とっっっってもお久しぶりです、イノセです。
よう実2年生編がアニメにて、放送開始しましたね。
1期の続きが作られないと思われていた時からしたら考えられなくて、何が何だか…。でもめっちゃ嬉しいです!!!
中々私自身の多忙で時間が取れていなかったのですが、これからゆっくりと執筆も再開できたらなと思っています。
「はぁ、はぁっ……少しはしゃぎすぎてしまいました……」
「あははー、楽しかったぁ。海ってこんな感じなんだ」
「赤井さんは海に行ったことがないのですか?」
「うん、私は根っからの山ガールだったからね〜」
「……なるほど?」
遊び終わった……というより椎名ちゃんが体力の限界を迎えたため遊び終えることとなった、の方が正しいかな。とにかく私たちは元のジャージに着替え、最初に椎名ちゃんがいたビーチチェアに向かった。
「ん〜……じゃ、私はそろそろお暇しようかな」
「もういいのですか?」
「うん、椎名ちゃんに会いに来ただけだし。じゃあね〜」
「はい、それではまた。……嵐のような方ですね、ふふ」
嵐のような方、かぁ。嵐萌にでも改名する?
……あ、それでもあ行の呪いからは抜け出せないのか……。
さて、と。思ったより時間を食っちゃったし…これからBクラスとDクラスの拠点を探しに行く予定だったけど、とりあえずは帰ろうかな。真澄ちゃんあたりから罵声が飛んでくるのも、早めに終わらせておきたいし。
__Aクラス拠点、洞窟。
「…………あのー、真澄ちゃん?」
「何?」
「なぜ私は正座してるんでしょう……」
「知らない、あんたが勝手にし始めたんでしょ?」
「だって橋本くんがしろって言うから……」
「だって神室ちゃんがちょ〜心配そうに赤井がどっか行ったって報告するからさ?反省の意を示すべきだろ?」
「別に心配してない。こいつに何かあったら怒られるのは私なの」
「怒られる……って誰に?葛城くん?」
「はぁ?坂柳に決まってるでしょ」
「……有栖ちゃんが?」
「あんたは何するか分からないから見張っとけって言われてんの、この奇想天外ちびめ」
「まあまあな罵倒だね!?」
「うっさい」
分かりやすいように溜息をつき、自分の荷物近くに座り直す真澄ちゃん。点呼には間に合うように急いだんだからそこは褒めて欲しい。……いや、これは割と自分勝手な思考か。面倒くさいな、集団生活って……。
「そんで?なんか収穫はあったのかい、騎士さんや」
「二度とそのあだ名で呼ばないなら教えてあげるよ」
「あはは、呼ばない呼ばない」
私は橋本くんにCクラスの状況を伝えた。スパイ作戦のことは明かさず、ただ淡々と豪遊っぷりを。
「へー、そりゃひでえ。この試験捨ててんのか?」
「さあねー」
「他クラス気にかけてられる状況な訳?私たちは」
「さあな。今回は俺たちに全権があるわけじゃないし、程々に静観するしかないっしょ。ま、全権ないのなんていつものことだけどなー」
そう言い、ヘラヘラしながら茶化す橋本くん。しかし目が笑っていない。
きっと、有栖ちゃんの体制に少なからず不満を抱いているんだろう。…ちょうどいい機会だ。
「……ちょっと、どこ行くわけ」
「ん?葛城くんのとこー」
そう言って、ほぼ自由時間な夕方、葛城くんを観察することに決めた。
奥にいる葛城くんを見つめていると、どうやら葛城くんのやり方に見合わぬ大量の物資。餌を覚えた野良動物の如く、倹約家であるはずの葛城くんは羽振りが良くなってしまったらしい。
「やー、葛城くん。慎重な君にしては随分と豪勢なお金の使い方をするんだね」
「赤井か。今回の指揮は俺に一任されている。お前達にも確認した以上、これは共通認識だったはずだ」
「いやーもちろん、お金の使い方に文句なんてないよ?私は“私のいない所で勝手に結ばれた契約”に文句があるからさ」
「……どういう意味だ」
「とぼけないでほしいなぁ。毎月2万PP、龍園くんに渡す契約を交わしたよね?」
「それは…」
「民法113条、無権代理。本人の許諾がなければ、契約の内容を問わず本人に対してその効力を生じない。加えて民法117条、無権代理人責任。代理権がないのに契約した場合、本人の追認を得た時を除き契約者当人が相手方に対して履行または賠償の責任を負う」
「…何が望みだ」
「いやー、この際私のポイントの損失はどうでもいいんだよね。でも無権代理っていう点では、有栖ちゃんは対象外になる。そうだよね?」
「その観点からいけば、お前もポイントの支払いを回避出来る。何故しない」
「私は私で別にお願いがあるし…少しは葛城くんの面を立ててあげないとね」
「……余計なお世話だ。それで、何が言いたい」
「BクラスとCクラスのリーダーを“私の指示で”当てること。これが権利許諾の条件」
「待て。それだと龍園との契約を反故することになる。それに、何故Dクラスを狙わない」
「順に答えるね。龍園くんとの約束、これは守る意味がない。何故なら彼の作戦は時期にバレるから。勘のいい人なら、彼の持っているトランシーバーから予測が着くだろうね。龍園くんの作戦が効力を成すのは、その全容がバレないことが前提。対策がたてやすいからね」
「つまり、龍園が騙されると言いたいのか」
「そういうこと。彼の契約が破綻するなら、こちらだって守る義理はない。まあ、君が龍園くんを最後まで信じると言うなら止めないよ」
「…頭に入れておこう。なら、何故Dクラスを狙わないんだ」
「指名するのは君の自由だよ?それにDクラスを指示しないのは、龍園くんが今あのクラスにお熱だから」
「それがどう関係あるのだ。Dクラスなど気にかける価値もないということか?」
「んー、2割くらいはそうかな。Aクラスが下すまでもなく、勝手にCクラスとDクラスがやりあってくれるだろうからね。下位は下位で争わせた方が、私達は面倒くさくないでしょ?」
笑顔でそう言い切る。現状では私の言うことを精査する材料は何もない。信用に値もしない、妄言とも取れるだろう。だが、保守派である故に彼が最も欠かせないものがある。それは「信用」だ。私が有栖ちゃんと関わりが強いとは言え、クラスメイト、しかも無所属派の信用を損なうわけにはいかないだろう。
「…とりあえずこの試験では、赤井の条件を飲むこととしよう」
「やった、ありがとうねー。理解のある巨体は嫌いじゃないよ」
この試験、有栖ちゃんと葛城くんの争いなんてどうでもいい。
私の目的はただ一つ。
「Dクラスの一人勝ちを防ぐ」こと。
Dクラスには綾小路清隆がいる。アイツがどの程度試験に関与してくるかは分からないが、この試験で一手打つことは間違いないだろう。そうなると、Dクラスの「表面」を見るだけでは確実性は薄い。避けておくのが懸命。
「じゃあ私、明日以降はリーダーを考察するために各地に出かけてくるよ。あ、ちゃんとみんなとの生活にも気は回すから、安心して」
「…承知した。くれぐれも、気の抜かないように」
それはこっちのセリフだけどねー。葛城くんはこの試験で自分が派閥の運命を握ると思ってるだろうけど、実際は真逆の結果になるだろう。
「よっ、赤井。葛城との話は終わったのか?」
「うん、なんかすごい物資が豪華じゃん?これ全部使っていいよーだって」
「マジか!無人島で1週間サバイバルはきついと思ってたから助かったぜ」
「私は早く帰りたい…」
「真澄ちゃん、自然の中の生活も意外と楽しいんだよー?」
「私は虫いるだけで嫌なの」
「あー確かに、それは嫌だねえ」
真澄ちゃんと橋本くんの会話を流しながら、私はCクラスからの物資を見る。仮設トイレにシャワー室、日光対策のタープ、チェアー、食料保存用のクーラーボックス、調理器具、ランタン。ざっと100ポイント分くらいはありそうだ。
「葛城くーん。釣竿と、あと無料分にビニールがあったよね?それ、多めに頼んどいてくれない?」
「釣竿なら問題ない。占有しておいた小屋の中に、釣りに使えそうな道具が揃えてあった。ビニールは何のためだ?」
「自然の中だとどうしても寝る時に身体を痛めるでしょ?だからビニールで簡易的なマットを作ろうと思って」
「なるほど。頼んでおこう」
「ありがとー。よーし橋本くん、食料と木を取りに行くよ」
「食料は分かるが、木?ランタンがあるから焚き火は必要ないんじゃないか?」
「でも全部洞窟で完結させる訳にもいかないでしょ?特に調理なんかは煙が出ることもあるし、燃料だって余分に確保しておいて損はない。意外と木はキャンプにおいて重要なんだよー?橋本くんの言う焚き火をしておいたら、帰る時の目印にもなるしね」
「へーへー、騎士さんの仰せのままに」
「あ、あのさっ、もえぴー!俺も行っていいか?」
橋本くんの失礼な呼び方を無視していると、里中くんが近づいてきた。何やら緊張した様子だけど、どうしたんだろ?しかし人手が増えるのは素直にありがたい。
「もちろんだよ。ありがとう里中くん」
私は笑顔でそう答える。もうすぐ夜になるし、必要最低限だけ取れたらそれで十分かな。私はランタンを持ち出して先を歩く。山道は慣れてる人の方が良さそうだしね。後ろを見ると、橋本くんが里中くんの肩を組んでいる。
「里中〜お前も隅に置けないな」
「な、何の話だよ」
「いやいや、俺には分かるぜ?ま、赤井は人懐っこいし、容姿も整ってるからな」
「う、うるさい!ほら、早くしないともえぴーに置いてかれるぞ」
話の内容はあんまり聞こえないが、まあ悪いことを言われている訳ではなさそうだ。……お。
「ツユクサだ。スベリヒユもある。えーウワバミソウまで?知ってはいたけど、本当に標高とか関係なしなんだ…」
「おい、その草ほんとに全部食べれんのか?」
「うん、食べれるよー。おひたしとかサラダかな。そこら辺に群生地があるっぽいし、あとは木の実か果実も探したいかなー」
「おー、赤井。あれは食えんのか?」
「わ、アケビだね。お手柄だよ橋本くん、まだ成熟の季節じゃないけど何故か熟してるし、全然食べれる状態だね」
「も、もえぴー!俺も俺も!これは!?」
「これは…オオワライタケだね。毒キノコだから、残念だけど食べれないかなー」
「そ、そっか……ごめん」
「気にしないで、ナメコとかナラタケと似てるからね。間違えやすいし、事前確認してくれて助かったよ。…そうだ里中くん、食料も大事だけど木もいくつか取りたいんだ。濡れてない木をいくつか取ってきて貰えるかな?」
「お、おう!任せろ!」
「人手も必要そうだし、俺も里中の方に行く。食料については赤井の方が詳しいだろうし、見つけといてくんね?」
「はいよー。集め終わったら先に帰ってていいよー」
橋本くんから見つけた食料を入れている袋を渡され、一時別行動に。
「……さて。明日からはどうしましょうか」
ある程度の自由が約束されているとは言え、点呼もある上私はこの試験での主導権がない。Cクラスのリーダーはわかったとして、残るはBクラスとDクラス…。
「Bクラスは一之瀬がいるから受け入れられるとは思いますが、問題はDクラス。堀北もいますから、一筋縄ではいかなそうですね」
堀北に限らず、他クラス、しかもAクラスが来たとなれば彼等彼女らは警戒心を高めるだろう。スポット占有の恐れもあるため、素直に見させてくれるかも怪しいところだ。
「となると、私が使える駒は……アレですか」
接触には少し早いが、後々偵察に入れようと思ってた人物だしちょうどいい。少し扱いにくい奴ではあるが……まあ、問題はないだろう。
「一旦Bクラスの偵察に行って、後半にDクラスの偵察。それで十分でしょう。それにしても、ずいぶんと
登った木の上で全体を見渡す。やはりここは、人工的に作られた無人島。となると、莫大な資産もかかっている。私の人生、嫌に政治が絡んでくるのは何かの宿命なのか。
「……まあ、どうでもいいことですね。私に危害をなさないのであれば、清隆も、他の連中も」
木を飛び降り、重力を分散させる。食料はこんなもので十分だろう。私は思考を切り替える。
「……お、煙。方角的にうちのクラスかなー。ちゃんとやってくれたみたいだね、2人とも」
萌「私、この試験を走り抜けて有栖ちゃんと会うんだ…」
神室「あんたそれ死亡フラグだからやめなさいよ」
夏休み、誰とデートする?(一話投稿予定)
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坂柳有栖
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