プロローグ:ZERO
ごうごう、ごうごう、ごうごう。
ごうごう、ごうごう、ごうごう。
いたい、さむい、くるしい…この暗く激しい嵐の中で蹲る僕…。
助けてと言う声は嵐の音で掻き消えてしまう。段々と意識が遠くなる。
ふと、顔をみやげる。そこには、嵐の中でも燦然と輝く赫い星が輝いていた。『俺』は無意識のうちに手を伸ばした、(ああ、…キレイだな。)と思いながら意識を手放した。
これはとある人工島に集められた『天才』達による『日常』から『非日常』に変わる怪奇的で冒涜的な物語である。
⁇:「なんてね、このお話は私が描いた物語。空っぽの私が作り上げた世界での話さ。それでもこの老耄の話を聞きたいならどうぞ御ゆるりと楽しんでくださいな。」
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広大な海上の上に聳え立つ白亜の島『学園都市九頭龍島』。此処には各国家の重要施設を中心に様々な研究施設を集め人類進化の先駆けとなる場所であり教育機関でもある。
この島の総責任者である『鳴神 翔吾』は新しく設立された【人類進化学】の第一人者で自身が運営している学校機関『九頭龍学園』の理事長を務めている。
此処に通う学生は少ない、何故ならば鳴神自身現地に赴き彼が正しく『天才』だと認めた者しか入れない完全スカウト制の学校なのだ。
故に4クラスしかなく学科で分かれている。
1クラス16人程度ではあるがそのどれもこれもが輝かしい黄金の卵なのだ。
此処は第二地区の住宅街。洋式な建物が並ぶ中荘厳とした日本家屋がはっきりと存在を主張していた。
どたどたと朝から激しい足音が聞こえる。
その音を立てて走っているマリンブルー色の髪をした青年が居た。彼の名は九条 奏舞(クジョウ ソウマ)。
彼もまた九頭龍学園の生徒である。
するととある部屋の前まで辿り着くと大きな声で扉を開けた。
九条:凪!起きろ!もう飯できてr(ドフッ!…痛え!!。
⁇:朝から煩わしいぞ、奏舞。
その声を発した黒スーツの青年の方に目を向ける。朝日に輝く色素の薄い金髪の美しい髪にサングラスから覗くまつ毛は長くそこにはルビーのように綺麗な赫い瞳がこちらを視認していた。彼こそこの学園都市で『最強』と名高くこの島の防衛を担っている折原家の次男坊折原 凪(オリハラ ナギ)である。
九条と折原苗字は違うが九条が養子入りしてきたのである。彼ら的には兄弟というより幼馴染みたいな関係だが。
凪:お、顔面クリーンヒット。つか、これぐらい避けれるよな?、ん?。まあ、良いわほら、手。起きれるか?。
九条:あ、うん。ありがとう、凪。(痛いけど凪からの愛情表現だし避ける訳ないんだよなー。)
凪:なんか上機嫌だな、気持ち悪いぞ。
九条:え!そんなことないよ!。
他愛のない話をしながら大広間の方に行く。
凪:つか、今何時?。(もぐもぐ
九条:もうすぐ8時だね。
凪:そろそろか、じゃぼちぼち行くか。
九条:おう。
食事を終え学校に行く準備をする。
いつもの通学路を歩いて行く。西洋風の街灯が立ち並び学園に入る為のバス停に二人背の高く黒い帽子が特徴的な青年とオレンジ色の髪と緑の瞳が似合う少女がこちらに手を振って声をかけてきた。
⁇:おーい!凪くーん!。
元気に手を振る少女の名は明日乃 有那(アスノ ユナ)。
彼女はこの歳でプロ顔負けの技術で様々な難関手術を完遂させている凄腕の外科医である。それと、凪の主治医も兼任している。
⁇:九条さん!おはよう!。
この背の高い黒い帽子を被った青年の名は宇山 羽黒(ウヤマ ハグロ)。
彼は探偵で立派な功績を出してはいるのだがいかんせん自身の推理に酔いしれる時もあるので凪が時たまにドついてたりしてるのは記憶に新しい。この説明でこっちを観ているオーディエンスの皆様にちゃんと伝わったかな?。と俺は物思いに耽る。
九条:おはよう、宇山。
宇山:今日はいつもより遅かったね?、どうしたの?。
九条:いや、それがさ今日凪がいつもより起きるのが数分遅かったんだよな。
宇山:へ、へえ〜そうなんだ。
するとバス内にアナウンスが流れる。
【第一区画:九頭龍学園前〜、九頭龍学園前〜、お降りの際はお忘れのないようにご注意下さい。ご乗車ありがとうございました。】
明日乃:あ!凪君起きて!学校着いたよ!。
凪:…あ?あー、了解。
宇山:折原君まだ寝足りなかったの?。
凪:最近どうしても眠くなるんだよ。なんでだろな?。
教室棟の近くまでやってきた此処からは各々のクラスに向かう。
明日乃:あ、じゃあこの辺でまたお昼休みとか放課後ね!。
そう言って彼女は医療棟の方に走り去って行った。
宇山:お〜い、九条さん?。
九条:え、あ、なんだい。宇山。
宇山:いや、凪君先n(九条:そっか!じゃあ放課後!。凪〜!!今行くぞ!!。
爆速で廊下を駆け抜ける九条に驚きが隠せないでいた、一人残される宇山。
宇山:ええ〜……嘘お……。
そんなやりとりが行われていた同時刻、凪は自身の教室についていた。
凪:おーっ、おはよう。
入ってきたのを気づいたのか幾人かがこちらに視線を向け挨拶をしてくる。
⁇:おはよう御座います、坊ちゃん。
そう言ってきた少しラフな格好をしたスーツをきた茶髪の青年。
凪:……レオナルド、いい加減その呼び方改めろや。
レオナルドこと、《レオナルド・アウグストゥス》。
俺の母の…まあ、会社みたいなとこに所属しているみたいで母の勧めもあり此処の理事長こと鳴神の奴にスカウトされた経緯を持つ。
事あるごとに坊ちゃん、坊ちゃんと言ってくるのでむず痒くてしょうがない。
凪:あ,そうだ西園寺!。
黒髪で一房髪を束ね新緑の色をした目をした少女がこちらの呼び声に応じ振り向いた。
彼女の名前は
西園寺:球技組は朝練で問題児二人は校庭よ。いつも通り模擬戦とはいうけど流石の私でも目で追うのがやっとだ。
自席に座り窓を覗き込むと男女の二人が砂煙をあげ模擬戦をあげているのがわかる。
⁇:しっかし、毎回の事ながらよくやるよなぁ〜。今度俺も混ざってこよ。
西園寺:はあ?。あんたまで辞めてよね、柊。
俺の目の前の席に座り西園寺から苦言を呈された口に特徴的な傷跡がある彼は
こいつの家は傭兵稼業な為俺のクラスの中でも運動神経がいい。
ガラガラ
⁇:おはよう御座います!みなさん!。
と思考を教室の入り口に向けると今来たのであろう、和服姿の女子生徒がこちらに挨拶をする。
西園寺:おはよ〜宮本さん!
宮本:おはよう御座います、西園寺殿!。
彼女の名前は
実家は剣道家の父が経営してる道場を営んでおりこの島の防衛隊の剣道指南役でもある。
レオナルド:おはよう御座います、宮本様。
こいつらの挨拶を尻目に今日見た夢の内容を思い出す。
幼少期の頃からたまに見ていた赤く輝く星の夢。
俺自身アレがなんなのかわかってはいない。ただ、ただずっと綺麗だと持っているのは確かだ。
でも、すぐに見えなくなってしまうのは少し、残念だと思う。
うんうんうなっていると西園寺が声をかけてくる。
西園寺:折原、お前さっきから何唸ってんだ?いつにも増して不機嫌そうだな。
凪:いや、単に悪夢にうなされてたような気がしただけだ。
西園寺:…………お前ね〜。
と言い俺の頭を撫ででくる。
凪:何してんだ…西園寺?。
西園寺:お前の事だし、一人で悩んでんの?。あるんだったら相談ぐらいしろよ。
柊:お?なんだ、折原悩み事か?。
レオナルド:私達で可能な限りサポートしますよ?。
宮本:困った時はお互い様、ですよ?折原殿!。
俺の言葉に想い想いに反応するクラスメイト達。その様子に俺は……
凪:…そ,れもそうだな。
そう少し笑みを浮かべて答えた。