─これは
神世界の片隅にある世界『レクリス』。かつて審判のオラクル「ザ・ジャッジメント」と放浪者ダンの闘い。「審判の日」と呼ばれたあの日から契約の巫女トアと零相棒ウィズの旅は始まった。
審判の牢獄に囚われたダンを助けるためにレジェンドスピリットが必要だと知った彼らは旅の道中、鷲相棒ガットと花相棒フラウを仲間にする。
彼らの協力もあり、「龍皇ジークフリード」、「カイザーアトラス皇帝」。2体のレジェンドスピリットを手に入れたトア達。
そして白のレジェンドスピリット「巨人機トール」を手に入れる為、契約者カイとポイント・ゼロで繰り広げた”トール争奪戦”。
これはその戦いから翌日の出来事……。
「……トア。聞いて欲しい事がある」
「ん?」
朝食を食べ終え、身支度を進めるトアにウィズが話しかける。
「僕がトールを契約煌臨した時……トール以外にもう一つの声を聞いたんだ」
それは”トール争奪戦”の最終戦。大審判官ゲフェン・グニスとの闘いの最中であった。
ゲフェン・グニスのドローロックにより、窮地に追い込まれたウィズ。その時、彼の叫びがトールに届き、トールをその身に契約煌臨させた。
その時にウィズはもう一つの声を聞いたという。
「ん〜?それってもしかしてレジェンドスピリットがあそこにまだいるって事?」
「……」
「ア、アレ?そういう事じゃないのっ!?」
急に沈黙したウィズにトアは困惑する。
「……だけど、気のせいかもしれない。あの時は必死に戦っていたから……」
トアの問いから少しの間を置いて彼は答える。己が感じた事に確証と自信が持てないウィズ。そのためか声は小さくなり、言葉は途切れ途切れになってしまう。
その様子を見たトアがウィズの元へ近づくや否や、抜かされた身長に追いつこうと背伸びしてウィズの肩をガッシリと掴む。
「ああもう!ウィズ!あんた、レジェンドスピリットのトールを契約煌臨したんだから、自分にもっと自信を持つ!」
「と、トア!?」
トアの快活さから来た強引にも思える行動。先程とは反対にウィズの方が驚いた。だが、ウィズは直ぐに理解する。昔からこれが彼女なりの励まし方なのだから。
「それにさ……もし本当だったらそのレジェンドスピリットを仲間にすればいいわ!」
「……!!」
「ダンを救うのにレジェンドスピリットはいっぱいいた方がいいでしょ?」
万遍の笑みでトワはウィズに問いかけた。
「……ああ!!」
「そうと決まったら出発しないと!ガットとフラウも行くでしょ?」
そう言ってトアはエンゲージブレイヴを眺めていたガットとフラウの方を向く。
「なになに〜、新しいおともだちの話〜?行こ行こ〜」
「思い立ったがラッキーデイなのサ☆」
「ガット、フラウ……ありがとう!!」
「さぁ、みんな!ポイント・ゼロに向かうわよ!」
こうしてトア達は再びポイント・ゼロに向かう事を決めたのであった。
時を同じくして。とある空間。そこに横たわる一人の男性。この場所に広がる漆黒の闇と同じ髪を持つ彼は今、目覚めた。
「……オれはダれだ。ナぜ、ココに居ル……?」
朧げな言葉を呟きながら辺りを見渡す黒髪の青年。周囲の闇はまるで炎の様に揺らめきながら、この空間を維持し続けていた。
(ココはドこダ……)
その時、彼は背後から何かが現れるのを感じた。咄嗟に振り向いたそこには周りにある闇の様に揺らめく『黒』があった。
「ナニもノだ……!?」
突如として現れたその黒いモノが彼の顔を見詰める。漆黒に染まった瞳が黒髪の男を見つめた時、彼の全身に強烈な電流が走った。
「……ソ、そうか!思い出したぞ!俺は契約者
自らの名を契約者エックス。そして自身の使命を思い出した彼はあまりの可笑しさから目元を抑え、高らかに笑う。そして艶やかな黒髪をなびかせながら、己の傍らに居る『黒』へと視線を向けた。
「……」
「ああ!行きたいのかオマエも!ならば共に行こう!」
黒は依然として言葉を発しない。しかしエックスは沈黙する黒から意志を感じ取ったのか、ソレと同伴する事を決める。
「ハハハ!!この様な空間にいる必要なし!!ゆくぞ、我らの闘いが始まる地……”ポイント・ゼロ”へと!!」
先程から抑えきれない高揚感を胸に契約者エックスは自身の相棒たる黒を携え、漆黒の空間から抜け出す。彼らが空間を突き抜けた先に広がるのは朝日が輝き、光が溢れる世界。レクリスの歴史に現れる筈のない2つの黒が今、大地に舞い降りる。
「さぁ、俺達のレジェンドスピリットを出迎えに行こう。我が相棒……
歴史は今、