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緩やかな山道を登ると目的地にバスがつき、呼ばれた者から携帯の提出とバスの降車を命じられる。降り立った先にはグラウンドらしき広い場所と、昔ながらの木造校舎が二棟建っていた。あれが男子用の本棟と女子用の分棟だろうか。
「うわ、さっむ……」
「あ、真澄ちゃん。そんなに寒いかなー?」
「あんたみたいに年中カイロじゃないの」
「年中カイロとは失礼な!ちょっと体温が高いだけだよー!」
そう抗議していると、見たことない先生からバスから離れたところに集合するように言われる。やがて全員が揃った頃、私たちは分棟の体育館へと移動させられた。見回してみると、2年や3年と思われる女子生徒たちもいる。私は部活の先輩たち以外接点がなくて知らないし、何となく肩身が狭いなあ……。そう思っていると、他学年の教師と思われる女性が壇上に立ってマイクで話し始める。
「バスの中の事前説明で各自、試験の内容は理解できていると判断させてもらいます。よって、この場での改めての説明は行いません。ではこれより、小グループを作るための場、時間を設けさせていただきます。各学年、話し合いのもと6つの小グループを作るように。また、大グループを作成する場は、本日の午後8時から設けてあります。グループ決めに感じて学校側は一切関知せず、仲裁役として入ることもありません。説明は以上です」
教師からの説明が終わると、学年別に距離を取られる。今からもう自由に決めろ、ということだろう。さて、ゆっくりしているとあのお人好しの塊に主導権を握られそうだし。
「みん__「みんな、少しいいかな?」
帆波が早速声を上げようとしていたところを遮る形で、私は大きめに声をあげてその場に立つ。幸いにも帆波の声は聞こえていなかった生徒が多いようで、特に反感などはなく、疑問や不安の視線が多かった。
「ええと、知らない人もいるだろうし、最初に自己紹介しておくね。私は1年Aクラスの赤井萌。小グループの作成方法に関して1年の女の子たちに提案があるんだけど、聞いて貰えないかな?」
「気になる話だけど、Aクラスのみにメリットがないと断言出来るのかしら。言葉巧みに皆を誘導して、Aクラスが有利になるよう仕向けるつもりじゃないでしょうね?」
「それはないんじゃないかな、堀北さん。どんなに言葉の言い回しが上手くても、違和感や不信感を抱く生徒は出てくるはずだよ。それに私は萌ちゃんの話、聞いてもいいと思うな。今回の試験、船上試験の時みたいにAクラスに守りに入られたらどうしようかと思ってたからね」
「……そうね。一之瀬さんの言う通り、聞いてみる価値はありそうかしら」
Aクラスは船上試験の時に守りに徹した戦略を実行した過去があることから、今回も似たような戦略を取るのではないかと警戒されていたようだ。確かに、それも中々魅力的ではあるし、今回は攻めと守りのハイブリッドみたいなことはしようとしているけどね。
「聞く気になってくれてどうもありがとう。提案と言っても簡単なものだよ。その名も___最強チームを作ろう!ってお話」
「……最強チーム?」
訝しげに堀北ちゃんが言葉を繰り返す。まあ、少し簡単に言いすぎたかな。
「みんなもこの試験の説明を聞いて一度は考えたんじゃないかな。各項目に分けて能力の高い人達を1つのグループに集めれば、確実にグループで1位を取ることができるって」
「そうね。でも今回の試験は何をもって高得点になるのか、加点要素になるのかが予想しにくい。ただ能力の高い生徒を集めただけで、簡単に1位になれるのかしら」
「それは確かに最もな意見だね。試験最終日に総合テストが行われるって告知されてるから、そのテストでの配点が高いことは何となく予想できるけど……その内容まではまだ予想できない。だけどどこまでいってもここは学校だ。成績を付けるには明確な指標が必要になる」
「んーと……てことは、その学校が成績をつける時に参考にする指標を仮定して、それをもとに求められるであろう能力も仮定していく、ってことかな?」
「その通りだよ、帆波。じゃあここからはみんなで詰めていこうか」
そう言い、私は主に反応していた二人以外の1年生女子全員を見渡す。こういうのは自分たちで納得できるよう、みんなにも考えてもらわないとね。
「まず、一般的な学校で求められる能力と言ったら何かな?はい、そこの真澄ちゃん!」
「は?私??……主体性とか?」
「確かに主体性は大事だねー。今回の試験でも、連帯責任で退学になるっていう制度もあるくらいだし。じゃあ次、椎名ちゃん!」
「ええと……やはり学力、でしょうか。定期テストの点数とか、普段の課題提出とか。学力とは違いますが、己の知性を試される場面がこの学校は特に多いと感じます」
「学力、知性!それも大事だね!!混合合宿内でも授業があるって言ってたし、最後の最後に大きなテストとかあるかも。じゃあ次、堀北ちゃん!」
「……貴方に指名されるのはあまり気分の良いものではないのだけれど。……そうね。学力が出たなら、身体能力も挙げられるかしら」
「身体能力!学生の本分は勉強といえど、身体能力も欠かせない項目ではあるよね!もし測られるならそれも考慮しなくちゃいけないねぇ」
「はーい!コミュニケーション能力!協調性!!」
「あ、思考力とか??」
「えー、判断力とかじゃない??」
一人が話し出したことで、複数の生徒が近くの生徒と話し出す。いい傾向だ。みんなで話し合った方が、納得感も生まれやすい。程よく話し合ったところで私は手を2、3回叩き、意識をこちらに向けさせた。
「はいはーい、まとめさせてもらうねー。今みんなの話を聞く感じだと『主体性』『学力』『知性』『身体能力』『コミュニケーション能力』『協調性』『思考力』とかが多かったねー。じゃあこの中で、似たようなものはあるかなー?」
「えーと……学力と知性とか!」
「はい、元土肥ちゃんありがとう。まあ似て非なるものではあるけど……より数値化しやすい能力のほうが、学校側は測りやすいよね。それでいったら、どっちだと思う?」
「学力の方かな?テストとかである程度分かるし!」
「そうだね、じゃあ学力で仮置きしようか。他には何かあるかな?」
「はーい、萌ちゃん!もうまとめられちゃったけど、思考力と知性も似たような感じで分類できないのかなぁ?」
「確かに桔梗の言う通り、学力と知性よりかは似てるものだね。じゃあ、そこもまとめちゃおうか」
「じゃあ、残ったのは『主体性』『学力』『身体能力』『コミュニケーション能力』『協調性』になるのかな?主体性はみんな持ってると思うけど……これを中心に、この能力たちが高い子達を各クラスから数人、1つのグループにまとめるってことになるのかな?」
「そういうことだね、帆波。まあ、どれか一点特化……とかでもいいけど、どれかの能力が高くて、他も平均より少しは高めの方がいいかな?」
「赤井さん、少し待ってちょうだい」
私が話を進めていると、堀北ちゃんから声があがる。
「貴方のやりたい事は分かったわ。そのメリットも理解しているつもり。こちらが赤井さんの提案を受けない場合のデメリットも。でも、能力が高い生徒たちを集めるということは、必然的に残りのグループには、そのグループより能力が低い生徒が残ることになる。それは果たして平等と言えるのかしら」
「確かに、出来レースを走らされているような気分にはなるだろうね。他のグループが逆に退学の危険性に晒されてしまう場合もある……そう言いたいのかな?」
「そうね。能力の低い生徒たちで集まれば、必然的に学校側の用意したボーダーを下回る可能性も高くなってくる」
「でもそれは、何も策を用意しないでただ仲良しグループで集まった際にも言えることじゃないかな?」
「確かに、それは否定しないわ。でも、能力の高い生徒が1つのグループに集まりすぎることはない」
「そうだね。……うーん、確かにそこは懸念点か」
「あの……赤井さん、少しよろしいでしょうか?」
私と堀北ちゃんで話していると、椎名ちゃんがおずおずと手を挙げて近づいてきた。……これは想定外だな。
「ん、何かな椎名ちゃん?」
「もし学校側が成績の参考に要求する能力を仮置きして、確実に1位をとれるチームを作るのであれば……その能力を基準に、1年生女子全体を、能力別に高い生徒と低い生徒に分類できると思うんです」
「そうだね。……ああ、それで各能力値の出来不出来を埋められるようなチームを作る……ってことかな?」
「ええ。例えば、『身体能力』は高いけど『学力』は低い、という生徒がいれば、逆に『身体能力』は低いけど『学力』は高いという生徒もいます。つまり、その生徒どうしを同じチームにいれれば、相対的に苦手が中和され、平均点のボーダーを突破しやすくなるのではないでしょうか?」
「おーっ、つまり4クラスでの協力型ってことだね椎名さん!うん、私もいいと思うな!勿論高いクラスポイントを獲得したいっていうのはあるけど、何より退学者を出したくないからね」
「けれど、自分たちのクラスが高い報酬を得るチャンスを失うことになるわ。それはいいのかしら、一之瀬さん」
「確かに、自分たちのクラスで12人固めて4クラス混合にしたり、12人とは言わずとも自分たちのクラスで固まる、みたいな戦略の方が報酬は高くなると思うよ?でも、それは私たちのクラスだけじゃなくて他のクラスにも言えること。勿論それも大事だけど……私は、みんなが退学にならない方法を模索していきたいかな?」
「私も異論はありません。それに、最初に一之瀬さんが仰っていた通り、Aクラスに守りに入られては、取り付く島もない状態になると思っていましたから。Cクラスとしても賛成です」
「あとはDクラスだけかな。……あ。ちゃんとAクラス以外も得するようにはなってるよ??Aから3人、他のクラスから4人って感じで、1位になった時の報酬に差は出るようにするし。Aクラスが守りに入るより、よっぽど良いとは思うなー?」
「……そうね。確認だけど、貴方のクラスは坂柳さんが指揮を執っているのよね?坂柳さんは納得しているのかしら。これは彼女の発案?それとも、貴方の発案?」
……おお。やっぱり、そこは突いてくるよね。
堀北ちゃんの疑問に、これまで一度も話していなかった有栖ちゃんが口を開く。
「これは萌さんの発案です。私も納得していると捉えていただいて構いませんよ」
「俄には信じ難いわね。自らAクラスの報酬を減らすような提案を、貴方が受け入れるの?」
「確かに、私であればAクラスのみのことを考え、Aクラスが多く報酬を獲得できるような戦略を考えることは可能です。……が、それではどうしても皆さんの反感を買ってしまうでしょう?」
「確かに、目に見えてAクラスが得をするような提案に乗る愚か者はいないわね」
「ええ。それに、この試験は私向きではありませんから。であれば、萌さんに任せてその行き先を観察させていただく方が面白いと考えました。それとも、堀北さんは今からでもAクラスが守りの戦略を取る方が良いですか?」
「いいえ、結構よ。Dクラスも赤井さんの提案に乗らせていただくわ」
「よしっ、決まりだねー!!じゃあ各クラスその最強チームに加わる子4人と、あと自分が何の能力が高くて何の能力が低いか、考えて欲しいなー!!」
パン、と軽く手を叩いて仕切り直すと、体育館の一角に広がっていた重苦しい緊張感が、ふっと潮が引くように和らいでいく。
堀北ちゃんも一応は筋が通ったと納得してくれたみたいだし、帆波や椎名ちゃんが素早く同意して乗ってくれたおかげで、1年生女子全体の空気は「探り合いと警戒」から「協力してこの理不尽な試験を乗り切ろう」というポジティブな方向へ完全にシフトした。
(ふぅ……ひとまず第一段階、一番のヤマ場は越えられた……かな)
心の中でそっと安堵の息を吐く。
私が今提示した『選抜チーム+能力補完チーム』という枠組みは、一見すると学年全体で助け合い、退学者を出さないための極めて平和的かつ全体最適の理想的な提案に見えるだろう。けれど、その裏にある本質は全く別のところにある。
この提案の真の目的は、Aクラスが他クラスから「守りに入ってポイントを独占しようとしている」と警戒されて包囲網を敷かれるリスクを完全に潰しつつ、確実に高得点を叩き出せる精鋭を1つの枠に囲い込んで、Aクラス主導で上位の報酬を分捕ることだ。もしこの試験を皮切りに3クラス共同戦線、なんてものが生まれてしまったら、この先の試験で苦戦を強いられることは目に見えているからね。
「さーてと!そろそろ選抜チームのメンバー選出とか、自分たちの能力の自己申告が終わった頃かな?」
「うんっ、Bクラスは大丈夫だよ〜。Bクラスからは、麻子ちゃん、安藤さん、津辺さん、二宮さんを選出するね!」
「おお。帆波も能力が高いと思うけど、いないのにはなにか理由があるのかな?」
「あはは、萌ちゃんにそう言って貰えるのは嬉しいな。でも他のチームをまとめることも大切だからね。それに私、勉強はできても運動はそんなに出来ないでしょ?坂柳さんがいるなら勉強面は安心できるから、Bクラスからは運動能力が高くて、かつ勉強も卒なくできる生徒たちを選んだつもりだよ。全員私の信頼できる子達だから、安心して欲しいな」
「なるほどね。全然大丈夫だよ!じゃあCクラスはどうかな?」
「はい。Cクラスからは私、宝島さん、西野さん、矢島さんで行かせていただきます。Cクラスは学力が不安な生徒が多いですが、身体能力については自信がありますので、能力補完に関してもそれを考慮していただければと思います」
「おっけー、じゃあ最後はDクラスだねー」
「ええ。Dクラスからは、私、東さん、櫛田さん、王さんを選出させてもらうわ。基本的に学力と協調性の高い生徒を選んだつもりよ」
「おお、いい感じだね!じゃあ選抜チームはこの15人で決まりってことで、ここからは他のチームを決めていこうか〜!」
選抜チームの15人が決まった後は、残りの5グループ(仮の呼び名として第2〜第6グループと呼ばせてもおう)の編成作業へと移行した。
ここでも私と帆波、ひよりちゃん、堀北ちゃんが中心となり、各クラスの生徒を能力別にリストアップし、それぞれのグループの平均値が極力均等になるようパズルのピースを嵌めるように組み上げていく。人間というのは面白いもので、全体で見た能力としてはいい感じでも、個人の好き嫌いで変えなきゃいけなかったり、この人と一緒じゃないと嫌という人がいたり。……能力よりも個人の好き嫌いが優先されるなんて、面倒な思考だ。
「この第3グループは、Dクラスの能力値が少し低めだから、Bクラスからテストの点数が高い子を回そうか」
「そうですね。ではCクラスからは運動が得意な生徒さんを入れましょう」
「助かるわ。それならDクラスもボーダーラインを割る心配はなさそうね」
「逆に第5グループは運動能力の高い子が多いねー?ちょっと第6グループが身体面で不安だから、Bクラスのこの子とこの子を変えてもいい?」
「うんっ、大丈夫だよ!」
こうしてクラスの壁を越えた綿密な議論が進み、体育館内に充満していた不穏な気配は完全に消し飛んでいた。他の生徒たちも「自分たちを追放させないためにリーダーたちが真剣に考えてくれている」と感じたようで、自発的に自分の得意分野や不得意なことを自己申告し始めるという理想的な協力体制が生まれていた。……恐ろしいくらいに上手くいっているな。それほど、みんな退学が恐ろしいということだろうか。あるいは、大グループを結成する際に見知らぬ上級生がいることから、小グループくらいは貢献したいという思いがあるのかもしれない。こうして4クラス共同の協力体制の元、大幅に時間がかかるかと思われた小グループ決めは早々に終わった。2、3年生の方を見るとまだ時間がかかっている様子。まあ、それならゆっくりさせてもらうかな。
「ふーっ、疲れたあ。全く、有栖ちゃんは本当に人使いが荒いよねー」
「失礼な物言いですね。適材適所と言っていただきたいところです」
「ちがいますー、これはパシリっていうんですぅ」
「ふふ、赤井さんと坂柳さんは仲良しなんですね。羨ましいです」
「仲良し、ですか?私と萌さんが?」
「そうだよーっ、椎名ちゃん。私と有栖ちゃんは親友だからね!」
一人だけパイプ椅子に座っている有栖ちゃんの後ろから抱きつき、頭に顎を乗せる。ふむ、いつものベレー帽はないけどこれはこれで……。
「有栖ちゃん、髪いい匂いだねぇ。どこのシャンプー使ってるの?」
「勝手に嗅がないでください、セクハラですよ」
「ええー……そういえば、有栖ちゃんちのお風呂のシャンプーもリンスも高そうなブランドのやつだったなあ……」
私と有栖ちゃんが雑談していると、堀北ちゃんがこちらに近づいてくる。
「取り込み中みたいだけどちょっといいかしら。私たちのチームの責任者を決めるべきだと思うの」
「おお、そうだねえ。でも君たちからしたら、Aクラスには責任者を任せたくないよね?」
「そうね。……貴方たちさえ良ければ、私が責任者を務めてもいいかしら」
「おお、私はいいけど……逆に堀北ちゃんはいいの?」
「ええ。ポイント獲得のチャンスをみすみす逃す訳にはいかないわ」
「じゃ、他の人にも伝えてきていいよ〜。私は有栖ちゃんをもちもちするっていうお仕事があるからー」
「……はい?もちもちって、何を……ちょ、
「あはは!有栖ちゃん、何言ってるか分かんないよー!」
程なくして2、3年生の小グループ決めが終わり、予定より早めの大グループ決めが終わった頃にはすっかり午後になっていた。私たちは学校側の指示に従い、体育館を離れて小グループ別に寝泊まりする部屋へと連れていかれる。
「ふっる……」
「そう?私は好きだなー、木が直に感じられて。それに材質はいいし、清潔に整えられてるしね」
部屋の中には木製の2段ベッドが人数に合わせて配置されている。
「有栖ちゃんは下のベッドだとしてー……みんな、上か下どっちがいい?私は有栖ちゃんの上側ねー!!」
「……私は一人のところでいい。人数的に誰かが一人になるでしょ」
「えー、真澄ちゃんつまんなーい」
「みーちゃん、一緒の二段ベッド使おっ!」
「う、うん!」
こうして全員分のベッドが決まり、各自の荷物をそれぞれのベッドに置き始める。そうしていると、私と向かい側の上側のベッドにいた安藤さんが私に向かって話しかけてきた。
「それにしてもさー、なんか意外だよね」
「意外?」
「うん。って言っても赤井さんじゃなくて坂柳さんなんだけど。坂柳さん、なんか近寄り難いというか、人を寄せつけないイメージがあったからさ。赤井さんといるときはそれが薄れるというか」
「あ、それ分かる!なんか、ちゃんと私たちと同い年なんだなって感じするよね」
安藤さんの下のベッドにいた網倉さんも会話に参加する。Bクラスは友好的な人が多いらしい。
「やっぱあれ?一学期の時に流れてた『坂柳さんの騎士』って噂はホントだったの?」
「それ、本当に何?私はそんなつもりないんだけどなー」
「あら、でも自分でもよく言っていますよね?有栖ちゃんの騎士になんて仕打ちだ、とか」
「有栖ちゃんまで乗ってこないでよー。それはほら、チェスの駒的な意味合いだって」
「だとすれば、貴女は随分と謙虚なんですね。
「んー?いーや、有栖ちゃんの
「ちょっと、私まで巻き込むんじゃないわよ」
「あはは、でも確かに、萌ちゃんと坂柳さん仲良しで羨ましいよねっ。ちょっと嫉妬しちゃうな〜?」
「……確かに、櫛田さんよりかは仲がいいかもしれませんね。クリスマスにも萌さんと過ごされていたようでしたが、何をされていたのですか?」
「ん〜、それは萌ちゃんとの秘密だからなあ。ねっ?」
「あはは、2人とも仲良くしてくれると嬉しいなー……」
……大丈夫か、このグループ。
私は心の中で静かにため息を吐いた。
めちゃくちゃ私事ですが、数年前から描いていたトモセシュンサク先生の絵柄を真似た萌ちゃんがようやく完成の目処がたちそうです。
ただ絵柄の真似はモラル的にグレーなので、もし公開するとしてもこの小説内に留めておきます。
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つけた方が良い(微エロ歓迎)
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