【エレコド】電子の巨神   作:麟佳さん

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身体のないエレクトリア、エアがようやく自分のなりたい姿を自覚してから数ヶ月。彼女はどんな姿になったのでしょうか?


ソラのワタリガラス(後編)

麟佳の悪夢騒ぎからしばらく経った頃、円からエアのボディが完成したと連絡が入った。こちらに気を利かせて日程は休日にしてくれた。それから数日間の麟佳は浮足立つ、いやもはや浮かれすぎて飛んでいたかもしれない。大切なパートナーが悩みに悩んでいた事がついに解決するのだからそこは大目に見てほしい。

 

「ちょこちょこ試作でお邪魔してたけど、いつから作り始めてたんだろう?」

『正式に依頼したのは麟佳がうなされていたあの事件の後ですが、開発自体は私達が出会ったあの時から始めていたそうです。』

「マジで?もう少し開発にかかってたら丸一年だけど?」

『私からも追加で様々な希望を出したので、その分の工数も増えたかと。我儘を言った手前、頭が上がりません。』

「でもそれはエアの熱意の証だし、円さんも妥協しなさそうだからお互い様かもしれない。」

研究所に到着し、守衛や受付に話を通す。数は熟しているので、初めて訪問した頃より手続きが随分スムーズになった。いつもの道を通って円の部屋に入ると、円だけでなく何故か見覚えのある面々に迎えられた。

「こんにちは、麟佳さん。」

「ゔぇ?なんで?凛音さん達いるのなんで…?私、話してましたっけ?」

「エアさんからボディが出来上がったので、よろしければご一緒しませんかと連絡があったので。」

『申し訳ありません。ちょっとしたサプライズのつもりでした。』

「確かに凛音さん達にはお世話になってるし、エアが呼んだなら断れないね。」

「じゃあ早速だけどエアを借りていくわね。10分程度あれば調整は済むわ。」

そうして残された凛音一行と麟佳。どんな見た目やら、どんな装備になるか話しかけてくれるが意識がエアに向かいすぎて集中出来ていない。ずっと側にいたエアが居ないとここまでそわそわするとは思ってもいなかった。みんなが話す内容こそ理解できるが、返答は相槌くらいなもの。口下手に輪をかけた様子が面白いのか、華麟を主として単語が投げられ続ける。

「───!」

そんな時間が続く中、麟佳は扉が開くよりも早く振り向く。そこにいたのはいつか夢幻の中で見た姿。純白と紅蓮を纏う小さな女の子。しかし彼にとってこれ以上なく大きな存在だ。

『敢えて、はじめましてと言わせて下さい、麟佳。私はあなたのエレクトリア、エアです。』

「じゃあこっちは勝手に久しぶりって言うよ。エア。」

脳が鮮明に晴れ渡っていく。悪夢の中で自分を救った、強く、美しい戦巫女。喜びに満ちた体はそれを噛みしめるように呼吸を深くする。見れば見るほど美しい自慢のパートナーだと実感する。周りもそれを邪魔しないように一歩下がって見守っている。そうして見つめ合っている間に秒針が1回転したころ、側にいた華麟がみんなに視線を次々と移してキョロキョロしている。何かが気になるようだが、今この場に疑問になるようなことはないはず…。

「ねぇ、エアって喋ってないわよね?私が聞こえてないだけ?実は交信してる?」

「いえ、私も聴こえていませんね。」

「そういえばホントだ…。いつもの交信と変わらない…。」

問題は思っていたより大きな事だった。慣れていたため、ついついいつもの調子で話していた麟佳には声の出どころが分からなかったのだ。

【声についてですが、声帯機能がどうしても上手くいかず、今まで通りとなっています。】

「まぁ私や他のみんなもチャット会話で慣れてるし、別にいいんじゃない?一番大事なのは身体だし。」

「それはそうなんだけど……。エアの綺麗な声を皆に聞いて欲しかったからなぁ…。ちょっと残念。」

「───。」

 

時は少し遡り、麟佳と別れてから最終調整に入ったときのこと。無事にボディとコアの同調を確認した時、エアから音が響く。

「ありがとうございます。円、メビウス。あなた達がいなければ、私の願いは叶えられませんでした。」

「こちらこそ、ここに至るまでの時間はとても有意義な物だったわ。それに貴方の声をようやく聞くことが出来たもの。」

「……。」

エアの返事を待っていると、PCにメッセージが送られる。これまで通りなんの気無しにモニターのチャット欄に目を移す。しかしエアはもう自分の口で話すことが出来るはずだ。故にこの行動は本来起こり得ない事。

【ですが、私の声は麟佳だけに捧げたいと思うのです。初めて聞き届けてくれ、この一年を共に過ごしてくれた彼だけに。】

円達が思っていた以上に彼女の思いは大きかったらしい。利便性をとりはらう事を厭わず、自分の感情を優先したのだ。

【しかしそれでは私のために尽くしてくれた貴女方に失礼と思い、今一時だけ口を開きました。】

「思いが強いんだが重いんだが…。メビウス。さっきの会話は厳重に保管すること。いいわね?」

「もちろんよ。私だってロマンくらい理解できるわ。」

 

実際にエアは対面してもその想いを曲げず、口は開かなかった。大切な相手を前にしても、効率より願望を諦めなかった彼女ならこの対応も納得できる事ではあるが。

『ところで話は変わりますが、後ろを振り向いてくれますか?』

「ん?後ろ……?」

促されるまま振り向いた先には無いはずの壁。思わず仰け反り、視線が離れるとそれが人の胸元だったと理解できた。それが誰かを考えている内に、倒れていく身体が何かに支えられる。

『大丈夫ですか。麟佳?』

「ゑ?ナンデ?八尺エア様ナンデナン?」

その正体もまたエア。先程のエアをそのままスケールアップし、ヨトゥンやスルトに並ぶ体格だ。とはいえ脳が情報を処理できていない。エアが特殊とはいえ、エレクトリアはコアがあってこそ。しかしここには2人のエアが確かに実在している。コアを複製・再現したメビウスの事例もあり、機器の遠隔操作も可能だが、当初それは実行しないと言っていた。

「リモートで操作するのは嫌がってなかった…っけ…?いや、気が変わったならそれはそれでいいけど…。」

「それなら問題ないわ。そのエア達は一切誤差のない同一存在だから。」

ますます頭がこんがらがっていく。専門外、理解外の学問の話をされ、脳が情報をシャットアウトしてしまっている。今わかっているのは大きいエアも小さいエアも素敵だなー、ということくらいである。

「研究を進めた結果、エアの意志はエレクトリアコアではなく、その中で循環・生成しているエネルギーの方にあると結論づけたの。要するにエネルギー生命体。だから仮のコアにエネルギーを充填すればそれもエアとして活動する。コンピュータの複数コアによる並立思考をイメージしてくれれば良いわ。」

「つまり大きい方も小さい方も紛れもないエア自身の体だと…。ん〜、んん………ん?もしかして自然消費しないと仮定すれば、エアのエネルギーって理論上無限に増加します?」

「そうね。エネルギー生成量はエアの意思である程度コントロール出来るから、最低限にすればエレクトリアの稼働動力に変換して問題なし。もちろん自然消費はあるけれど、増加のほうが速いから、その大型ボディもジェネレータ無しでエアのコア出力だけで稼働させている。ボディベースはヨトゥンと同じだけれど、性能は戦闘用のスルトにも負けないでしょうね。」

前々から底が見えなかったエアの能力だが、ますます限界が計り知れない。もしかすると、エアの存在は人の手には余る恐ろしいものなのかもしれない。

「両方エアなのは納得したけど、なんでサイズ別でボディ作ったの?」

『小さな体ならいつでも側で支えられますが、出来ることはその大きさに縛られます。大きな体であればより多くの補佐ができ、貴方を護ることも出来ますが、ずっと側にいるには不便です。』

「あらヤダこの子、俺の面倒を全部見る気だわ…。」

思い返せば料理をしてあげたいから始まり、家事やら車の運転や万一の護衛なんかもやりたいと口にしていた。これから先のエアは専業主夫やらメイドのように全ての家事をこなしていくつもりなのだろう。確かに助かるし、家事が早く終わればプライベートタイムが伸びるので万々歳ではある。

『それに麟佳は背の高い女性が好きでしょう?この体格差は良いものかと。』

「ゑ゛…!?」

うんうんと頷いていた所にアッパーカットでも打ち込まれた様な衝撃。エアの声が他の人には聞こえないとはいえ人が多い…加えて女性ばかりの空間で性癖を晒されては口から魂が抜け出てしまう。晒されたついでに暴露すると、エアの外見はとっても好みである。自認出来ない深層心理に描かれていた物が投影されたようだ。もしかすると交信可能なエアがこっそり心を覗いて反映したのかもしれない。

「麟佳さんが魂ここにあらずのようにみえるのですが…。」

「エアから告白でもされたんじゃない?」

「────♪」

周囲の声に気を良くしたエアは姿勢を下げて麟佳の腰に腕を回して抱き着く。そのまま顔を近づけていくと、もしや!と周りも息を呑む…。

「ちょいまちッ!」

寸前で肩を押されて距離が離れる。流石に強引過ぎたことを反省していると、麟佳の顔が驚くほど赤い。酒類を飲んでも赤くならない体質なので、こんな風になるのはエアも初めて見た。視線もしばらく定まっていなかったが、一呼吸おいてからはエアをしっかりと見定める。

「えっと……。エアのことは大好き、だけど。そう言うのは…だ、大事なことだ、から。出来れば二人きりの時にちゃんと……。」

瞬間、麟佳以外の全員の思考が一致する。エレクトリア組はこの数十秒の出来事を即座にバックアップにぶち込み、ロックもかけた。その異様な雰囲気は麟佳も気付いたようで、こっそりと交信する。

『あの…。いま俺、変な事を口走りました?』

『その、私が大好きだと……。』

『────!?!?!!!!』

どこかに隠れたいという衝動は、エアに顔を埋めて抱き着くという行動で出力された。たしかにその告白はいつかしようと思っていたのだが、ここで暴発するとは思っていなかった。特に痛くはないが、エアの背中は太鼓のようにポコポコ叩かれている。

「麟佳さんの可愛い一面を見られて嬉しいです。」

「凛音さん悪い顔してる!」

「指輪に拘らないなら、私が丈夫で綺麗な物を作ってあげてもいいわよ?」

「なんでそっちもノリノリなの!?」

「じゃあお二人さんを自由にするために解散〜。」

「イーーヤーーー!?」

エアに撫でられながら宥められること30分程。視線はまだ泳いでいるがとりあえず落ち着きを取り戻した。

「さて、もう少し平静に戻ってもらうためには、エアの格好良い所を見せようかしら?」

「ひょっとしてエアの武装も特注なの?」

「使用するエネルギーが違うから当然それに合わせる必要があるし、威力にも制限をかけなければ危険だもの。とりあえずカタログスペックはこれだから、準備が済むまで見てて。」

そうして出された資料を見るとやはり武装が盛り沢山。両腕の砲門はエネルギー式ライフルを搭載し、ブレード出力も可能。さらに出力を上げれば照射レーザーにもなると至れり尽くせり。手は空いているので他の武装を持つこともできる。肩にも武装があり、追尾レーザーを搭載しスラスターとしても活用。背中の光翼は機動出力の要であり、防御用のエネルギーフィールド発生装置にもなっている。上半身の重装備に負けないよう、脚の装甲にもブースターがある。皆でツッコミを入れつつ眺めているとあっという間に時間が過ぎ、調整を終えたエアが出てきた。

『バトル用武装、装着完了しました。』

大きな武装によって大柄なエアが更に大きく見える。衣装と同じ白と赤のカラーリングはとても美しく、大きな装備を携えどっしりと構えた姿はとても力強い。外観で重量感があり鈍重そうに見えるが、資料によると競技用ドローンも真っ青な超機動を繰り出すらしい。そうこうしていると模擬戦用のオートエレクトリアの準備が整った。20近い数を前にして、エアは静かに開始の合図を待つ。

「それじゃ、始め。」

動き出した敵を前にして、エアは早速ブースターで急加速する。エレクトリアバトルはTVやイベントで時々見ていたが、そのどれよりも速く、弾幕をスルスルとすり抜けていく。その軌跡は曲線ではなく直線を繋げたかの様な急角を描き、自由に空間を動く。自身の速度に慣れたのか、腕の砲門を構えて射撃戦に移る。これほど激しい動きにも関わらず、正確に狙いをつけた紅蓮の弾丸は次々に命中していく。肩から放たれるエナジーミサイルはターゲットに誘導し、かつ速度も早い。これがエアの高機動の合間に飛んでくるのだから堪ったものではない。

近接の射程に入ればブレードを展開して斬り込んでいく。華麟や八重のような手早い剣術とは違い、大きなサーベルを振り抜く力強い一撃。それ単体なら並のスピードだが、射撃に織り交ぜられると対処困難。加えて離脱も早く、攻撃後の隙に差し込むのも難しい。

この動きに歓声をあげる観客達の中、唯一共鳴状態の麟佳だけはエアが次にどんな動きをしようとしているかが伝わっている。伝わっているからこそ、本当にそれができるのか?と興味が惹かれていく。次に狙う相手に先んじて視線を移した頃には既にエアも行動を始めている。見逃すまいと集中していると、不思議な感覚に陥る。エアの動きが洗練されているように見えるのだ。それは思い込みやプラセボ効果ではない。現実としてエアの出力上昇が計器に記録されている。それを観察している円は妖しい笑みを浮かべる。凛音もまた、集中状態の麟佳を目にして同様の結論に思い至る。

「円さん。これは…。」

「ええ。二人の意識が同調し、その絆が力を引き出している希少な現象よ。シンクロだとか人機一体だとか言われているけれど、恐らく貴女も経験があるでしょう?」

「そうですね。ただ、体力不足の麟佳さんには…。」

言い切るより先に麟佳の体がふらつく。交信とは段違いの集中、普段使うことのない領域の活動を無自覚で実行したため体力がゴッソリと持っていかれてしまったのだ。直ぐ様、大きなエアがサポートに入り、身体を支える。

「ヤバ…。なんか、絶好調で思った以上に激しく動いた試合くらい疲れた…。」

『麟佳。体調は問題ありませんか?』

『ん、……大きな君が支えてくれてるから大丈夫だよ。そのまま決めちゃって!』

『了解しました。リミット解除。エネルギー循環量を増加します。』

赤い粒子を纏ったエアは更に加速。その速度は遅れて追従する赤い軌跡を目で追うので精一杯。そしてその流星が2つに分かれ、一方が敵に斬りかかっていく。見間違いではなく、間違いなく分裂している。困惑している間に敵は一刀のもとに撃破され、エアは昇華するように消えていった。つまりは質量を持った分身──、エアのエネルギーを凝縮し作り上げた分け御魂。次の敵はさらに複数のエアに同時に攻撃され、防御もままならずに倒れた。

最後の一体は砲門を合わせて撃ち出された特大レーザーに押し流されて壁に着弾後、爆炎に包まれた。

華麟に目をやるとムリムリと首を横に振り乱している。エアの能力は資料情報も含めて非常に強力なのだろうと認識していたが、改める必要がある。これは桁が1つ2つ違う。もしシンクロしたままリミッターを外せばどうなっていたのやら…。

「円さん、あのぉ…これ強すぎません?」

「そもそも共鳴状態を発現している時点で大半のエレクトリアよりスペックは上よ。エアの持つエネルギーは内蔵電源とは比べ物にならないから尚更ね。」

「これ私のアリーナまで直ぐ来るんじゃ……。いや追い抜かれるわね…。」

 

 

「それじゃ、今夜はお楽しみね〜。」

「凛音さん。その悪い子ちょっとお仕置きしてやって下さい。」

 

車に乗る2人。大きな体をいれるため座席を後ろに下げているので、軽く隣を見るだけではエアの顔は見えない。だが、今この時は都合がいい。

「エア。さっき止めた件だけど、今改めて言うね。」

『告白でしょうか?それなら家に帰ってからでも…。』

「俺が緊張しやすいの分かってるでしょー?今なら合理的に面と向かわず話せるからね。」

『分かりました。では話を引き出しやすいように質疑応答の形にしましょう。では…。』

 

・私が美人だから?

「こんなとびっきり綺麗な人が来ると思わんかった…。大きな体も含めて好き。」

『一番お世話になった貴方に気に入って欲しいと考えた甲斐があります。』

 

・私が役に立つから?

「ずっと助けてくれて本当にありがたい。願わくば、ずっと側で支えて欲しい。」

『私こそ貴方のおかげで充実した日常を過ごせています。あえて無感情な言い分をすれば利害の一致からの始まりですが、今の私達の間には確かな絆があると認識しています。』

 

・共鳴可能な縁があったから?

「人の出会いはご縁があるかどうからしいけど、そこに特別とか普通は関係ないと思う。ありきたりでも特別になるんじゃない?寧ろエアの方がどうなの?もし他にも声を届けられる人がいたら?」

『私が浮気するかもしれないと?』

「まぁ…そうなる。でもそれは、私しょんぼりしちゃう…。」

『貴方がそうなるので有り得ません。私は既に麟佳という人物を誰よりも大切に思っています。後から誰かが来ても、もう席は空いていないのです。』

 

・これからも一緒にいる?

『私はこれからも貴方と共にある為に今こうして存在しています。貴方はどうなのですか、麟佳?』

「こうして誰よりも本音を曝け出したのはエアだけだよ。まぁ、引き出されたと言いますか、暴かれたと言いますか…。」

 

・一番の決め手は?

「こんだけ色々好きな点を話したから一番は難しいけど……んー…。話してて緊張しないし、楽な所かな。」

『楽、ですか?』

「人と話する時は大なり小なり緊張するけど、身内なら楽なの。」

『それはつまり、私のことは既に身内同然に扱っているということですね?』

「そうそう。プライベート空間を共有するなら心も体も落ち着くのは大事だし…。」『こうして秘密の会話も出来るから、その点一番近い相手かも。』

人との繋がりを深めるには、共通の話題を持つことや相手を理解することが要因となる。そのどちらかさえあれば、他に嫌なことがあってもある程度目を瞑る事もできる。その点この二人はそれらを高い次元で両立している。エアがどんどん踏み込み、それを麟佳が迎え入れ、エアがそれを理解し受け入れてくれた。隠し事もなく、互いの興味を理解し合える仲なんてそうあるものではない。

「これからエアといろんなことが出来ると思うと楽しいし、嬉しいし…わくわくするな〜って。」

『私もです。早速ですが、今夜は何をしましょうか?夕食は簡単な焼き飯から作ってみようかと。』

「お!早くも手料理が!」

『その後は共に入浴し、ゲームを楽しんだ後に二人で布団に入れればと。』

「なるほどなるほど……なるほど?え?お風呂と布団も二人で?」

『愛する男女はそのようにすると聞きます。凛音や華麟からもそうするのが良いと。安心して下さい。私の体は柔らかく、人肌と変わらない体温なので抱き心地は最上級だと円やメビウスも言っています。』

「そこまで言うなら…お願いします…。」

『眠りやすいように頭を撫でながら抱きしめます。』

「あれ?それ夫婦じゃなくて親子じゃない?」

『私がやってみたいのです。に駄目でしょうか?』

「いいよ別に。他にもやりたいこといっぱいあるんでしょ?時間はあるから色々やってみればいいよ。」

『はい。末永くあなたとともに過ごせることを期待しています。』

「死が二人を分かつまで?」

『そうです。そういえば、先程の止められた誓いの口吻はベッドの中で行いましょうか?』

「普通に抱きついてからでよろしくです…。家についたらご飯に、お風呂に、ゲームして添い寝か……。でもまぁ……悪い気はしないかも。二人揃ってずーっと我慢してたもん。楽しいことどんどんやっていこう。」

「えぇ。私はあなたのパートナーですからどこまでもお付合いします。」

 

 

 

 

 

 

 

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