前、簪ちゃんから仲直りしよって言ってきたのよ。簪ちゃんは貴方と出会っていい方向に変わり始めてるわ。その切欠を作ってくれた貴方に感謝してるわ」

「俺はほんの少し、アドバイスしただけで変わったのは簪自身の力だ」

「なら、そう言う事にしておくわ。お姉さんこの後、用事があるから。それじゃあね~」

そう言うと楯無は颯爽とその場から立ち去るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自室に戻ったイチカはアプロディアの許可を貰い、ジェネレーションシステムに記録されている機体のデータを見ていた。

「兄さん。そんなに一生懸命機体データを見てどうしたんだ?」

「今後、来るであろう敵に対しての対抗策を考えたんだ」

「へぇー」

「今、考えるべき策としてIS学園の防衛力の増強が一番だろう。IS学園は他からしてみれば高い方だがここは実戦経験が少ないのとISの数は多い方だが武器が弱く、量産型ならある程度は行けるがそこから先はきついだろう。後、絶対防御は完全と思っている辺りが難点だな。テスタメントの様な量子コンピュータウイルスに浸食された場合発動するか怪しい。何かの要因で発動できなくなるかもしれない。世界に絶対なんてありえない」

更にISは人が乗らなければ起動できないが無人機は人が乗らずとも起動できる。

人は一度、命を失うと二度と動くことはできないが無人機は例えいくら破損しようとその部分を修復することで早い段階で復帰を果たすことが出来る。

人は睡眠、食事など生きていく上で必要不可欠な行為と集中力や気力などは自身に影響を与えるのに対し、無人機はそう言った行動や影響を受けない為、戦力が落ちる事は無い。

「確かに無人機には人には無い利点がある。決められた事しかできず、信念も覚悟もない、力は只の暴力でしかない」

「そうだな」

「だけど今は猫の手も借りたい状況だ。不本意だが数機だけ無人機を製作、俺達の新たな武装の開発、場合によってはここにあるISを改造するかもしれない」

「最初の二つは分かったが最後の改造は具体的にどうするつもりなんだ?」

マドカがそう言うとイチカは端末に複数の機体を映し出す。

「まず、IS学園の防衛としてビルゴを製作。箒達の訓練としてヴァイエイトとメリクリウスを使用。IS学園の戦力強化としてハイぺリオンを採用する予定だがモノがモノだけに資材が無いのとハイぺリオンに関しては学園の許可が下りるかどうかだ」

「資材に関しては当てがある」

「それは本当か」

「あぁ、私がこの世界に戻ってから何度か襲撃を受けている。恐らく、コードフェニックスも同じはずだ。 なら、そこを利用すればいいだけだ」

「成程。そういう事か」

材料が足りないのなら、余所から貰えばいいというけだ。

「なら、コード・フェニックスにその意図を伝えてくれ」

「あぁ、分かった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって中東諸国上空に一機の機体が一つの大剣を肩で担いでいた。

「たっく、どんだけ湧いて出てくるんだよ。少しは休ませて欲しいもんだぜ」

イチカが乗るフェニックスガンダムに近い容姿を持つ機体であり、同じ不死鳥の名を関する機体の名はマスターフェニックス。

愚痴を漏らすマスターフェニックスのパイロット―――コード・フェニックスに一つの通信が入る。

『コード・フェニックス、聞こえるか』

「コチラ、コード・フェニックス。一体どうした? イチカと合流できたのか?」

『兄さんと合流することはできたが数日前に襲撃を受けてな、今後、来るであろう襲撃に向け、兄さんと一緒に武装の強化と今、居るIS学園の戦力強化をしようと思ってな』

「なるほど。俺はお前たちと合流すればいいのか?」

『いや、コード・フェニックスは単独行動を続けて欲しい。今、自由に動ける奴を失いたくないのでな。今後、襲撃を受けたのなら完全に破壊しないで欲しい。 こちら側で再利用したい』

マドカの話を聞き、コード・フェニックスは自分の下に転がっているモノを一度見る。

「話は分かった。 ここ最近、よく襲撃を受けていたのと使えそうなモノは売却して行動資金にしていたから余りモノも少し、あるぜ」

『頼んだぞ。 一度、こちらに持っているモノを教えてくれ。 その後にこちらが欲しいモノを伝える』

「了解だ」

『それと兄さんから伝言だ。 「あんまり無理をするなよ。 お前は俺達の大切な仲間なんだから」との事だ。 兄さんの言った事に関しては私も同意見だ』

マドカから伝えられた「仲間」という言葉と自分の事を心配してくれる二人にコード・フェニックスは嬉しかった。

「分かった。......それとお客さんが来たようだから一度、切るぞ」

『了解。健闘を祈る』

マドカとの通信を切るとコード・フェニックスの所に向かってくる機体を捉えると肩に担いでいたクロスバインダーソードを構える。

「来るなら着やがれ。 いくらでも相手してやるぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏休みまで後、数日まで迫り、生徒たちが意気揚々と夏休みの計画を話している中職員室の扉が開くと其処からイチカが出て来た。

イチカはIS学園の防衛用に数機のISの改良案を申し出たが対して内容を見ずに却下された。

「どうだった。兄さん」

「案の定、駄目だったよ」

「理由は?」

「前回の無人機襲撃以降、ISの武装やパッケージなどを増やし、アリーナ等の強度も上げたと言い、碌に話も書類に目を通さずにアイツらは子供の戯言としか捉えてない」

そう言うとイチカは手を強く握る。

「アイツらは分かってないんだ。今度、来る敵は襲撃してきた無人機や福音よりも強敵だという事にアイツの出す被害は前回の比なんてものじゃない。 下手したら死人が出るかもしれないんだぞ」

「でも、悪い話だけではないんでしょ。兄さん」

「あぁ、夏休みの最初の一週間整備室を貸切にしてもらった」

「その一週間で何をするつもりだ兄さん。新たに機体を作るにもコード・フェニックスがここに来るのは夏休み中盤だぞ」

マドカの言う通り、コード・フェニックスが資材を送る日にちとイチカが言う整備室の貸切に出来る日にちが合わないのだ。

「さっき、言った一週間は俺達の武装の開発の為に使う。武器の資材は余りで何とかなる」

「だとして、コード・フェニックスが来るまで時間が空いているがどうするつもりなんだ?」

「確かに最初の一週間は武装の製作に使い、コード・フェニックスが来るまで数日程、時間があるから山籠もりをして鍛えるつもりだ」

「それってもしかして......」

「あぁ、ドモンに鍛えてもらった時に最低限の衣服だけ持って野獣が住む森の中でサバイバル生活したアレだ」

イチカはドモンに弟子入りという形で鍛えてもらっていたが只では教えてくれず、二週間野獣が住む森の中で生き延びるというモノでしかも渡されたのは衣服やタオルなどの最低限のモノだけで武器は己の拳という状態で放り込まれたのだ。

最初の一週間は常に空腹で食べれる山菜などは必要最低限しか知らない為、毒草なのかそうじゃないのか分からなかった。

そんな中、弱っていたイチカに一匹の猪が突進してきた。

精神的にも肉体的に限界が来ていたイチカだがここである事を思い出す。

ドモンが言っていた「科学以外にも目に見えない力がある。目や耳だけに頼らず、自然や地球の息吹を感じるんだ」と言っていた事を思い出した。

その力の名は『気』と言い、全ての生物や自然が持つ力だ。

生死の境目でイチカは『気』を理解し、手に持っていたタオルに気を纏わせ横に振り払い猪を倒すことに成功し、一週間が過ぎ、ドモンが迎えに来た時に『気』を理解することに成功したことを教えると本格的な指導が始まり、その中で幾つかの業を生み出した。

「兄さん...。それは止めておいた方がいいと思う」

「こういうのは定期的にやる方がいいんだよ」

「いや、煮詰めすぎて大切な時に問題が起きても困るし、それに身体を休めるのも修行の内ってよく言うでしょ。 オーバーワークして体を壊す分けにはいかないだよ。兄さん」

「分かったよ。 今回は少し休ませてもらうよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、夏休みが始まり、イチカとマドカは整備室に七日間籠り、予定通り終わらせた。。

生徒達が国や実家に帰ったり、旅行等に行っている最中イチカはダブルオーライザーとケルディムの新しい武装を作り終え、完成したモノ見ていた。

ケルディムに追加されたのは二つ。

一つはGNピストルを二挺追加し、もう一つはGNライフルビットである。

GNライフルビットはGNシールドビットより、大型の誘導兵器であり、肩に2基、太陽炉に4基の計6基を装備し、一基でスナイパーライフルと同等の威力と射的距離を持ち、右肩の2基は固定砲塔としても機能する。シールドビットと同様に、盾としても使用できる優れモノである。

そして、ダブルオーライザーの最大の問題である『ライザーシステム』はトランザム状態で発動させるため貯蔵粒子を完全に使い果たしてしまうことや、発動中は一切の回避・防御行動が行えないという欠点があり、その解消策を考えた結果、GNソードⅢを開発することでこの問題を解決することにした。

「GNソードⅢも完成したし、今作れるものは出来たかな」

「そうだな。にしても懐かしいな。この機体(ダブルオーライザー)にこの武装(GNソードⅢ)とかヴェーダ奪還の時を思い出す」

「確かに私が乗っている。ケルディムもGNHW/Rだったな。あの時、兄さんはフェニックスに乗っていたんだよな」

「あぁ、ネェル・アーガマに大量のガガの特攻から守っていた。 数えきれないほど倒し、戦意が下がり始めた時、俺はあの光を見た」

「刹那・F・セイエイが乗るダブルオーライザーが放った七色の輝きを放つ膨大なGN粒子『トランザムバースト』によって兄さんは革新を遂げた」

マドカの話を聞いていたイチカの黒い瞳は金色に変わり、それはイノベイターやイノベイドが持つ瞳であり、イチカがイノベイターである証拠だ。

「やることも終わった事だし、買い物に行きたいな。私の生活に必要な物は最低限しかないからな」

「そうだな。どこで買い物するんだ」

「レゾナンスという所でするつもりだ。クラスの本音が買い物するならそこがいいと言っていた」

「あそこなら、色んなものがあるからな。じゃ、さっさと買いに行きますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マドカとレゾナンスで買い物をある程度済ませると近くのレストランで昼食を取ろうとした。

「見知った顔がいるなと思ったらお前たちか」

「い、イチカ!? なんでここに!!」

「マドカの買い物に付き合っていたんだよ」

ほらっと持っていた買い物袋を見せるイチカ。

「所で、嫁よ。私達が特別トレーニングを受けている間何をしていたのだ?」

「あぁ、ダブルオーの問題点の解決とマドカのケルディムの武装、製作&追加だな」

「え? もしかて一週間ずっとそれを作ってたの?」

「そうだ。中々、良い一週間だったぞ。兄さんとずっと一緒に居れたんだからな」

イチカの腕に抱き付きドヤ顔をするマドカ。

「ぐぬぬぬぬぬぬ」

「マドカ、腕に抱き付くな。 所でシャルロットはさっきから何をチラチラ見ているんだ?」

シャルの視線は隣の席に座っている女性を向いていた。

何かに困っているらしく折角頼んだぺペロンチーノもすっかり冷めていた。

「ねえ...みんな...」

「「「おせっかいは程々にね」」」

「みんな...僕の事理解してくれてるんだね...」

「まぁ、兄さんも人の事は言えないけどな」

「どういう意味だよそれ」

イチカはマドカを横目で睨むがマドカは何事も無かったように目の前の料理を食べる。

「取り敢えず話だけでも聞いてみようかなって...」

「自分の思うように行動すればいい」

「うん!」

そう言って隣のテーブルに向かって走っていくシャルロット。

食事を終えたイチカ達はシャルロットの後を追う。

「はあ...どうすればいいのよ...まったく...」

「あの...どうかされましたか?」

「え?―――!?」

イチカ達を見た女性は勢いよく立ち上がるとシャルロットの手を握る。

「あなた達!!」

「はい?」

「バイトしない?」

「「「「え?」」」」

 

 

 

 

 

「まあそんなこんなで突然4人も辞めちゃったのよ。実際二組のカップルが駆け落ちした訳なんだけどね...あはは...」

「はぁ」

「へー」

「ほぉ」

「か、駆け落ち...///」

「でもね、今日は超重要な日なのよ!!本社から視察が来るのよ!!お願い!!あなた達にバイトして欲しいの!!」

要するに人手が足りないので手伝って欲しいとのことだ。

「構いませんが...僕はなんで執事服なんでしょうか?」

「だってほら!!そこいらの男なんかよりずっときれいでカッコいいもの!!」

「なんで俺は付け髪をしなちゃいけないんだ」

「素のままでもいいけど、その方がカッコいいもの!!私専属の執事にしたいくらいよ!!」

やや興奮気味女性、イチカは後ろ髪で長髪を束ねているがこれは付け髪で本来は肩に掛かる程度なのだが、その姿は似合っていた。

「そ、そう言えばこのお店の名前ってなんて言うんですか?」

雰囲気を変えるためにシャルロットが店長に向かって質問する。

すると店長はスカートの裾をつまみあげかわいらしいお辞儀をする。

「お客様、@クルーズにようこそ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました。アップルパイと紅茶でございます」

「あ、ありがとうございます!!」

イチカは過去にネェル・アーガマで執事を(強制的に)やったことがあるのだ。

「ミルクとお砂糖がございますが、いかがなさいますか。お嬢様」

「ミルクと砂糖、貴方の愛も全部お願いします!!」

「かしこまりました」

イチカ自身、この仕事を苦と思ってないが偶に訳の分からない事を言う客がいるのが少々嫌な所である。

「では、優雅な時間をごゆっくりお過ごしくださいませ。お嬢様」

イチカはテーブルを後にする。

「流石は兄さん。昔、罰ゲームで執事をやらされて、しごかれた経験が生きたようだな」

「まぁ、一週間、機械の相手しかしていなったから、こっちも息抜きになるんだがな。それとその話するな。あんまり思い出したくないんだ」

バン!

「全員動くんじゃねえ!!」

突然、勢いよく店のドアが開き目だし帽をかぶった3人組が店内になだれ込んでくる。

その直後店内に銃声が響き渡る。

「きゃああ!!」

銃声に驚き客の一人が悲鳴を上げる。

「う、うるせえ!!静かにしてろ!!」

「はぁ、不幸だ...」

「ど、どうするの?イチカ」

「メンドイ。俺が片づける」

イチカはそう言うと強盗犯三人組に近づこうとする。

「ちょ、イチカ!!今は相手の観察と機会を窺って...」

「俺がこの程度でやられるかよ」

「まぁ、兄さん一人で如何とでもなるな」

「じゃ、行ってくる」

イチカはそう言うと強盗3人組と向きあう。

「なんだ、この餓鬼。まさか、俺達に生身で挑もうと思ってるじゃないんだろうな」

「ふん。銃が無ければ何も出来ないような小さい奴が何を言おうと聞く耳持たんな」

「舐めてんじゃねえぞクソガキ!!今すぐ蜂の巣にしてやるよ!!」

強盗3人組のうちサブマシンガンをもった男がこちらに発砲する。

イチカは回避せずに留まる。

客の一人が悲鳴を上げるがここである疑問が浮かぶ。

弾がイチカの身体を貫いた場合、鮮血が飛び散るはずなのだが一切飛び散らず、執事服も血に染まっていなかった。

イチカはいつの間にか突き出し、握られていた腕から何かが落ちる。

それは先程、強盗犯が撃ったサブマシンガンの弾だ。

イチカは目にも止まらぬ、スピードで放たれた弾を掴み取ったのだ。

「ば、化け物...」

「その発言は俺でも少々傷つくな」

「兄さん。これを」

マドカはイチカに向けて一つの布を投げる。

「そんなもんで一体何が出来るっていうんだよ!!」

「甘く見るなよ」

イチカは布を横薙ぎにすると強盗犯の左腹部直撃し、数メートル飛び、壁に強く頭を打ち付けたのち、糸が切れた人形のように力なくうなだれる。

「お前!一体何を」

「布槍術の一種さ。ただ、使っているのが布だから!」

イチカはハンドガンを持っていた男に布を絡めるとそのまま自分のいる所に引きつけると鳩尾に一撃入れる。

「ガハッ!」

「相手の行動を封じることも可能なんだよ」

イチカは倒れた男に目もくれずにリーダー格と思わしき男に接近する。

「少し...頭冷やして来い!!」

そう言うとイチカはリーダー格の男の顔面を殴る。

吹き飛び尻を突き出した状態で気絶するがマドカはそんな事気にせず、接近する。

「すぐ、目を覚まして『サツに捕まるのは嫌だから道ずれにして死んでやる』とか言ってきそうだからな」

「そんな古い方法なんて......ありそうだな」

「それが起きないように麻酔針でも刺しておこうかなと思ってな」

「ん~、別にいいんじゃないかな」

イチカの了承?を得るとマドカはメイド服に隠していた麻酔針を額に刺す。

「これで一時間は目覚めないはずだ」

「終わったのか...?」

「た、助かったの?」

客達は状況をイマイチ飲み込めていないのか少々怯えながら動き出す。

「すげえ!!俺達助かったんだな!!」

「ありがとう。黒髪の執事さんと黒髪のメイドさん」

「人に感謝されるのはいいものだね。兄さん」

「そうだな」

事態の終息を確認した店長はすぐに警察に連絡を入れる。

「ねぇ...イチカって生身でもあんなに強いの?」

「あぁ、兄さんを鍛えた相手が相手だけにバカげてる強さを手に入れたな」

「私も嫁の師匠に鍛えてもらえば強くなれるのか」

「ラウラは今のままでいて。お願い」

「?シャルロットが言うのなら」

「外が騒がしくなってきたから俺達はここから出ていくから。行くぞ、マドカ」

イチカはシャルロット達の声を聞かずに裏口から出ていき、マドカは無言で後を追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、数日後、コード・フェニックスが訪れ、頼んでいた資材が届けらた。

その後、MSの知識があるコード・フェニックスに手伝ってもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏休みも終わり、二学期が始まっていた。

生徒達は各自、夏休みの思い出を語っている。

では、イチカの夏休みがどんなものだったのかというとビルゴ、ヴァイエイト、メリクリウスの製作と新たな武装の製作だ。

武装と時間の関係上、3機のビルゴに関しては作り終えたが、ヴァイエイトとメリクリウスに関しては9割程終わっている。

ビルゴの制御はアプロディアに任せることになっている。

 

 

 

今、学園祭の準備についての全校集会が行われた。

「それでは、生徒会長から説明させていただきます」

生徒会役員が会長を呼ぶ。すると楯無が席を立ち、壇上に登った。

「どうも、はじめまして。いろいろなことがあって挨拶が遅れてしまいました。この中の何人かは名前を知っていると思うけど、私の名前は更識楯無。君たちの生徒の長よ。それでは今月の一大イベントである学園祭のことについて説明するわね。例年、出し物に関しては各部活動ごとの催しごとを出して、それに対して投票を行い、上位組には部費に特別助成金が出る仕組みでした。ですがそれでは面白くないので、今年は―――――」

この時、イチカの脳裏に電流が走る。

「一位の所にギルオードを入部させます」

キラッという効果音が聞こえそうなポーズをする楯無。

「な、なんだってー!!」

そうして学園全体での男性操縦者を賞品とする争奪戦がここに勃発した。

 

 

 

 

 

 

 

「イチカ・ギルオードのホストクラブ!」

「イチカ・ギルオードとツイスター!」

「イチカ・ギルオードとポッキーゲーム!」

上がってくる意見は全てイチカ関連の事柄であるため、なかなか話が進まない。無論、やられている本人からすると溜まったものではない。当然の如く、当の本人は反発した。

「却下だ」

イチカの反発にブーイングが上がる。

「えぇぇぇぇぇ!?」

「俺を犠牲にしてまで楽しみたいのか!!」

(私達)を救うために(イチカ)を切りすてる。当然の事じゃない」

「訳が分からないよ...」

イチカはマドカに助けを求める。

「ま、マドカは反対だよな」

「私は兄さんとホストクラブに両者お触りOKでいいと思う」

「なんか追加してるぅぅぅ!?」

最近、手遅れというより、前から手遅れだったマドカに頭を抱える。

「そんな、破廉恥な行為はいけませ!」

「山田先生...」

何時もは頼りない山田先生だがこの時は頼もしく思えた。

「なので、ツイスターがいいと思います」

時期がイチカにもあった。

「メイド喫茶はどうだ」

ラウラの一言にクラスの全員が固まる。いつもと同じ口調であったものの、普段とのギャップに全員が驚く。

「客受けはいいだろう?それに、飲食店は経費の回収が行える。確か、招待券制で外部からも入れるはずだから、休憩場としても需要も見込めるはずだ」

「み、みんなはどう思う?」

「成程。なら、イチカにはフロア担当してもらおう」

シャルロットも賛成の意見を出す。どうやらほぼメイド喫茶で確定したようだ。

「だが、メイド服はどうするつもりだ」

「メイド服ならツテがある。イチカの執事服も用意できるだろう」

「クラス全員のメイド服なんか用意できるのか?」

「我が部隊に任せれば問題ないだろう。少々、高い買い物になるがな」

こうして『メイド喫茶』改め『ご奉仕喫茶』が開かれることになった。

因みにラウラの言う高い買い物とは部隊内で絶大な人気を誇るイチカの秘蔵の写真の焼増しとイチカの私物である。

 

 

 

 

 

 

 

そして、イチカはクラスの出し物が決まった事を千冬に教え、職員室を出る。

「やぁ」

「なんの様ですか。更識楯無さん」

「ちょっと、お話したいから...ちょっと生徒会室までいいかな?」

「構いません」

イチカはそのまま導かれるように生徒会室に入っていった。

 

 

 

 

 

 

イチカと楯無とイチカは生徒会室に入る。

「ただいま」

「お帰りなさい、会長」

「わー......イギ―だぁ......」

「ほら、しっかりしなさい。お客様の前よ」

「お邪魔します」

イチカが最初に見たのは生徒会室の机でうつぶしている本音とそれによく似た姉(?)の姿であった。

「のほほんさん。睡眠不足かい?」

「最近、忙しくて...」

「あら、あだ名で呼び合うなんて相当仲がいいのね?」

お茶の準備を3年生に任せて、2年生でありながら会長の座に収まっている楯無。

「どうですかね。クラスメイトとしては良好と言っておきましょう」

ティーカップを持ってきた3年生(?)が口を挟む。

「本音の為にハロを作ってくれて、感謝します」

「別に資材さえあればいくらでも作れるので。それにああいう作業は慣れているから」

「イギ―の作ったハロは生徒会室でも人気なんだよ~。ねぇ、お姉ちゃん」

「お姉ちゃん?」

「ええ。私の名前は布仏虚。本音は妹です」

そんな話をしていると黄色のハロが本音の腕に飛び込んでくるのが見えた。

「さて、話したいんだけど、大丈夫?」

「えぇ」

「ありがとう。じゃあ、まずイチカ君に聞きたいことがあるんだけど?」

「はい、なんでしょうか?」

楯無は虚が渡してきたプリントを確認しながら、イチカに話しかける。

「貴方は一体何者なのかしら」

「それはどういう事ですか?」

イチカは楯無の言っている意味を理解している。

「貴方が入学した時に勝手ながら調べさせてもらったわ。結果だけ言うなら貴方の事は分からなかった。この地球にイチカ・ギルオードという人物が『存在』してないかの様に」

「存在していない...。なら、ここに居る俺はなんなんですか?」

「私達はそれが知りたいのよ。イチカ・ギルオードいえ――――織斑一夏君」

「成程、そこまで調べがついてるんですね」

イチカは今までと変わらない態度で話す。

「えぇ、織斑家長男として生まれ物心つく前に両親と離れ離れになり、織斑千冬によって育てられ、第二回モンドグロッソで行方不明になる。簡単に言うとこんな感じかしら」

「確かに俺は親の顔も知らない。千冬姉に育てられてきた...。貴方が知りたいのは第二回モンドグロッソ以降の経歴が知りたいのでしょう」

「そうよ。更識家の情報網を使っても分からなかったわ。貴方の使っている力はどの国もまだ開発されてない...未知のテクノロジーなのよ。空白の期間でここまでの物は作れない。ましてや貴方の持つ雰囲気は戦場駆け巡ってきたモノと同じなの」

「そうだろうな。 俺はいままで多くの戦場に赴いた。...貴方達は俺の空白の期間...俺の力について知りたがっていたが教えることはできない」

「あら、何故かしら?貴方の持つその技術を使えば世界はより豊かに発展していくんじゃないのかしら?」

「それは物事を軽く見ている証拠だ。歪んだ世界に新たな技術は毒でしかない。物事を見極める事が出来ない、今の社会にそんな事をしたってなんも意味はない。その上っ面しか見ない。現にISがそうだ。ISは本来、宇宙開発の為のモノだった。だが、世間はISの性能しか目もくれず、戦争の道具...兵器としか捉えてない。現状でそんな事をしても同じことを繰り返す」

「でも、アラスカ条約によって規制されているわ」

そう、ISは『アラスカ条約』により、軍事転用が可能になったISの取引などを規制しているが、イチカはそんなモノ当てにはしていない。

「ISが兵器として運用されていないとでも思っているんですか。 じゃ、聞きますが...何故、『亡国企業』はISを使って施設の破壊、ISの強奪をしている。そんなもん破ろうと思えば破れる」

「っ!?」

思わぬ言葉に楯無は座っていた席から飛び上がった。

「一体...何処でその言葉を聞いたのかお姉さんに教えて欲しいな」

「......俺の身近に元・亡国企業の奴がいてな、色々、教えてくれたよ。 俺はそれが誰だかは言わない。 そいつは俺の大切な人なんだからな」

「そう...。そのことについては深く言及しないであげる」

「用が無いのなら帰らせてもらいますよ。後、俺の事が知りたいのなら時を待てとだけ言っておきましょう」

イチカはそう言うと生徒会室を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって、とある遺跡にコード・フェニックスがいた。

遺跡を探索していたコード・フェニックスは驚きを隠せずにいた。

「おいおい...。これは一体どういうことだ?」

コード・フェニックスは遺跡にある壁画に描かれてるものが異質なものだからだ。

「なんで...この壁画にSystem-∀99 ∀ガンダムが描かれてる...」

コード・フェニックスの目の前には建造物らしきモノの上空に赤いツインアイに白い髭の機体が色鮮やかな蝶の様な翼を出しな飛んでいる。

そしてもう一つの絵はそのSystem-∀99 ∀ガンダムらしき機体について行くかの様に後ろについて行く人々と見送るかのように佇んでいる人々。

コード・フェニックスは自分の頭をフル回転させ、解を導き出そうとする。

「あぁぁぁぁ!! 全然、分からねぇ...」

科学者でも無い、コード・フェニックスが分かるはずもなく、二つの壁画を記録に残し、探索を終了し、外に出るとマスターフェニックスが接近する熱源反応を捉える。

「敵か...!」

コード・フェニックスはマスターフェニックスを纏うと接近する熱源体の姿を捉えるとそこに映っていたのはボロボロのバーニアに頭部には王冠を思わせるモノがついている。

ここでコード・フェニックスはある事に気づく。

接近する機体から生体反応がある事に気づくと接近していた機体は突然、制御を失い落下し始める。

「おいおい、マジかよ!!」

コード・フェニックスは所属不明機を受け止めると大地に足を付ける。

所属不明機を地面に横にさせると機体が一瞬、眩い光を放つと其処には先程の機体は無く、其処には全身怪我だらけの頭部に迷彩柄のバンダナを付けた青年がおり、コード・フェニックスはその人物に見覚えがあった。

「お前は...ラナロウ・シェイド...。何でここに」

「...こ、コード・...フェニックス...。 このままだとイチカが...危険なんだ...。はやく伝えないと...」

「無理をするな。お前は怪我人なんだから少し、安静にしていろ」

「そんな...事している...暇はないんだ。このままだと...取...しの...つか...い...ない」

「おい! 大丈夫か!? しっかりしろ!!」

ラナロウは何かを伝えようとしたが伝える前に気絶した。

 

 

 




ドモンが簡単に鍛えてくれるとは思えなかぅたのでイチカに過酷な修行クリアして弟子入りさせました。

イチカが使う技は基本的に東方不敗の似た様な技が使えます。

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