友人から萌ちゃんのイラストをいただきました!(掲載許可取得済)
本当に可愛いので、皆さんぜひ見てください( ; ; )
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【挿絵表示】
それと、本作に「R-15」のタグをつけさせていただきました。アンケートに答えてくださった皆さん、ありがとうございました!
今回はほとんど日常です。
翌朝。誰よりも早く目が覚めた私は、部屋のみんなを起こさないようにそっとベッドをおりる。
「……やっぱり眠れない、か」
分かっていたことではあるけど、これからこの生活が少し続くと考えると憂鬱になってくるな。とは言っても嘆いたって仕方ない。思考を切り替え、体を起こすために外に出てみる。
「それにしても、澄んだ空気だなあ……山の中なだけあるよね」
どこか懐かしい風景や感覚。やはり私は、海よりも山の方が性に合う。少しトレーニングをしていると、誰かが私の頭上を通り過ぎた。……あれは。
「おや、ナイトガールじゃないか。君も早朝のトレーニングかい?」
「そんなところかなー。ジャパンくんもいつもこんな朝早くからやってるの?」
「フフ、私の日課のようなものでね。それにここは無人島の時みたく調整された場所では無いから、思う存分楽しませてもらっているのさ」
「そうだねー、確かに自然に近いかも。朝食の時間には戻るんだよー?」
「それは私の気分次第だねぇ。では、アデュー!」
……本当に自由奔放を体現したような人物だな。
ジャパンくん、もとい高円寺くんと別れてしばらくすると、建物の方から軽快なBGMが鳴り響いた。どうやらスピーカーからなっているようだ。
「おお。こんな風に起こされるんだ。今は……6時か。そろそろ部屋に戻った方がいいかな」
そう言い、私は朝のトレーニングを終えて部屋に戻った。部屋に戻ると、慣れない起こされ方をして困惑していたり、まだ眠そうだったり、というか寝ていたり。
「おはよーみんな!朝の集合時間までもう少しだよー!!起きてー!!」
「……赤井さん。どこに行っていたの?」
「ん?ちょっと早く目が覚めたから、外の空気を浴びてたんだよー」
「勝手な行動は感心しないわね。これから何があるか分からないのよ?」
「あはは、ごめんごめん。昔からこうしないと目覚めなくてさ。迷惑はかけないし集合時間には遅れないから安心してよ」
「あ、それ分かるー。朝って身体動かさないといつまでも重いままだよねー!」
「お、安藤さんもわかってくれる?」
雑談をしながら、私はまだ眠そうに布団に籠っている子の布団に飛び乗る。
「まーーすーーみーーーちゃーーーん!!起きてー!!!朝だよー!!!!」
「うっっさい…………それ以上騒いだら殴るわよ……」
「あはは!デジャブ!ほんとに朝弱いんだね!!」
「…………朝から騒がしいのは相変わらずですね、萌さん」
「あ、有栖ちゃんもおはよー。眠そうだね?」
「ええ、こういった同じ屋根の下の集団生活には慣れていないもので……」
「それもそっかー、まあ教室に集合しなきゃいけないし、そろそろ行こっか?」
私たちのグループが指定された教室に向かうと、時を同じくして2年と3年の生徒たちも同じ教室に集まってきたので挨拶しておく。少し経ち、教室に入ってきた教師から毎朝点呼を行った後に指定された区画の清掃を行うことを知らされ、私たちは混合合宿最初の清掃へと向かった。
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清掃が終わると、教師によって道場のような、畳が敷き詰められた空間へと案内される。案内されたのは私たちだけかと思ったが、他のグループもいるようだ。
「今日からここで、朝と夕方の二回座禅を行ってもらう」
「座禅……」
バスの中で言った修行僧、という言葉がいよいよ現実味を帯びてきたのだろうか。座禅。その言葉や概念の知識はあれど、やり方や細かい作法までは流石に知らない。でも何となく、この畳に座ってあぐらを組むんだろうということは推測できる。あ、畳のヘリは踏んじゃダメなんだっけ。
「……ん??先生、有栖ちゃ……坂柳さんは多分、畳にそのまま座れないんですけど、どうするんですか?」
「坂柳に関しては特例措置として、椅子座禅を行ってもらう。椅子に浅めに腰掛け、背もたれにもたれずに背筋を伸ばし、膝を90度程の状態で保ってもらうものだ」
へえ、そんなのがあるんだ……まあ、有栖ちゃんにあぐらを組めと要求するほうが非効率だよね。
教師から座禅の説明を受け、結跏趺坐の見本を見せられる。
「あぐらを組んだ後、それぞれの足を太ももの上に置いてもらう。試験ではこの結跏趺坐も結果に影響するので、極力できるようになっておくように。出来ない場合には、このように片足だけで組む半跏趺坐もある」
教師からの説明通り、結跏趺坐の形を作って精神を集中させる。こうして静かに座っていると、朝の運動によりこもった熱が少しずつ身体の芯へと落ち着いていくような感覚があった。片目を少し開けて周囲を軽く見ると、有栖ちゃんも再びパイプ椅子に浅く腰掛け、静かに目を閉じていた。その横顔は朝日照らされて、どこか神聖な雰囲気すら感じさせる。本当に、顔だけはいいよなあ……。身体的なハンディキャップを感じさせないどころか、この座禅という空間に一番適応しているように見える。と、そんな風に思考を巡らせていたその時。
『バシィィィン!!』
静寂を切り裂くような、鮮烈で高い音が道場内に響き渡った。どうやら少し離れた場所にいた生徒の肩に、教官の警策が思い切り振り下ろされたようだ。うわぁ……思った以上に本気の音だった。あれは絶対に痛い。肩に綺麗な赤い跡がついてそう。……こういう精神を集中させる作業は苦手では無いが、あの処罰を受けるのは勘弁だな。
朝の清掃と座禅を終え、午前の7時になった。朝食の時間と言われ、昨夜利用した食堂ではなく、外へと案内される。複数の調理場と広大な食事スペース。……これは、自分たちで調理しろということだろうか。
「今日のところは学校側が提供するが、明日から晴れの場合、朝食は全てグループ内で作ってもらう。人数や分担方法は全体で話し合って決めるように」
「うげぇ、朝から?ってことは、6時より前に余裕を持って起きなきゃいけないってことだよねえ。真澄ちゃん大丈夫?」
「……大丈夫なわけないでしょ」
「私もちょっと不安だなー。4時とか5時とかに起きなきゃいけないってことだよね?」
「そうだねぇ。まあ、朝に強い生徒が4時に起きて、弱い生徒は5時に起きる感じでもいいんじゃないかな?」
「私は4時でも構わないけれど、不公平に感じる生徒はで出てくるんじゃないかしら?」
「そうだねぇ堀北ちゃん。でも、私的には寝ぼけたまま朝食を作られるよりかはマシだと思うしなぁ」
「私も朝早く起きられるように頑張るねっ、萌ちゃん!」
「うん、期待してるよ桔梗」
そう話していると朝献立の資料を配られ、各自の食事が配給される。一汁三菜を基本とした質素な日本のご飯、という印象の朝食だった。私は食べながら、チームのメンバーに話しかける。
「ちなみに、この中で朝に強い人はどのくらいいるのー?私は自信あるよー!」
私がいの一番に手を挙げると、人数は少ないもののパラパラと手が挙がる。Bクラスから網倉さんと津辺さん。Cクラスからは椎名ちゃんと矢島さん、Dクラスからは東さん以外の3人の手が挙がった。……あれ??
「真澄ちゃんは知ってたけど、有栖ちゃんも朝弱いのー?」
「朝が弱い、というよりかは、共同で生活をすることに慣れていない、というべきでしょうか。今日の朝の自分の状態を考えると、朝から普段通りのパフォーマンスが出来るとは考えられませんので」
「じゃあ実質Aクラスからは私1人かー。まあ3人分の働きくらいできるからいいけどねー」
「あんた、料理とか出来るの?」
「失礼な!これでも普段ちゃんと自炊してるんだからね!?」
全く、真澄ちゃんの朝食だけ抜きにしてやろうか。
その後3年生から声がかかり、なんとありがたいことに晴れの日は3年生から2年生、1年生とローテーションしてくれるらしい。これが尊敬すべきセンパイの姿……!
朝食を終えると、大グループの全員がグラウンドへと集められる。他のグループは教室っぽいところへと集められていたところもあったし、グループによって一日の授業の順番は違うのだろう。
「うへー……せっかく普段と違う環境に来たのにそこでも授業だなんて、ここの学校は真面目だよねぇ」
「異なる環境でも、如何に普段通りのポテンシャルを発揮できるかを試されている可能性もありますね。最も、授業中に森下さんのような干渉を私にされている萌さんは即減点対象でしょうが」
「えー、あれは有栖ちゃんの忍耐力をテストしてるだけだもーん。それに流石に森下藍ちゃんみたいに消しカス飛ばすなんてことはしないよー」
「授業中にメモや落書きを見せてくるのも大概だと思いますが?」
「有栖ちゃんだって、たまに馬鹿みたいに難しい問題を作って私にやり返してくるくせに」
「何、あんたら。後ろの席でそんなことしてた訳?」
「いや違うんだよ真澄ちゃん!あれは先生から問題を出される度に有栖ちゃんが『萌さんに解けますか?』みたいな挑発した視線を送ってくるから!」
「あら、元はと言えば貴女が私にちょっかいをかけてきたのが最初でしたが?」
「あのね、どっちも同レベルだから。頼むから合宿中にはそんな幼稚な争いしないでよね」
「はぁい……」
「……善処はいたしましょう」
「善処じゃなくて。返事は?」
「……………………はい」
本当に渋々といった様子で返事をする有栖ちゃんを横目で見ていると、教師がやってきて授業の説明がされる。どうやらこの体育の授業では、基礎体力作りと銘打った持久走が行われるようだ。最終日には駅伝の予定もあるらしいので、試験項目の一つであることが推測される。数日間はグラウンドでの練習をし、それを経てからコースに出るらしい。勿論、うちのグループの有栖ちゃんは運動ができないため、特別の見学席を設けられていた。
「有栖ちゃんっ、しっかり見ててねー!」
「ええ、頑張ってください」
こうして持久走が始まり、みんなが一斉に走り出した。一番後ろに位置どってみんなの様子を観察しようかと思ったけど、私の普段の授業の様子が教師たちの間で共有されているなら、手を抜いたとして減点されかねない。そう考え、私はあえて最初から少し飛ばして、他の人と一周差に近い差をつけることで観察することを試みる。まあ別に普通に走っていても遠くからは観察できるんだけど……実際に横に並んで走ることで分かることもあるからね。
数分走って、各クラスメンバーのある程度の運動能力を把握する。運動がかなり得意そうな生徒はBクラスの安藤さん、Cクラスの矢島さん、Dクラスの堀北ちゃん。得意ではないけどそこそこ動けるのが、真澄ちゃん、Bクラスの網倉さんと津辺さん、Cクラスの宝島さん、Dクラスの桔梗。普通くらいの生徒がCクラスの西野さんとDクラスの東さん。運動が苦手な生徒がBクラスの二宮さんとCクラスの椎名ちゃん、Dクラスの王さんかな。王さんに関しては動きとしてはそこまで苦手じゃなさそうだけど、知らない人が沢山いる環境に萎縮しているのか?本来のパフォーマンスを発揮できていない可能性もあるね。
「……ん??」
追いついた王さんに声をかけるか迷っていると、見学席の有栖ちゃんの様子に目がいった。なんか……すごい、目が死んでる?いや、いつも体育の時はこんな感じだったけど……何だろうな、この違和感。すれ違いざまに王さんに軽く話しかけ、応援をしてから離れると、また有栖ちゃんの様子を見る。……うーん。やっぱりなんか……いつもと違う気がするなあ。山の環境で体調が悪くなった?でも、さっき話してた時の有栖ちゃんはあんまり普段と変わらなかったし……。結局違和感を抱いたものの原因は分からずじまいなまま、体育の授業は終わっていった。
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一日の終わりである禅が終わり、一日の授業が全て終わった。この後は夕食、入浴。少しの自由時間の後に就寝である。
「真澄ちゃーん、大丈夫〜??立てそう??」
「っ……平気だから……ちょっとこっち来ないで」
「全然平気そうじゃないんだけど」
「おや、真澄さん。情けないですね」
「うっさい……はぁ、やっと痺れがとれてきた……」
「よーし、じゃあ食堂にGO!今日の夕食は何かな〜?」
「ふふ、お魚がいいですね」
「そもそもここの食事、質素すぎんのよ……妙に味が薄いって言うか」
「そう?全然美味しいと思うけどなー」
まあでも確かに、育ち盛りの高校生からしたら物足りないと感じる量なのか……?私も普段から食べるほうではあるけど、別にこれくらいの量なら「そんなもんかー」で済ませられるけどなあ。
「そうでした、真澄さん。食堂に行く際、見張って欲しい方がいるのですが。やってくださいますか?」
「どうせ拒否権はないんでしょ」
「あら、お話が早くて助かります。では、真澄さんは単独行動でお願いしますね」
「はいはい……」
「またねー、真澄ちゃん!」
……行っちゃった。真澄ちゃんはいつも有栖ちゃんにこき使われてて大変だなあ。確か私とお誕生日近かったし、今度労いのプレゼントでも送ってあげよう……。
有栖ちゃんと一緒に食事をいただき、私は有栖ちゃんの分もトレーを片付けてくるため、先に外で待っているように伝える。
……それにしても、私はこの合宿中どうしてようか。この先のことを考えるなら、今のうちに南雲生徒会長に何かしらのアプローチを施した方がいいんだろうけど……噂では、南雲生徒会長は元生徒会長に喧嘩を売ってそっちにお熱らしいし。今回の試験内容的に、女子である私が男子側に介入することは難しいし。……はあ。こう考えると、清隆も人使いが荒いな。有栖ちゃんと言い清隆と言い、天才は人使いが荒いものなのか?どちらかというと資源を有効活用している認識なんだろうな。
私がトレーを片付け、同じ大グループの先輩と少し話した後に食堂を出る道すがら、前に2人の男子生徒が見えた。
「いやさ、坂柳ちゃんって可愛いけどさ、どんくさいよな」
「お前、引っ掛けといてそりゃないだろ……」
……有栖ちゃんの話?確かこの人って……池くんと山内くん、だっけ。池くんの方は無人島試験で交流があるけど、確か山内くんはAクラスの身内固めグループに入った1人だって葛城くんから初日に聞いたな……。
「やっほー、池くん!」
「あえっ、俺!?……ってあー、無人島試験の時の子!もう怪我大丈夫なのか?」
「うん、池くんのおかげでばっちりだよー!あの時はありがとうね!」
「いや、別に大したことしてないよ……へへっ」
「んだよ池ぇ、いつの間に可愛い子と仲良くなってんだぁ〜?」
「ち、ちげーよ。ちょっと怪我してた時に対応しただけだよ」
「あ、君は山内くんだよね!葛城くんから聞いてるよ〜!」
「え、あ、俺の事も知ってんの??」
「うん、Aクラスのグループに入ってくれて助かったって言ってたよお。頑張っててすごいって!」
「ま、まあ?俺はDクラスのリーサルウェポンだからな」
最後の切り札?こんな子が?清隆からそういう話は聞いてないけどな……虚言癖があるのだろうか。まあ、私も今嘘でおだてたから人のこと言えないけど。
「お互い頑張ろうねっ、じゃあまた学校で会ったら話そうね〜!!」
愛想良く手を振って別れた後食堂を出ると、何やら有栖ちゃんと清隆が話し込んでいた。……げぇ。面倒そうな組み合わせ。このまま出て行くか迷っていると、有栖ちゃんに見つかってしまう。
「……あら。萌さん。随分と遅いお帰りでしたね」
「あははー、ちょっと先輩と話しちゃってて……って痛い痛い!?なんで杖!?私何もしてないよね!?」
「貴女の帰りが遅いせいで私が不必要な辱めを受けました。なので、八つ当たりです」
「開き直ればいいってものじゃないからね!?」
「話が終わったなら俺は帰らせてもらうぞ」
「……あ!綾小路くん、ちょっと待って!こっちこっち」
清隆の背中を押し、有栖ちゃんから少し離れた位置で耳打ちする。
「Dクラスの中にさ、相手を煽るのが得意な人っている?無自覚に相手を苛立たせるというか、デリカシーがないというか」
「……何故それを?」
「南雲生徒会長との件で必要なんだってー!お願い!」
「……そうだな。オレが現時点で思いつくのは山内、池あたりだろうか。とは言っても、デリカシーがないコミュニケーションを取るという点では山内が群を抜いているな」
「あー、やっぱり!おっけー、ありがと!!」
正確には南雲生徒会長との件ではないんだけど、まあどうせ彼が関わることになるし、間違ってはいないよね。
「有栖ちゃん、帰ろ!綾小路くん、またねー!」
「萌さん、綾小路くんと何をお話されていたのですか?」
「んー?ひみつー」
「……ほう。私に秘密とは、随分強く出ましたね」
「そういえば有栖ちゃん、体調悪かったりしない?大丈夫??」
「……急に何を言い出すのですか。確かに慣れない環境に身を置いている精神的な負担はありますが、体調は問題ありませんよ」
「そっかあ……」
じゃあ、私が持久走の時に抱いた違和感はなんだったんだ?他の授業の時には感じなかったし、私の気のせい……??
生徒会の件、帆波の情報収集、自クラスのお荷物処分。それに、合宿中の有栖ちゃんの件。考えることがいっぱいだな。
特設コーナー!萌ちゃんに色々聞いてみた!
(Part1)
Q.虫やお化けなど、怖いものはありますか?
A.特にないかなー?あ、でも幽霊って物理が効かないんだよね?なら怖いかも!退治できない!
Q.朝型ですか?夜型ですか?
A.朝型!朝から身体を動かすと気持ちがいいからおすすめだよ!
Q.絶対に他人に言えない秘密はありますか?
A.えー、そんなのいっぱいあるよお。人は秘密があるからこそ魅力的に映るって言うからね!
Q.もしバンドを組むとしたら、どの楽器をやりたいですか?
A.ドラムかな!縁の下の力持ちというか、ドラムがあるとないとで結構音楽に差があるよね!あ、そういう意味ではベースもやってみたいなぁ。
↑不定期にやっていこうかなと思います。いつでも質問大募集中です。