〖ブルーロックRPG〗実況プレイ   作:マルメロ

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分岐点

 

 

潔世一! あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えます! 理由はもちろんお分かりですね? あなたが私を2回目の覚醒とかいうウラ技で騙し、何故か意味不明なタイミングで超越視界(メタ・ビジョン)を使い始めたからです! 覚悟の準備をしておいて下さい。ちかいうちに訴えます。裁判も起こします。裁判所にも問答無用できてもらいます。慰謝料の準備もしておいて下さい! 貴方は犯罪者です! 刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい! いいですね! 

 

 

 

 

 

 ……はい、冗談は置いときましてどうも私です。

 

 

 前回でTEAM・WHITE戦、ざっと前半が終了した所でしょうか? まぁ言いたいことは色々あるしブチ切れたいのは山々なんですが冒頭でだいぶ発散出来たので冷静にいきます。

 

 

 まぁ……はい、なんか目覚めさせちゃいましたね、戦場(フィールド)の悪魔を。

 

 

 そーゆーことか! パズルパラパラじゃないんだよまったくさぁ……

 

 

 透子ちゃんが中学生時点で超越視界(メタ・ビジョン)を使える超逸材だったのが霞むレベルですわ。透子ちゃんのメタビを真似しようとしてた依桜君の眼の使い方から一瞬でトレースしてくるのは意味わからんて……。適応能力やばいとかの話じゃねぇっすよ。

 

 

 でもそうか依桜君、メタビが使いたいんですね。でもオリキャラでメタビ使えるのはどう頑張ってもUー20戦以降なんすわ。そもそも依桜君メタビ使うタイプじゃないし、きついです。

 

 

 ちなみにこのゲーム、見てもらえばわかりますけど試合は操作キャラの一人称視点で進みます。しかしメタビを使っている間だけは文字通り神の視点、皆さんが想像する普通のサッカーゲームと同じ視点でプレーすることができるんです。

 

 

 つまり体力の消費が激しいことを考慮してもぶっ壊れイカレスキルなわけですね。あ、NPCが使うとなんかこうすごい動きしてきます。パスとかカットされまくってイライラ倍増って感じ。

 

 

 まぁでもまだ4ー3でリードしてますし、あと1点ぶち込んで勝ちましょう。このままいくと依桜君のストレス値えぐい事になりそうだし……。

 

 

 勝てるかな……まさか負けイベってことはないと思うけどさ。

 

 

 つーこって、後半戦ですどうぞ。

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

(アイツ)、明らかに動きが変わってるぞ。やばいやばい」

 

「ああ、絶対に潔世一にボールを取らせるな」

 

 

 試合開始時点から明らかに鋭くなった潔のプレーに、黒名と玲王は動揺を隠せなかった。馬狼を囮に使い始めたところから始まり、そこから更にプレーの鋭さが増している。

 

 

「どうする姫宮? 何か策とか……」

 

「……ボクが潔世一に付く。絶対に潰すから……!」

 

「……!」

 

 

 依桜の眼が明らかに変わった。黒名には依桜の普段のキラキラした瞳がどす黒い感情を含んでいるようにも見える。

 

 

(潔のプレーが透子に似ているなら……アレを喰い返せば勝てる……! 大丈夫、ボクは誰よりも近くで透子のプレーを見てたんだから……あんな紛い物に負けるわけない!)

 

 

 ホイッスルが鳴り、試合が再開された。玲王がボールを持ち、パスコースを探す。

 

 

(やっぱり姫宮へのコースはマークがキツいな……それに対して黒名には凪1人だけか)

 

 

 依桜へのパスコースは馬狼、そして何より潔が徹底的に警戒している。今潔とのマッチアップは避けるべき、そう判断した玲王は黒名にパスを出す。

 

 

「行かせないよ、パスも出させない」

 

「くッ……!」

 

 

 しかし黒名から依桜へのコースも凪がさっきよりも徹底的に警戒している。そしてこうも当たりがきつくては黒名の俊敏さも生かしづらい。

 

 

(やばいな……俺と黒名じゃ攻め手に欠ける。かといって姫宮には潔世一が……)

 

 

 凪に手こずる黒名の様子を見て、玲王は焦りを強めていた。早く試合を決めたいが、だからといって中途半端に攻めれば奪われた時のリスクが高すぎる。もはや点差は僅か1点、次の失点は命取りだ。

 

 

(何とか姫宮に…………いや、ここは青い監獄(ブルーロック)……! 俺も……!)

 

「……! まじか、サイド(そっち)行くの……!」

 

 

 黒名が依桜へのパスと見せかけたフェイントで凪を一瞬振り切ると、左サイドをドリブルで駆け上がる。しかし凪もすぐに追いつき、黒名のPA内への侵入を阻止しようとする。

 

 

「確かに速いけど、直線じゃ斬鉄とか千切程じゃないね」

 

(……あと5m……いや3mか)

 

「くろなん、なんでパスコースない方に……」

 

 

 黒名はボールをキープしつつ、コーナーエリア近くまで進んだ。しかし凪がマークしているし、そもそも角度がないので依桜へのパスコースは皆無に等しい。

 

 

「パス出せないだろ。観念しなよスピード三つ編み」

 

「あと1m…………ここだ!!」

 

 

 コーナーエリア付近から、黒名がボールを蹴り出した。中の依桜がそれに反応し動くが、ボールは依桜ではなくゴールの方へと曲がっていく。

 

 

「うっそ……そっから撃つ……!?」

 

(行け、姫宮にエグいパス出す練習を生かした一発!)

 

 

 まさに不意打ちだ。誰もがパスだと思ったその球は、弧を描きながらゴールへと突き進む。ブルーロックマンも凪の身体で弾道を補足できていなかったのか、反応が鈍い。

 

 

「ウラァ!」

 

「……!? マジか王様(キング)!」

 

 

 しかし黒名のシュートがゴール右隅に届くと思われた瞬間、飛び込んできた馬狼が頭でそのボールを弾き返した。彼の決死のディフェンスは、黒名も予期出来ていなかったのだ。

 

 

「視えてるからねその動き。こぼれ球ねじ込んで終わりだよ」

 

 

 だが窮地は終わらない。馬狼が弾いたボールにいち早く反応した依桜が落下地点まで走りゴールまでねじ込もうとする。がら空きのゴール、どこに撃とうが確実に入るだろう。

 

 

「……いや、2歩前だノロマ(プリンセス)!」

 

「……!? 潔……!?」

 

「視えてんだよ……! お前の動き全部……!」

 

 

 依桜がボールに辿り着く前に潔が更に横から掠めとった。黒名のシュートを馬狼が弾き、それに依桜が反応することまで全て読んでいたのだ。読みという1点において、潔はもはやこの戦場(フィールド)では最強の存在だった。

 

 

(ただ視て反応してるだけの姫宮(お前)と俺は違う……! お前の眼の使い方は、俺が更に上の次元に昇華させる……!)

 

「やめてよ……思い出しちゃうから…………ダメ、置いていかないで……!!」

 

 

 潔の背中に、一瞬透子の姿が重なった。必死に手を伸ばすが、依桜の手は当然届くはずもなかった。寂しさなのか嫉妬なのか、もはや自分でもわからない感情で視界が滲む。

 

 

 そして黒名がサイドに、そして依桜が敵ゴール前に残っているこの状況。カウンターの大チャンスだ。

 

 

「お前1人じゃ抜けないだろ頭でっかちが!」

 

「玲王……!」

 

 

 いくら頭脳が優秀でも、個人技が卓越していなければ玲王を抜くことは出来ない。小細工をされる前に潔を潰すため、玲王が潔に猛プレスをかける。

 

 

「今のうちに戻れ、お前ら!」

 

「ナイスだ玲王」

 

(凪は黒名が警戒してる……馬狼にパスを出されても独走するだけの独裁王様(ぼっちキング)は姫宮か黒名と挟めば止めれる! どうだ潔世一、お前の頭脳は俺に劣ってんだ……)

 

「行けヘタクソ」

 

(な……馬狼にパス!?)

 

 

 玲王に進路を塞がれた潔は即座に馬狼にパスを出した。選択肢の1つとはいえ、馬狼がパスを出さず暴走するのは潔とて承知の上のはず。にも関わらずパスを出した潔の選択に玲王は驚いた。

 

 

「いい心がけだ、ヘタクソ」

 

「チッ……行かせるかよ!」

 

 

 馬狼のドリブルを止めるために玲王が立ち塞がる。だが独りよがりのプレーだが彼のドリブル技術は本物だ。玲王でも止めるのは難しく、股にボールを通され抜かれてしまった。

 

 

「……ッ! 止めろ黒名、馬狼(そいつ)はパス出さねぇぞ!」

 

「了解了解」

 

 

 しかしいくらドリブル技術が卓越していようと、1人で突破してくる相手を止めるのは難しくない。ボールを奪うのではなく、先に行かせないことに重点を置いた黒名のディフェンスを馬狼は抜くことが出来ない。

 

 

「クソが、チョロチョロ鬱陶しいぜ!」

 

「行かせん行かせん」

 

「ナイスくろなん……!」

 

 

 ゴール前まで辿り着きつつも、黒名が邪魔でシュートが撃てない。そしてこれだけ時間を稼げば、依桜が戻ってくるには十分だ。

 

 

(クソが……俺の絶対領域(シュートレンジ)には入ってるのに……こいつらが邪魔で撃てねぇ……!)

 

 

 

俺に出せ

 

 

 

(……ッ!!?)

 

 

 それは馬狼自身にも理解できないパスだった。しかしその瞬間感じた悪寒、それと共に不覚にも無意識に、まるで弱者がひれ伏すかのようにボールは潔世一へと明け渡された。

 

 

 この瞬間、馬狼照英はついに思い知る。戦場(フィールド)の主役は潔世一で、自分は引きずり堕ろされたただの脇役だと。

 

 

(まさか馬狼にボールを運ばせて、自分はパスを受けれるポジショニングを……!?)

 

 

「いいぞヘタクソ。お前は一生俺に奉仕してろ、雑魚メイド」

 

 

 馬狼のパスから難なくゴールを決めた潔は吐き捨てるように、見下すように馬狼に告げる。お前は俺の人生の脇役であると。

 

 

 その様子に依桜は背中がゾクッとするような寒気を感じた。そして気づく、自分は見誤っていたのかもしれないと。潔世一のプレーが透子に似ていたわけじゃない。依桜(じぶん)も透子も、彼にとってはただの通過点。喰ったら捨てられるだけの餌に過ぎなかったのだ。

 

 

「バケ…………モノ」

 

 

 まるで怪物、悪魔、鬼。透子のプレーを再現し、更に上の次元へと昇華させる。依桜がどれだけ努力しても叶えられなかった目標を、潔世一は一瞬の内に自分を破壊し叶えてしまったのだ。依桜は人生で初めて、完璧な敗北感を突きつけられた気がした。

 

 

天国(そこ)から見ててね、透子。ボク達の夢は……絶対ボクが叶えるから!』

 

 

 あの時誓ったコト、そしてそれから歩んできた道が全てガラスのように割れた音がする。目の前が真っ暗になって、足元もおぼつかない。……だけど

 

 

「……まだ終わってない……この試合であの悪魔(潔世一)を倒す……! そうすればまだ……ボク達の夢は終わらない……!」

 

 

 あの時誓ったはずだ、たとえ足がもげようが心臓が張り裂けようが、どれだけ失っても2人の夢を叶えるのだと。透子のプレーを忘れさせないと。

 

 

 気づけば試合はリスタートしていた。4ー4、次に点を決めた方がこの激闘を制する。

 

 

 さっきと同じように黒名がサイドから攻める。しかし今度は凪がシュートを警戒しているので、同じようなカーブシュートは撃ちにくい。

 

 

「こっちだ黒名!」

 

「……!?」

 

 

 しかしPAからやや後方から玲王が走ってくる。ゴール前の依桜に警戒を寄せていたTEAM・WHITEは不意をつかれ、フリーで玲王にボールが渡った。

 

 

(諦めろ凪! お前は俺のモンだ!)

 

 

 勝利を確信した玲王がシュートを放つ。ゴール左上を狙った綺麗な弾道、普通な取れないだろうボールの先に、天才はいた。

 

 

「あっぶ……ギリ届いた!」

 

「……凪……!」

 

「だよね玲王、ここに撃つと思ってたよ」

 

 

 凪が弾いたボールは、何の因果か敗北者(馬狼照英)の元へと渡った。

 

 

(やばい、潔にパスされたら終わる……コイツはボクが自由にさせない!)

 

 

 潔へのパスを警戒し、マークする依桜。黒名も凪に付き、パスコースは完封されている。そんな中馬狼が見たのはパスコースよりも更に先の、パスを出した後の自分の未来だ。

 

 

 高校を出てやりたくもない仕事をし、安いボロアパートの狭い部屋で発泡酒を片手にテレビを見る。画面の先には日本代表となり世界と戦う潔世一の姿、彼の勇姿をただテレビで眺めるだけなのが馬狼のこれからの人生だ。

 

 

(こんな未来を……俺は生きたいワケじゃない!!!)

 

弾き(チョップ)フェイント……!?」

 

 

 馬狼照英の中で何かが弾けた。黒名を今まで見せたことの無いチョップフェイント、からの鋭角ドリブルで抜き去った。彼が視ているのはパスを出すという確かな勝利への道ではなく、僅かでも自分のゴールのために存在する邪道だ。

 

 

「く……! 潔にパスを出されたら終わる……! どっちだ!? そのまま俺を抜きに来るか……いや、あの動き(モーション)はパス……!」

 

 

 パスと読んだ玲王がコースを塞ぐ守備をする。しかし馬狼はパスと見せかけ再びチョップフェイントからの鋭角ドリブルで玲王を抜き去る。明らかにさっきまでの馬狼の動きではない、まさに覚醒中の挙動だ。

 

 

(視える……感じるぜ……!! 敗北を知ったからこそ視るべきは……主役に託す確かな道筋(ルート)じゃなく……不確かでも俺のゴールのために存在するこの邪道!!)

 

 

「行かせないよ、王様(キング)!!」

 

「またお前かクソ(プリンセス)!!」

 

 

 最後の砦、姫宮依桜が馬狼の前に立ちはだかった。恐らく彼に黒名と玲王を抜き去るのに使用したチョップフェイントと鋭角ドリブルは通用しないだろう。だが突破点はある……最後に喰うべきは、あの悪魔だ。

 

 

「こっちだ、出せ馬狼!」

 

(……やばい、潔に出されたら負ける……! いや、ここまで来たら出さないでしょ……! でも万が一出されたら……ダメだ、ちゃんと視なきゃ……どっち……パスかドリブルか……どうやって防げばいいの……教えてよ……透子…………)

 

 

 依桜が潔に気を取られたその瞬間、瞬き1回も満たないその時間で勝敗は決した。馬狼に視線を戻した依桜は眼を見開くことになる。

 

 

「え……ボールは?」

 

 

 馬狼の足元からボールが消えていた。否、依桜の視線から上手く消していたのだ。依桜が潔に気を取られた僅かの間に、ヒールリフトで彼の頭上にボールを上げた。不意をつかれて抜かれてしまった依桜を通り過ぎ、馬狼がシュートモーションに入る。

 

 

馬狼(コイツ)、さっきまで何も出来てなかったのに……! 潔を喰ってエサに使った……! なんで……そんな風に変われるの……!? ボクと何が違うの?)

 

 

 シュートを放つ馬狼を見る依桜の目から光が消えていく。潔だけではない、凪にも馬狼にも、この試合で進化していく彼らに付いていけるほどの力が自分にはなかったのだと痛感したのだ。

 

 

(脇役なんかで終わるかよ!! 潔・凪(お前ら)が主役なら、俺はその光を喰らう悪役にでもなってやる!!)

 

 

「すっげぇ……」

 

「おかえり王様(キング)

 

 

 悪役として戦場(フィールド)を喰い返した馬狼。彼のシュートはゴール右上に確実に突き刺さった。その瞬間、試合終了を告げる笛が鳴り響く。

 

 

青い監獄(ブルーロック) 二次選考(セレクション) 3 VS 3

 

 

勝者 TEAM・WHITE!! 潔 凪 馬狼!! 

 

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