とてもお久しぶりです、イノセです。
前回投稿頻度を戻していきたいと言いつつ中々時間が取れずに、結局こんなに期間が空いてしまいました……。申し訳ないです。
それとは別に私事ではありますが、本小説のお気に入り件数が800件を突破すると共に、評価者が60人以上となったため、満タンの赤ゲージになりました!!ほんっっとうに有難い限りです。
やっぱり執筆し始めた当初の目標でもあったので、いつも読んでくださる皆様、少しでも見てくださった皆様には感謝の気持ちが収まりません。
更新頻度がまばらな拙作ですが、これからも気長に読んでくださると嬉しいです!
さて、今回からは遂に三学期の混合合宿編に突入します。
先に言っておきます、混合合宿編は原作の計算が本当に訳分からない計算になっているので、結果はイジりません。原作通りの結果になります。何度計算しても合わなくて、申し訳ないです。
新たなる試験
三学期が始まって間もない木曜日の朝、私たちはバスに乗りこんでいた。と言ってもAクラスだけではなく1年生全体、更に1年生だけではなく、2年生や3年生といった他学年も1クラス単位でバスに乗車している。
「ねー、真澄ちゃん!これからどこ行くんだろうね!」
「さあ。まあジャージに着替えさせられてるし、替えの下着とか用意させられてるし。合宿とかさせられるんじゃない?」
「でも3時間も移動するんだよね。遠くまで行くのかなあ。……あ、UNO!」
「ねえ萌。二人でUNOやっても面白くないでしょ」
「えー、これ橋本くんに借りたんだよー。着くまで暇だからって。折角ならやらないと」
「だからって二人って……すぐ後ろに坂柳もいるんだし、誘えばよかったじゃないの」
「だってこのバスの椅子じゃ後ろに回せないんだもん!」
「それはそうだけど……あ、トンネル抜けたわね」
長い長いトンネルを抜けて視界が明るくなると同時に、見計らったかのように前にいた真嶋先生が立ち始めた。ハンドマイクを使い、生徒たちの方へと振り返る。
「えー、静かに。今から諸君に、これからどこへ向かい、何をするのかを伝えようと思う」
「おっ、やっと伝えられるんだ!やったね真澄ちゃん!」
「そうね、あんたと二人でUNOしなくていいと思うと気が楽だわ」
「えー、そんな事言わないでよ」
私たちが小さな声で雑談をしていると、真嶋先生が説明を続けた。
「これから君たちには、山中に位置する林間学校へと案内する。目的地にはあと1時間ほどもすればつくだろう。その林間学校にて、特別試験を行ってもらう」
「林間学校、ですか。それに特別試験……なるほど」
一つ後ろの席の有栖ちゃんが言葉の節々に反応するのを聞きながら、続く先生の説明を聞く。
「今回の林間学校では、7泊8日の『混合合宿』を行う。この混合合宿では同級生の他クラスだけでなく、上級生とも協力やコミュニケーションが必要となってくるだろう。詳しくは、今から配る資料とともに説明していく」
真嶋先生が先頭の席……つまり私たちに束にして資料を配り、それを後ろの席の子達に回していく。少し厚めの資料で、めくってみた感じ20ページほどありそうだ。林間学校、という単語は聞き馴染みがないが、要はお泊まりの遠足みたいなものなのだろうか。
……それにしても、上級生か。パラパラと資料を読み進めていると、また真嶋先生から声がかかった。どうやら一番後ろまで資料が行き渡ったらしい。
「今回の特別試験は、精神面での成長を主な目的とした合宿となる。そのため、社会で生きていく上のイロハを始め、普段関わり合うことのない人間とも円滑に関係を築いていけるかを確認し、そして各自、それを学んでいくこととなる。まず、君たちには目的地に辿り着き次第、男女別に分かれてもらう。そして学年全体で話し合いを持ち、そこで6つのグループを作ってもらうことになっている。手元の資料の5ページを見ておけ」
『1つのグループを形成する上で、その人数には下限と上限が定められている。その人数は学年及び男女を分けた総人数より算出される。仮に同一学年の男子生徒が60人以上であれば8人から13人。70人以上であれば9人から14人。80人以上であれば10人から15人が1グループにおける下限と上限の人数となる。ただし、60人を下回る場合は別途参照』
『グループ内には最低でも2クラス以上の生徒が存在することが条件である』
男女別、6つのグループ。1年生はまだ退学者が出ていないから、女子は各クラス20人ずつ、1年全体で80人か。2クラス以上ということも考えると、やはり他クラスとの協力が不可欠になってくるらしい。つまり、この試験で有利になる要素は普段から積み上げてきた「コミュニケーション能力」と「影響力」だ。人数や他クラスをどの程度入れてグループを組むかの構想は、試験のルールによって大幅に変わってくるだろう。
「グループは、言わば林間学校だけの臨時クラスのようなものとなる。ただし、グループのメンバーたちで一緒に授業を受けることを始め、炊事や洗濯、入浴から就寝まで、様々な日常生活を共にすることになる」
「へーっ、そんなに一蓮托生なんだ。真澄ちゃん、他のクラスの人とコミュニケーションとか取れるの?」
「……必要なら取るわよ。自信があるわけじゃないけど」
「こうなると、人見知りの人とか、一人でいたい人は不利になりそうだね〜、今回の試験」
まあ、私からしたら他人とコミュニケーションを取らないのは甘えでしかないのだが。それにしても、体育祭といい、この学校は同学年で協力させることを求めるようになってきたな。実質的な形式は競争とはいえ、変な感覚だ。
「試験の結果は、林間学校最終日に行われる総合テストによって決められる。大まかなテスト内容は資料7ページに記載してある。一読しておくように」
言われた通りに7ページを見ると、そこには妙な項目が並んでいた。
『道徳』『精神鍛錬』『規律』『主体性』
……修行僧のようなことでもするのだろうか。
スケジュールについて見てみると、起床後に朝の課題をこなし、道場で座禅を組み作務、朝食。その後は教室にて心得を学んだ後に昼食、午後の課題の後再び座禅。そして夕食後に入浴、就寝にて一日が終わるらしい。土曜日は午前のみ、完全なお休みは日曜日だけ。つまり1日しか無いということだ。本格的な授業は明日金曜日の朝からスタートし、翌週水曜日までが林間学校。最終日となる木曜日に試験が行われ、採点される方式となっている。
「グループについてだが、1年生……つまり同学年の中で6つのグループを作り終えた後は、同じくグループを作成している2年、3年生と合流してもらう。最終的に1年生から3年生を合わせた約30人から45人で構成された6つのグループが出来上がる形となる。同学年でのグループが小グループだとしたら、全学年でのグループは大グループだと考えてもらって構わない」
どうやって上級生とコミュニケーションを図るのかと思ったが、上級生とも協力する場面があるということか。採点基準が単なる学力や運動能力と言えない以上、一目見て優秀なグループを作る、というのも難しそうだ。
「最後に、特別試験の結果がもたらす影響を説明する。資料を見てもらえば分かることではあるが、平均点が1位から3位の大グループには生徒全員にプライベートポイントとクラスポイントが与えられる。逆に、4位から最下位の大グループになった場合は減点される。また、小グループ内でのクラス数に応じて報酬も倍増えていく。また、小グループを構成する人数によっても、その倍率が変動していく。これはプラス分にのみ作用される効果だ」
資料を見ると、マイナスの方が若干多いらしい。
〈プラス〉
1位・ppt1万ポイント。CP3ポイント
2位・ppt5000ポイント。CP1ポイント
3位・ppt3000ポイント
〈マイナス〉
4位・ppt5000ポイント
5位・ppt1万ポイント。CP3ポイント
6位・ppt2万ポイント。CP5ポイント
□人数による倍数は10人が基本となる1倍。15人であれば1.5倍になる。
□クラス構成によって4クラス混合なら3倍、3クラス混合なら2倍される。
めぼしい所はこれくらいか。これだけなら、クラスポイントが増減するだけの簡単な試験に思えるが……現実はそう甘くない、ということだろう。グループ、なんてものを作られ、クラスが分断されるくらいだ。
「最後に、最下位になった大グループにはペナルティとして退学措置が課される。といっても、大グループ全員が退学になるのではなく、学校側の用意した平均点のボーダーラインを下回ったグループのみ、小グループの責任者が退学となる。これだけ聞くと責任者になるメリットがないと感じるだろうが、小グループ責任者と同じクラスの生徒の報酬は2倍となる。そして責任者が退学することになってしまった場合は、グループ内の1人を連帯責任として退学にすることも可能だ。グループ内の不和は、そういった不利に繋がることにもなる」
連帯責任、か。グループ責任者としてのリスクとリターン。退学の危険性が6分の1であることを考えればリターンの方が大きいが、問題は小グループ単位ではなく大グループ単位で順位が決まることだ。とは言っても、自分のグループが平均点を下回らなければいい話か。私が考えている間にも話は続き、小グループ決定後の責任者確定の猶予は明日の朝までらしい。
「そしてもう1つ。退学者を出してしまったクラスにはそれ相応のペナルティも課せられる。今回の特別試験で退学者が出た場合は、1人につき100クラスポイント減少する」
……なるほど。これは、中々戦略の幅が広そうな試験だ。先程予想した通り、この試験で有利になるのはコミュニケーション能力と影響力。自身の基礎能力というのも多少は必要になってくるだろうが……連帯責任、グループ決め、そして他グループの情報収集。それらを考えると、普段から顔の広い生徒が有利になることは間違いない。
「以上で説明を終わる。質問のある生徒は挙手するように」
「先生。退学者救済の方法はあるのでしょうか」
「勿論用意されているぞ、葛城。一人の救済につき、プライベートポイント2000万とクラスポイント300。どちらかが不足した場合は即刻退学処分となる。今の君たちでも、かなりの負担と言えるだろう」
そもそも退学する生徒にそこまで払う価値があるか、という疑問もあるが。まあ、堅実的な葛城くんらしい質問とも言えるだろう。そう思っていると、有栖ちゃんからも手が挙がった。
「小グループや大グループなどのグループ決めにおいては、全て生徒側に一任されるのでしょうか?」
「その通りだ。学校側は一切の関与をしない。溢れた生徒がいた場合も、同学年の君たちで何とかしてもらう形となる」
「せんせーっ、男女別って、ほんとにめちゃくちゃ男女別なんですかー!?」
「……挙手をしろと言っているだろう、赤井。林間学校の2棟のうち、本棟が男子、分棟が女子の割り当てとなる。休み時間や放課後に許可なく外出することは禁止だ。一日1時間のみ、本棟での食堂で食事を取る際の会話は自由だが、基本的にそれ以外は男女完全分離と考えてもらって構わない」
……ふむ。となると、今ここでクラスの方針を決めることは出来ても、男子側と女子側で逐一情報共有をし、臨機応変な対応をする事は難しそうだ。男子側は男子側の、女子側は女子側の戦いとなる。
一番悩むべきはグループの構成だろう。今回の最大報酬を貰えるグループ構成は、Aクラス12人、B〜Dクラスから1人ずつを選出し、責任者がAクラスかつ1位になること。しかしそんな見え見えな作戦に他クラスが乗ってくるとも思わない。次に安全策としては、見知っているAクラス14人に、他クラスを1人混じえた身内グループを作ること。これの難点は報酬が少なくなることだが、現在トップを走っている私たちにとってはそこまで痛手となる作戦ではない。だが……私たちが大人数で固まれば、残る3クラスで結束されてしまい、その結束が今後の特別試験に影響する可能性も甘くは見れない。80人を6チームで割るとして、最低10人、平均13.3人だから……。そう考えていると、有栖ちゃんがハンドマイクを持って声をあげた。
「皆さんお聞きください。今回の試験、どうしても男性と女性で分かれてしまう試験となります。女性側は私の方で管理できますが、男性はそうともいかない。そこで、今回の試験、男性側は葛城くんに全権を任せようと考えています」
「……俺に?正気か、坂柳。冗談などではないだろうな」
「冗談を言うとお思いですか?これでも葛城くんの事は、クラスの中で高く評価していますから」
「……いや。疑ってすまなかった。任せて貰えると言うなら喜んで引き受けよう。男子の皆は、試験中に何か相談や困り事があれば気兼ねなく俺に言って欲しい」
「女性も同様、私に相談していただければと思います。……が、そうですね。私に直接相談しにくい場合は、萌さんを介していただいても構いません」
「え?私??」
「あら、いけませんでしたか??萌さんは私と、目的地につくまで特別試験のお話ですよ」
「えーと、それって拒否権とかは……」
「もちろん、強制参加ですが?」
「鬼!悪魔!!有栖ちゃんの冷酷無情無病息災!!」
「罵倒のついでに健康を願っていただいてありがとうございます」
と、言うわけで。泣く泣く強制参加の会議に参加させられた私は、後ろの席の有栖ちゃんの方へと身体を乗り出す。傍では寝たフリをしながらも真澄ちゃんが聞き耳を立てている様子だった。
「それで、どうするの有栖ちゃーん??今回の試験は!」
「そうですね……攻めに転じることも、守りに徹することも出来ます。ですが、他のクラスの方々は私たちが守りに徹することを良しとしないでしょうね」
「私たちAクラスが14人固まって、尚且つAクラスが責任者のチームがもし1位をとったら126CP。Aクラス12人、他クラスから1人ずつ取る形なら責任者がいなくても162CPで破格の額だよね。まあこれは他のクラスが1位を取る可能性も有り得るけど、Aクラスが取る可能性がある、っていうのは無視できないポイントだよね〜」
「ええ。恐らく3クラス全員が、それを警戒しているでしょう。易々と身内でグループ固め、ということは出来ないでしょうね。優秀な生徒がそのグループに混じることになるなら、特に」
「ならさ、有栖ちゃん。一つ、1年の女子たちに交渉を仕掛けない?」
「交渉?何ですか、それは?」
私が悪戯っぽく笑ったことで興味がわいたのか、有栖ちゃんの上半身が少しこちらに乗り出す。
「簡単だよ。多分皆、一度は考えるんじゃないかな?各クラスから学力・運動能力・コミュニケーション能力の三つの観点から優れた生徒を3、4人ずつ出して、15人の小グループを作るんだ」
「なるほど。売り出し方としては、Aクラスの独走を崩す、少しでもAクラスに与えるクラスポイントを減らす……と言ったところでしょうか。15人であればAクラスから3名、その他3クラスから4名ずつでポイントの格差も調整できます」
「あったり〜!有栖ちゃん頭いい!!」
「ですが、他クラスの方々にとっては自クラスで固めて1位を取る方が獲得出来るクラスポイントは多い。反感を買う可能性もあると思いますよ?」
「他クラスが取れるってことは、さっき言ったように私達も取れるってこと。総合力でAクラスが抜きん出てることは、これまでの特別試験とかポイントの推移で誰でも理解できることだしね。賢くて、Aクラスを目指している人ほど、その事を理解してくれると思うよ?」
「ふふ、確かに。それもそうですね。交渉の場は貴女にお任せします、萌さん」
「えぇ、私なの!?有栖ちゃんが言った方がみんな耳を傾けてくれると思うんだけど〜??」
私が若干ムッとして頬を膨らませると、有栖ちゃんは容赦なく私の頬をつつき、頬の空気を抜いてくる。あちょ、やめて、指圧が、痛い痛い。
「私から提案しても良いのですが、私は運動が出来ないでしょう?今言った選考基準ですと、何故私が選抜グループに入っているのかと疑問に思う方も出てきます。それに、どうしても私は高圧的になってしまいますから。相手に反感を買わない物言いが出来て、かつ能力が高いのは貴女しかいません」
「本音は?」
「他クラスの方々の為に説明するのが少し面倒です」
「はいはーい、承知しましたよぉ。じゃ、メンバーはどうしよっか?」
「Aクラスからは私、萌さん、真澄さんでいいでしょう。私が比較的信頼でき、尚且つ私に足りない運動能力を補完出来るメンバーです。真澄さんの学力不足は私の方で対処出来ますし」
「……聞こえてるわよ」
「あら、寝たフリはおやめになったのですか?」
「うっさい」
「じゃーあそれで決まり!他のことは有栖ちゃんに采配に任せるよ!私も目的地に着くまで目閉じよっかな〜」
そう言い、私は前を向くと目を閉じて考え事を始める。
私が今言った案が通り、尚且つ1位取得が実現出来れば、Aクラスは40.5CP(四捨五入で41CP)。他3クラスは54CPの報酬が獲得できる。
それにしても……7泊8日の混合合宿、その間は他人と強制的に共同生活、か。
私にとっては、
思ったんですけど、同性好きの白波さんにとっては大歓喜試験ですよね。
いや、退学の危険性があるので気楽にはいられないんですけど。
萌ちゃんも有栖ちゃんとイチャイチャしちゃお〜〜〜。
R-15タグは
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つけた方が良い(微エロ歓迎)
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つけた方が良い(そんなに多くないなら)
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つけなくて良い(微エロ程度ならご自由に)
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つけなくて良い(微エロは書くな)