チピチピチャパチャパドゥビドゥビダバダバ〜♪
……( ゚д゚)ハッ!
見なかったことにしといてください……マイクの電源付いてた……
てことでどうも、前回の続きからやっていきます。前回はレギュラーを賭けたゲームに見事勝利したところで終わりましたね。いやまぁこっち兄ちゃいるし勝率は90%以上なので当然っちゃ当然なんだが。
つーわけでレギュラー確定完全勝利ってわけなんですが……ちょっと面倒なことになっておりまして……まぁ言うより実際に見てもらった方が早いですよね。
「キメェんだよ、カマ野郎が……!」
「あの暴力野郎と一緒に帰りやがれ!」
「…………」
んまぁ……やはりU-20代表、特に控えの選手からはあまりいいように思われてないようでして、いじめ紛いなことを受けております。ウチの依桜くんに何してくれとんじゃレギュラーにもなれないゴミ共! と思うんですけどマジでどうしよ……
今なんてバケツで水ぶっかけられましたからね、やるにしても度が過ぎてるし……依桜くんか弱いから反撃もできないしなぁ……そもそも複数人で来てるから勝てるわけないし
“こういうのたまにいるんだよね……もう慣れたけど、やってる事超ダサいの気づいてないのかな? ”
「何とか言えよクソ野郎!」
「……試合に出れないからって自分より弱そうな相手に八つ当たりするのってさ……超惨めだよね、クソ野郎さん」
「……ッッ! てめぇ……ふざけんな……!」
「なにやってんの?」
あ、愛空くん! さすがにやり返したろうって思ったけど助けてくれるんか!? 振り上げた拳を掴んで止めるのカッコよすぎな!
「あ、愛空……」
「……
「結果をフィールドで出せと言ったのは俺だ。そして
「……すまん」
おお……愛空くんが追っ払ってくれた。てことは向こうからの好感度は悪くない? なら愛空くんにメタビ覚えてもらおうのコーナーは上手くいくかも?
「ウチのが悪かったな姫宮。ほら、これ使えよ」
「……ありがと」
自然とタオルを渡してくれる愛空くんマジいい男。いや浮気性で女癖悪いからこそなのか?
「ボクこんなだからさ、思いつきそうな嫌がらせは一通り受けてきたんだよね。だから平気、あんなの気にしてないから」
「ハッ……いらん心配だったか」
“中学までは透子がいてくれたからいいんだけど……高校入った時は酷かったからね。だからこんなのは慣れっこだ。
ああ、そういえばナチュラル口悪い人ばっかりだけど変人多すぎて依桜くんだけが浮いてる感じなかったですね。エゴイストばっかりだから人をバカにしようみたいな発想がないのかも。
「で、ボクになんの用? わざわざ助けに来てくれたの?」
「まぁ、それもなくはないけどな。サッカープレイヤー同士の用事って言えばこれだろ」
お、ボールを投げ渡してきた。これもしかして一緒に特訓するイベント的なやつ? よっしゃ、なんだか知らんが手間が省けたぜ!
「昨日の試合じゃお前とはやり合えなかったからな。
「……いいよ、ちょうどストレス発散したかったトコだし」
んじゃま、愛空くんと特訓してきましょう。経験値結構入るはずだしウマ味ウマ味。ついでにメタビ教えときたいですね。(そんな簡単なモンじゃない)
「おっそいよ髭面キャプテン」
「やるじゃねぇか
“愛空の眼の使い方……世一とかりんりんに近いかも。それに……透子にも”
お、依桜くんも気づいたか? 愛空くんがメタビ覚えてくれるだけで守備の安定度が段違いですからねぇ……是非ともマスターして欲しいところ。
「ねぇ、ディフェンダーってやってて楽しいもんなの?」
「ん? なんだその質問、そんなこと気になんのかお姫ちゃん?」
「ボクも一時期はディフェンダーやってたから……全然楽しくなかったけど」
「なるほどな……ま、そりゃ楽しいぜ。敵のエースを潰す瞬間ってのはゴールを決めるのとはまた違った快感ってやつが味わえるからな」
「……ふーん」
ありゃ……メタビご教授路線かと思ったらそっち行くのね。まぁ十中八九依桜くん次の試合で覚醒するだろうからそこへの前フリかな? これで覚醒しなかったら笑えない。ネオエゴ編でもトラウマに縛られるのは勘弁だからね。
「つーかお姫ちゃんもディフェンダー経験あんのね。俺も元はフォワードだけどディフェンスにコンバートしたのよ」
「へぇ、なんでフォワードやめちゃったの? 絶対ゴール決める方が気持ちいいのに」
「そりゃまぁ……あれだ。クソみたいな日本サッカー特有の同調圧力? ま、押し潰されちまった俺が未熟だっただけの話よ」
“……そっか、この人も同じなんだね。ボクと同じ……周りに合わせるのが賢いみたいな、『普通』ってやつに縛られてた”
お、このモノローグは愛空くんに共感してる感じ? いいよ、どんどん好感度上げちゃいな、話が若干暗いのは気になるけど。
「あんだよ黙りこくって……はは、だせえって笑ってもいいんだぜ?」
「笑わないよ、ボクも似たようなモンだし。話聞かせてくれてありがと、お礼にボクもイイこと教えてあげる」
「イイこと? 悪いが俺はそっちには興味ねぇぞ」
「バーカ、ボクだって髭ジジイより可愛い子の方が好きだし。必殺技教えてあげる、多分アイクンにも使えると思うんだけど」
お、依桜くんによるメタビ習得講座が始まったぞ! 使い方はわかるけど自分では使えない依桜くん可哀想だけど可愛いね!
「
「名前付けたのボクじゃないし! 潔世一って人!」
「へぇ、どんな奴なんだ? その潔世一ってのは?」
「……どんな……? サッカー魔王? それか主人公?」
「なんだそりゃ」
サッカー魔王は草。まぁだいたい合ってんですけど。てかメタビって作中でも厨二臭い判定なんや、てことはひおりんとかに言ってた時も内心引かれてたり? 哀れ世一。
「じゃ、ボクはそろそろ戻るよ。なんか眠くなってきたし」
「おうよ、付き合ってくれてサンキュな」
んじゃま、そろそろ練習切り上げて部屋に戻りましょか。休息大事、悟空さも言ってたしね。
「……逃げるな」
「! さえち?」
“廊下の途中でいきなりさえちに話しかけられた。びっくりして変な声出ちゃった”
「逃げるなって……何?」
「俺がお前を指名したのはお前に世界一のストライカーになる素質を見出したからだ。だが今のお前じゃ一生無理だ、少なくとも逃げ続けてる今のお前じゃな」
「だから逃げるって何から……?」
「じゃあな」
「ちょ……!」
ん、兄ちゃとのイベントが発生しましたがなんのことかわかりませんねぇ。にしても世界一のストライカーになる素質……さすが依桜くん! だけど今のままじゃ無理……やっぱトラウマを克服しなきゃってことですかねぇ。
「……逃げてないし」
“自分の部屋に戻って力なくベットに倒れ込んだ。さえちの言葉が頭から離れない”
お、イベント始まりましたね。んじゃま、ちょっと見てみましょうか。
♦♦♦♦♦
──透子が死んでからしばらく、ボクの記憶は曖昧だ。ただ透子が死んだという事実が受け入れられず、涙を流すこともなく呆然と無気力に日々を過ごしていた気がする。だけど数ヶ月した頃には何とか日常生活を送れるようになってた。辛かったけど、透子がいなくても時間は止まってくれない。
ボクは透子のことを忘れた日は一度もなかった。透子の周りにはいつも友達がいたし、みんなも透子のことを忘れることはないと思ってた。でも──
「瀬名の件は残念だ。だがいつまでも引きずっていてもしょうがないだろう」
サッカー部の皆も監督も、透子のことを忘れようとしてた。透子のお母さんでさえ……
「実はね……お腹に赤ちゃんがいるの。新しく家族三人で……わかるでしょ?」
なんでみんな、透子を忘れようとするの? 最初はそんな風に納得できなかった。だけど、別に透子だけじゃない。どんな有名人でも、歴史的な偉人でも、死んだ人間はいずれ忘れられる。おかしいのはみんなじゃなくて、透子を忘れないようにもがいてるボク?
じゃあボクも透子のことを忘れて生きることが正解ってこと? 透子のことは誰の記憶にも残らない、透子のプレーもW杯優勝って透子との夢も全部。でもそんなの、到底受け入れられない。
その日からボクは透子のプレーを受け継ぐことだけを考えた。監督に無理言ってディフェンスに転向して、透子のプレー映像を何度も見た。中三の時の大会の戦績は振るわなかったけど、それでもディフェンダーとしての実力が上がってるのは感じられた。
「姫宮依桜です! よろしく! ……こんな感じ?」
透子のプレーを真似るにはまずは透子の性格を再現しようと思って、髪型を透子に寄せてみたり透子みたく明るく振舞ってみたりもした。ちょうど高校に入学する時期だったので、いい機会だった。
「ね、姫宮くんって変だよ」
「普通にしてればいいのにね」
だけどボクはここで自分がどれだけ世間からはみ出しているかを思い出すことになった。今までボクが小学校、中学校で受け入れられてたのは透子のおかげだ。人気者の透子の親友だから、みんな言わなかっただけ。そのメッキが剥がれればこうなることなんて予想できたはずなのに。
「キメェんだよ、二度と部活来んじゃねぇぞ!」
「……」
特に部活だと完全に異端者扱いだ。クラスには友達くらいいたし、周りの人達も陰口くらいで直接何かをしてくることはなかった。だけど部活じゃ水をかけられたり物を盗られたり隠されたり、それが当たり前だった。
「こんなとこで躓いてちゃダメだ……透子なら、こういう時にどうするだろ?」
透子ならこんないじめに屈したりしない。戦って、自分の居場所を守るはずだ。透子のいないボクは弱くて惨めな異端者だ。戦うのだって怖い、だけどやらなくちゃ。
「何とか言えよカマ野郎!」
「……じゃあ、ボクと勝負しようよ。ここはサッカー部だよ? サッカーで優劣付けないと」
「は? なんでお前なんかとそんなこと……」
「あ、無理か。ボクがサッカー部で一番上手いもんね、サッカーじゃ勝てないからこんなことするんでしょ?」
「ッ……!? ざけんな、やってやるよ!」
自分のストロングポイントで勝負して打ち勝つ、それが透子のやり方だ。サッカーというボクの強みで相手に勝つ。
「クッソ……!」
「はいボクの勝ち。これでボクの方が上だって証明されたし、これからよろしくね岡ちん!」
よし、やれる。ボクは透子と同じように強くなれる。あとは透子のプレーをもっと再現しなきゃ。透子みたいに強く、強く。
「最近、サッカー楽しくないな……」
高2になって、少しは透子のプレーに近づいてきたと思うけどサッカーは楽しくなかった。ストライカーとして透子と一緒にやってた時はもっと楽しかったのに、今ではそんなことを全く思わない。
「やっぱり透子がいないと……ん?」
施設に帰ってきたボクの部屋に、一通の手紙が置いてあった。気づいたボクはそれを手に取り、そして封を開けた。
「日本サッカー……何コレ?」
この時かもしれない、ボクの運命が大きく変わったのは。最初は軽い気持ちで手紙の招集に参加したけど、現れた絵心の言葉にボクの心は大きく揺さぶられた。
──己のゴールを何よりの喜びとし、その瞬間に生きるストライカー。
ボクのことだと思った。今までのボクそのものだ。だけど、今この昂りには蓋をしなきゃいけない。透子のために、透子の夢のために。
「行くよお姫ちゃん、そろそろ時間だ」
「うん、今行く」
ブルーロックに来て、ボクは思い出した。ボクは普通って言葉が嫌いだった。他人を自分の枠に当てはめてコントロールしようとする奴らが。だからボクは普通に縛られない、普通じゃない方がいいサッカーフィールドにいる時は居心地が良かった。特に点を決めた時は天にも登るくらい最高に気持ちいい。ボクにとってフィールドは最高のおもちゃ箱だった。
「さぁお前ら、ケツの青い子猫ちゃん達と遊んでやろうや」
「ふん……」
「テンションブチアゲ⤴︎⤴点を決めるの俺オンリーな♪」
だけど透子への思いは捨てきれない。ボクはまだ迷ってる、さえちが逃げてるって言うのもわかる。だからこの試合でボクは決めるんだ、自分のありのまま、ストライカーとして生きるか……それとも透子の意志を継いでディフェンダーとして生きるか。
「あ、来たきた!
「あれが糸師冴……」
「ケッ……! すっかり馴染んどるやないかいお二人さん」
「血湧きオシャ躍る」
整列する両チーム。ブルーロックVS日本代表、ボクらの運命を決める戦いが始まろうとしていた。入場すると眩いくらいの光と耳に響く大歓声が場内を包んでいた。
『さぁ日本国民注目のこの一戦! いかがですか夏木さん!』
『いやぁサイコーですねぇ! なんたって糸師冴が出るんだもんね! 世界が注目しているよ!』
『それではこちらが両チームのフォーメーションです!
U-20日本代表 フォーメーション
迷ってばかりの人生はもう終わりにする。ボクは今日ここで、全てを決める……!
U-20日本代表VS
KICKOFF!!!
新英雄大戦 依桜君に選んで欲しい国は?
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ドイツ
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イングランド
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スペイン
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イタリア
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フランス