山賊ロールプレイしてたら、何故か勇者が襲いかかってきたんだが!? 作:蓼食う裕太さん
ドワーフ達をボコり、詐欺まがいの調印を手に入れてウハウハしてたレンのところに勇者が現れた!
大変!レンがこのままじゃやられちゃう!!!
助けて正義の神様!!!
わぁー凄い!
流石はレンだね!
神様の助けなしに勇者を殺しちゃった!
凄いね!←イマココ
ここから先は正直殆ど考えていませんが、それっぽい結末はある程度思いついてるので、それでも良いというか方はお付き合い下さい。
※8/18 レンが訪れる頻度を毎日から定期的にしました。
目が覚めて初めに視界に入ったのは、夢に見ない日は無かったほど、毎晩現れるあの天井。
毎晩訪れるあの悪夢。
顔も名前も知らない男達に毎日、休む暇もなく責められ続けるだけの日々。
正直どうやってあの地獄から抜け出せたのかは、頭脳明晰な私の記憶を持ってしても思い出せない。
というか、そもそも知力と記憶力はまた別物…と誰かが言っていた気がする。
「…れか…」
声を発しようとしても掠れた音が、喉の隙間から漏れ出す程度のものしか響かせる事しかできない。
仮に声が出たところで…という話だけれど。
──はぁ…これからどうしよ。
これからきっと私は以前のように、奴らが欲望を吐き出すための都合のいい道具としての生活を強いられるのだろう。
両の手を吊るすようにして付けられた枷はかつてのように、固く私とこの牢とを繋ぎ止める。
3年前に身体に刻まれた淫紋もまだ消えていないし、魔力封じの手枷も…………
───着いてない?嘘ッ、ただの手錠?そんなあり得ない…
「"あの悪辣な男に限って、そんなヘマは無い"ってか?篤い信頼だねぇ。こっちも嬉しくなっちまうじゃねぇかよ。」
ほんの一瞬の間の出来事。
私が自分に魔力封じの手枷が着けられていない事で驚いていた、奴は私のそんな意識の隙を突いて、
以前、特別な許可を得てテレポートを扱っている術者の姿を見たけど、この男の練度は明らかにその術師を上回っているみたいだ。
私が知る空間転移は徐々に肉体を異空間へと転送していくものだが、この男の術理はそれこそ姿形なく、一瞬で消えて、そして一瞬で姿を現す。
学会にこれを発表すればきっと大荒れ…いや今度こそ異端認定を下されるか…どちらにしても実に興味深い限り。
いや、今はそれよりも…
「喉は念入りに潰したからな、詠唱は出来ないぞ。俺はともかくアジトの方は新築なんでな。いきなり焼かれちゃ敵わんし、お前にとっても良くない方になる。この意味はわかるか?」
男の言葉を即座に飲み込み、頷く。
腑が煮え繰り返りそうな思いだけど、こんなところで死ぬ訳にはいかない…いつかここ出て、必ず私の手でこの男を殺してやる。
以前もそれだけを頼りに3年間生き延びてきたのだから…今度も同じように生き延びて、機を見て逃げ出してやる。
その為にならば、かつてのように股も開いてやる、喘いでやる、腰も振ってやるし、首輪も着けられてやるし、懇願もしてやるっ…
精々好き勝手にしてるがいい、いつかお前のその傲慢さが命取りになる。
「ヤる気満々なとこ悪いがよ。今日は…というか今回、お前さんを引っ捕えたはそういう要件じゃ無いんだわ。」
「え?ぁ…」
レンの言葉に、私は暫し瞠目して、奴の狙いを考察する。
身体が目的ではない?
なら何が目的?
勇者パーティに対する人質?
いやでも、肝心のアレンは死んでいるし、私が連れられた時点でほぼ全滅している筈…
それにこの男は極度の面倒臭がりだった。
仮にみんなが生きていたとして…態々そんなリスクを犯すような真似はしない。
山賊共の人員整理で無茶な場所を攻めて食い扶持を減らすようなことはしているようだったけど、ドワーフの街で私たちと戦った所為で200は死んでいる。
つまりレンの奴が態々間引きをする必要もなくなったという訳になる。
それに私自身が奴にとって最早、利用価値自体が大して無い。
なにせ私が飼われていた時期に、私の持つ全ては奴らに奪われたのだから。
だからここを抜け出してから私が新しく得たモノをこそ、望んでいるに違いない。
「良いぞ、その調子で俺の狙いを考え続けろ。それでいい。」
「──な…ぁにぉ…」
「知らないからこそ、知りたがる。それが人の抱いた大いなる罪の一つらしいぜ。お前を選んだのは、お前がこの世界でもその傾向が顕著だからな…」
知らないからこそ、知りたがる。
人間の知識欲の事を言っているのたろう。
けれど解せない、何が目的なのか?
確かに私はその手の物には貪欲だといえよう。
欲しいと思ったのなら、たとえ仲間であっても切り捨てるし、利用する。
でも、それと奴の狙いに何の関わりがあるのか、皆目検討もつかない。
レンの言葉とその目的を直線的に結びつけることはできない。
なら、ただの前置き?
「何を言っているか分からんだろうが、考えるのを止めるな。お前がソレを辞めた途端、即座に殺す。犯すだなんて生温い事はしねぇ、それこそ蘇生が出来なくなるほどグチャグチャにすりつぶして、スラムの糞餓鬼共に恵んでやるくらいにはやるさ。」
当惑する私の思考を読んだように、奴は淡々と命令に逆らった場合の処罰を語る。
もし思索を止めた場合、私はこの男に殺されるという事だろう。
魔力封じの手枷を付けていないのも、つまりはいつでも私を殺すことができるという事を示していて、いつでも私が考えるのを止めて襲いかかれるようにしている。
「と、前置きはこの程度にして、本題に入ろう」
そう言いながら私に視線を合わせ、手を叩き和やかに語りかけてくる。
薄らとたたえたその微笑みが無性に腹立たしく、つい攻撃しそうになるが、それを堪える。
十中八九、今の警告は真実と考えるのが正解。
この男は女子供であれ、何の躊躇いもなく殺すし、酒を飲み明かした友であれ背後から刺すような非道を生きている。
大して関わりの無い私に対してだけ、特別扱いというような訳はない。
「今日から俺は定期的にこの部屋に訪れる。そこで暫くお前と話をしてやるよ。お前は俺との対話を続け、俺の考えている事を言い当てろ。そうすりゃ解放してやる。もう二度と俺からお前に手は出さんし、いつでも俺の首を取りに来てもいい。まあそん時はボコボコして犯し倒してやるがな…」
男の提案は破格な物。
この男のことを理解しなくてはならないの癪だけど、早期にこの問題を解決できればすぐさま此処を出て、こいつを殺すことができる。
分かりやすい話で大変結構。
断れば死ぬし、目標を達成できれば此処から逃げられる。
今はそれだけでいい。
「どうだ?破格の条件だろ?だがまあその代わり、多分お前にとって結構な苦行になると思うぜ?何せよぉ、世界で一番憎い男の事を理解しなくちゃなんねぇからなぁ!俺としちゃあよぉ、このまま死ぬ方を勧めるぜぇ。ガハハハハハッ!」
見え透いた挑発だが、いいだろう。受けて立ってやる。
この男に吠え面をかかせて、一矢報いてやるのもまた一興。
私は男の嘲笑を尻目に、決意を固めて頷くと、急に顔色を変えて、言葉を紡ぎ始めた。
「そうかじゃ、早速始めるか。そうだな今日の題目は──」
この時の私はまだ知らなかった。
この世には知るべきでない事実が存在すること。
そして、仇敵であろうと警告は素直に聞き入れるべきであるということ。
この先、私はこの選択を何度も後悔し、己を呪い続けるだろう。
これ程までに地獄のような未来が待っているならば…
あの日、あの時、あの街に、あそこにさえいなければ、こんな男と関わることなんて無かったはずだ。
一時の感情の為に全てを犠牲にして、全てを失い、それを以てなお有り余る絶望が押し寄せるのだ。
ああ、けれど…きっとこれは罰なのだろう。
アレン…ごめん。
私には彼に伝えるべき言葉があったのだ。
それを伝えなければ、彼は必ず破滅するのは分かりきっていたのに…
なのに私は山賊王とアレンを関わらせてしまった。
彼らを復讐の道具として利用してしまった。
止められるのは私しか居なかったのに…
関わらせるべきでは無かったのに…
全てが終わった今なら分かる。
あの男の狙いは───
「───お前は神を信じているか?だ。」
今回は短めです。
幕間は短めに済ませる予定です。
また今後、定期的に幕間を書いていきますが、この作品の根幹に関わるテーマなどを書いていく予定なので、是非ご覧ください。
時系列はそこまで考えていません。
具体的には、劇場版ドラゴンボールZくらいの時系列です。
つまり大体の指標はありますが、具体的な部分時系列は不明です。
その理由もこじ付けですが、存在しますのでご安心ください。
では感想お待ちしております。
この中で一番悪い人は?
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主人公:山賊王 レン
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裏主人公:勇者 アレン
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呪術師 アンナ
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エルフ カノン
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魔法使い ティナ
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遊び人 レイナ
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格闘家 モモ
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聖女 クリス
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山賊 ルカ
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山賊 ゴンズイ兄
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山賊 ゴンズイ弟
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魔王 (名称未定)
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魔人
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神
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小柄な少女(名称未定)
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幼少期に主人公を攫った貴族の親子
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教皇
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先代統領