赤い空、薄暗い道、ここが地獄と言われれば即納得ができる。
だが、青年には懐かしく、そして慣れていた
長い道を歩き続け、そしてどんなでかい生物でも入れる様な大きな門の前へと着いた
それと同時に、目の前には、地獄には似合わない様な和風の服装と、自分よりも小柄な少女が目の前には居た
そして、その少女は目の前に居る僕に一言
「今回で三回目、あんたは後何回生まれ変わるんかね」
「さあ、それを僕に聞かれても、僕にも分かりませんよ」
「中途半端に数十年生きては死んで、あげくの果てには無断で輪廻転生を繰り返す。いい加減閻魔様も怒っとるで」
「それは失礼なことをしました。“これからは“自重しておかないとですね」
「それ...はぁ、もうええわ」
ため息をつく少女に、うっすらと“嘘の笑顔“を貼り付ける
「あんた、分かっとるかは知らんけど、あんたがしとることはうちら地獄の者達にも莫大な影響を与えとる。その意味...分かってんの?」
三度目の会話、さっき言われた通り僕自身も知っている。この無断の輪廻転生は、閻魔様にも、神様にすら敵対することを意味する。
そんな大罪を犯すような真似を、一番関わっているからと疑われ、自分にすら影響を与えられてはたまった物じゃない
少女は圧を掛け、いつもの目には光が映っておらず、本気で怒っている事が分かる
「そんなに怒らないでください、勿論分かっています」
「...はぁ、もうええわ」
何かを諦めたのか、緊迫した空間から急に解放される
「それで、通してくれるんですか?転生への門」
「今のを聞いてどうして通されると思ったん...?」
「まあ、ええわ。通りゃいい」
「ありがとうございます」
ゆっくりと歩き、少女の横を通る
「最後に聞きたいんやけど」
その声に足を止め、後ろを振り返る
「どうしました?」
「あんたは、後何回、そしてどうやってここに来てるん?」
「後何回...ですか。それは自分にも分かりません。でも...あいつと一緒に生きてるとすれば...」
「そのあいつって?」
「.........」
僕の目には光があるだろうか
分からないが...
「もう一つの質問に答えます。どうやってここに来ているのか...」
「それも僕には分かりません。僕もいつここに来るかも」
「でも...僕は呪われてるんだと思います...」
「あいつに」
「...そうか」
いままでに聞かない優しい声
「言っとくけど、私はまだあんたに”名前”を一度も言われてないから!許した訳じゃないからね!」
「分かってますよ。それくらい」
「なら、僕は貴方の”名前”を言った時は、許されたって事で良いんですね」
そう言いながらゆっくりと門へ向かってゆく
「僕は神にも、あいつにも呪われ、呪っています。この呪いが消える事は無いでしょう」
「でも、もし神や閻魔を敵にまわしたとき...手伝ってくれますか?」
「...ええよ。少しぐらい、貸したるわ」
「それは勝つと考えて?」
「私を誰やと思っとるん?”ケルベロス”やで?負けるなんて考えた事も無いわ」
「流石現代のケルベロス、聖書に書いてあったケルベロスとは全然違う。神にも勝てると...」
「神々の世界や現代の世界では流石に力は落ちるけど、ここやったら負ける気はせえへん」
「...流石です」
「ほら、早くいきや。閻魔様が来てまうで」
「そうですね。そろそろ行きます」
門を開け、光が差す
「最後に」
少女は振り向く
「僕達はいつか会うことでしょう、それは僕にとっての数年かもしれないし、貴方にとっての数百年かもしれない」
「...つまりなにが言いたいんや?」
「つまり、その時になったら、この話をしようって話です」
「...うん。ええよ、いくらでもしようや」
「ありがとうございます...また、いつか」
光はゆっくりと小さくなり、やがて暗い地獄へと戻る
少女は歩きながら、小さく呟いた
「...この話も、三回目や」
「なぁ、叶、新しいライバー見た?」
「ん?まだ見てない」
「また随分と面白そうな人達だったぞ」
「まじ?ちょっと見せてよ」
「...はい」
「...本当だ、錬金術師に...皇女に...ケルベロスねぇ...」
「大分クセ強いよな」
「確かに」
「...戌亥とこ...か」
なぜか少し懐かしい気持ちになった
本当に突然思いついて書いたのでちょっと短いかもしれませんが、楽しめていれば幸いです