〖ブルーロックRPG〗実況プレイ   作:マルメロ

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おかわりあげる

 

 

『さぁ! 三点のビハインドの中青い監獄(ブルーロック)! ここで三枚の交代カード全てを切ってくるようです!』

 

『戦況は完全にU-20に傾いてるからねぇ。流れを変えるなら今しかないという判断でしょう!』

 

 

黒名蘭世 蟻生十兵衛 蜂楽廻 OUT

 

 

馬狼照英 國神錬介 雷市陣吾 IN

 

 

 

青い監獄(ブルーロック) Newformation

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「ようこそキング、戦場へ」

 

「一点決めてから戦死してるのかクサオ? 俺にパス出しとけ」

 

「絶対嫌だし」

 

 

 潔の提示した馬狼の投入だけでなく、更に二人の選手を入れ替えるという絵心の判断。それが正しいのか、それとも愚策なのか。少なくとも状況を一変させる要素が何か必要なのは確かだが。

 

 

「死んでも逆転するぞ潔。青い監獄(おれたち)はこんなところじゃ終われないからな」

 

「ああ、頼りにしてるぜヒーロー」

 

 

 拳を合わせ、互いを鼓舞し合う潔と國神。点差は3点、残り時間は20分程度しかなく苦しい状況だ。だがやるしかない。

 

 

「クソ……俺はまたこんな役回りかよ」

 

「ええやん、適材適所やでストーカーくん」

 

「うるせぇな害鳥! 俺はセクシーフットボーラーって何回言やわかんだよ!」

 

 

 そして蟻生と代わりセンターバックで出場する雷市。ディフェンダーというのは気に食わないが、どうせやるならと意気込みを強くする。チームとしてのフォーメーションも変わっており、烏を真ん中に置いた3バックの形だ。

 

 

「この布陣は……全く練習していないですよね? 大丈夫でしょうか?」

 

「うんまぁ、馬狼照英の投入は元より考えてた策だし試合を投げるつもりもない。ただ想定外だったのは……アイツらの熱が俺の想定を遥かに上回る程育ってたコトだ」

 

 

 即興で考えた練習不足のフォーメーション。アンリが不安を口にするのも当然だが、絵心は淡々としながらも芯のある声で言い切った。

 

 

「黙って見てろ……今のアイツらなら作れるかもしれない。世界で一番フットボールが熱い場所を……!」

 

 

 絵心の望むエゴイスト達は確かに戦場に立っている。この劣勢を覆し、日本サッカーを変えることのできる、ストライカーの誕生を絵心は予感していた。

 

 

(……この眼の使い方。エグいくらい強いけど、体力の消耗激しすぎ……!)

 

 

 そして日本代表陣営、依桜は流れ出る汗を拭いながら息を整えていた。全ての動きがスローモーションに見える。試合中に編み出した新しい眼の使い方、確かに強力だがその反動は大きく、依桜の体力をどんどん削り取っていくのだ。

 

 

「ちょっ……! 姫宮くん大丈夫? ほら、これ飲んで!」

 

「ありがとおいなりちゃん」

 

 

 どうやら客観的に見ても消耗がわかるようで、狐里が気を使い水の入ったボトルを渡してくれた。一気に飲み干し、ボトルをフィールドの外に投げ捨てた。

 

 

(どうしよ……あと20分持つかな? 一旦体力回復に専念して……)

 

 

 試合時間を考えれば一度動きを緩めて休憩した方がいいのかもしれない。その方が合理的だろう、しかし依桜はその考えをすぐに頭から外した。

 

 

(って……! なに弱腰になってんのボク! 今こんなに楽しいんだから、体力なんて気にしてる場合じゃないでしょ!)

 

 

 そう、体力の限界が近いから手を抜くなど今は考えたくない。途中で力尽きれば自分はそれまでの選手だっただけのこと。限界のその先に挑戦することを依桜は決意した。

 

 

(あと1点……いや2点! 世一にリベンジして、青い監獄(ブルーロック)に勝って、世界中にボクの存在を認めさせてやる!)

 

 

 ハットトリックを達成したからといって依桜は満足しない。世界に自分の存在を知らしめるその時まで、依桜は戦い続けるのだ。

 

 

青い監獄(ブルーロック)のキックオフで試合再開! 果たしてこのままU-20の圧勝で終わるのか! それとも青い監獄(ブルーロック)が一矢報いるのか! 一時も目が離せません!』

 

 

 ホイッスルと共に試合がリスタート。フォーメーションを変え、攻撃に全ての力を注ぐブルーロックイレブンは早々に中央から攻め上がってくる。

 

 

(……! 相変わらず凛・潔(あの二人)中心の攻撃! 馬狼(アイツ)は使わないのか?)

 

 

 交代で出てきた馬狼を含めたサイドの攻撃を警戒していた颯は先程までと同じパターンの攻撃に少し驚く。しかしそれならそれで同じように潰すだけだ。

 

 

(糸師凛には仁王が間に合う……より危険なのは、潔世一(11番)!)

 

 

 真ん中、氷織からのパスを警戒する。カバーが間に合う凛は仁王に任せ、颯は潔へのチェックをきつく動いた。

 

 

(反応がワンテンポ遅れた……! 奪える……!)

 

 

 迫り来る颯への反応が遅れた潔へのパスを阻止しようとする。しかしその時彼の視界に飛び込んできたのは、全く予想できないジョーカーだった。

 

 

「……!」

 

馬狼(コイツ)……! 俺より先に仲間から奪いやがった……!?)

 

 

 潔へのパスをカットしたのは颯でもU-20の誰かでもなく、チームメイトのはずの馬狼。その意味不明な行動に困惑し、颯はワンテンポ動き出すのが遅れてしまった。

 

 

(なんなんだコイツ……! 意味不明……!)

 

「だよね! そう来ると思ったよバロリん!」

 

「チッ……!」

 

 

 だがその動きを読んでいたのか、素早く依桜がフォローに入る。卓越した技術を持つ馬狼だが、今の依桜を相手に1on1はさすがに厳しいものがある。

 

 

「テメェFWだろうが! いちいち戻ってくんじゃねぇクソプリンセス!」

 

「悪いけど今のボクにポジションとか関係ないから!」

 

 

 悪態をつきながらも、チョップドリブルで依桜をかわそうとする。しかし依桜はその高等テクニックにも難なく付いてくる。そして隙を突かれ、ボールを弾かれてしまった。

 

 

「いいぞ馬狼、その悪役独演(ヒールムーヴ)が欲しかった」

 

「世一……!?」

 

「テメ……ヘタクソ……!」

 

 

 こぼれ球を横からかっさらって行ったのは潔。恐らく依桜と馬狼がマッチアップした瞬間からこの流れを読んでいたのだろう。何にせよ、厄介な依桜を置き去りにすることに成功したのだ。

 

 

(俺を喰おうとする馬狼の動きを喰い返す……! そして最後は……俺のゴールで勝つ!)

 

「面白い切り札だな……潔世一」

 

「……!? 糸師冴……!」

 

「このチームの中心はやっぱりお前だったか」

 

(マジかコイツ……完全に抜け出したのに読んでやがった……!)

 

 

 馬狼を利用して依桜の裏に抜けた潔だがそこに冴が割り込んできた。愛空や仁王が来るのは想定していたが、冴の出現は完全に想定外だ。

 

 

「こっち出せるで潔くん」

 

「氷織……! ナイス!」

 

 

 しかし今度は氷織のフォローが間に合った。横を並走する氷織に一旦預ければ、ボールロストを防ぐだけでなく攻撃の幅も格段に増える。

 

 

「おっと、視えてんぜ同じトコ……!」

 

「……! マジか、これでもダメ?」

 

 

 潔が出したパス、それは愛空にクリアされてしまった。依桜をかわしたとしても冴や愛空に守られては鉄壁の守備であることに変わりはない。そのままボールは前線の閃堂へと渡った。

 

 

「ホラ、出せ出せコバンザメ」

 

「わかってるっての! 決めろ速攻!」

 

 

 そして閃堂からの長いパスが士道に出される。精度は申し分ない、冴程ではないにしろ良いパスと言っていいだろう。

 

 

「やれば出来んじゃんグラドル小僧♪」

 

「やらせねぇよ発情悪魔!」

 

「……!? テメ……!」

 

 

 ドンピシャにパスに合わせた士道だが、突っ込んできた雷市に妨害されボールをロストしてしまった。しかしまだ攻撃は止まっていない、誰かが拾えば再びチャンスとなるだろう。

 

 

サクサク進める。これカウンターの基本ね。行け女王様

 

「使えるじゃんハヤテちゃん♡」

 

 

 こぼれ球を拾った颯が今度は逆サイドの依桜にパスを出した。ここを守るのは柊のみ、彼を抜けばあとはキーパーとの1on1。

 

 

「オラァ!!」

 

「うぇ……!? ライチん!?」

 

 

 だがその刹那、なんと雷市が突っ込んできた。何とか既のところでボールはキープしているが、さっきまで彼は士道の方にいたはずだ。流石に依桜もこれには驚いた。そんな依桜を尻目に、雷市は絵心から伝えられた指示を回想していた。

 

 

『雷市陣吾、お前がなぜこのタイミングで投入されるのかわかるか?』

 

『ああ? どういうことだよ?』

 

『お前の役割はただ一つ、インプレー中は絶対に足を止めずに士道龍聖と姫宮依桜を妨害し続けろ。ボールを持っている方を絶対にフリーにするな』

 

『シャトルランみたくアイツらの間を走り回れってことかよ!』

 

『そうだ、ボールを奪うことに固執しなくていい。とにかくアイツらを自由にさせるな』

 

 

 士道と依桜、ボールを持っている方に走り続けろ。言うのは簡単だがフィールドの左右にポジショニングしている二人を往復するなどやっていることはシャトルランと変わらない。普通は残り後半20分、体力が持つはずなどないのだが雷市の持久力ならもしかするかもしれない。そう絵心は判断したのだ。

 

 

「やってやるよ! シャトルランディフェンス!」

 

「汗臭いんだけど……!」

 

「いいですよ雷市クン……ナイス足止め!」

 

 

 雷市が稼いだ時間を利用して柊が依桜のボールをカットし前線に蹴り出した。そのボールは潔へと渡る。

 

 

(そうか……確かに全力疾走で走り続けるなんていくら雷市でも無理だけど、残り時間20分、それも士道と姫宮の体力が少なからず減ってるこの状況なら……雷市が走り回って妨害してる間に烏や柊がフォローに入れる)

 

 

 一連の流れを見て潔は考える、確かに残り時間も少なく3点差のこの状況、ディフェンスに人数をかけれない中失点のリスクを減らすならこれが最適解だろうと。

 

 

(守備は完璧……とまでは言えないけどアイツらに託すしかない……時間もない……このカウンターで仕留める……!)

 

「貰うぞヘタクソ!」

 

「……!?」

 

 

 思考を回しながらカウンターの形も考えていた潔。その横から再び馬狼がボールを奪っていった。多少驚いた潔だが、これもありだとすぐにこれからの形をイメージする。

 

 

「お前は合理性などなくただ潔世一に固執したプレーをする。初見じゃ意味不明だが二度目は通用せんぞ剃りこみジョーカーよ」

 

「チッ……!」

 

 

 しかし馬狼の意味不明なプレーも二度目となればU-20のディフェンス陣は対応してくる。蛇来をチョップフェイントで出し抜くが、それは想定内。時間を稼いだことで依桜が来るのだから。

 

「馬狼、出せこっち!」

 

「クッ……! 貸し1だぞクサオ!」

 

「わっ! パス出すんだバロリん」

 

「潔以外にはな……! 吐くほど嫌だがこのままテメェのウロチョロに付き合うよりマシだ!」

 

 

 依桜にボールを奪われそうになる馬狼。そこに現れた凪に嫌々ながらパスを出す。想定外の連携にゴール前はごちゃごちゃ、崩すなら今だ。

 

 

「訳わかんねぇなコイツら……!」

 

 

 凪のトラップと馬狼の突進力を生かした攻撃で仁王を出し抜く。しかし音留が来ているし愛空もいる、この連携を続けていてもゴールは生まれないだろう。

 

 

(あ……いるね。やっぱムカつくくらい合理的)

 

「出せ凪……!」

 

 

 ごちゃつく敵味方の裏を抜けてゴール前に走る潔。それを見ていた凪は馬狼へのパスと見せかけたフェイクで隙を作りつつ、ドンピシャの場所にラストパスを出す。

 

 

「ナイス混沌(カオス)

 

「いい切り札じゃねぇか。好きだぜこういうどんちゃん騒ぎ」

 

 

 ダイレクトシュートの体勢に入った潔。しかし彼の前に愛空が立ち塞がりシュートコースを塞がれてしまった。これでは得意のダイレクトシュートが使えない。

 

 

「だが主役はやれねぇな」

 

「ああ、わかってたぜオッサン」

 

(……!? コイツ……ダイレクトシュートをフェイクにバックヒールパス!?)

 

 

 しかしそれすら潔の思考の内だった。ダイレクトシュートの動きを囮にバックヒールショットでボールをペナルティエリア外へと放り出した。その予想外の動きに全員の動きが一瞬止まる。ただ一人を除いて。

 

 

「いるだろ? 撃ち抜けヒーロー」

 

「ナイボ潔」

 

 

 PA外、密集地帯を抜ける國神の左足無回転ミドルシュートが放たれた。威力、精度共に完璧と言えるシュート。キーパー不角も反応しきれておらず、確実に入ったと思われたが。

 

 

「やほ♪」

 

「……!?」

 

 

 なんとそのコースには依桜がいた。國神の超威力無回転ミドルを見切ったのだ。流石に完璧に収めることは出来ないだろうが、ライン外に弾けばリスタートにできる。

 

 

「かかったなクソ女王」

 

「……え?」

 

 

 だが依桜が國神のシュートを弾こうとしたその時、更にその前に潔が入ってきた。その狙いが分からず、依桜は困惑する。

 

 

「ステーキ半分な潔」

 

「最高だ國神」

 

(まさか……ボクがさえちとやったプレーの再現!?)

 

 

 潔の右足が國神のシュートを捉える。前半のラストゴールになった冴のシュートを依桜がそのままゴールに叩き込むというスーパーゴール。それを國神の無回転シュートと潔のダイレクトシュートで再現したのだ。

 

 

「くッ……!」

 

 

 潔のダイレクトシュートはゴール右隅に突き刺さり、ブルーロックは一点を返す形となった。まだ二点差ではあるが、このゴールの価値はとてつもないものだろう。

 

 

「どうだ……喰ったぞ姫宮……!」

 

「へぇ……やってくれるじゃんヨイチッチ」

 

 

 潔の眼に宿るエゴの炎は依桜の心臓にも火を灯した。二人の間でバチバチと散っている火花を沈められる人間はこの場にはいない。

 

 

「奪られたら奪り返す! 倍返し攻撃♪」

 

 

 リスタートと同時に依桜はゴール目掛けて走り出す。パスは冴が出してくれるし、もし上手くいかなくても戻ってボールを奪えばいい。カウンターならお手の物だ。

 

 

「ホラさえち、ドデカいのよろしく♪」

 

「黙って走れねぇのかお喋り女王(クイーン)が」

 

 

 冴のロングパスを要求してペナルティエリア前まで前進する依桜。しかしブルーロック側もそれを黙って見過ごすはずがない。柊が依桜のシュートコースを遮断すべく道を塞ぐ。

 

 

「タロット占い第二ラウンドやる?」

 

「やらないし。カード拾ってなペテン師ポニテ」

 

「行かせるかっての!」

 

「うわライチんも来た!」

 

 

 士道の方にいた雷市も依桜の方に駆けつけてくる。状況は2VS1、それでも依桜は怯まない。

 

 

「じゃよーいドンね。ボクに追いつける?」

 

「クッ……!」

 

「クソ! 細いとこ抜けてきやがる!」

 

 

 柊と雷市が入れ替わる一瞬の隙を見逃さない。彼らの間の細い隙間を通り抜け、依桜はゴール前に抜け出した。そこにはいつの間に出したのか冴のパスが飛んできていた。

 

 

「あ、来てる来てる♪ ボクのイイトコ!」

 

「ぶち抜けストライカー」

 

「このコースは視えてんだよ天才が……!」

 

 

 だが依桜の横に潔が走ってきている。冴のパスコースを読み切り、シュートブロックに来たのだ。今振り抜けば確実に妨害されてしまう。

 

 

(今一番熱い人間(ストライカー)にパスを出す。それが糸師冴の主人公感……! ココだろ、今一番熱い場所は!)

 

「まだ喰い足りないカンジ? だったらいいよ喰いしん坊(エゴイスト)

 

(咄嗟のオーバーヘッド!? ……いや、顔面でもどこでもいい……! 飛び込んでブロック……!)

 

「おかわりあげる♪」

 

(右はフェイク……!? マジか……オーバーヘッドでシュートフェイント……からの左ダイレクト!?)

 

 

 右足でオーバーヘッドシュートを撃つと見せかけ、わざと空振り左足を振り抜きボールに叩きつける。タイミングをズラされた潔のボディブロックを越え、我牙丸も反応出来ず依桜のシュートはゴールネットに突き刺さった。

 

 

「ホラ、ちゃんと完食してよ。ストライカー?」

 

「クッッソ天才女王様が。喰い応えあるじゃねぇか……!」

 

 

 依桜の挑発に潔はニヤリと笑いながら答えた。二人のエゴイストの戦いはまだ終わらない。試合終了のホイッスルが鳴るまで、終わるはずがなかった。

 

 U-20日本代表VSブルーロック。7-4、試合終了まであと15分! 

 

新英雄大戦 依桜君に選んで欲しい国は?

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