妖怪ウォッチif 妖怪学園Y~ワイワイがっこうぐらし~   作:主ノ中人

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どうも主ノ中人(ぬしのなかと)です。
ハーメルンで初(はじ)めて書(か)きます。
しっかり書(か)けているといいのですが……。
とりあえずふりがなを振(ふ)るようにしてます。
今回(こんかい)は人物紹介&(じんぶつしょうかいアンド)マタロウ視点(してん)多(おお)めの回(かい)です。


第(だい)1話(わ):Y 僕(ぼく)の日常(にちじょう)と皆(みんな)の異常(いじょう)

ーーーー暗(くら)い。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……!!!」

 

ーーーー怖(こわ)い。

 

「ハァ……ッハァッ……!!!!」

「へ、へんし……」

 

「グァァァア……!」

 

「ヒッ…!!!」

 

ーーーー逃(に)げなきゃ。

 

ーーーー生(い)きなきゃ……

 

 

 

「うわぁあああああ!!!!!!」

 

 

Yタイムズ編集部室(へんしゅうぶしつ)

 

 

ピピピピ。ピピピピ。ピピピピ。

「ハァッ…ハアッ………」

 

 見慣(みな)れた天井(てんじょう)。汗(あせ)でビショビショの、寝巻(ねま)きを着(き)た身体(からだ)。

 

「ゆ、夢(ゆめ)……?なぁんだ………」

 

 ここ最近(さいきん)、こんな夢(ゆめ)ばかりだなぁと嘆息(たんそく)した。

 それはともかく、枕(まくら)の脇(わき)にあるメガネをかけて、目覚(めざ)まし時計(どけい)を止(と)めて……って

「あーーーっ!!?もうこんな時間(じかん)!?ヤバイヤバイ遅(おく)れるー!!!」

 

 普段(ふだん)だったらもうとっくに教室(きょうしつ)に居(い)る時間(じかん)だ、流石(さすが)にマズイ。そそくさそそくさ くさくそくさ~っと着替(きが)えを済(す)ませ、「寝室(しんしつ)」を出(で)た。

 急(いそ)いでエレベーターまで向(む)かおう!

 

 …僕(ぼく)の名前(なまえ)は、玉(たま)田(だ)マタロウ。

 マタ玉(たま)田(た)ロウ…じゃなくて!玉(たま)田(だ)マタロウ!!

 ごくフツーの家庭(かてい)に育(そだ)ち、ごくフツーの子(こ)どもだった僕(ぼく)は、色々(いろいろ)あって日本一(にっぽんいち)のエリート校(こう)『Y学園(ワイがくえん)』に入(はい)り中学生活(ちゅうがくせいかつ)を満喫(まんきつ)しています。

 

 ……つい最近(さいきん)まで、地球(ちきゅう)侵略(しんりゃく)を目論(もくろ)む異星人(いせいじん)『N星人(エヌせいじん)』や、中等部(ちゅうとうぶ)解体(かいたい)を命令(めいれい)して来(き)た『Y(ワイ)学(がく)園(えん)高(こう)等(とう)部(ぶ)生(せい)徒(と)会(かい)』、そして過去(かこ)に遡(さかのぼ)って『オズマ』という怪物(かいぶつ)…と、いくつもの強大(きょうだい)な敵(てき)との戦《たたか》いが、この半年間(はんとしかん)で あったんだ。

 

 そして、たくさんの人(ひと)の協力(きょうりょく)のおかげでやっと手(て)に入(い)れた平和(へいわ)な学園生活(がくえんせいかつ)……

楽(たの)しまなくっちゃ損(そん)だよね!

 今(いま) 僕達(ぼくたち)YSP(ワイエスピー)*1クラブは『特別活動期間中(とくべつかつどうきかんちゅう)』で、クラブの皆(みんな)で校舎(こうしゃ)に住(す)んでいるんだ。なんでも、校舎内(こうしゃない)で生活(せいかつ)する事(こと)により、普段(ふだん)の授業(じゅぎょう)では得(え)られない経験(けいけん)を育(はぐく)むんだとか。

 ちなみにYSP(ワイエスピー)クラブだけでなく、生徒会(せいとかい)や風紀委員(ふうきいいん)、そして学園(がくえん)マフィアの人達(ひとたち)もそれぞれ2人(ふたり)づつ居(い)るよ。

 

 

学園長室(がくえんちょうしつ)

 

そうこうしている内(うち)に目的(もくてき)の部屋(へや)に着(つ)き、ドアを開(あ)けると、

 

「おーっ!マタロウおはよう!!」

と声(こえ)をかけられた。

 

「ジンペイ君(くん)、おはよう」

 

 この人は寺刃(じば)ジンペイ君(くん)。細(こま)かいことは気(き)にしない超(ちょう)のつく楽天家(らくてんか)で、如何(いか)なる状況(じょうきょう)でもマイペースかつふざけてばかり。でも、内(うち)に秘(ひ)める正義感(せいぎかん)は誰(だれ)よりも強(つよ)くて、かくいう僕(ぼく)も、彼(かれ)に幾度(いくど)となく助(たす)けられてきた。僕(ぼく)にとってのHERO(ヒーロー)だ。

 

「遅(おそ)いぞ、玉田(たまだ)。既(すで)に起床時間(きしょうじかん)は過(す)ぎている」

 

「ひぇえ~~ごめんなさい〜!!」

 

 生徒会長(せいとかいちょう)、霧隠(きりがくれ)ラント君(くん)。この超(ちょう)エリート学校(がっこう)であるY学園(ワイがくえん)中等部(ちゅうとうぶ)の生徒会長(せいとかいちょう)で、学園長(がくえんちょう)並(なみ)の権力(けんりょく)をも持(も)っているんだ。ちなみにUFO(ユーフォー)研究部(けんきゅうぶ)の部長(ぶちょう)もしている。

 

「全(まった)く仕方(しかた)ないですねぇマタロウくん。今回(こんかい)は多(おお)めに見(み)ますが、次(つぎ)は注意(ちゅうい)するように」

 

「あはは…はい、気(き)をつけます」

 

 そう僕(ぼく)に注意(ちゅうい)して「食堂(しょくどう)」から出(で)て行(い)ったのは担任(たんにん)の臼見沢(うすみざわ)ハルヒコ先生(せんせい)。担当(たんとう)教科(きょうか)は国語(こくご)で、僕(ぼく)ら1年生(ねんせい)の寮(りょう)の管理人(かんりにん)も務(つと)めている。その正体(しょうたい)はかつて人間界(にんげんかい)で活躍(かつやく)した「妖怪(ようかい)マスター」と呼(よ)ばれるとある少年(しょうねん)に仕(つか)えていた妖怪執事(ようかいしつじ)の生(う)まれ変(か)わりなんだって。…な~んか嘘(ウソ)くさいけども……。

 な~んて悠長(ゆうちょう)に紹介(しょうかい)なんかしてる場合(ばあい)じゃなかった!!!ヤバいヤバい!

 僕(ぼく)は超特急(ちょうとっきゅう)で朝(あさ)ご飯(はん)を詰(つ)め込(こ)み、すぐさま臼見沢(うすみざわ)先生(せんせい)の後(あと)を追(お)う。

 

「全(まった)く、忙(せわ)しないわね…」

 

「まあまあ…」

 

 そんな僕(ぼく)を見届(みとど)けて呆(あき)れるのは同(おな)じく1年(ねん)の姫川(ひめかわ)フブキさん。所謂(いわゆる)理系女子(りけいじょし)で、三度(さんど)の飯(めし)よりメカが好(す)き。女子(じょし)が着(き)るパワードスーツなんかも好(す)き。*2学園(がくえん)のマドンナなだけありとても可愛(かわ)いらしく素敵(すてき)な女子(じょし)で……おっと…ごめんなさい話(はな)し始(はじ)めるとキリがないので割愛(かつあい)します…。

 フブキさんを宥(なだ)めているのはジンペイ君(くん)の幼馴染(おさななじ)みで僕(ぼく)らの親友(しんゆう)、小間(こま)サン太夫(だゆう)君(くん)。落語(らくご)の名家(めいか)に生(う)まれるも噺(はなし)が苦手(にがて)で落(お)ちこぼれになった…と本人(ほんにん)は言(い)うけど、話(はなし)を分(わ)かりやすく纏(まと)めて説明(せつめい)できるし、それに彼(かれ)は癒(いや)し系(けい)で居(い)るだけで場(ば)が和(なご)む。決(けっ)して落(お)ちこぼれなんかじゃないんだよ。

 

3-D教室(きょうしつ)

 

 階段(かいだん)を1(ワン)フロア分(ぶん)下(お)り、廊下(ろうか)を猛(もう)ダッシュして教室(きょうしつ)へ向(む)かう。

 …僕(ぼく)は最近(さいきん)、学園(がくえん)が好(す)きだ。

 もちろん前(まえ)から好(す)きだったけど、ちょっと前(まえ)まで色々(いろいろ)張(は)り詰(つ)めていたせいか、最近(さいきん)は特(とく)に学園(がくえん)生活(せいかつ)をとても楽(たの)しく過(す)ごせている気(き)がする。

 戦(たたか)っていた時(とき)には気(き)がつけなかった事(こと)がたくさんあって、それも地球(ちきゅう)を守(まも)れたから感(かん)じられているわけで、僕(ぼく)らは本当(ほんとう)に、この世界(せかい)を守(まも)り、平和(へいわ)を勝(か)ち取(と)ったんだなぁと、しみじみ思(おも)います!

 

「おっ、来(き)た来(き)たマタロウ~、遅(お)せぇぞ~!」

 

「あはは…ゴメンゴメン」

 

「さて、マタロウくんも来(き)たことですし、点呼(てんこ)をとりますよ~。赤石(あかいし)さん、稲田(いなだ)さん、海東(かいとう)さん…………」

 

 その後(ご)も先生(せんせい)は順調(じゅんちょう)に点呼(てんこ)をとり、12人目(にんめ)に僕(ぼく)の名前(なまえ)が呼(よ)ばれた。

 

「……ホワイトさん、丸山(まるやま)さん、和田(わだ)さん……ハイ、24……いえ、22名(めい)全員(ぜんいん)居(い)ますね、では授業(じゅぎょう)を始(はじ)めましょうか。では教科書(きょうかしょ)54ページの7行目(ぎょうめ)から続(つづ)きでうぃす」

 

 授業(じゅぎょう)が始(はじ)まり、遅(おく)れた僕(ぼく)は急(いそ)いで教科書(きょうかしょ)、ノートと筆記用具(ひっきようぐ)を取(と)り出(だ)して……

 

「ん?」

 

 教科書(きょうかしょ)と…ノートと……

 

「ん?アレ?ええ!?」

 

「どうした?玉田(たまだ)?」

 

「な、無(な)いんだ…筆箱(ふでばこ)が……!」

 

「お前(まえ)が忘(わす)れ物(もの)なんて珍(めずら)しいな」

 

「ど、どうしよう……」

 

「良(よ)かったら予備(よび)あるし、俺(おれ)の使(つか)う…」

ガラッ!!

 

「チャァオゥ!!!」

 

 隣(となり)の席(せき)の人(ひと)と相談(そうだん)していると、いきなりジンペイ君(くん)が入(はい)ってきて僕(ぼく)の所(ところ)へ来(き)た。

 

「うわぁあ!!ジンペイ君(くん)!?ちょ、授業中(じゅぎょうちゅう)……」

 

「ほらよ!落(お)とし物(もの)、届(とど)けに来(き)たぜ!!」

 

「あ!僕(ぼく)の筆箱(ふでばこ)!!あ、そっか。食堂(しょくどう)で確認(かくにん)した時(とき)に急(いそ)いでたから忘(わす)れて行(い)ってたのか……!!」

 

「全(まった)く、エルナが気(き)づかなかったら何(なに)でノートとるつもりだったんだよ!!」

 

 ジンペイ君(くん)はケラケラと笑(わら)いながら、僕(ぼく)の筆箱(ふでばこ)を机(つくえ)に置(お)いてくれた。

 

 エルナっていうのは、天体観測部(てんたいかんそくぶ)部長(ぶちょう)の天見(あまみ)エルナさんのこと。

 かつてはN星人(エヌせいじん)のラスボス、マゼラの右腕(みぎうで)として動(うご)いていた『エルゼメキア』に憑依(ひょうい)されて僕(ぼく)らの敵(てき)になっていたけど、色々(いろいろ)あって今(いま)は元(もと)に戻(もど)り、怨霊化(おんりょうか)したエルゼメキアこと、コーリー星(せい)の女王(じょおう)『エルゼ』と共(とも)に僕(ぼく)らと戦(たたか)ってくれている。

 コーリー星(せい)でのエルゼの部下(ぶか)やエルゼがマゼラを裏切(うらぎ)った時(とき)に着(つ)いてきたN星人(エヌせいじん)の技術班(ぎじゅつはん)の部下(ぶか)など、バックも強(つよ)く頼(たよ)れる味方(みかた)なんだ。

 現在(げんざい)では風紀委員(ふうきいいん)の副委員長(ふくいいんちょう)も務(つと)めている。

 

「ではジンペイくん。そろそろ授業(じゅぎょう)を始(はじ)めたいのですが、よろしいですか?」

 

「おう!良(い)いぜ!邪魔(じゃま)して悪(わる)かったな!マタロウ!先生(せんせい)!!」

 

 そう言(い)い、教室(きょうしつ)から出(で)ようとするジンペイ君(くん)。

 その時(とき)だった。

 

「!!」

 

「マタロウ、先生(せんせい)!!伏(ふ)せろ!!!」

 

 ジンペイ君(くん)の合図(あいず)で僕(ぼく)らは咄嗟(とっさ)に伏(ふ)せる。

 強(つよ)い衝撃波(しょうげきは)のようなものを感(かん)じ、さっきまで僕(ぼく)とジンペイ君(くん)の身体(からだ)があった所(ところ)を見(み)ると、何(なに)やらモヤのかかった何(なに)かの腕(うで)が伸(の)びていた。

 先生(せんせい)やクラスメイトの何人(なんにん)かも衝撃波(しょうげきは)で吹(ふ)っ飛(と)ばされている。

 

「危(あ)っぶねぇなぁ!!先生(せんせい)!!そっちは大丈夫(だいじょうぶ)か!?」

 

「え、ええなんとか……!」

 

「怨霊(おんりょう)!!?ジンペイ君(くん)!!」

 

 懐(ふところ)から『ラストティーダイン』の変身(へんしん)メダルを取(と)り出(だ)し、左腕(ひだりうで)の『UR(ユーアール)ウォッチGAI(ガイ)』を構(かま)える。

 

「……!マタロウ…」

 

「? ジンペイ君(くん)も早(はや)く!」

 

 怨霊(おんりょう)は今(いま)も僕(ぼく)らを狙(ねら)って攻撃(こうげき)してきている。ゾンビ系(けい)の怨霊(おんりょう)なのかフラついた動(うご)きで躱(かわ)すのは容易(たやす)い。だけどこのままだと当(あ)たるのも時間(じかん)の問題(もんだい)だ。

 

「あぁ…分(わ)かった!!」

 

 ジンペイ君(くん)も『アースウォーカーNOA(ノア)』の変身(へんしん)メダルを取(と)り出(だ)し、左腕(ひだりうで)の『UR(ユーアール)ウォッチ』を構(かま)える。

 

「「変身(へんしん)!!!」」

 

 掛(か)け声(ごえ)と同時(どうじ)にメダルをウォッチに装填(セットオン)すると

 

『アルティメット!!』

 

 軽快(けいかい)な音楽(おんがく)と共(とも)に、それぞれ特殊(とくしゅ)な空間(くうかん)に包(つつ)まれる。

 

『ッレボリューション!!』

 

『チェーンジヒーロー!!』

 

『Hey(ヘイ)!!』

 

 変身(へんしん)待機音(たいきおん)に合(あ)わせて、僕(ぼく)は右腕(みぎうで)を2回(かい)払(はら)いながら、左腕(ひだりうで)のウォッチを顔(かお)の近(ちか)くへ持(も)って行(い)き、ウォッチに右手(みぎて)をかける。

 ジンペイ君(くん)は両腕(りょううで)をグルッと回(まわ)し、ベゼルの円形(えんけい)を空(くう)に作(つく)り出(だ)すポーズをとる。

 

『ラストティーダイン』『アースウォーカー・NOA(ノ・ア)』

 

 ウォッチからアナウンスが流(なが)れ、ベゼルを変身(へんしん)モードの方向(ほうこう)に90度(ど)回転(かいてん)させると、ベゼルの「UR(ユーアール)」の文字(もじ)がそれぞれ「G(ジー)」と「Y(ワイ)」が書(か)かれた面(めん)に変形(へんけい)し、光(ひかり)を放(はな)つ。

 

 ウォッチを天(てん)に掲(かか)げると、光(ひかり)の輪(わ)が僕(ぼく)の頭(あたま)を包(つつ)む。

 

『アタック!!!』

 

 光(ひかり)は全身(ぜんしん)を覆(おお)い、ガイアエネルギー*3を表(あらわ)す紫(むらさき)のボディを形成(けいせい)する。

 

『フィニッシュ!!!』

 

『ラァースト!!シャイニィーーング!!!』

 

「太陽(たいよう)の王者(おうじゃ)!!!

ラストティーダイン!!!!!」

 

 どこからともなく現(あらわ)れたジンペイ君(くん)の相棒(あいぼう)の1人(ひとり)、『ミケッティオ』が怪(あや)しげな笑(え)みを浮(う)かべながらその肉体(にくたい)をジンペイ君(くん)の身体(からだ)に纏(まと)わせる。

 

『N(エヌ)・O(オー)・A(エー)!!!!』

 

『アルティメーーーット!!!!』

 

「結局(けっきょく)南極(なんきょく)。

アースウォーカーNOA(ノア)」

 

 それぞれ正義感(せいぎかん)に溢(あふ)れた正統派(せいとうは)HERO(ヒーロー)然(ぜん)とした『ラストティーダイン』、 普段(ふだん)の明(あか)るさと打(う)って変(か)わってダウナー系(けい)の性格(せいかく)なネコ耳(みみ)HERO(ヒーロー)『アースウォーカーNOA(ノア)』に変身(へんしん)完了(かんりょう)した。

 

「周りに被害が出る前(面倒な事になる前)に、サクッと倒(たお)しちゃうよ」

 

「了解(りょうかい)だ!!!」

 

 怨霊(おんりょう)を廊下(ろうか)の方(ほう)へ蹴(け)り飛(と)ばしてすぐさま挟(はさ)み撃(う)ちにし、それぞれコマンドメダルをウォッチに装填(セットオン)する。

 

『アルティメット!!』

 

『レボリューション!!エグゼキュート!!!』

 

「グランゾートネコスカドライブ」

 

 アースウォーカーNOA(ノア)は怨霊(おんりょう)をその素早(すばや)さで四方八方(しほうはっぽう)からタコ殴(なぐ)りにする。

 

「サンバーニングキィーーーック!!!!」

 

 トドメにラストティーダイン(僕)が太陽(たいよう)の光(ひかり)を足(あし)に宿(やど)した渾身(こんしん)の飛(と)び蹴(げ)りをお見舞(みま)いした。

 

「グガォアアアアアア!!!!!」

 

『ドォオオオオオン!!!!!……』

 

 怨霊(おんりょう)は断末魔(だんまつま)を上(あ)げ、爆発四散(ばくはつしさん)した。それを見届(みとど)け、変身解除(へんしんかいじょ)する。

 

「ふう、危(あぶ)なかった。弱(よわ)い怨霊(おんりょう)で助(たす)かったね……」

 

 そう呟(つぶや)くも、ジンペイ君(くん)から返事(へんじ)は返(かえ)ってこなかった。

 どうしたのかと思(おも)い、ジンペイ君(くん)を見(み)ると、さっきまで怨霊(おんりょう)の居(い)た辺(あた)りを見(み)つめている。

 僕(ぼく)の視線(しせん)に気(き)がつくと、いつものちょっとサイコパスみを感(かん)じる笑(え)みを浮(う)かべた。

 

「大丈夫(だいじょうぶ)?ジンペイ君(くん)……なんだか…」

 

「何(なに)が?それよか授業(じゅぎょう)だぜ授業(じゅぎょう)!!!」

 

「あっ、そうだった!抜(ぬ)け出(だ)しちゃったんだ!!」

 

 急(いそ)いで教室(きょうしつ)に戻(もど)ろう!!

 

「慌(あわ)ててまた忘(わす)れモンすんなよ〜」

 

「ありがとう〜!!」

 

 そう言(い)って、僕(ぼく)は教室(きょうしつ)へと急(いそ)ぎながら、ジンペイ君(くん)の様子(ようす)を思(おも)い出(だ)す。

 

「…なんだか……悲(・)し(・)そ(・)う(・)な(・)目(・)だ(・)っ(・)た(・)な……」

 

 

 

 

「さて……」

 

 マタロウを見送(みおく)った俺(おれ) 寺刃(じば)ジンペイはその場(ば)で合掌(がっしょう)をした後(のち)、ここ3階(かい)と2階(かい)を繋(つな)ぐ階段(かいだん)へ来(き)た。

 階段(かいだん)には机(つくえ)と椅子(いす)を積(つ)み上(あ)げて作(つく)ったバ(・)リ(・)ケ(・)ー(・)ド(・)があるんだけど、一部(いちぶ)が崩(くず)れてしまっていた。

 それを確認(かくにん)した俺(おれ)は左耳(ひだりみみ)に装着(そうちゃく)しているイヤーカフ型(がた)無線機(むせんき)を起動(きどう)する。

 

「会長(かいちょう)、これ……」

 

『フム…こいつが何(なに)かの拍子(ひょうし)に崩(くず)れて、その音(おと)に引(ひ)かれた奴(やつ)らが入(はい)ってきたようだな……念(ねん)の為(ため)、他(ほか)に入(はい)り込(こ)んでないか皆(みな)で調査(ちょうさ)しよう』

 

「ガッテン承知(しょうち)の助(すけ)ザムライ!!」

 

 無線(むせん)からの応答(おうとう)に小声(こごえ)で応(こた)え、指示(しじ)通(どお)り調査(ちょうさ)を開始(かいし)した。

 

 階段(かいだん)の下(した)…2階(かい)と1階(かい)からは、相(あい)も変(か)わらずに、絶(た)えず大量(たいりょう)のうめき声(ごえ)が聞(き)こえてくる。

 

 それを無線(むせん)を通(とお)して聞(き)いたラント会長(かいちょう)からは、無線越(むせんご)しにも関(かか)わらず、静(しず)かな怒(いか)りを感(かん)じた。

 机(つくえ)を叩(たた)き、一言(ひとこと)。

 

「おのれ……マゼラめ……!!!」

 

 退(しりぞ)けたはずの……因縁(いんねん)の、怨敵(おんてき)の名(な)を

 

 呟(つぶや)いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後(ほうかご)の教室(きょうしつ)。

 

「あ、そーだ玉田(たまだ)、今日(きょう)も怨霊(おんりょう)退治(たいじ)お疲(つか)れ様(さま)!!」

 

「うん、ありがとう!」

 

「にしても、HERO(ヒーロー)も大変(たいへん)よね……命懸(いのちが)けなんでしょ?怖(こわ)くないの?」

 

「そりゃもちろん怖(こわ)いけど、やっと本物(ほんもの)のHERO(ヒーロー)になれたんだ。血(ち)のにじむような特訓(とっくん)とかいっぱいして、考(かんが)えて…そうやって皆(みんな)で手(て)に入(い)れた力(ちから)だもん。

……これは恩返(おんがえ)しなんだ。人生(じんせい)は、たまたまばかりじゃないんだって教(おし)えてくれた、YSP(ワイエスピー)クラブの…ううん、このY学園(ワイがくえん)の皆(みんな)への!」

 

「…ごめん、自分(じぶん)ばっかり話(はな)しちゃって……」

 

「え?そう?なら良(い)いんだけど……」

 

「あー見(み)た見(み)た!!良(よ)かったよねぇ今週(こんしゅう)のコナッポイン!!まさかあの人(ひと)が犯人(はんにん)だとは思(おも)わなかったよ!僕(ぼく)もまだまだだなぁ…YSP(ワイエスピー)クラブの探偵役(たんていやく)として、もっと推理力(すいりりょく)上(あ)げなくちゃ…なーんてね♪」

 

「そういえば、今度(こんど)の新作(しんさく)HERO(ヒーロー)も良(よ)かったよね…めちゃくちゃ好(この)みどストライクでさー!」

 

 教室(きょうしつ)から賑(にぎ)やかに話(はなし)をするマタロウ君(くん)の声(こえ)がする。

 僕(ぼく)小間(こま)サン太夫(だゆう)、フブキさん、そして2年(ねん)の雷堂(らいどう)メラ先輩(せんぱい)はマタロウ君(くん)を迎(むか)えに来(き)たんだ。

 

「玉田(たまだ)、まーだここに居(い)たのか。」

 

「あれ?メラ先輩(せんぱい)に、コマくん、フブキさんまで!!」

 

「兄貴(アニキ)、部屋(へや)で待(ま)ってんぜ。なんか約束(やくそく)してんだろ?」

 

 メラ先輩(せんぱい)は昔(むかし)は横暴(おうぼう)な振(ふ)る舞(ま)いでY学園(ワイがくえん)の極悪番長(ごくあくばんちょう)と恐(おそ)れられていたけど、その理由(りゆう)はお母(かあ)さんが病気(びょうき)になって学費(がくひ)が払えなくなり、学園(がくえん)マフィアから学費(がくひ)を援助(えんじょ)してもらう条件(じょうけん)として生徒会(せいとかい)からのヘイトを集(あつ)めろと言(い)われていた。そんな時(とき)にひょんな事(こと)からジンペイ君(くん)に恩義(おんぎ)を感(かん)じていて、今(いま)はジンペイ君(くん)を兄貴(アニキ)と慕(した)っているんだ。

 ちなみに学費(がくひ)についてはジンペイ君(くん)が学園長(がくえんちょう)に口利(くちき)きしたお陰(かげ)で奨学金(しょうがくきん)を貰(もら)えた事(こと)で解決(かいけつ)。今(いま)は地道(じみち)に学内(がくない)バイトをして返(かえ)しているんだって。

 学園(がくえん)マフィアとも後(のち)に異星人(いせいじん)騒動(そうどう)の際(さい)に和解(わかい)したよ。

 

 先輩(せんぱい)に言(い)われ、ジンペイ君(くん)との予定(よてい)を思(おも)い出(だ)したマタロウ君(くん)は大慌(おおあわ)てで帰(かえ)りの支度(したく)をする。

 

「あ、そうだった!!大変(たいへん)だーっ!!」

 

「気(き)をつけなさいね。FST(エフエスティー)*4は有限(ゆうげん)なんだから」

 

「はーい!」

 

「…マタロウ君(くん)……」

 

「ん?何(なに)?どうしたの____」

 

 僕(ぼく)の呼(よ)びかけに応(こた)え、振(ふ)り返(かえ)るマタロウ君(くん)。

 そこに広(ひろ)がっていたのは 平和(へいわ)な学園生活(がくえんせいかつ)とは程遠(ほどとお)い、狂気(きょうき)としか思(おも)えない光景(こうけい)だった。

 

 その背景(はいけい)には、荒(あ)れ果(は)てた教室(きょうしつ)があり、割(わ)れたガラス片(へん)と、ボロボロの机(つくえ)や椅子(いす)が散乱(さんらん)していて、そこにこびり付(つ)いた血痕(けっこん)がそこで起(お)きた凄惨(せいさん)な事件(じけん)を物語(ものがた)っていた。

 その中(なか)に佇(たたず)むマタロウ君(くん)は、まるで日常(にちじょう)を生(い)きていた彼(かれ)だけを切(き)り取(と)って貼(は)り付(つ)けたかのようで……いや…きっとマタロウ君(くん)の中(なか)ではあの時(とき)のまま。マタロウ君(くん)の目(め)にはあの頃(ころ)の皆(みんな)が見(み)えているのだろう。

 そして廊下(ろうか)には、昨日(きのう)まで無(な)かったはずの真新(まあたら)しい血痕(けっこん)が生々(なまなま)しく飛(と)び散(ち)っている。

 

 割(わ)れてしまっていてもはやその機能(きのう)を果(は)たしていない窓(まど)の外(そと)、校舎(こうしゃ)の周(まわ)り……いや、Y学園(ワイがくえん)の敷地内(しきちない)にはか(・)つ(・)て(・)人(・)だ(・)っ(・)た(・)で(・)あ(・)ろ(・)う(・)者(・)達(・)が、破壊(はかい)された校門(こうもん)から続々(ぞくぞく)と侵入(しんにゅう)し僕(ぼく)らの学(まな)び舎(や)に蔓延(はびこ)っていた。

 …そして、『彼(かれ)ら』の大多数(だいたすう)は、まるで何(なに)かを探(さが)すかのように校舎(こうしゃ)の北(きた)にあるグラウンドへと集(あつ)まっている。

 

 

 

 

 

 

 

「コマくん?」

 

「え、あ、ううん!何(なん)でもない!」

 

「そっか、じゃ、またね!皆(みんな)!!」

 

 コマくん達(たち)に呼(よ)ばれ、僕(ぼく)はクラスメイトに挨拶(あいさつ)をしてから本部(ほんぶ)へと戻(もど)る。

 廊下(ろうか)を歩(ある)いていたらふと風(かぜ)を感(かん)じ、窓(まど)を見(み)ると少(すこ)し隙間(すきま)があったのでピッチリ閉(し)める。

 うん!これでよし!!

 

 僕(ぼく)は最近(さいきん)、学園(がくえん)が好(す)きだ。

 学園(がくえん)の平和(へいわ)な毎日(まいにち)を守(まも)る為(ため)……これからも頑張(がんば)るぞ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 この時(とき)マタロウくんが閉(し)めたボロボロの窓(まど)の先(さき)で、我(われ)らに希望(きぼう)をもたらす1台(だい)のとある赤(あか)いコンパクトカーがY学園(ワイがくえん)へ向(む)けて走(はし)り出(だ)したことなど、我々(われわれ)はまだ知(し)る由(よし)もなかったのでうぃす。

 

「…何(なに)黙(だま)って突(つ)っ立(た)ってんだ先生(せんせい)?」

 

「あーいえ、ちょっとナレーションを」

 

「はぁ?」

 

「メラくんあーた、ワタクシ今回(こんかい)出番(でばん)少(すく)なくてこうでもしないと死亡説(しぼうせつ)出(で)るかもでしょーが」

 

「どうでもよくないですか?」

 

「フブキさんまで!あーたそんな風(ふう)に育(そだ)てた覚(おぼ)えはないでうぃすよ!!」

 

「いや育(そだ)てられてないし!!」

 

 ちゃんちゃん。

 

 

 

 続(つづく)

*1:
Yo-kai(ヨーカイ)・Special(スペシャル)・Power(パワー)の略(りゃく)。妖怪(ようかい)、もののけ、その他(た)霊的(れいてき)な存在(そんざい)と接触(せっしょく)し、操(あやつ)る力(ちから)の事(こと)をYSP能力(ワイエスピーのうりょく)と言(い)う。

*2:
(自称(じしょう))

*3:
生命(せいめい)と星(ほし)の間(あいだ)に発生(はっせい)する力(ちから)の事(こと)。どんな生命(せいめい)にも宿(やど)る物(もの)だが、自在(じざい)に扱(あつか)える者(もの)は少(すく)ない。

*4:
Free(フリー)・Style(スタイル)・Time(タイム)の略(りゃく)。要(よう)は放課後(ほうかご)の自由時間(じゆうじかん)。




説明(せつめい)だらけで疲(つか)れたかな……申(もう)し訳(わけ)ない……。
はい、そうです。
マタロウ、ゆきちゃん枠(わく)なんです。
マタロウファンの方(かた)ホントごめんなさい。

1番(ばん)マトモなマタロウが狂(くる)ってるってのは面白(おもしろ)いんじゃないかなぁと。

ちな作者(さくしゃ)がマタナユ派(は)なのでウチのマタロウにはフブキへの恋愛感情(れんあいかんじょう)はないです。マドンナへの憧(あこが)れ的(てき)なアレです。ハイ。
推(お)しカプはそれ以外(いがい)でいうとジンエマ、マタナユ、コマサオ、メラフブ、チアミハ、ノズノコ、ランクマ(ランクウ)、シノエルですが最終回発情期(ファイナルファンタジー)にはしないので安心(あんしん)してつかぁさい。


妖怪(ようかい)ウォッチは僕(ぼく)の人生(じんせい)を変(か)えてくれた作品(さくひん)なので、10周年記念(しゅうねんきねん)にこのような形(かたち)で盛(も)り上(あ)げられれば幸(さいわ)いです。

がっこうぐらしはアニメから入(はい)りまして、リアル高校(こうこう)に1~11巻(かん)まであったので読(よ)みましたがなにぶん構想期間(こうそうきかん)長(なが)くてうろ覚(おぼ)えなところもあるので……また読(よ)みながら確認(かくにん)しつつ書(か)いていきます
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