ONE PIECE novel.DD “怪盗”ドンキホーテ・ドフラミンゴ   作:ladybug

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 タイトルはみなさんご存知、『お風呂が沸きました』のメロディを含むあのピアノ曲からお借りしました。



Dolly's Dreaming and Awakening

 

 

 始まった。

 いや、始めてしまった。

 

 

 振り上げていた手をゆっくりと下ろし、歌姫は震える唇を閉ざした。

 アメジストの瞳にうつるのは深い眠りに落ち静まり返る会場。空と同じく曇った紫が瞼の裏に隠れ、眦には涙が滲む。

 

「みんな、やっと会えたね」

 

 溢れた呟きは潮風に攫われてしまうほどに小さく、受け止める者など誰もいない。

 

 これでいい。

 これでいいのだ。

 

 配信で歌を届け、世界に触れて。

 そして、知ってしまった。

 

 そう、知ってしまった。

 

 こんな時代は間違っている。悍ましい罪業を背負った誰かのために罪なき人々が犠牲になる世界など間違っている。

 

 誰もやらないなら自分がやるしかない。そうすることでしか与えられたものに報いることができない。

 求められているならば応えなければ。

 そうしなければ。

 

 この世界を救う。

 いや、みんなが幸せになれる世界を作る。

 

 幸せで、誰も彼もが満たされる新しい時代へと皆を見送って、そして────

 

 かまわない。

 そう思った。

 

 ここまで育ててくれたゴードンには悪いが、元々ウタは一人だった。

 あの夜からずっと一人だった。

 誰もウタの言葉を受け止めてくれなくとも、それは今までと何も変わらない。

 

 だから大丈夫。

 やれる。

 やり遂げてみせる。

 

 簡単だ。皆が眠りについて新時代に辿り着くまで、ずっと一人で歌い続けるだけ。

 眠りの軛は既に解かれた。

 これでいつまでも歌える。何だってやれる。この世界に(救い)を求める者がいなくなって最後の一人になるまで歌い続けてみせる。

 

 

 ウタワールドでのウタは集まってくれたファンの歓声に応え、楽しげに声を上げていた。

 自分自身のことであり、自らの意志で行なっていることだと言うのに、まるで遠い世界の物語のようだ。

 

 

 それでも。

 ああ、みんなが喜んでくれている。

 

 

「よかった」

 

 

 嬉しかった。

 ただの一度でも、歌を始めるまでのほんの一瞬だとしても、みんなに会えて嬉しかった。

 

 幸せだ。

 本当に幸せだった。

 

 だからだろう。

 涙が溢れるのは。

 

 

 彼女の思考とは裏腹に、柔らかく結い上げた赤と白の髪が項垂れる。

 

 歌姫は広いステージで一人きり、零れそうになる涙を拭いもせずに膝を抱えて座り込んだ。

 傍らにはパステルカラーのキノコが入ったバスケット。正直味はあまり良くないものの、これがないことには計画が成り立たない。

 

 キノコを一つ摘み上げ、彼女は首を傾げる。

 

「なに、これ」

 

 そこにあったのは二つのオモチャ。

 

 頭に大輪の薔薇をあしらい、首からカスタネットを下げたフクロウのぬいぐるみ。そして、フクロウより一回り小さなモコモコのかたまり。

 後者は恐らくひつじなのだろうが、薄い透明な羽が生えており背中に小さなジョウロを背負っていた。

 

 キノコの山の中から飛び出してきた二つのオモチャは驚く歌姫の前でくるくると回る。

 

「な、なに? うごくオモチャ?」

 

 オモチャ達はそれぞれの羽根で羽ばたき、歌姫の肩に降り立った。

 フクロウは困惑するウタの頬へと翼を伸ばし、柔らかな羽毛で彼女の涙を拭う。ひつじも涙を拭いたいらしいが上手く届かないようで頬に擦り寄ってきた。

 

「あは、なに? なぐさめてくれてるの? 大丈夫、これは嬉し泣きだよ」

 

 ファンの持ち込んだオモチャが紛れ込んだのだろうか。外ではこんなものが流行っているのかと目を丸くしながら、ウタは笑ってみせる。

 しかし、フクロウはふるふると首を振った。ボタンでできた大きな目が悲しそうに揺れている。まるで生きているようだ。

 

 だが、所詮はオモチャ。こちらがどう思っているのかなど分かるわけではないだろう。

 もしかすると泣いている子どものために作られたものなのかもしれない。

 

「安心して。あなた達に頼らなくても、みんなが笑える世界を私が作るから」

 

 オモチャ達はウタが差し伸べた手へふわりと舞い降りた。二体は柔らかな身体を寄せ合い、頷き合う。

 

 やにわにステージへ飛び降りた二体はそれぞれポーズを取った。

 

 フクロウは両翼を高く上げカスタネットを掲げて腰を捻る堂の入った姿勢。

 ひつじは慣れていないのか一度転んででんぐり返しを披露してからのカーテシーだ。

 

 二体は丁寧に礼を取り、呆気に取られるウタの目の前でステップを踏み始めた。

 

 やけにリズミカルにカスタネットを鳴らし始めるフクロウと飛び跳ねながら舞うひつじ。どうやらウタの心を慰めるべく踊ってくれているらしい。

 ひつじがたまに転んでしまい、その度にフクロウが見事なステップで絶妙にフォローするのが面白く、ウタは自然と微笑んでいた。

 

 しばらくの間、絵物語のような光景に魅入っていたウタは突然びくりと肩を揺らし目を見開く。

 

 歌ではなく弱々しい呟きに唇が震えた。

 

 

「ルフィ?」

 

 

 ウタワールドに現れたのは、懐かしの麦わら帽子を携えた幼馴染。

 

 ライブ会場にいるということは彼もウタに会いに来てくれていたのだ。

 ウタを忘れないでいてくれたのだ。

 

 

 ああ、だが。

 だが、あの麦わら帽子は。

 

 

「────なんで」

 

 

 うれしい。

 くるしい。

 

 

「なんでだよ、ルフィ……!」

 

 

 張り裂けそうな心が、熱く滲む目が、爪先から冷え切っていく身体が、自分の全てがあまりに頼りなくどうしようもなく不確かで、何をどうしたいのか分からなくなる。

 

 

 沢山の人に願われた。沢山の嘆きを聴いた。

 自分が成し遂げなければならないことは分かっている。その覚悟もある。

 やり遂げる自信とてあった。

 

 

 それでも。

 それなのに。

 

 

 きつく目を瞑り身体を丸めるウタの肩に再び登り、オモチャ達が身を寄せる。温もりをもたない綿の肌は滑らかで優しい。

 

 柔らかな手触りは歌姫の幼い記憶を揺さぶり、失くしたはずの宝物を思い出させた。

 

 

 歌い疲れ微睡に落ちる星月夜。

 淡い光の下、宴の余韻に浸る男達の大きな背中はいつもより遠く思えて。

 

 夜凪の静けさにふるりと震え、そっと手を伸ばせば、くたびれたマントが苦笑と共にかけられる。

 

 

 やがて響く調子っぱずれの子守唄。

 

 

 忘れられない。

 消えてくれない。

 

 いまだ鮮やかに思い出せてしまう、

 ウタの大切な宝物。

 

 

「ごめんね。今だけ」

 

 オモチャ達を抱きしめ、歌姫は囁いた。

 

「あと、もう少しだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 突然目の前からローが消えたその直後、ドフラミンゴは慌てて書庫一階の床を覗き込んだ。

 最悪の予想と先刻の未来視が眼裏にこびりつき背筋が凍るが、見渡す限り黒衣の男の姿はない。

 

 もちろん、血溜まりも。

 

 暫し呆然としていたドフラミンゴであったが、あの男が神出鬼没なのはいつものことだと自身に言い聞かせ首を振った。

 特に悪い予感もしなければ、未来視にも問題はない。一先ず危機は脱したと考えていいのだろう。

 

 聞こえるのは魂を揺さぶる歌声とうねるドラムの律動。観客のどよめきまでが響いてくる。

 ライブは好調らしい。

 

 ベポはどうしているだろうか。どう考えてもライブには向かない謎ガジェットを搭載した勇姿を思い出し、こめかみを揉んだ。

 悪目立ちしていなければいいのだが。

 

 そもそもベポは海賊である。ゴーグルを被せた上ヘアセットを弄ったりもしてみたが、何せ彼はシロクマのミンク族。変装にも限界があった。

 一応目立たない場所で楽しむように言ってきかせたものの不安だ。

 

 ドフラミンゴはといえばライブに合わせたスタイルでの潜入である。

 

 シンプルなTシャツの下にいつものペンダント、ボトムスはハーフパンツと柄物レギンス、足元はトレッキングシューズと体格が目立つ分大人しめの服装だ。

 地味に髪型も変えており、書庫ではトレードマークのサングラスも外している。

 変装の仕上がりは上々だ。

 てっきりローは『誰だお前』などと宣うと予想していた。特段引っ掛かりもなく認識されてむしろ驚き、むずがゆい気分にさせられたものだ。

 

 頂上戦争での邂逅時、完全に忘れられていたことが存外堪えているドフラミンゴである。

 

 ローが残していった本を拾い上げ、手早く頁を捲る。内容は音楽を利用した治療法に王室の記録、さらには市民の日記など。共通点はと言えば執筆された時期が被っている程度だろうか。

 その時期と書籍の概要を頭に叩き込み、ドフラミンゴは下階へと飛び降りる。

 勢いを落とさず走り出し、自身が壁に開けた穴から地下道へ抜けた。

 

 やはり、何かおかしい。

 

 相変わらず歌は続いているが、響く旋律と音色は激しさの内にも悲歌慷慨の様相を呈し、どこか攻撃性が滲んで思える。

 

 また、紛れ込んでいた海賊達も既に行動しているようで悲鳴や煙が上がっていた。

 勘違いでなければ、戦闘を繰り広げている強烈な気配の持ち主達はビッグ・マム海賊団に麦わらの一味と記憶に新しい面々である。

 

 不本意な結婚式、計画性の死滅した討ち入り。混沌の日々がまざまざと思い出され、ドフラミンゴは眉間に皺を寄せた。

 

 地下道を抜け、状況を把握するべく糸を放ち高台へ移動する。選んだのはライブ会場近くの水道橋だ。

 展望が良く咄嗟に隠れるにも都合がいい。また、入り組んだ地形は戦略も組み易く立て直しが効く。

 

「キャプテン! 大変だ!」

「ああ、分かってる」

 

 走り込んで来たベポに頷き、ドフラミンゴはライブ会場を覗き込んだ。

 

 極彩色の天蓋が開く。

 

「────うん?」

 

 思わず間の抜けた声が漏れた。

 

 見えたのは宙に浮かぶ五線譜、そして間抜けなポーズで磔になっている海賊達。

 シャーロット家のブリュレにオーブン、さらに船長を除く麦わらの一味の面々がまとめて一網打尽となっている。

 唯一磔を逃れている麦わら本人も蛍光色の光に拘束され、無様にも床に転がされているではないか。

 

 

 何故、こうなる。

 

 

「え? いや、どういうことだ。まさか歌姫がやったってのか?」

「そうだよ。あいつら皆、ウタの能力にやられちまったんだ!」

「麦わらも? 馬鹿言え、ありえねェ。そもそもあの女、能力者だったのか」

「そうだってば! ていうかキャプテン、さっき『分かってる』って言ったじゃん!」

「何かが起こってるのは分かってたが、何が起きてるかまでは知らなかったんだよ!」

「それは分かってるって言わないよ。また見栄張っちゃってさ」

 

 ベポに白い目で見られつつもドフラミンゴはステージへと視線を向け続けた。

 

 ステージを進んだ歌姫が観客を煽り、慟哭と怨嗟の声が上がる。海賊を厭う声は重なり、瞬く間にステージを埋め尽くすほどの怒号となった。

 

 海賊が恨まれるのは当然のことだ。

 恨みを持つ人間の心とて身を以て理解している。

 

 

 しかし、この数は。

 

 

 存在ごと世界から締め出そうとせんばかりの叫び。悪意に似た暗く熱い感情の奔流。その全てがステージに伏した麦わらへと降り注ぐ。

 青年を鞭打つのは自身の咎だけではない。

 今や全ての海賊への憤怒と怨讐が彼一人に浴びせかけられていた。

 

 炎の記憶と亡き弟の苦鳴が甦り、ドフラミンゴは歯を食いしばる。血が沸騰しそうな程の怒りを抑え込むべく、きつく閉ざした瞼が震えた。

 壁の縁を掴んだ手の甲には血管が浮き、その胸を焼く感情の深さを物語る。

 

 冷静にならねば。

 そう己に言い切せ、まず呼吸を整えようとしたその時だ。

 

 

 かつん、と。

 小さな音が響く。

 

 

 ステージに石が投げ込まれたのだ。

 

 

 ルフィの頭のそばに転がる石を見て息を呑む。血の気を引かせて身を乗り出したドフラミンゴの肩を掴み、ベポが声を低くした。

 

「キャプテン、駄目だよ」

「離せ」

 

 ベポを睨みつける。彼もまた負けずに睨み返してきたが、その目は悲しそうに細められていた。

 

「駄目だよ、キャプテン。行っちゃ駄目だ」

 

 ベポが両腕を伸ばし、ドフラミンゴを押さえ込む。羽交締めにするというよりは優しく抱き止めるような手が視界を覆った。

 

「キャプテンまで行ってどうなるの? 落ち着いて考えれば方法も見つかるよ」

「…………」

「どうしても行くって言うならおれも連れて行って。キャプテンを一人で行かせるのはもう嫌なんだ」

 

 本音の詰まった訴えが耳を打つ。

 そこで初めて自分がどんな悍ましい顔をして観客を見ていたのかに気付き、ドフラミンゴは苦笑した。

 

 ああ、失敗した。

 久しぶりにやらかしてしまった。

 

 詰めていた息を吐き出し、ベポの腕を叩く。

 

「分かった。今は行かねェ」

「…………」

「すまねェな。心配かけた」

「うーん、おれとしてはごめんよりありがとうが聞きたいかも?」

「ありがとう、ベポ」

 

 そろりと拘束を解き、ベポが見上げてきた。深い信頼の湛えられたつぶらな瞳を見返し、ドフラミンゴは口の端を上げる。

 

「さて、我が航海士殿はどんな作戦を提案してくれるんだ?」

「ええ? 何でおれが作戦を立てるのさ。そう言うのはキャプテンの仕事でしょ」

「フッフッフ、落ち着けば方法が見つかるとか言っといて丸投げか?」

「キャプテンが打開策を見つけられるのは分かってるけど、どんな策が見つかるかまでは知らねェもん」

「もん、じゃねェ。かわい子ぶりやがって」

 

 くしゃりと頭を撫でて白の毛並みをかき回す。鋭い歯をみせて笑い、ベポが小さく呟いた。

 

「ごめんね、我慢させて」

「かわいいクルーの頼みだ。キャプテンのおれが断るわけもねェだろう?」

「今日のライブもめちゃくちゃ渋りながら付いてきてくれたもんね」

「それについては心の底から後悔してる。ほらみろ、海賊嫌いの歌姫のライブなんざアウェイもいいところじゃねェか。どうしてくれる」

「すいません……ただ、ここまでとは思わなかったんだ。それに何か変だよ、今日のウタ。いつもなら歌で幸せにしてくれようと頑張ってるのに、今は何か違う目的があるみたい」

「……まァ、それについては心当たりがある。解決の方法もな」

 

 あの男が逃げていなければ、だが。

 

 再びステージを見下ろせば、相変わらず横たわったままの麦わらが目に映る。拘束は解かれているものの何故か水浸しだ。

 いつの間にやら乱入していたバルトロメオがバリアボールを形成し、観客からの攻撃を凌いでいた。

 

「おれが出ずとも何とかなる気がしないでもねェが……」

 

 ちらりと視線を移す。

 

 

 “世界の歌姫”、ウタ。

 

 僅か二年の活動で世界を圧巻するほどに名を轟かせた若き才人。さらには麦わらを圧倒するほどの能力者で、おまけに“海賊嫌い”だという。

 

 しかし、麦わらに向けられた紫の瞳はどこか苦しげで、轟々と燃える覚悟の内にすら幼さが見え隠れしていた。

 

 まるで心がひび割れ、止まってしまったような。

 見ている側が痛みすら覚えるような幼さが。

 

 

 それは毒キノコの摂取が齎した抑制機能の異常か、それとも────

 

 

 かつて曇り凍っていた金の光を思い出し、ドフラミンゴは苦い思いに顔を顰めた。

 

 

 何にせよ、欲しい物は戦ってでも奪い取り、気に入らないなら暴れて従わせるのが海賊の在り方。

 

 

 しかし、ここにいるのはドンキホーテ・ドフラミンゴである。

 

 海賊にして、“怪盗”。

 善たろうと闘い続ける変化のバケモノ。

 

 ゆえに、やるべきこともやりたいことも、今はただ一つ。

 

 

「この距離ならいけるな」

「何が?」

「誘拐」

 

 口の端をつり上げ、怪盗は凶悪な笑みを浮かべた。

 傍らの相棒がドン引きの様相を示す。しかし、こればかりは許してもらわねば仕方がないだろう。

 

 正義を志す者に必要なのは笑顔。

 こんな時こそ笑ってみせるが信条である。

 

 空へと無数の糸を展開。

 覇気を纏う、否、覇気を編み込まれた糸は硬度を限界まで高めて絡み合い、ステージの遥か上空に鋼鉄の檻が形成された。

 色形は金細工の華美な鳥カゴ、サイズはちょうどバルトロメオのバリアボールが入る程度。

 今は底が抜けたやや間抜けな未完成品だ。

 

 ドフラミンゴは鼻歌混じりに指を振る。

 

 不可視の糸で吊り上げられていた鳥カゴが落下を開始。轟音を立てステージに突き刺さった檻の中でバルトロメオが絶叫する。

 

 何とも心地の良い悲鳴だ。

 

 思わずにやついているとベポが一歩離れた。仕方なく表面上だけでもと真面目な顔を繕う。

 

あいつら(クルー)には内緒だぞ」

「駄目じゃねェかな、今のは。絶対シャチの蹴りが入るヤツだった」

「そこを何とか」

「キャプテンは最近調子乗りすぎ。そろそろペンギンにも怒られた方がいいと思う」

「え⁉︎ そうか……気をつける」

「そうして。麦わら達が可哀想だ。早く引き上げてやろうよ」

「それもそうだ。行くぞ」

 

 歌姫の強烈な視線を感じつつ、ドフラミンゴは鍵盤を叩くように五指を踊らせた。鳥カゴが火花を撒き散らしながら高速回転、ステージの床を抉り取る。

 これにてカゴの底面の完成だ。

 

 ドフラミンゴが腕を振り上げれば鳥カゴは浮かび上がって振り子のように弧を描き、糸の即席レールコースを辿り超加速する。

 轟音と共に水道橋近くの塔へ着弾した鳥カゴを粉塵の煙幕に紛れて回収。そのままベポ共々別の塔へと飛び移る。

 

 妨害はない。

 

 鳥カゴの中には目を回す人喰いと麦わら。強制的に高速回転式アトラクションを喰らいながらもバリアを維持し続けるバルトロメオのファン魂は流石の一言である。

 心底感心しつつ、ドフラミンゴはお宝を奪われた歌姫の様子を覗き見た。

 

 気圧され騒めく観客達に囲まれ、歌姫は俯いている。彼女は左手を自身の右手で握りしめていた。

 茫洋と床を見つめる眼が瞬きの裏に隠れ、見えなくなる。

 次の瞬間には虚な表情もかき消え、とびきり明るい笑顔を浮かべた歌姫は再び観客を煽り出した。

 

『いいこと思いついちゃった! 次の歌までの間、ゲームにしよう! 一番最初に海賊を見つけた人が勝ちだよ!』

 

 歓声に応えて彼女が手を叩けばカラフルな音符が宙を舞う。泡となり弾けた音符から空駆ける槍兵が次々と生み出された。

 

 どうやら追いかけてくるらしい。

 

『さあ、みんな! 海賊狩りの時間だよ!』

 

 拳を振り上げた歌姫は心底楽しそうに笑う。

 

 妙に強力な能力の正体は勿論、何より意図が掴めない。彼女の浮かべる笑みは決して偽りではないが、しかし真実でもなかった。

 

 感情の振れ幅に関しては毒の影響もあるのだろう。ただ、それだけというにはあまりに────

 

 かぶりを振り、脇道に逸れる思考を振り払う。

 

 まずは逃走。

 そして、歌姫の能力を解明しなければ。

 

 鳥カゴの中で喚く麦わらと人喰いを無視し、遮蔽物の多い区画を目指し、ドフラミンゴは走り出した。

 

 

 

 

 

 

 閉架書庫で書に耽っていた黒衣の男は、ふと思い出したように本を閉じた。

 外套の内側に手を伸ばし、パステルカラーのキノコを取り出す。

 

 それはオモチャ二体と入れ替えに歌姫から奪ったささやかな戦利品。

 名をネズキノコと言う。

 

 小さな丸い突起が二つ生えておりネズミの顔のような愛らしい形状をしているが、強烈な効果と副作用をもつ危険な代物だ。

 

「毒キノコには旨いものも多い。さて、これはどんな味だろうな」

 

 不穏な独り言を放った男の耳に制止の声が届く。ファミリーだ。

 ベガパンクの手によって編み出されたイヤホンは遠隔通信をも可能にした。離れた場所で待機している仲間の苦言に首を傾げ、ローは続ける。

 

「おれは医者だ。毒の作用機序も理解してる。対処も可能だし、一個くらいいいじゃねェか」

 

 ローの奔放極まりないセリフに通信相手が慌てふためき、ついには周囲に助けを求め始めた。

 結果、師二名にがんがん批判された上、嫁入り前の幹部にはさめざめ泣かれ、年下の兄貴分にくどくど説教されたローは、些か気分を害した様子で眉間に皺を寄せる。

 ちなみにであるが、常日頃ローの行動を肯定してくれる右腕は生憎の不在。

 海軍本部の意識がエレジアに集中すると事前に分かっているのだ。この隙を逃すはずもなく、元海兵組は支援手薄な海軍支部へ遠征中である。

 

 何となく面白くない。

 

 ローはネズキノコに視線を落とした。

 ほんの一瞬思案し、秒に満たない刹那で決断する。

 

「冗談だったのに。お前らが煽ったんだぞ」

 

 淡い色のカサを少し齧り、舌先で転がしてみた。どこか黴臭い埃っぽさが鼻をつく。正直味は良くない。

 

「まずいな、これ」

 

 イヤホンを通じてファミリーの絶叫が轟いた。吹き荒れる非難と悲鳴の嵐を完全に無視し、ぼそぼそと味の感想を呟きながら食べ進める。

 スラム生活の経験からいくら不味かろうとも食物は残さない主義なのだ。

 

 もちろん、さすがに毒物の場合は吐き出す。

 しかし、今回は作用を身を以て体験するのも目的であるからして、効能がでる量、つまり一本程度は食べきりたい。

 

 師匠の怒鳴り声と涙声をどこ吹く風で聞き流し、最後の一口を飲み込む。

 

「うん……食えねェこともない。オペオペの実よりはマシな味だ」

 

 いまいち共感を得られないであろう一言で食レポを締め括り、ローはぺろりと唇を舐めた。

 ここには行儀の悪さを責める者などいない。

 もっとも行為そのものには非難轟々、大ブーイングの嵐なのだが。

 

「味なんてどうでもいい? なんでだよ、つい昨日までは味覚が戻ったことを喜んでくれてたじゃねェか。え? そういう話じゃない?」

 

 精神的な改善によってか長年鈍っていた味覚を取り戻したローは最近食に関心を示している。この変化に周囲の皆が喜んだのは事実だ。

 しかし、だからといって毒キノコを試し喰いするのはどうなのか。不貞腐れた挙句に服毒されたのでは、付き従うファミリーとてたまったものではないだろう。

 しかも、人から奪いポケットに突っ込んでいたキノコを生食。もはや拾い喰いとほぼ同義である。

 ファミリーの心配をよそに、当の本人は珍しく、というよりキノコの効用を受けてやや高揚しているのか、妙に饒舌だ。

 

「そう怒るな。そうだ、もう必要ねェしイヤホンも外すぞ。いやだから、今回の仕事はおれが個人で受けたものだし、そもそもおれは眠れねェんだからこんなもんなくても……分かった、分かったから。外さねェから黙れ」

 

 不機嫌そうに文句を吐いたローだったが、誰の同意も得られない。当たり前だ。

 しかし、ファミリーも主の突飛な行動には慣れている。次第に落ち着いてきた彼らはため息混じりにいくつかの条件を出し、行動続行を許した。

 

 条件はこの通りである。

 

 タイムリミットに限らず早めに治療すること。

 間違っても医療行為にかまけて他者を優先しないこと。

 暴れて体力を使いすぎないこと。

 危なくなったらすぐにファミリーを呼ぶこと。

 無理はしないこと。

 ちゃんと帰ってくること。

 

 最初の通信相手などは本気で泣きじゃくり、しゃくり上げながらの条件提示であった。

 

 彼女は今回の仕事に関して支援の要を担っており、たまたま通信機のそばにいた。自身が通信を代わったがためにローがヘソを曲げてこの結果に繋がったわけで、心中察して余りある惨状だ。

 ちなみに今回のローの仕事は貴人の外出同行。元々は一人で対応するつもりだった。今は不在の右腕から単独行動を避けるように説得され、遠隔支援を受ける形に落ち着いている。

 

「ああ、分かった。無理もしねェしちゃんと帰る。分かってる」

 

 後半などもはや年端もいかない子どもに接するかのごとく平易な言葉を並べ立てられ、復唱の上で約束させられる。

 

「……すまねェ、ここまで怒らせるとは……ああ、分かった、分かったから……」

 

 ファミリーのあまりの剣幕にすっかり大人しくなった黒衣の男は小さな声で謝罪した。

 

「なァ、もしかしてヴェルゴも怒ると思うか? そうか、内緒にしてもらえたりは……駄目か。え? ドフィにも伝える? なんでだよ」

 

 悪名高き世界的革命家にしては些か情けないやりとりを繰り広げ、“ジョーカー”は天井を仰ぎ見る。

 

 古代の人々が残した警告。封印されていたはずの魔王は十二年前に解き放たれ、今は歌姫の手の中だ。

 あの楽譜を使おうが使うまいが世界は危機に瀕し、これに対抗すべく様々な勢力が動き始めている。

 

 海を渡り、近付いてくる強大な気配の数々。

 エレジアは今や世界の縮図だ。

 

 どの勢力にどんなアプローチをかけるか、思考を巡らすだけで心なしか高揚してきた。

 恐らくネズキノコの影響だろう。特に破壊衝動への抑制が緩んでいる。

 また、思考能力にも低下の傾向が認められた。

 思い浮かぶあれこれはまとまりを欠き、脈絡もなければ理屈もない。

 

 怒り、困惑、悲しみ、憎しみ。

 忘れることのない痛み。

 忘れられない喪失の記憶。

 

 乱れた思考が記憶を呼び覚まし、封じ込めていた情動が顔を出す。

 常はさほど動かない心が波打つのを感じた。例えるならば、酩酊に近い状態だ。

 

 ああ、そうだ。

 酩酊といえば。

 

 ふと思い出すのは、生死不明の友のこと。

 迷惑極まりない酒乱の様を思い返し、くつくつと笑いが溢れた。

 

「成程。確かにこれは悪くねェな、カイドウ」

 

 長年競い合ってきた友ともここのところ会えていない。正確に言えば会ってはいたが、死合いはお預けだった。

 お互い、麦わら達にナワバリを荒らされていたのだから当然と言えば当然である。友に落ち度はない。

 また、麦わら達には未来があり、彼らと戯れる楽しさは格別だ。それも重々分かっている。

 

 

 しかし、だからと言って、だ。

 若造ばかりを構うのは不義理ではないか。

 

 本当は少し不満だったのだ。

 

 

 マグマに落ちた友のその後は知らない。一般的には死んでいるべき決着だが、ローとしてはどちらでも良かった。

 友の願いが叶ったのならばそれも良し。そうでないならば遊び相手が戻ってくるだけの話なのだから。

 

「幻覚? 何の話だ。そんなもん見えてねェし、何も問題はねェよ。やりすぎなけりゃいいんだろ?」

 

 イヤホン越し、明らかに様子のおかしいボスに慄くファミリーの面々。彼らの気遣わしげな声を耳にしながら、ローは書庫一階へと飛び降りる。

 

 勢いがついたせいか石畳の床に亀裂が入った。突き刺さったヒールの踵を無理矢理引き抜いて、黒衣の男はぼそりと呟く。

 

「さて、暇つぶしだ」

 

 子どもの相手はオモチャに任せて問題ない。

 得たい情報も既に得た。

 

 常であれば時間まで眠って体力を温存するところだが、今はネズキノコのおかげで眠れず、そもそも眠る気もない。

 

 

 何をしたいか。

 蒼き嵐(ルフィ)の残した問いを考える。

 

 

 分からない。

 だが、今は少し。

 少しだけ暴れたい気分だ。

 

 

 エレジアに先行潜入して眠りこけているであろう海兵やサイファーポールら。彼らの身柄でも拘束してみようか。

 少しくらいならバラしてもいいかもしれない。

 

 

 どうせ全部壊すのだ。

 少しくらい遊んでもいいだろう。

 

 

 見た目にはいつも通りの無表情。

 しかし、見るものが見れば軽く絶望するほどには楽しげに瞳を輝かせ、トラファルガー・ローは動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 遠く離れた海の上、反応の途絶えた通信機の前。粘液を垂れ流す大男が地団駄を踏んで絶叫する。

 

「ンもォ〜‼︎ あいつは昔から‼︎ 全っ然‼︎ 言うこと聞かねェ〜‼︎」

 

 渾身の批判は本人に届かず、近くにいて粘液を被った剣士に脛を蹴り付けられ、散々の様だ。

 しゃがみ込んで呻きを堪えた古参の新人は、押し付けられた船長代理の役目を果たすべく、地の底を這うような声で指示を出す。

 

「────ヴェルゴだ。あいつを呼び戻せ。海軍なんざどうでもいい。アレを止める方が先決だ」

 

 一も二もなく従い各所に散る面々を見送り、大男は半眼になった。

 

「んねー、シュガー。いつまで泣いてんだァ〜?」

「黙って。泣いてない」

「その顔でェ〜? 涙と鼻水でべとべとじゃねェか。汚ねェなァ〜」

「うるさい。ベトベトはあんたでしょ」

「べへへへ! ちぎゃーう! ベトベトじゃなくてベタベタだァ! 間違えるな!」

「きたないのはあんた。死んで」

 

 心底憎らしげに吐き捨てるシュガーと軽薄に笑うトレーボル。

 どっちつかずに揺れていたジョーラとは違い、ドレスローザで騒動を起こし完全なる背信行為に及んだ二人だ。

 思いの強さが招いた行動とは言え、主君を欺き陥れた罪は重い。もっとも、当事者であるローは全くと言っていいほど気にしておらず、ファミリーの面々も理解を示しているのだが。

 つまり、気にしているのはむしろ本人達、トレーボルとシュガーの二人なのである。

 

「あのクソガキ、当てつけみたいなことしやがって。帰ってきたら説教部屋送りにしてやる」

「……若様が死んじゃったらどうしよう」

「べへ。あいつは死なねェ、死なせねェ」

「でも、毒が……私が手伝うなんて言ったから、わかさまは……!」

「んねー、シュガー。おめェバカか? 誰があいつを育てたと思ってるんだァ〜?」

 

 外套のポケットから小瓶を取り出し、トレーボルは言う。

 

「解毒剤だ。臍曲がりの未熟者が考えることなんざ見え透いてる。対処しないバカがどこにいる?」

 

 瞠目するシュガーをにやけ面で見下ろし、大男は肩を竦めてみせた。

 

「まァ、解毒剤だけここにあっても意味はないんねー。あいつが帰ってこねェと」

「トレーボル……」

「でもォ〜? でもでもォ〜? あいつは帰ってくる。おれ達のところに、必ず」

「見栄っ張り。そのわりには顔色が悪い」

「べへへ。気丈と言え、万年チビ」

 

 疲れた顔で罵り合った二人は通信機の前に座り込む。機械からは微かに衣擦れの音が届き、主が移動を続けていることを報せていた。

 

 生きている。

 ここにいる。

 

 ファミリーがそれぞれ全霊を投じ、部外者の麦わらが辛くも押し留め、ドフラミンゴが自身の意志とコラソンの遺志を以て繋ぎ止めた命。

 こんなところで喪うわけにはいかない。

 

 主の成すべきは地獄。

 幸福満ちる楽園などではないのだ。

 

 それぞれ一つ吐息を溢して焦燥に狂いそうな心を何とか落ち着けていると、廊下を蹴り付け駆けるヒールの音が聞こえた。

 何事かと振り向いた先、物凄い勢いで船室の扉が開き、半泣きのデリンジャーが飛び込んでくる。

 

「トレーボル! どうしよう!」

「んねー、なんだァ〜?」

「ヴェルゴさんがいつもの癖で自分をウタのファンだと思い込んだらしくて」

「……待て。やめろ、聞きたくねェ」

 

 ゆるゆるとかぶりを振ったトレーボルと無言で青褪めるシュガー。

 彼らの願いも虚しく、デリンジャーが叫んだ。

 

 

「────配信を聴いて寝ちゃったって‼︎」

 

 

「あンのバカァ‼︎ あっ、シュガー! 耐えろ! 気絶するんじゃねェ〜!」

「だだだ、だい、だいじょうぶ、まだ、まだだいじょうぶ……大丈夫よ、私は最強……だいじょうぶ、がんばれる」

 

 シュガーが半分白目を剥きながら譫語を垂れ流す。

 一応意識は保っているが見るからに危険域まできていた。見ていられず視線を逸らせば、ついには克己不屈の応援歌をフルで口ずさみ始める始末だ。

 

 何気にウタの大ファンであった彼女はライブ参戦を我慢してまでローのサポートについていた。

 生(ウタ)を堪能できないからと前日にTDを垂れ流しており、歌詞はばっちり頭に入っているようである。

 

 自己催眠の如くぶつぶつと歌詞を呟き続けるシュガーを支え、トレーボルは渋面のまま次善策を考える。

 

 正直なところ、ローは恐らくヴェルゴの制止や迎えがなくとも帰還()すると踏んでいた。ただ、単純な話、ハイテンションのまま次の現場へ飛んでいかれては面倒と思っただけだ。

 

 別に心配などしていない。

 断じてしていない。

 

 しかし、不肖の弟子は思いの外抜けているところがあり、万が一がないとも言い切れなかった。

 

 いまいち不安要素が拭いきれず、懊悩は続く。

 唸る大男のそばでしゃがみ込み、デリンジャーが言った。

 

「トレーボル、もうぼくらも行っちゃおうよ。防音設備も整えてるしいけるって」

「分かってる。様子を見てROOM圏内まで船を移動させろ」

「うん。他は?」

「ヴェルゴの報告が入ってるなら犬っころは無事だな。作戦を中断して戻ってくるように伝えろ」

「それは大丈夫。少将さん優秀だから、もうこっち向かってるって」

「優秀ゥ〜? まァ鼻は効くか、犬だけに」

 

 ローが十年の歳月をかけて堕とした期待の新人、元海兵の彼のコードネームはそのまま“少将”だ。その名の通り堕ちた海軍将校であるが、そもそも海兵は結構な割合で堕ちているため珍しくもなんともない。

 眼鏡をかけたミンク族の男。その生真面目な顔が最高潮に歪んでいるだろうことを想像し、トレーボルはせせら笑いを浮かべた。

 正直、冗談でも言って違うことを考えていないと気がふれそうなのだ。

 

「あとは米だ。良い米を炊いておけ」

「米? なんで?」

「ローに食わせる。ガキは腹膨らませて寝かし付けときゃ何とかなるだろォ〜?」

 

 訝しげに首を傾げた少年へ説明すれば、彼は気の毒な人を見る目でかぶりを振った。

 

「トレーボル、大丈夫? 若様は赤ちゃんじゃないんだからお腹いっぱいになったらただただ元気に動き回るだけだし、そもそもネズキノコのせいで寝れないんでしょ?」

「……解毒剤がある。これを飲ませれば」

「ねえ、トレーボル。一応聞くけど、若様が素直に薬を飲むと思う?」

「────……べへ、べへへへ」

「多分泣き落としの方が効くよ。みんなで縋り付けばいけるって。頑張ろ」

 

 慰めるように背中を叩かれてしまい、大男は呻きを抑えきれずに身体を丸めた。

 

 

 どいつも、こいつも。

 

 

 かつての背信仲間はと様子を盗み見れば、彼女はぼんやりと宙を見つめている。

 

「これはばつ、そう……そりゃあ愛ある罰だ、もう眠くはないや、ないやないや……だめ、ねて、わかさまねむっておねがい……」

 

 虚な目で呟くシュガーを眺め、トレーボルは肩を落とした。

 

 

 何故、こうなる。

 




 トラファルガー・D・スネテル・ハイ、参戦です。
 ※キメテルだと余りに直球すぎるという無駄な配慮
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