閃乱カグラ 〜 少女達の戦と少年達の侵攻 〜   作:ツヨインジャー

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第2話 接触

冴刃が展開した忍結界には飛鳥、柳生、雲雀が。写楽が展開した忍結界には葛城がそれぞれ入った。

 

「3対1か。まあいい。どのみち結果は同じだ。」

 

「よーし、行くよ!飛鳥、正義のために舞い忍びます!」

 

飛鳥は先手必勝と言わんばかりに冴刃に飛びかかる。しかし、冴刃は飛鳥の抜いた刀をあろうことか素手で受け止めた。

 

「軽いな。」

 

「うそっ!?」

 

飛鳥は驚いて後ろに飛び、冴刃と距離を取る。すると、飛鳥の隣に柳生と雲雀が並ぶ。

 

「飛鳥ちゃん。大丈夫、今度は雲雀達に任せて!」

 

「雲雀、危なくなったらすぐにオレを呼ぶんだぞ。」

 

「「忍転身!」」

 

柳生と雲雀は2人で『忍転身』を行う。この忍転身をすることによって、戦闘能力を格段に上げることができるのである。

 

忍転身をした後、柳生は冴刃に番傘を向ける。すると番傘の先から弾丸が連続で冴刃目掛けて放たれる。やがて、弾丸による弾幕が晴れる。しかし、冴刃の姿はそこにはなかった。

 

「な?どこへ行った!?」

 

柳生は辺りを見回そうとするが、それより早く冴刃が柳生の目の前に現れる。

 

「いつのまに…うっ!」

 

「遅ぇな。」

 

冴刃は自分の武器である三日月のように刃が湾曲した刀で柳生の胸部を斬る。柳生の服の一部が破れ、ちらりと下着が見える。ただ、相手は特に反応せず、こうつぶやいた。

 

「随分と胸に邪魔なものぶら下げてんだな。」

 

「……どこを見てるんだ、変態め。」

 

柳生も地面に着地しながら胸を少し押さえながら相手を罵った。

 

 

 

 

一方、別の忍結界にいる葛城は八咫宮学園のもう1人の男子生徒、写楽と対峙していた。

 

「最初に言うけど、君。降参する気はないかい?」

 

「なに?どういうことだ?」

 

「単純に相性の問題さ。僕の得意とする戦法と君の武器は相性が最悪だからね。」

 

そのスカした態度にカチンと来たのか葛城は有無も言わせずいきなり蹴りを入れる。

 

「相性が最悪?そんなもんあたいには関係ないさ!それはアタイより強い…」

 

「そうだね。じゃあ、君の攻撃をかわした僕は君より強いのかな?」

 

何と葛城は蹴りを不意打ち気味に高速で繰り出したにもかかわらず、写楽には簡単に避けられてしまった。しかも、写楽はさっきまで立っていた場所から一歩も動いていない。

 

「なにぃ!?アタイの蹴りをかわすとはなかなかやるな。だけど、今度は焦った方がいいぞ。『忍転身』!」

 

葛城は忍転身を行なう。そして、先ほどまでよりさらに高速な蹴りを連続で放つ。

 

「はあっ!」

 

「はずれ。」

 

「てぃっ!」

 

「当たってないよ。」

 

「せいやっ!」

 

「だから、無理って言ってるよね。それとも、こうされなきゃわからないかい?」

 

写楽は葛城の太ももを指でちょんとつつく。

 

「ひあっ!?触るな、痴漢!」

 

「おや、見た目に反して反応だけは可愛いね。」

 

「くうー、馬鹿にするな!なら、足に攻撃だ!」

 

葛城は写楽の足を狙って蹴りを放つ。だが、写楽はそれより早く跳躍し、忍結界の上部にある縄に捕まり、まるでターザンのような動きで葛城を翻弄する。

 

「楽しいサーカスはまだまだこれからさ、ハッハー!」

 

「こら、降りて来いピエロ!」

 

 

 

 

一方、ここは飛鳥、柳生、雲雀と冴刃が戦う忍結界。柳生は積極的に冴刃に攻撃を続けるが、冴刃にはすべて防御され、柳生だけが一方的に消耗する展開になっていた。

 

「柳生ちゃん…もう無理しないで?私も戦うから!」

 

雲雀は所々衣服が破れ、顔に切り傷まで入っている柳生を庇うかのように立ち、腕を振り回しながら冴刃に接近する。これは雲雀の得意技『ポカポカ変則格闘術』。でたらめな動きに見えるがこれも立派な格闘術らしい。だが、冴刃は呆れたような目つきで雲雀の足元に自分の片足を引っ掛ける。

 

「きゃあ!?」

 

雲雀は冴刃に足を掛けられ転ばされてしまったようだ。

 

「うう…痛いけどひばりは泣かないもん!おりゃうりゃー!」

 

雲雀は涙を堪えて立ち上がり、再び冴刃に向かっていく。だが、今度は冴刃は刀を抜き、雲雀に向ける。よもやその刀で向かってきた雲雀を斬り捨てるつもりなのだろうか。

 

「危ない、雲雀ちゃん!」

 

すかさず飛鳥が今にも振り下ろされそうな冴刃の刀を自分の刀で受け止める。さらに飛鳥は怯んだ冴刃めがけて…

 

「秘伝忍法『二刀繚斬』!」

 

前方に跳躍し、相手に突撃しながら刀を交差させて冴刃を斬り裂く。

 

「ぐっ!?ちっ、秘伝忍法かっ!」

 

冴刃はその斬撃の衝撃で吹っ飛ばされ、忍結界の壁に叩きつけられた。

 

 

 

 

そのころ、葛城は猿のような動きで戦う写楽に苦戦していた。

 

(だめだ、さっきから攻撃がまったく当たんねぇ。)

 

葛城はジャンプして空中攻撃を何度か試みたが写楽に軽く受け流されてばかりだった。

 

「もう諦めたらどうだい?僕は命までは取らないから、さっ!」

 

写楽は葛城の背中を踏み台に跳躍する。

 

「いって!くっそー、嘗めるなよ!」

 

まるで自分が侮辱されたかのような踏みつけであった。しかし、葛城は頭上を見上げて何かに気づく。

 

(そうだ!アタイもあの上から垂れ下がってる縄を使えば…奴に追いつける!)

 

葛城は全力で飛び上がり、縄を掴む。

 

「ありゃ!?」

 

「へへ、先回りしてやったぞ。見たところ、お前は空は飛べないみたいだからな。」

 

葛城は縄をつたって移動する写楽の進路を読み、道を塞いだ。そして、写楽に向かって…

 

「秘伝忍法『クロス・パンツァー』!」

 

写楽に横薙ぎの連続蹴りをくらわす。

 

「ぐはっ!?」

 

写楽は縄から落下し、そのまま地面に強く叩きつけられた。

 

「どんなもんだい!アタイを嘗めた罰だぞ!」

 

もうもうと立ち込める煙から写楽はふらふらと立ち上がる。

 

「こりゃあ、恐れ入った。まさかあの半蔵学院がここまで力を取り戻していたとはね…。でも、おかげでいい資料が手に入った。おーい、冴刃!そろそろ帰ろうか。」

 

 

一方、冴刃は飛鳥の秘伝忍法をくらって座り込んで硬直していた。だが、写楽の声を聞き、すっくと立ち上がる。

 

「まだまだ食い足りないが、今日はここまでにするか。あばよ、半蔵の忍共。」

 

「待て!まだ…」

 

柳生が冴刃を追いかけようとするが冴刃は一瞬のうちに消えた。

 

 

 

 

「おーい、みんな!無事か?」

 

忍結界が晴れると葛城が飛鳥達の前に現れる。

 

「えへへ、結構やられちゃったな。かつ姉は大丈夫?」

 

「アタイは背中に靴の跡をつけられただけだな。って、大丈夫か柳生?だいぶ傷だらけだぞ。」

 

飛鳥もそうだが、柳生も前衛で戦っていたためたくさんの傷がつき、忍装束の損傷も激しい。要は目のやり場に困る服装になっているのだ。

 

「いや、オレは大丈夫だ。」

 

「でも、本当に強い忍だったね。帰ったら霧夜先生に報告しなきゃ。」

 

「そうだね。雲雀ちゃん。まあ、今日はひとまず帰ろっか。」

 

「そうだな。忍務完了ってことで!」

 

しばし、和やかな雰囲気が流れる。その後、4人は足早に帰路に着いた。

 

 

 

 

「冴刃。半蔵学院が復活したみたいだね。僕達の先輩方が潰したあの学院がだよ。」

 

「うるせえな、写楽。まあ、とりあえず獲物が増えたな。今すぐにでも半蔵学院を襲撃…」

 

しかし、そんな会話をする2人に割って入るかのようにもう1人、眼鏡をかけた男が現れる。

 

「待て2人とも。私達はこれから蛇女に月閃と消さなればならない養成機関がたくさんある。半蔵など後回しでいい。」

 

「無明…。ちっ、そうか。まあ、俺は満足できる獲物がいればそれでいい。」

 

「無明の言うとおりだね。まあ、半蔵は後でいいか。『あの程度』だったしね。」

 

冴刃、写楽、そして無明と呼ばれた男達はビルを飛び越え、夜の闇に消えた。

 

 

 

「ただいま戻りました!」

 

「おう、パトロールご苦労だったな…ん?どうした飛鳥?かなり傷が多いが…?」

 

「霧夜先生、聞いてください。ひばり達、すごく強い忍に遭遇したんです。」

 

「何?忍だと?特徴は?」

 

すると、雲雀より先に柳生が一歩前に出て説明する。

 

「紺色のブレザーを着て、胸には赤いバッヂを着けた男だ。」

 

その言葉に先ほどから飛鳥達に背を向けて書物の整理をしていた斑鳩がハッと振り向く。

 

「柳生さん…その忍はもしかして…。」

 

その直後、葛城が伸びをしながらこう言った。

 

「あいつら、強かったけどムカつくんだよな。確か『八咫宮学園』とか言う聞いたこともない学校の奴だったような。」

 

葛城が呑気に発したその言葉に霧夜の表情は途端に険しくなる。そして、どこか怯えたような表情の斑鳩と顔を見合わせた。

 

 

 




(オリキャラ紹介 1)
【冴刃】(さえば)

年齢: 16歳
身長: 175cm
体重:65kg
属性: 闇
好きな食べ物: 食い物なら何でも
秘伝動物: ライオン

八咫宮学園2年生。かなりの大食漢で四六時中何かを食べている。会議の席でもガムを噛むくらい。しかし、身体は筋肉質だが太ってはいない。武器は三日月のように湾曲した刀で刃先を飛ばして遠距離攻撃も可能。生まれは貧民街だが、幼い頃からそこで略奪や強盗などを暴虐の限りを尽くしてきた過去を持つ。

秘伝忍法: 『タイラント・デストロイ』…刀の刃先に闇を纏わせ、ブーメランのように飛ばす。闇の波動が刃先を覆っているため、とてもブーメランとは思えないような攻撃範囲を生み出す。

絶・秘伝忍法: ???






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