Ensemble_BLUE's   作:korotuki

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 同グループのとある部署が別部署から予算を横領してしかもそれを私的利用するとかただのケジメェ!案件では?

 男子生徒の四人目を出します。一応アビドス編で全員お見せする予定ですね。


礼には礼を。

 

「思ったより部隊の展開が速いですね!」

 

 そう言ったミキトが背後に向けて手榴弾を投げる。しばらくして、当然爆発。しかし――

 

「そしてこの物量は、中々……」

『………!』

 

 削った戦力を埋めるように、被害を被った箇所の後ろから無骨な戦闘用オートマタが前に出てくる。そしてそれをミキトが見たのは三回目(・・・)であった。

 

 踵を返し全力疾走。撹乱も兼ねて複雑なブラックマーケット内を右往左往に走り回るミキトに、先生からの通信が届いた。

 

『"ミキト。振りきれそう?"』

「時間がかかるかもしれません。自分は直にブラックマーケットを叩いていましたから、そちらより脅威度が高めに設定されているのやも…!」

 

 会話から伝わる通り、ミキトとそれ以外の先生及び生徒たちは現在別々の場所で追われていた。

 単純に別行動中であり、ミキトは敵の多さにより中々追手を振りきれない状況に立たされ中々先生たちとの合流が叶わずにいる。

 

「ハッハッハ……ッ」

 

 これがリッカであれば真正面から引き離せたのであろうが、残念ながらミキト自身の身体能力はキヴォトスの平均より少し上程度。

 

 そのため単純な走力での引き離しは叶わず――なんなら先生からの通信越しのシッテムの箱によるサポートが無ければ物量に圧され包囲されていた可能性すらあるだろう。

 

『"こっちから何人か支援に出すのが安牌だけど…"』

「合流地点を悟られる訳にはいきません。それに……アビドスの皆さんとヒフミさんは万が一にも捕縛させられない」

 

 アビドスはいわずもがな、ここで『自分たちが納めた金が不穏な場所に送金されていたので事実を確かめるためにカチコミしました』なんてバレた日には流石に強制退去ものであり。またヒフミについてもここまでついてきた彼女を最後の最後で不幸なことで返すわけにはいかないという心情から頷き辛いものだった。

 

『"それなら、ミキトはどうするの?"』

「……自分は合流地点と真反対の方に行きますので、その隙に皆で離脱を」

『"ダメ。みんなで帰らなきゃ"』

 

 提案を即座に却下されたミキトは渋い顔をする。しかしなぜ断られたのか、どうして断りたいのかは十分理解しているため否は唱えなかった。

 

「フゥ……っと、失礼!」

「っておぉ!!?」

 

 距離が追い付き始めたため、とっさにミキトは近くから溜まり場の標識になっていたのであろつドラム缶を横倒しに蹴り飛ばし足止めを行う。

 

『『『ッ~!?』』』

 

 何体かは足を取られもつれ合い転んでいくのを見て笑みを浮かべながらも、内心では「心休め程度のものだな」と悪態をつく。

 

(最悪自分だけなら捕まっても消されるようなことはしないでしょう。まぁ生徒会への交渉のカードにされかねないのでイヤなのは当然ですけど)

 

 自然と考えが後ろ向きなそれになりだした時だった。

 

「…うん?」

 

 携帯端末から呼び出し音が鳴り響く。それも流れるメロディーは……彼の同類(・・)である人間に割り振られ設定された音声だった。

 

(旧交は暖めたいが流石に今は……いや待て)

 

 無視しようとするが、その前にブラックマーケットでマーケットガードに追われている最中というある種『出来すぎ』なタイミングでかかってきたことに疑問を感じて。多少スピードが落ちるリスクも承知で通話先の名前を見る。

 

「……、ほんっとうに呆れた…!」

『"ミキト?"』

 

 通話越しの先生にも分かる程には喜色の混じった声を出したミキトは、インカムとは反対側の耳に携帯端末を当てた。

 

「先生今から電話します。第三者の声が入りますがよろしいですか?」

『"えっ? いや構わないけど、今……まさか最後の別れの言葉!?"』

「まさか、それに遺しs…ゴホン。とにかく違いますよ」

『"だとしても今?"』

 

今だからこそ(・・・・・・)になるかもしれません」

 

 なぞかけのような言葉を返したミキトは『応答』のボタンを押す。

 

『よぉミキト。元気か?』

「先程は伝言ありがとうございます。石動(いするぎ)先輩」

 

 電話の先から聞こえたのはミキトよりも数段低く、少ししゃがれた…しかし力強い声。

 

 『石動』と敬称つきで呼ばれたその声の人物はミキトからの言葉に僅かに間を空けると、漏れ出たようにクツクツと笑った。

 

『アイツら中々呼び方を変えないんでな? いよいよ自分の姓の読み方が『せきどう』なんじゃないかって思ってたところだ。修正助かる』

 

「助かったついでに助けてもらえませんか?」

『勿論。つーかそのための電話だ……さて』

 

 状況も見ていないのに当然のようにそれを了承した彼――石動は一拍置き、軽く息を吸った。

 

『お初にお目にかかるS.C.H.A.L.Eの先生、俺は石動トウジ。ブラックマーケットで夕暮れ塾っつー寂れた塾を営んでいるしがない18歳だ。よろしく頼む』

『"私は…まぁ、全部そっちに言われちゃった後だからかっこつかないけど。S.C.H.A.L.Eの先生です。貴方がタマやタタラが言ってた『セキドーのアニキ』…もとい塾長なんだね?"』

 

 先生の自己紹介の後の言葉を聞いた石動トウジは、微かに呻いた。

 

『聞かれちまっていたか、塾の浅学を晒すようで申し訳ないな……みんな何故かそう呼ぶんだ。初等科領域は充分なハズなんだがな』

『"ううん。あれはきっと間違えてるんじゃなくて口に馴染みきったのをそのまま出してるだけの。最早愛称の類いだと思うよ? 事実二人とも優秀だったし"』

 

『…心遣い感謝するS.C.H.A.L.Eの先生。しかしなるほど愛称か。その考えはなかったが……急にストンと来たな』

 

 口調こそ砕けているが、相手への尊重は忘れない余裕のある会話。思わずそこが戦場ではなく応接室ではないかと錯覚しそうになるが。銃声と軍靴の音が現実へと引き戻した。

 

「すみません先生、石動先輩。それ以上は出来れば……」

 

『ああすまんミキト、つい…な? 切り替えよう』

『"だね。それでトウジ、さっきの言葉を信じても?"』

『構わない。それにこっちとしては今そっちに貸し二つ(・・・・)だからな。返せるうちに一つでも返しときたいのさ』

 

「『"二つ?"』」

 

 トウジからの助力の理由に、思わず二つの言葉が重なった。

 一つ。それならまだタマとタタラの二人をその後連れ回すような形にこそなってしまったがスケバンに追われていたところを助けた事なのだろうと分かるが――

 

『引き止めてくれたろ?』

 

『"――――なるほど。確かにそれ(・・)を数えていいのなら私たちはトウジに二つの貸しがあることになるね"』

(? 引き止めた……嗚呼なるほど。マメな人だな)

 

 先生と、それに一歩遅れる形でミキトも理解した。トウジが言っているのは……銀行を襲撃する際にそのメンバーにタマとタタラを頭数に入れなかったことについてなのだ、と。

 

『義憤でともに戦うのではなく、倫理を以て制止してくれたことに感謝している。だから二つだ』

『"そっか……なら。早速一つ、お願いしていいかな"』

 

『――繰り返すが、勿論』

 

 

 

 

 

 

「そのためにここに来た」

 

 

 電子音越しのそれがクリアな肉声に切り替わり、直後爆発音と共に追跡のオートマタが吹き飛んだ。

 

「だからさっさと行きな、よそ者(ミキト)!」

 

 茶色がかった髪にアメジストのような鮮やかな紫色の瞳。ミキトを優に越える長身を黒いパンツに白スーツ、そして赤いネクタイをサスペンダーで締め上げたスタイルの偉丈夫が、白煙をあげる金属バットらしきもの持ちながら不敵に笑っていた。

 

「はい、さっさとおさらばさせてもらいます」

「聞き分けが良くて助かるな! ――まっすぐ行け、案内役がいる」

 

 すれ違いざまにボソリと呟かれた言葉に頷いたミキトを軽く小突いたトウジは、ベルト部分に固定されていたトランシーバーを取った。

 

 走り出したミキトへ軽く手を振りながら、ミキトが苦心していた彼我の物量差を埋めるため。その軍団を分断・少数化させるため各地点に潜ませた塾生に話しかける。

 

「AからK組! "通せんぼ"は!!」

『『『バッチリだぜ!』』』

 

「ンならばよし! 適当に相手してほどほどで撤退だ!」

『『『オー!!!!!』』』

 

 その返事に満足した彼はトランシーバーを戻し、態勢を立て直し始めたオートマタたちにバットを向ける。

 

「なぜ? は聞いてくれるなよ。ここはブラックマーケットで俺たちは不良、いつも大手を振って大行進してる気に食わないヤツの横っ面なんて叩きたいに決まってる」

『……排除』

 

 銃器を向けられたのにも関わらず、その強面を一層深くしたトウジは気炎とともに開戦のセリフを吐いた。

 

「次歩くときはその御大層な靴音がちと軽くなることぐらいは覚悟しとけよポンコツ共!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうしてトウジからの見送りの元、追撃を脱したミキト。分断は上手くいっているのか周囲にマーケットガードの姿はなかった。

 

「ふぅ……」

 

「――おーいこっちこっち!」

「や。さっきぶり」

 

 胸を撫で下ろすミキトに向かって走りよる影が二つ。

 それは先程別れたはずのタマとタタラであり、嬉しいやら誇らしいやらという風な顔をした二人はミキトの少し前を走り先導を開始した。

 

「お二人が案内役ですか?」

「その通り。まあ塾長とみんなが通せんぼしてて、ヤツらが侵入できない道を走るだけなんだけどね」

「作戦が決まったとき立候補したんだよ! 戦いはしないけど、ヒフミたちのとこまで絶対送り届ける!」

「助かります」

 

 タタラの言葉通り、どこかで通せんぼという名の封鎖作戦でもしているのか遠くの方から響いてくる銃声こそあるものの。そこからミキトが発砲するようなことは一度もなかった。

 

「…あっ! 先生、ミキトが来たわよ!!」

 

 そうしてしばらく走った後に合流地点――流石にそのままの場所という訳にはいかずある程度離れた所であった――にてミキトは無事対策委員会やヒフミ、そして先生と合流することに成功した。

 

「すみません。自分の不手際で皆さんに迷惑を……」

 

「全然だよー…寧ろ私たちの方がごめんなさいって感じじゃないかな?」

『その通りです! ミキトさんが単独で奇襲を行うことは、ブラックマーケットの巡回部隊の注意を一身に引き付けることは容易に想像できたことなのに……』

" 待って、あんまり自分を責めちゃいけないよ"

 

 アヤネの謝罪に対してミキトが口を開く前に、先生がフォローを入れつつ慰めの言葉をかける。

 

 少し微妙な空気が漂いはしたものの、そこでミキトを送り届けたタマとタタラが少し声を張り上げる。

 

「もー! 上手くいったんだよね!? だったらしまったれた空気はダメじゃん!」 

「同意。陰気は損気を生むよ?」

「…タマさん。タタラさんの言う通りですね」

 

 その言葉に同調した。アビドスの中でもムードメーカーの気質があるノノミはミキトに駆け寄ると、その腕を掴んで天に高々と突き上げさせた。

 

 端から見るとボクシングなどの格闘技大会で優勝した選手にレフェリーがやるアレである。

 

「うん…?」

「今回の試合、ミキトさんと私たちの勝利で~す!!」

 

 突然のことに困惑するミキトの前で、ノノミは高らかと叫んだ。

 

「確かに追跡も振り切って身元が割れるような証拠も残らなかった…完全勝利」

「それって喜んでいいのシロコ先輩ッ?」

「まー、足がつかないのは喜ぶことじゃな~い? これでおじさんたちはまだまだ清廉潔白な学生ってワケだ~」

『ほ、ホシノ先輩……?』

 

 ホシノのどこかズレた発言に若干引いた様子のアヤネだったが、それはさておき。ノノミはくるりと身を翻し先生を見る。

 

「さぁさ先生! 最後まで頑張った私たちに労いの言葉をくださいませんか?」

 

 芝居がかった調子ではあるが、その目には期待に弾むような様子を見てとった先生は。なら生徒に対し自分という先生が今すべきことをしようとコホンと咳払いをし――

 

" お疲れ様、ホシノにシロコにノノミにセリカは勿論。オペーレーターを頑張ってくれたアヤネと、一緒に頑張ってくれたヒフミにタマとタタラ。そして…無事に帰ってきてくれたミキトも。みんなありがとう"

 

 その言葉に、みなはどこかこれまで張っていた緊張の糸が解れた音が聞こえたような気がした。

 

 こうして便利屋68の調査から始まり、想定より多くの人を巻き込んだブラックマーケットでの騒動は幕を下ろした。

 

「…? あの、先生。例の書類をいれたはずのボストンバックはどうされたのでしょうか」

" あー……振り切った最後に中身を確認したら、資料の他にも1億円ぐらい入っててね。資料だけ貰ってその場に置いてきたよ"

「えぇ……?」

 

 帰る道中ふと"例の書類"を納めたクリアファイルを持っていた先生にミキトがそんなことを聞き、その返答に困惑とお金を拾った幸運な人と。アコギなことをしていたとはいえ急に1億の損害を被る羽目になった銀行に一人静かに黙祷するようなこともありつつ、先生にミキト。そしてアヤネを覗いたアビドスのメンバーとヒフミ――流石にタマとタタラとはブラックマーケットで別れた――はアビドス高等学校に到着。

 

 さっそく書類を見つつ真偽の精査を始め、それは特に滞りなく終わり……

 

「まず、私たちの学校に来てた現金輸送車があの銀行にお金を渡していたのは間違いない。間違い、ないんだけど…」

「ちょっと、私たちが頑張ってかき集めたお金の行き先が…カタカタヘルメット団!? どういうことよ!!」

 

 その結果はアビドスの面々に想定よりも酷く、辛い現実を突きつけることになってしまっていた。

 

「ホシノ先輩、これは…」

「……見ての通りじゃない? おじさんたちから貰ったお金をそのままヘルメット団に横流しすれば、ただアビドスを弱体化するだけじゃなくてあいつらも強化されて実質2倍の弱体化ってことだねー」

 

 顔を微かに歪めて、振り絞るようにアヤネが問いかけた疑問にホシノは端的に答えた。

 

 口調こそは普段と変わらぬのほほんとしたものだが、明らかに声がワントーン低く……"普段はだらしないがここぞという時は最強に頼りになる先輩"という印象を持たれているホシノのその様子に、教室の空気は否応なく重くなる。

 

「依頼先、カタカタヘルメット団…つまり、カタカタヘルメット団がこの学校を襲っているバックにはカイザーローンがいるってことですか……?」

 

 部外者であるが故に、直視したくなるなるような現実をそのまま言葉にしたヒフミの発言にしん、と怒りと苛立ちの感情が渦巻いていた部屋が静まり返った。言えることが何もないと言うように。

 

「一つ、よろしいでしょうか?」

" なに、ミキト"

 

 重苦しい言葉を破ったのは、押し黙った表情でことの成り行きを見守っていたミキトだった。

 

「カイザーローンはあくまでカイザーコーポレーションの一部門。確かに金は握っていますが、傭兵への交渉や武器の支給が自力で出来るとは思えません。ですので……」

「やめてミキト! 私その先聞きたくない!!」

「………」

 

 セリカが真っ青な顔で止め、そこに沈痛な面持ちのアヤネが続いた。

 しかしそこでミキトはその顔をホシノと先生の方へ向け、その視線を受け取った二人はわずかに首肯…現場と所属先のトップから"続けて"と言われたミキトは再び口を開く。

 

「すみません。しかし危機的であるがゆえに現状の把握は急務であると判断します。――よって、この件にはカイザーローンと…最低でも武力及び武器関連を担当しているカイザーPMC、最悪の場合はカイザーコーポレーション全体がアビドスの敵である可能性があります」

 

 朗々と、しかしはっきりと告げられた窮地寄りの危機に今度こそ教室内が無音に支配される。

 

 アビドスやブラックマーケットだけではなく、キヴォトス全体に幅を利かせる巨大企業が敵なのかもしれない、そう考えただけで視界が暗くなるような感覚を各々が覚えていると……

 

" 言いにくいこと、ちゃんも言ってくれてありがとうミキト"

 

 先生がそんな重苦しい空気のなかでもよく通る声で、まずはミキトへの感謝を告げた。それに対してミキトは特に言うこともなく軽く頭を下げ、それを見た先生は改めてメンバーを見まわす。

 

" 大丈夫、私は何があっても対策委員会の顧問で。みんなの味方だから"

 

 気休めだとしても、それは重く沈んでいた皆の心を救った。

 

 

 

「……ふへぇ~」

 

 ふと、ホシノがこぼした鳴き声のような気の抜けたため息に教室にいる何人かがバランスを崩した。

 

「ち、ちょっとホシノ先輩…!」

「なにー?」

「何って……一気になんか空気が馬鹿馬鹿しくなっちゃったじゃない!」

「うーん。確かにそれは大事なんだけどさぁ…とりあえず、今すぐやらないといけないことがあるんじゃない?」

「今すぐに、ですか~?」

 

 セリカの追求をどこ吹く風と受け流したホシノに、ノノミはホシノが言った「今すぐやらないといけないこと」に見当がつかずコテンと首をかしげた。

 

「うん。ヒフミちゃーん?」

「えっ? あっハイ! なんでしょうか」

 

 学校の者でもないのも関わらず一緒に悩んで怒っていたヒフミは。急に話しかけられびっけりしながらも返事をした。

 

「そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?」

『あっ…』

 

 そんな提案に、ヒフミだけではなく全員が呆けた声を溢した。

 

「そ…そうですね! 確かにそろそろお暇しないと…」

「うんうん。ウチは交通の便悪いからねー、速めに帰ったほうがいいよ」

 

「あ、あはは……ちなみになんですけど、電車一つ一つの間の感覚の時間って教えてもらえたり…」

「ええっと、今日は~……どうだっけアヤネちゃん」

「そうですね…今日は平日なので――時間(・・)かと」

「――えぇ!?」

 

 アヤネのその答えに、ヒフミが目を見開き。急いで見支度を始める。それを見たミキトは「自分も最初はあんな感じでしたね」と必要機材を取りに帰ったら日が落ちていたことを思い出した。

 

「つ、次の電車は……それなりに急がなきゃ!?」

" みんな、駅まで見送ろう!"

 

「わ、分かりました!」

「そうね! 最後まで戦った仲間だもん!!」

「最悪タクシーを手配しますね~」

「ノノミさん、それは……普通に万いきませんか?」

「ん、最適なルートは頭に叩き込んでる」

 

 話し合いが終わった直後の重苦しい雰囲気とは真逆の、バタバタしつつも上浮いてどこか楽しげな雰囲気で急ぐヒフミを見送るために慌ただしく部屋から飛び出していった。

 

 その時は、借金という高校生らしくない物事に頭を悩ませていた面々は。「土地になれない友達を駅まで送り届ける」という学生らしい刹那的な目標のために邁進していた。




・秋茜ミキト
始めの頃アビドスの交通手段の乏しさに目を遠くしバイク通勤に切り替え、停めたバイクにブルーシートを被せることを怠った時は顔を覆いシロコに肩を叩かれ慰められた。

・灰九霹ミチユキ
おっなんかあちこちで小競り合い起きてるやんけ!社長すみませんなんか呼ばれた気がしたんで(大嘘)ちょっと言ってきます!!覆面水着団会えるといいですね!!!
彼は彼で今回の銀行員の態度などでフラストレーションが溜まっていた。

・石動トウジ
おうどうし……は?なんか2丁拳銃の芝居がかった男が乱入して暴れてる…ミチユキか。いつもの気ままだな、背景に徹して――あーソイツを除いて制圧射撃してろ。そうすりゃ襲われないだろ。
ブラックマーケットにて塾を営む生徒。塾を開いた直後の生徒が彼の名前を「いするぎ」ではなく「せきどー」と呼んだため塾生の大半から「セキドー」と呼ばれている。

・立花リッカ
最初は保護した少女について先生に相談しようとしたが、何故か少女の情操教育にゲームをやらせようという話になり。双子の姉の方に「リッカもなんかゲーム持ってきてよー!」と言われ"複数物語の交響曲"や"時の引き金"的なゲームを持ち寄ったが時既に遅し、既に『テイルズ・サガ・クロニクル』どっぷり浸けられていた少女(アリス)を見た。
リッカは武力とは別の意味で己の無力を痛感した。


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