安心してください、履いてませんよ 作:とにかく明るかった安村
この後、もう1話投稿予定です。
原作ではかっちゃんと切島が倒壊ゾーンに居ましたが、この作品では別のところに居ます。
「おらぁ、どうしたお前ら。イキって雄英に侵入した割にそんなもんかぁ!」
発光の時間制限の心配をする必要がなく全力で戦うことのできる俺は、周りの
「くそ、なんだアイツ! 全裸の変態のくせに鬼つえぇ!」
「なんで腕振っただけで突風が発生すんだよ! オールマイト並じゃねえか変態のくせに!」
誰が変態だ!
「ち、仕方ねぇ。次は俺が行く」
「待て。俺の方がデカいから俺が行く」
「あぁん、誰のがデカいってぇこのミジンコサイズがぁ! 俺のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲勝てるわけねぇだろこら」
「短銃は黙ってろ!」
俺が
ふ、所詮は烏合の衆。ちっちぇ奴らだ。
「善ちゃん後ろ!」
突如聞こえる葉隠の声に振り返ると、いつの間にそこに居たのか地面から異形型……これはモグラか?
が、這い出してくるところだった。
「おらぁ、モグラたたきじゃぁ!」
「ろぺす⁉」
地面から這い出してきたモグラ野郎の脳天に拳骨を振り下ろすと、奴は愉快な叫び声をあげて地面の中へと沈んでいった。
手加減したから、たぶん死んでないはずだ。
……それよりも、問題が一つ。
「葉隠……お前、いつから居た?」
そう。姿こそ見えないが、あの声は聞き間違えるはずがない。
俺は冷や汗を垂らしながら問いかける。
「えっと、急に脱ぎ出してその、ち、ちん……」
「オーケー、俺が悪かった」
恥ずかしそうにする葉隠に俺はストップをかける。
まさか、一緒に飛ばされていたとは。
葉隠はコスチューム(全裸)故に気づけなかった。
普段の俺ならわかっただろうが、異様な状況に俺も冷静ではなかったらしい。
「本当は声を掛けようと思ったんだけど、善ちゃんが『男しかいない方が無敵だ』って言うから静かにしてた方がいいかなって。結局、声出しちゃったけどね」
あーはいはい。これは10:0で俺が悪いですね。
俺の発言のせいで、葉隠の空気読みスキルが最悪の結果を生み出してしまったらしい。
「ちなみに……見た?」
「ミテマセンデンガナ」
あーいけません。これは見てます。ガッツリ見てしまった時の反応です。
「もうお婿に行けねぇ……」
「だ、大丈夫! 私が責任取るよ!」
落ち込む俺に対し、慰めるように肩を叩く大天使ハガクレエル。
きたねーもんを現役JKに見せてしまったのにこの態度。マジで葉隠は現代の聖女かもしれない。好き。
「おい、あの全裸。急に独り言言い出したと思ったら落ち込みだしたぞ」
「いや、どうやらもう1人居るっぽい。透明化の個性みたいだ」
そんな会話が聞こえ、俺は今の状況を思い出し何とか立ち上がる。
もちろん股間の発光も忘れない。
俺よりも、まずはこの
いかんせん数が多すぎる。
まったく、
しかも、葉隠も守りながらとなるとちょっと厳しいかもない。
「……ん?」
と、そこまで考えたところで俺はあることと思い出す。
「なぁ、葉隠。あれ使えるか?」
「ふぇ⁉ な、なななにかな善ちゃん!」
「ほら、屋外限定で使えるアレだよ。太陽の」
だが、それで通じたようでポンと手を叩く音が聞こえてきた。
「あぁ、あれね! うん、晴れてるし最高出力が期待できるよ!」
ならば話は早い。
俺は、合図とともにアレを使うように頼む。
「おっけー、任せておいて」
「相談は終わったか? なら、今度はこっちの番だなぁ」
「なんだ、アレのでけぇ奴が決まったのか?」
俺の軽口に対し、見上げるような巨体の
「せっかく決めてもらったとこ悪いが……お前らは今から全滅だ。葉隠!」
『集光屈折ハイチーズ!』
「ぐわあああああ⁉ 目が、目がぁ⁉」
いい感じに
瞬間、俺の後ろから強烈な光が溢れだした。
これだけの光量を出そうと思うと俺は一瞬で終わってしまうので、これは葉隠の強みだろう。
そして、突然の光に目をふさいでいる
「一丁上がりっと……!」
「うわぁ……全裸だと本当に強いね善ちゃん……」
一瞬で片が付いた光景を見て葉隠が感心したように呟く。
まぁ、ほぼ無敵ではあるが明確な弱点もあるんだけどな。
だが、それは流石に誰にも言えない。
「よし、中央に残された奴らが心配だ。合流しよう」
相澤先生含む何人かが中央に残っているのが飛ばされるときに見えた。
他の災害ゾーンに飛ばされた奴らも心配ではあるが、ここみたいな三下しか居ないのなら充分対処できるだろう。
だが、あのリーダー格っぽい手マン、あいつはやばい。
個性こそ分からないが他の三下とは一線を画した雰囲気を持っていた。
自惚れかもしれないが、すぐにでも合流し相澤先生のサポートをしなければ
「葉隠、これを着てくれ」
俺はバックパックに収納していた頭から被るタイプの毛布を渡す。
これも救命道具の一つで寒さをしのぐように仕込んでいたものだ。
「え、う、うん」
俺に毛布を手渡され、困惑しながらもそれを着こむ葉隠。
それを確認すると、俺は葉隠を横抱き……一般的にはお姫様抱っこと呼ばれる方法で抱き上げる。
さすがに全裸の男が全裸の女子高生を抱き上げるのは犯罪過ぎるしな。
「ちょ、ぜ、善ちゃん?」
「悪い、なんか嫌な予感がするんだ。だから超特急で中央に向かう。舌噛むなよ」
そう伝えると、俺は足に力を込め走り出す。
「ひゃああああああ、サラマンダーよりずっとはやーい!」
余りのスピードに何やら葉隠が叫んでいたが、今はそれを気にしている余裕はなかった。
◇
途中、並み居る
すると、そこにはボロボロになった相澤先生に、脳おっぴろげの真っ黒マッチョ
やばいやばいやばい!
気づけば俺は葉隠をその場におろし体が動いていた。
限界を超え、軋む体など気にせず……俺は音を置き去りにした。
「死ね、ヒーロー」
手マンがなにやら指示を出していたがやらせはしない。
俺は、飛び込むような形で脳おっぴろげ
そして
「おっ……⁉」
「祢伊木戸!」
「あ?」
言いようのない痛みが全体を駆け抜け、息をするのも苦しい。
――そう、一見最強無敵の俺の個性ではあるが、弱点が1つだけある。
それは……股間だ。さすがに一般人よりも耐久力はあるが、喰らえば普通に痛い。
つまり俺は普段から弱点を晒していることになるのだが、服越しならまだしも剝き出しのものを狙うなんて奴はそう居ない。
だからこそ、油断していた。
しかも、相手はどうやら増強型だったようでそのパワーにより俺のダメージは甚大だ。
俺、大ピンチ……っ!
本来は葉隠はいない予定でしたが、感想を見て面白そうだと思い追加しました。