安心してください、履いてませんよ 作:とにかく明るかった安村
長袖長ズボン着用状態であれば0%、一般人レベルです。
半袖半ズボンは全裸時の4割
上半身か下半身裸で6割
パンイチで8割となります。
あくまでこれは設定上の目安であるため、その場のノリと勢いとやりたい展開で変わってきますのでご了承いただければ幸いです。
「えー、途中何やらアクシデントがあったようだけれど、男同士の熱い友情が見れたのでヨシとするわ!」
ミッドナイトがそう話している中、俺はズボンをモゾモゾと動かす。
男子勢(爆豪除く)の協力により、俺は何とか事なきを得た……のだが。
「どうしたの、善羅くん」
そんな俺の様子を見て心配そうに話しかけてくる出久。
「いやな、なんつーかパンツを履いてないせいで違和感がすごくて」
パンツがお亡くなりになってしまった俺は、現在ズボンを着用してはいるがノーパン状態だ。
購買に行けばパンツは売っているのだが、流石に買いに行く時間はない。
それにしても、薄布1枚無くなっただけでこんな違和感あるってことは、パンツの役割ってかなり重要だったんだな……。
これからはおパンツ様をもっと大切に扱おう。
「そこ! 無駄話しない! っと、どこまで話したかしら……そうそう! さっきの予選通過は上位42名! 残念ながら落ちちゃった人も安心なさい! まだ見せ場は用意されてるわ! そして次からいよいよ本選よ! ここからは取材陣も白熱してくるよ! キバリなさい!」」
本選。その言葉に俺はパンツの違和感も忘れ、ごくりと唾を鳴らす。
意図せずデバフがかかってしまった俺がどこまで頑張れるか分からないが、やれることはやるしかない。
「さーて第2種目よ! 私はもう知ってるけど~~~~何かしら⁉ 言ってるそばからコレよ‼」
ミッドナイトの言葉と共にモニターに映し出されたのは『騎馬戦』の文字。
「騎馬戦……」
「個人競技じゃないけどどうやるのかしら」
周りの人の疑問に答えるようにミッドナイトは説明を始める。
「参加者は2~4人のチームを組んで騎馬を作ってもらうわ! 基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど1つ違うのが、先ほどの結果にしたがい各自にPが振り当てられること!」
なるほど、ということは誰と組むかというのも重要になってくるわけか。
さっきの障害物競走で上位に入賞した人と組めば実力はバッチリだけど、その分ポイントも高くなるからリスクも上昇すると。
さっきと違って、個の力だけではすまないから協調性や戦略も必要になってくるな。
「そして、与えられるPは下から5Pずつ! 42位が5P、41位が10Pといった具合よ。そして……1位に与えられるPは1000万‼‼」
そうミッドナイトが告げた後、皆の視線が俺へと集中する。
「1000万?」
聞き間違いだと思いたかったけれど、皆の反応を見る限り……聞き間違いではなさそうだ。
「上位の奴ほど狙われちゃう……下剋上サバイバルよ!」
それにしても落差ぁ!
「上を行く者にはさらなる受難を。雄英に在籍する以上、何度でも聞かされるよ。これぞPlus Ultra! 予選通過1位の祢伊木善羅くん‼ 持ちP1000万!」
瞬間、改めて俺に集中する視線。
今まで、良い意味でも悪い意味でも注目されてきたが、これは今までと違う視線だ。
トップに立つ者のプレッシャー。その片鱗を味わっているのかもしれない。
「さて、説明を続けるわよ。競技の制限時間は15分。割り当てられたPの合計が騎馬のPとなり、騎手はそのP数が表示されたハチマキを装着! 終了までにハチマキを奪い合い、保持Pを競うのよ」
なるほど、ポイント争奪という特殊ルールはあるもののそこは普通の騎馬戦と一緒なのか。
なんてことを思っていると、
「そして、重要なのはハチマキを取られても……また騎馬が崩れてもアウトにはならないってところ!」
と、特殊過ぎるルールを追加説明される。
ってことは、一度ハチマキを取られても制限時間内なら取り戻すことも可能という事か。
そして何より、普通の騎馬戦なら段々と敵が減るけど、雄英ルールでは常に敵の数が変わらず中々にしんどい状況が続くという事だ。
「個性発動アリの残虐ファイト! でも……あくまで騎馬戦‼ 悪質な崩し目的での攻撃などはレッドカード! 一発退場とします! それじゃこれより15分! チーム決めの交渉タイムスタートよ!」
15分という短い時間で仲間を見つけなければならないのか!
P数に関しては、そもそもの俺の所持Pが多すぎて関係ないのでP関係なく誰と組むかが重要になってくる。
まず、女子は除外だ。これは別に勝つために男子で組みたいとかではなく……なんというか戦闘力で言えば間違いなく俺が騎馬の上。
他の人に1000万Pの重圧も与えたくない。となると、必然的に女子も下になるのだが……さすがに、ノーパンズボンマンの俺の馬をやらせるには抵抗がね?
マジでここにきておパンツ様のありがたみが身に染みている。薄布一枚無くなっただけで、これほどまでに抵抗感が生まれるとは予想だにしなかった。
となると、男子で誰と組むかって話だが……まず1人は出久かな。
入学当初は個性もうまく扱えていなかったようだが、体育祭までに一緒に訓練したり、どこぞで訓練してきた結果かは分からないがいい感じに個性を使えてきている。
俺と同じ増強系で動きも悪くなく、個性使用による反動で怪我もしなくなっているので頼もしい戦力だ。
1000万Pというデカすぎるポイントにより俺を遠巻きに見ている連中をよそに、俺は出久のもとへと駆け寄る。
「出久! 俺と組んでくれ!」
「えぇ⁉ 僕⁉」
「あぁ、出久は個性も使いこなしてきてるだろ? 個性の汎用性や機動面を考えるとお前が仲間に欲しいんだ。……つっても、もう先約がいたりしたら他を当たるが」
「ううん! こっちこそお願いしたいくらいだよ。善羅くんの動きを間近で観察できるチャンスだし。僕も事情があって活躍しなきゃだし」
まぁ、轟に宣戦布告されてたしな。
……さて、お次はどうしようか。
「お」
「あ」
ぶっちゃけ出久以外の候補は考えていなかったので、誰にしようか探していると普通科の期待の星、心操と目が合う。
「お前も予選通過してたんだな」
「おかげさまでな」
心操に会うのは、初対面の時以来だがあの時よりも目に光が宿っている気がする。
「もし決まっていないんだったら、心操も仲間にならないか?」
「魅力的な誘いだが……遠慮しておくよ。祢伊木戸と一緒に行動すれば勝ち上がるのは簡単だろう。だけど、それじゃあ俺の実力にはならない。俺の個性ははっきり言ってヒーロー向きじゃない。だから、端から見ればダーティに見えるかもしれないが、それでも俺は自分の個性で勝ち上がりたいんだ」
そういえば、結局心操の個性が何かを聞いてなかったな。
だが、心操がそう言うってことは普通であれば忌避されるような手段なのだろう。
だけども……。
「それが心操の決めた道ってんなら俺は否定しない。もし、ほかの誰かがお前を否定しても、俺が味方になってやる」
これが誰かの命を奪う、とかでないのなら俺は全力で味方をしてやるつもりだ。
「……あんたは、いつも俺の欲しい言葉をくれるな。お互い、最後まで残れるといいな」
「あぁ、頑張ろうぜ」
俺と心操はお互いに固く握手をした後、心操はその場を去っていった。
「見つけましたよ、祢伊木戸さん! 私と組みましょう!」
「うわぁ誰⁉」
心操に断られたので、じゃあ次はだれを誘おうかと悩んでいると、突如ゴーグルをつけた謎の女の子が現れる。
「私はサポート科の発目明! あなたのお噂はかねがね。私の為に、あなたの立場利用させてください!」
「あけすけぇ!」
突然現れた発目の存在にたじろいでいると、彼女はマシンガンのように話を続ける。
「あなたと組むと必然的に注目度が№1となるじゃないですか⁉ そうすると必然的に私のドッ可愛いベイビーたちがですね。大企業の目に留まるわけですよつまりそれって大企業の目に私のベイビーが入るって事なんですよ!」
なんだかよくわからんが、俺とベイビーを作りたいってことか?
だがすまんな。俺には葉隠と出久という心に決めた……。
「善羅くん、もしかしたらおぞましいこと考えているのかもしれないけど、多分違うと思うよ?」
馬鹿な……出久、俺の脳内を⁉
「こほん、なんかアピールしてるところ申し訳ないが、女の子にはおすすめできないぞ? ほら、俺今ノーパンだしさ」
「ふ、目立つことに比べたらそんなもの些細なことです! 男性の股間など些事です些事!」
おおう、なんというかすごく気が合いそうな子だ。
だが、あまり些事を連呼しないでくれ。違うと分かっているが、男のプライドが傷つきそうになる。
「それにですね。あなた方にもメリットはあると思うんですよー。サポート科はヒーローの個性をより扱いやすくする装備を開発します! 私、ベイビーがたくさんいますので、きっとあなたに見合うものがあると思うんですよ!」
発目はそう言うと、どこに隠し持っていたのか大量のサポートアイテムを取り出す。
ベイビーってそういう意味だったのね。
「お、これは……」
「おや、それに目を付けるとはお目が高い!」
俺がサポートアイテムを眺めていると、とあるアイテムに目が留まる。
「これはですね……」
と、何やらペラペラと話し出す発目だったが、性能は俺にはあまり関係ない。
気に入ったのは、その形状だ。
デザインがちょっとあれではあるが、いざという時の奥の手に使えそうではある。
とまぁ、そんな感じで2人目は発目に決まったのだった。
ちなみに発目のアイテムのおかげで女子も入れられるようになったので葉隠に打診したら、
「いつも一緒だったからたまには私も善ちゃんに挑戦したいよ! シュッシュッ!」
とシャドーボクシングをしながら断られてしまった。ガァッッデェム!
そんな感じで最後の1人が決まらず、そろそろ時間切れでまわりも組み終わってる中焦り始めると、最後の最後で救世主が現れた。
「せっかくだから仲いい人と組みたいし、私もいーれて」
というか麗日だった。
「「麗日(さん)!」」
1000万ポイントという重圧に対しても、俺と出久がいれば大丈夫と笑顔で答えてくれた麗日に俺と出久がキュンとしつつもついにパーティが決まった。
そして、ついに時間がやってきた。
『さァ上げてけ鬨の声‼ 血で血を洗う雄英の合戦が今‼ 狼煙を上げる!』
「麗日!」
「っはい‼」
「発目!」
「フフフ‼」
「いずっきゅん!」
「うn、えぇ⁉」
俺が馬になってくれているメンツの名前を呼んでいくと、出久がギョッとしながら顔だけ振り向かせてくる。
「すまんすまん、出久。お前ら……この勝負、勝つぞ」
「「「うん!(フフフ!)」」」
前足、出久。
後ろ右足、発目。
後ろ左足、麗日。
そして騎乗者……俺という陣形で、騎馬戦は今、スタートするのだった。
ちなみに、ヤオモモに個性でパンツを作ってもらう流れも考えましたが、どうやってもセクハラになるので没になりました。
以下、没案
「ヤオモモ! 俺にパンツをくれ!」
スパーン!
「すまん、言葉が足りなかった! お前の体から作られたパンツを履きたい!」
スパーン!
みたいな。
女子の好感度がえげつないほど下がることになるのでお蔵入り。