インフィニット・ジェネレーション   作:ハルン

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20話

イチカは教室に戻り、接客をしていると楯無が現れる。

「さて、イチカ君、ちょっと手伝ってもらっていいかしら」

「別に構いませんが...変なこと考えてないでしょうね」

イチカの言葉に目を逸らす楯無。

イチカはNT故に相手の感情が分かるのだが、楯無からは表面的には面白そうという感情が占めているがその奥に『何か』に対する『警戒心』を感じた。

「はぁ...それで、何を手伝えばいいんですか?」

「生徒会の出し物に出て貰うだけよ」

「出し物...何やるんですか?」

「演劇よ...観客参加型演劇」

 

 

 

 

 

 

 

イチカは楯無に何をやるのか聞いた後更衣室に行き着替えている。

そこにあった衣装は絵本とかに出てきそうな王様の衣装であった。

(何かあった時の為に布を持っていくか)

衣装に布を仕込むと、ちょうどいいタイミングで外から楯無の声がする。

「イチカ君、着替え終わったー?」

「終わりましたよー」

彼がそう言うと彼女は室内に入ってくる。すると彼女は王冠をイチカにかぶせる。

「うん、イチカ君似合ってるじゃない。王子様って感じよ」

「そりゃどうも、そう言えば俺台本なんて見てないんですけど大丈夫ですか?」

「大丈夫よ、基本はこっちで進めるからイチカ君はそれに従ってくれればいいわ」

そう言うと彼女は一夏をつれ第4アリーナへと向かう。そこはすでに特設ステージとなっておりセットなどもかなり本格的に作られている。ちなみに観客席は満員であり、中には一組のクラスメイトもいた。どうやら話を聞きつけ一組に限らずかなりのクラスが出し物を中断しこの演劇を見に来たらしい。

そしてブザーが鳴りいよいよ幕開けとなる。

「むかしむかし、あるところにシンデレラと言う少女が居ました。しかし、そのシンデレラと言うのは本当の名前ではない、舞踏会と言う名の戦場を潜り抜けし最強の戦士たち。彼女たちにふさわしい称号。それがシンデレラ!今宵もまた血に飢えた彼女たちが現れる。王の冠に隠された隣国の軍事機密を狙い舞踏会と言う名の戦場が幕を開ける!!」

「って、それ可笑しいだろ。それ!!」

イチカのツコッミと同時にシンデレラとは言い難い演劇が幕を開けた。

『私の記録によればシンデレラとはメルヘンチックな御話だと思うのですが』

『その認識で間違いありませんよ』

アプロディアとそんな会話していると目の前にはドレスを来た鈴音が現れる。

「さて...と。その王冠をいただくわよ。アイツなんかに獲られるくらいなら私が貰うわ、覚悟しなさい!!」

そう言うと彼女は飛刀を構えイチカに突撃してくる。

イチカは右、左、時にはしゃがんで避ける。

「なんで、当たらないのよ!!」

「当たれと言って当たる馬鹿はいないだろが」

チラッと先程から自分を狙撃しようとしているセシリアを見る。

イチカは衣装に仕込んでいた布を構える。

「そんな、布で一体何をしようって言うのよ。イチカ!!」

「似たような事が前にもあった気がする」

『恐らく、@クルーズの時だと思います』

アプロディアの言葉を聞きながら布を鈴音を拘束する。

「何よこれ! 離しなさいよ!!」

「行くぞ!!」

「え?ちょ...キャァァァァァ!!」

イチカは布を両手で持つとそのまま回転し、その回転速度は徐々に上がっていく。

このまま、放り投げると大怪我しかねないので回転の勢いを弱め、放り投げる。

『イチカ・ギルオード。その王冠を無理に外そうとすると電流が流れる仕組みになっています』

『はぁ!?』

『電流が流れないように解除しておきました』

アプロディアから電流が流れるという事実を聞くとイチカは飛来する物体を掴み取る。

「え?嘘っ!?銃弾を生身で掴み取るってどんな神経しているのよ!!」

ナレーション役の楯無もイチカの驚きの行動にナレーションの事をすっかり忘れてしまっていた。

「本当ならイチカの助っ人みたいな感じで登場しようと思ったのにな」

「シャルロットよ。嫁のあの身体能力を前に助っ人など不要だろ」

「...ここは共同戦線で行く。王冠は早い者勝ち」

「だが、一夏の王冠は私が貰い受ける!!」

新たに現れ、シャルロットは拳銃を持ちラウラは二刀流のタクティカル・ナイフを持ち簪は薙刀を箒は日本刀を携えていた。

「そうまでしてこの王冠が欲しいのか。貴様」

「そうだ。価値の分からぬ嫁の代わりに私が有効活用させてもらう」

「ラウラ。残念だけど今回だけは譲れないよ。何せイチカと...」

「王冠は誰にも譲らない...」

「えぇい! あの王冠は私のだ!!」

何故か、バトルを始める四人だがイチカは先程から狙撃が無いことに気づきセシリアの『気配』のする方を見てみると

「残念ながら、兄さんの王冠は誰にも渡さん。兄さんの敵だというのなら私が排除する。兄さんとの愛の巣(アヴァロン)を奪わせはしない!!」

「...む、無念ですわ」

二挺拳銃のマドカがセシリアを倒しているのが見えた。どうやら、マドカはイチカの味方ようだ。

ステージ全体に地響きが起き、それは次第に大きくなっていく。

「さぁ、ただいまからフリーエントリー組の参加です!王子様の王冠目指して頑張っていってね!」

「オイオイ、マジかよ」

地響きの正体である、ドレスに身を包んだ大量の生徒が押し寄せてきた。

イチカは布を使い一網打尽にしようと考えたが怪我をされても困るし、かと言ってラウラの時の様にプレッシャーで黙らせるわけにもいかずステージを駆け巡っていると誰かがイチカの腕を掴む。

「こちらへ」

「ん?」

イチカは手を引っ張られるままにステージから離れていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「着きましたよ」

「ここは...」

着いた場所はイチカが衣装に着替えた場所だった。

「さて、目障りな小娘共も居なくなったし...さっさとその機体を寄越しな!!」

「お前何者だ...。お前から感じる気配は一般人にしては禍々しい」

イチカが目の前の女性から感じたのは嘗て戦った戦争屋と似たものを感じた。

「中々、面白いこと言うな。冥土の土産に教えてやるよ。亡国企業の一人、オータム様だ!!」

イチカに向けて拳を振るうがイチカはそれを左腕で制止、右腕で制止させた腕を掴むと背負い投げをする。

「へぇ、生温い環境でぬくぬく育った餓鬼にしてはやるじゃねぇか!!」

オータムと名乗った女性の背中に8つ脚の様なモノが現れると其処から砲撃が放たれる。

「チィ!」

イチカは砲撃を躱し、躱しきれないものは気を纏った布を使い防いでいる。

「中々、やるじゃないか!!」

オータムは部分展開ではなく、自らのISの全貌を明かした。

その姿は一言で言えば異様であり、蜘蛛を模した異様な容姿をしている。

「この学園で問題起こされても困るのよね。事務処理が大変なんだから」

声のした方には自らのISを身に纏った楯無がいた。

「てめぇ、何者だ!!」

「更識楯無、このIS学園の生徒会長をしているわ。 出会って早々何だけど。ここ熱くないかしら?」

楯無の言葉にイチカは気づく、この部屋の湿度が上がっていることに。

「!?」

部屋を漂う霧はオータムに纏わりつくかの様に異様に濃い霧が発生していた。

パチン、と楯無が指を鳴らすとオータムを中心に爆発が起きる。

「...なるほど、水蒸気爆発か」

「あら、よくわかったわね」

「俺の考えが正しいのなら、その左右に浮いているパーツから発生したナノマシンか何かで水を作り、それを霧状にして攻撃対象物へ散布し、発熱させることで水を瞬時に気化させ水蒸気爆発を起こすと言ったところでしょうかね」

「...一目見ただけでここまで分かるなんて...大した観察力と洞察力ね」

「...ッ!」

楯無は驚いた素振りを見せる中、イチカはダブルオーライザーを纏うと楯無の前に出るとオータムがイチカの目の前に現れる。

「チィ。ここまでか」

オータムはISから離れると圧縮空気が抜けるような音が聞こえ、オータムがアラクネから離れると数瞬後、アラクネは大爆発を起こす。

煙が晴れると其処にはGNシールドを展開した、イチカがおり、楯無はイチカが展開したGNフィールドによって守られていた。

「ケホ、コホッ。ありがとうイチカ君、助かったわ」

「いや、まだ助かったという訳ではないみたいですよ」

「え?」

楯無はイチカの視線に合わせると其処には更衣室の奥で腕を組んでるオータムがいた。

「今ので仕留められなかったか」

「貴女にはもうISは無いわ。大人しく降伏したら」

「降伏?...フフフ...フハッハハハハハ!そんなもんする必要はない。まだコイツがあるからな」

オータムは腕についている赤いブレスレット見せるとオータムの身体は光に包まれ、そこにいたのは...。

「なによ...あのIS...」

「アルケーガンダム...だと...」

オータムが纏ったISは先程の蜘蛛の様なISと違いイチカの乗るガンダムとは程遠いシルエットを持ち、背部からは赤い粒子が放たれていた。

「お前はその機体を何処で手に入れた。いや、誰から貰った!!」

「つい先日、黒い全身装甲のISの女から貰ったのさ!!」

「コード・アメリアスか...!!」

「アイツの事知っているのか?まぁ、こっちとしてはどうでもいいけどなッ!!」

オータムはGNバスターソードを振りかぶるとイチカは新しい武装のGNソードⅢで防ぐ。

「お前たちは一体何の為にその力を振るうんだ!!」

「はぁ?何言ってやがるんだ。そんなもん力があるならその力を使わないで如何するってんだよ!!」

「何も思いも覚悟も無しにその力を振るうのか!!」

「そんなもん無いね。壊したいから壊す、殺したいから殺す。ただそれだけだ!!」

「フザケルナァァァ!!」

「アハハハ!もっと私を楽しませろよ!!」

GNバスタソードとGNソードⅢが何度も鍔迫り合いを起こす。

「今助けるわ。イチカ君」

「小娘は引っ込んでな。 行け!ファング!!」

「クッ!」

オータムはアルケーの両腰のバインダーにあるGNファング を四基出すと楯無を攻撃する。

「オラッ!足元がお留守だぜ!!」

「チィ!」

オータムは姿勢を低くし、両脚爪先に固定装備されているGNビームサーベルで攻撃する。

「楯無さん。少し、ここ破壊させてもらいますよ」

「ちょ、それってどういう――」

楯無が言い終わる前にイチカは両翼バインダー側面に格納されているGNマイクロミサイルを天井に向けて放ち、天井に開いた穴を使い外へと出るとオータムもイチカを追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イチカがオータムと交戦している最中、箒達はIS学園に攻撃している敵に苦戦していた。

「クソ!数が多い!! どれ程の戦力が攻めてきているんだ!!」

「分かんないよ!!いきなり、現れたんだから」

IS学園の至る所から煙が上がり、銃撃の音と金属がぶつかる音が聞こえ、時折、何かが爆発する音が聞こえる。

箒とシャルロットの目の前には数十機のアッガイ、ジュアッグ、ズゴックがいた。

一機を倒そうにも各機がミサイルやビーム等が弾幕の様に襲いかけてくる為、近寄れないでいた。

「なら、これはどうです!!」

セシリアはブルーティアーズを使い攻撃するがアッガイ達の並ならぬ砲撃により、上手く操作できずにいた。

箒達は上空から攻撃しているが接近できずに居ると箒達に二つのビームが横切り、咄嗟にそこから離れるとそこには戦闘機の様な姿をし、スラスターと思わしき所に内蔵された二つのビームライフルがあり、それは次第に人の様な形をした姿になった。

「変形だと!?」

「...まるでイチカのZガンダムみたい」

「驚いている暇あったら攻撃しなさいよ!!」

鈴音は地上に降り、龍砲と双天牙月を使い攻撃しているが一向に数が減らない。

「...これで!!」

簪は2門の連射型荷電粒子砲の春雷と山嵐のミサイルで応戦するがミサイルに関しては撃ち落とされている。

各自、残弾数もシールドエネルギーも心許ない状態になってくる。

すると、一つのビームがアッガイを沈める。

「なんだ!!」

ラウラが攻撃をしてきた方を見ると其処には蒼く塗装された二つのバーニアと中世の騎士を思わせる機体がいたが所々、傷がある状態だった。

『此方、ラナロウ・シェイド。お前たちの援護に来た』

「援護だと? 味方の振りをして何か企んでいるのではないか」

『俺はイチカ・ギルオード並びにマドカ・ギルオードの仲間だ。信用しないならそれで構わないがこの戦いが終わったらイチカ達に会わせて

もらいたい。重要な話がある。もし、信用できないんなら監視をしていても構わない』

そう言いながらラナロウは次々と敵を落としていく。

「どうするの?」

「...今は共闘して敵を倒すべきだと思う」

「そうだな、一時奴と共闘して敵を殲滅するぞ。奴は監視をしても構わないと言った。もし不審な行動をしたら落とせばいいだけの事だ」

そう言うとラウラ達は攻撃を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは...」

外に出たイチカが見たのはIS学園の至る所から煙が上がり、教員と専用機持ちが向うの世界の機体と戦っている姿だった。

「よそ見するとは余裕だな!!」

「クソッ...」

イチカは今すぐにでも増援に向かおうとしたがオータムと再び交戦に入る。

『アプロディア。ビルゴを三機出撃させてくれ。このままだと被害がデカくなるばかりだ』

『現在、ビルゴを出撃させ敵と交戦しています』

『ナイスだ』

イチカはアプロディアがビルゴを出撃させたことにより、被害はある程度は抑えられる事が出来ると考え、目の前の敵に集中する。

「ウォォォォ!!」

「もっとだ! もっと楽しませろ!!」

「自分の快楽の為に戦いを起こすな!!」

「いいね。いいね。最近の奴は態度ばかりデカくて、戦ってみれば怯えて腰を抜かしてつまらないったらありゃしね。それに比べてお前は怯えもせず、戦いを挑んでくる。いいね、いいね。最高だね!!」

「お前に褒められても嬉しくない!!」

お互いに攻撃しているとオータムの身体に衝撃が襲い、衝撃のした方を向くと其処には。

「お姉さんを無視しないで欲しいわね」

楯無は水を螺旋状に纏ったランスをオータムに向け、ランスに内蔵されている四門のガトリングガンでオータムを攻撃したのだ。

「小娘が邪魔すんじゃね!!」

オータムは視線を低くしたまま、楯無に接近し、懐に潜り込むと爪先からビーム刃を発生させ、攻撃する。

「隙だらけだぞ!」

「この程度!!」

「無駄無駄!」

「キャァァァァァ!!」

楯無は水のヴェールで防ぎ、ランスで攻撃するがオータムはクルリと上に向けて回転しながら移動することで避けるとGNバスターソードを叩きつけるように振り下ろし、楯無は咄嗟に水のヴェールで防ぐがGNバスターソードを完全に防ぐことはできず、そのまま水のヴェールとごと一緒に叩き斬る。

「弱いくせに前に出てきやがって...目障りなんだよ!!」

GNバスタソードに斬られ、地面に叩きつけられたことにより、ミステリアス・レイディは中破し、水を発生させるアクア・クリスタルは先程の攻撃により片方が破壊され、シールドエネルギーは三分の一を下回っている。

オータムはGNバスタソードを突きつける様に構えるとそのまま突撃する。

「やらせるかぁぁぁ!!」

イチカは楯無を護る為にダブルオーライザーのバーニアを吹かせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園のとある非難区画にS学園に侵入したガロード達がいた。

「今、彼はここに居る人を護る為に戦っています」

「クソッ...。イチカの奴は戦っているのに俺はここでジッとすることしかできないのかよ!!」

「ガロード...」

ガロードはイチカ達が戦っているのに対し、自分だけ何も出来ずに指を銜えて待つことしかできない。

戦う力があれば、ガロードはすぐさまイチカ達の援護に行くのだが、今のガロードにはその力がない為、ジッと待つことしかできない自分が歯がゆかった。

「ガロード。もし、力を与えられたらどうしますか」

「どうするって...。戦うに決まってるだろ。小さな戦いでもそのまま放置したら大きな戦争になっちまうかもしれない。それだけは食い止めないとダメなんだ。戦いの歴史は繰り返しちゃいけないんだ」

ガロードの言葉を聞いたティファはガロードの手を取ると

「ガロード。ついてきてください」

「お、オイ。ティファ!!」

「そこの貴方、危険だから戻ってきなさい!!」

ガロードはティファに手を引っ張られ、外に出ようとするが一人の眼鏡を掛けた生徒が呼び止めるがティファは聞く耳持たず、そのままガロードをあるところまで連れて行く。

ガロードが連れてこられたのはつい先週までイチカが籠っていた整備室だった。

「ティファ。俺をここに連れて来てどうするつもりなんだ?」

ガロードの声を無視し、ティファはそのままある一か所に向けて進む。

「これを」

「こ、これは...」

ティファが導いた場所には一つの機体があった。

黄色い特徴的なアンテナに赤、青、白のトリコロールの機体があった。

「GX!? 俺にこれを動かせってことか」

「はい」

「よっしゃ! 一丁やってみますか!!」

「ガロード、貴方に力を」

ガロードが目の前の機体――ガンダムXに触れると眩い光を放ち、その光が収束すると其処にはガロードの姿は無く、先程まであったGXとティファだけが残った。

「で、どうなったんだ俺?......ってなんじゃこりゃ!?」

ガロードは自分がどうなったのか気になり見てみると其処には人の肉体は無く、代わりに鋼鉄の身体が其処にはあった。

「なんだか分からないけど、これで俺も戦えるんだな」

「はい」

「じゃ、ティファは安全な場所に退避してくれ。ちょっくら敵さんを追い返してくるから」

「頑張って、ガロード」

ガロードは近くにあった大型のシールドと二連装ビームマシンガンを持つと戦場に赴く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って、オータムはGNバスターソードを楯無に突き刺そうとし、先の戦闘でミステリアス・レイディの各部に異常が起き、回避できずにいた。

楯無は迫りくる攻撃に思わず、目を瞑るがいつになってもその攻撃は来ず、恐る恐る、目を開けると

「ほぉ」

「い、イチカ君!?」

オータムが持つGNバスターソードによって突き刺さった真紅のダブルオーライザーが映り、腹部を貫通していることから明らかに致命傷だ。

だが、二人はある事に気づく。

貫通されたダブルオーライザーから本来なら搭乗者であるイチカの血液が流れ、地面を赤く染めるのだが地面は一切、血に染まらず不思議に思った二人を余所にダブルオーライザーが赤い粒子になりその場から消えた。

「一体、どういう事?」

「な!? あの野郎何処に行きやがった!!」

混乱する二人を余所に赤い粒子はオータムの背後に集まると其処には先程、串刺しになったイチカがいた。

イチカはGNソードⅢを上に向けるとそこから巨大なビームサーベルが出来上がる。

「ライザーソードで切り裂く!!」

「クッ!」

本来ならトランザムを起動し、オーライザーの「ライザーシステム」を作動させることで使用可能になるのだが、貯蔵粒子を完全に使い果たしてしまうことや、使用中は無防備になってしまうことなどの欠点もあった。現在装備されているGNソードⅢでは発動形態が不要となったほか、粒子消費量の調整も可能となり、運用面での欠点はほぼ解消されている。

イチカはライザーソードでオータムを攻撃するがオータムは寸前の所で避けるが完全には避けきれず、左腕に被弾する。

イチカはそのままライザーソードでオータムを追撃しようとした瞬間、イチカは何かを感じ取るとその場から後退する。

すると、先程までイチカのいた所に複数のビーム通り過ぎ、イチカはビームが放たれた場所を向くとそこには

「何...あの機体...」

「ヴァサーゴに...アシュタロン...」

「久しいな。イチカ・ギルオード」

「また、会えてうれしいよ」

ヴァサーゴとアシュタロンから聞こえた声に楯無は勿論、イチカは驚く。

「シャギア・フロストにオルバ・フロスト...」

「そんな、イチカ君以外の男性でISを動かせるなんて...」

「物事には例外というモノが存在する」

「君の常識が全てじゃない。そこの彼も僕達と同じ例外の一人だろ」

楯無はイチカ以外に動かせることに驚くがイチカはそんな会話なぞ、気にせず、GNソードⅢの鉾先をシャギア達に向ける。

「お前たちが何故この世界に居るのかなんてどうでもいい。 お前たちはこの世界で一体何を企んでいる!!」

「君に答える必要は無いね」

「話はここまでだ」

そう言うとヴァサーゴの腕部がイチカに向けて伸びる。

「チィ!」

「やらせると思うのかい」

イチカはヴァサーゴの伸びや腕部を避けるとGNソードⅢで切ろうとするがオルバが乗る、アシュタロンのアトミックシザースに内側に内蔵された二つのビーム砲で攻撃し、イチカは攻撃を断念し、回避行動に移る。

二体一の戦いが続く中、フリー状態のオータムが見動けの取れない楯無の方を向かう。

「野郎と戦えないのが残念だが...その代りにたっぷりいたぶってから殺してやるよ!!」

「楯無さん!!」

「僕達と戦っている最中によそ見とは余裕だね!」

「クソッ...!」

イチカは楯無を助けようとするがアシュタロンのアトミックシザースがイチカを拘束し、それを阻む。

オータムがGNバスターソードで攻撃しようと瞬間、大型のビーム刃がオータムを襲い、ビームがフロスト兄弟に向けてマシンガンの様に放たれ、ビームマシンガンがアシュタロンに当たり、その際に拘束が緩み、イチカはその隙を逃さず、その場から離れる。

最初こそ、当たったがフロスト兄弟はそれを回避し、イチカはその隙を見て楯無の所に向かい、オータムをフロスト兄弟のいる所に目掛けて回し蹴りを繰り出す。

皆が攻撃した方を向くと其処には黄色い特徴的なアンテナに赤、青、白のトリコロールに大型のシールドと二連装ビームマシンガンを装備した機体がいた。

「あれは...GX...一体誰が...」

「アイツが私の邪魔をしたのか」

突如現れた、ガンダムエックス(以後はGXと表記)はイチカの近くに向かう。

「何か、面倒事に巻き込まれてるみたいだな。イチカ」

「その声...ガロードか!」

「おうよ。 アイツらを倒すんだろ。なら、俺も手伝うぜ」

「新しい、男性操縦者...」

思わぬ人物の登場にイチカは驚くが驚いていたのはイチカだけではなかった。

「その声は...ガロード・ランか...」

「まさか、君までこの世界に来ていたなんて驚いたよ」

「それはこっちの台詞だ。あの戦いでお前達を倒したはずだ...」

「だが、私達はこうして生きている」

「君達がこの世界に来てくれたおかげで戦う理由が一つ増えた。僕達は同じ失敗はしない...。だから、ここで消えてもらうよ!」

前腕に装備された鉤爪ユニット―――ストライククローをアリーナの観客席に固定するとヴァサ―ゴの腹部が上下に展開・分割し、その隙間から砲口を露出するとイチカ達は回避行動を取ろうとする。

「いいのかい?君たちがそこを離れると後ろの彼女はタダではすまないよ」

「しまった...!」

「では、さらばだ」

ヴァサーゴの腹部からメガソニック砲が放たれる。

「終わったね。兄さん」

「そのようだn―――オルバ!!」

シャギアの声にオルバは咄嗟にそこから離れると七つのビームが放たれ、回避することに遅れたオータムは直撃を喰らう。

シャギア達は先程まで、イチカ達がいた所を見ると今だ晴れぬ、土煙の中に複数の機影を見つけ、土煙が完全に晴れると其処にはGNフィールドを展開したイチカとその後ろに楯無がおり、その横にはディバイダーをシャギア達の居る方に向けたガロードがいた。

イチカは咄嗟にGNフィールドを展開し、動けぬ楯無を護るとガロードがディバイダーで攻撃したのだ。

「チィ。まさかここまでやられるとは...」

「仕方ない。ここは一端撤退するぞ」

「分かったよ。兄さん」

「...了解」

「また会おう。イチカ・ギルオード、ガロード・ラン」

このままでは戦況は不利になると判断したシャギアは撤退を呼びかけ、オータムは何所か納得のいかない態度をしつつも撤退を開始する。

イチカ達はシャギア達を追撃はせず、その場に待機する。

「やっと撤退したか」

「一事はどうなるかと思ったぜ」

「楯無さんは今のうちにここから撤退してください。また、敵の襲撃が来た時に庇いながら戦うのには限界がありますから」

「そうね...。これ以上、貴方達の足手纏いにならないように今のうちに撤退するわ」

そう言うと楯無は撤退を開始しする。

「さて、すまないがもう少しの間手伝ってもらうぞ」

「最初、からそのつもりだ」

「なら、とっとこの戦闘をおわr―――ガロード! 今すぐ、ここから離れろ!!」

イチカ達が次の場所に向かおうとした瞬間、イチカの頭に何かが閃くとガロードにその場から離れる様に伝えると二人はその場から離れると上空から波状の光線が先程までいた所に直撃し、その光線は軌道を変え、イチカ達を襲うがイチカ達は左右に散開し、回避する。

イチカ達は攻撃が来た上空を見ると其処には...。

「なんだありゃ...」

「黒い...ユニコーン...」

 

 

 

 




何故、ディバイダーなのかは次回辺りに説明します。
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