〖ブルーロックRPG〗実況プレイ   作:マルメロ

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終幕

 

 

『うぁーっと糸師凛! 自らゴールを目指し爆走します!』

 

「凛くん?」

 

「暴走かよ下まつ毛!」

 

 

 潔からボールを奪い、一心不乱にゴールを目指す凛。その豹変具合に敵味方双方が驚いた。

 

 

「凛! 一人じゃ無理だろ! こっち使え!」

 

(うっせぇなクソ潔……死ねよゴミ野郎が……!)

 

「……!? 凛……?」

 

 

 潔の言葉など意に返さずフィールドを駆け抜ける凛。せっかくのカウンターチャンスだというのにわざわざ遠回りする凛の動きを誰も予想できない。

 

 

「わざわざ来てくれた? ベロ出てるよお行儀悪い」

 

(消えろツンツンチビ……てめぇの武器はスピード……その加速を利用して……逆への加速でぶっ殺す……!)

 

「うへ……!?」

 

 

 音留が指摘したように今の凛はベロを出し、ヨダレを垂らすという普段のクールな彼からは想像できない状態だ。しかし凛は気づいていないのかどうなのか、音留を潰すと次は蛇来の方へと走っていく。

 

 

「なんじゃお前……次はワシか?」

 

(鏖だよタトゥ坊主ハゲカス……てめぇの武器は裏抜け……そのステージに乗ってぶち殺す……!)

 

 

 並走する潔にボールを預けると凛は蛇来の裏に抜ける動きを取る。そして潔からのパスが来るタイミングで蛇来の反転を防ぐハンドリング。彼の武器は完全にへし折った。

 

 

「クッ……! 頼む仁王!」

 

「おおよ! 売られた喧嘩は爆買いじゃあ!」

 

(殺すコロスコロス……! 脳筋プレスノータリンオヤジ……! 餌をくれてやるよゴミクズ……!)

 

(コイツ……!? わざと蹴り出したな……だが、俺の体幹の前に小技は無価値!)

 

(バカが……散れオッサン)

 

 

 仁王のフィジカルを利用して低い位置から潰すスタイル。仁王を弾き飛ばすと凛は更にゴール目掛けて爆走する。

 

 

(あれは俺の知ってる凛じゃない……糸師冴の美しく壊すサッカーとは真逆の醜く壊すサッカー!)

 

「それがお前の本質(エゴ)かよ……歪んだ性癖してんなぁ天才の弟ちゃん……!」

 

(あと……一体!)

 

 

 ラスボス、愛空との1on1。メタ・ビジョンを覚えた今の愛空を倒すのは簡単ではない。しかし凛は突っ込んでいく、その行動には確かな勝算があった。

 

 

(俺が抜かれたら終わるな……姫宮が戻ってくるまで時間稼ぐか?)

 

「コロス……コロス……!」

 

「ハッ……! そんな暇くれねえってか異常性癖者(エゴイスト)! いいぜ、受けて立つ……!」

 

 

 依桜が戻ってくるのを待ち二人で挟むのが安定策。しかし凛の気迫、そして何より愛空のサッカープレイヤーとしてのプライドが彼にタイマンを決意させた。

 

 

(ひりつくぜ……分析しろ、俺の勝率は…………あ?)

 

 

 数段凶暴なプレーに変化した凛の力を分析する。優れた解析能力を持つ愛空だから成し得る精度だが、そんな彼の直感が告げた。

 

(俺でも……勝算0(勝てねぇ)じゃねぇか……!)

 

 

 今のメタ・ビジョンを搭載した愛空でも勝ち目がない。それほど凛の破壊衝動は増大していたのだ。しかしだからといってやすやす道を譲る訳にいかない。勝機がないなら、生み出せばいい。

 

 

「来いよ、お前が日本を変える本物の英雄(ストライカー)なら……俺が最後の砦だ……!」

 

 

 凛と愛空がマッチアップする。シュートコースを探す凛とそれを遮断する愛空。シュートフェイクや強引なハンドリングを使って愛空を抜こうとする凛だが、愛空は紙一重で喰らいついていた。時間にすればほんの数秒、しかし世界クラスの技術がぶつかり合ったその対決を制したのは凛だった。

 

 

「ぐちゃぐちゃ……死ね髭オヤジ」

 

「……!?」

 

『抜けた……! オリヴァ・愛空をも突破し、糸師凛! キーパーと一対一……!』

 

「あっは♪ 最高じゃんりんりん! ボクも交ぜてよその遊び!」

 

 

 愛空を突破した凛の前に依桜が立ち塞がる。奇しくも愛空が善戦したおかげで依桜が間に合ったのだ。この試合の結果を左右するであろうマッチアップが今始まる。

 

 

(しゃしゃり出てくんな……てめぇも潔と同じくらい気持ち悪ぃんだよ……! クソビッチゴミ売女……!)

 

「ホント楽しすぎこのフィールド(玩具箱)! ま、最後はボクが全部遊び壊してあげるけど!」

 

 

 姫宮依桜VS糸師凛

 

MATCH-UP!! 

 

 

 愛空の相手の先を読むディフェンスと違い、依桜は相手のやること全てを見てその上から封殺するディフェンススタイル。故に相手の読みや思考を問答無用で潰せる後出しジャンケンのようなものだ。それに対し凛は依桜の反応の更に上を行こうとボールを常に動かし続ける。

 

 

(お〜すっご……! 動き見てから潰してるのにギリかわされる。でも……いつまでも続かないでしょ!)

 

 

 伸びてくる依桜の足を凛は間一髪で避け続ける。しかし依桜の思っている通りいつか限界はくるはず。それを凛も理解している。故に一発で依桜を殺す博打の大技に望みを託した。

 

 

「……!?」

 

 

 依桜の視界からボールが消えた。完璧に見ていたはずなのに、一瞬で完全に消失してしまった。だがボールはすぐに現れた、凛の背後、頭上を越えて。

 

 

(ヒールリフト!? そっか……りんりんの身体で行動(アクション)を隠しちゃえば反応しようがない……! でも……!)

 

 

 依桜は身を翻し自分の頭上を越えたボールを追いかける。例え一瞬反応が遅れたとしても依桜の速さがあれば追いつける。それは凛も重々承知のハズ。これは賭けだ、反応が遅れる依桜と凛、どちらが先にボールにたどり着くか。

 

 

「らしくない博打戦法(ギャンブル)じゃん! そーゆーの嫌いじゃないよ!」

 

(黙れ……! てめぇに俺の何がわかる……! 理解者面してんじゃねぇよチョロピンが……!)

 

 

 依桜と凛がボールに飛び込む。動き出しは凛の方が早い、しかし速度は依桜の方が上。二人の足はほぼ同時にボールに捉え、誰にも予想できない軌道でボールは宙を舞った。

 そしてその球は糸師冴(観測者)の元へと舞い落ちる。

 

 

「まだ……ぬるい」

 

「……!?」

 

 

 ──残り時間、あと3分

 

 

「……ヤバ! このタイミングでカウンター!?」

 

「もう一点取られたら終わり……!」

 

 

 糸師冴を起点に反撃が始まる。攻め込んでいたブルーロックイレブンはまだ自陣に戻りきれていない。数的不利な状況だ。

 

 

「激アツ確定!」

 

「クッ……急いで戻れ!」

 

 

 待ってましたと言わんばかりに士道の動きが加速する。それを見た國神が全員に戻るように声を上げるが、後ろからそれを否定する叫び声が届いた。

 

 

「バカか! 戻ってくんなやお前ら! どのみち点取らなきゃ全部終わりなんや! ここはDF陣(俺ら)が死んでも守る! FW陣(お前ら)はゴールだけ見とけボケェ!」

 

「烏……!」

 

 

 残り時間を鑑みれば一秒も無駄にすることは出来ない。守備に人数をかければ失点は防げてもゴールを奪える可能性は低くなる。失敗すれば即終了の賭けだが、やるしかない。

 

 

「時間はあらへん……秒殺やでお前ら!」

 

「わかってらぁ! 足もげても()れよ!」

 

死守(まも)る……!」

 

 

 DF陣3名、そしてキーパー我牙丸がカウンターへの警戒を最大にする。時間を使われたらアウト、速攻奪ってカウンター。勝利への道はこれしかない。

 

 

(来る……狙いは士道くん!)

 

 

 冴からのパスが来る。狙いは士道、それをいち早く察知した柊がその動きのケアに走る。

 

 

「ダリィ」

 

(一旦サイドに……!?)

 

 

 柊が来ていることを確認した士道は一旦サイドにボールを流した。そこに走っている閃堂。しかし彼には雷市が喰らいついている。

 

 

「フシュウ!」

 

「くッ……!」

 

 

 雷市のデュエル能力はブルーロック内でも抜けている。やり合うのは不利と判断した閃堂は冴にボールを戻す。そして即座にペナルティエリア内、再び士道にドンピシャのパスが飛んでくる。

 

 

(士道と糸師冴の動き……両方ケアすんのは不可能や……! 最悪撃たれてでも、コースさえ限定すれば……!)

 

(ナイス烏……お前のプレスでコースが限定されて……触れる!)

 

 

 烏にプレスされてもシュートを撃ててしまう士道の能力。しかし烏のプレーは無駄ではない、彼の妨害により士道が狙えるコースは限られる。士道のシュートはゴール右上へ、それを我牙丸はギリギリのところで触れて弾いた。

 

 

「チッ……!」

 

こぼれ球(ルーズボール)拾え!」

 

 

 我牙丸が弾いたボールは宙を浮きペナルティエリアラインギリギリのところへ落ちようとする。それを拾おうと全員が動いたその時、誰よりも早くこぼれ球に辿り着いた者がいた。

 

 

「5点目もらい♡」

 

(マジか……姫宮(アイツ)……もうここまで!?)

 

 

 凛とのマッチアップからここまで上がってきていた依桜。ボールが落ちるであろう場所に先回りし、シュート体勢に入っている。

 

 

「撃たせねぇ!」

 

「……!?」

 

(雷市くんのプレス……! これで姫宮くんはダイレクトでしか撃てない……! あとはボクがコースを塞げば……!)

 

 

 しかし依桜が撃つ直前、雷市と柊が間に合った。トラップを封じる雷市とダイレクトのコースを塞ぐ柊。八方塞がりと思われたが。

 

 

「じゃあ……こうするまで!」

 

(……!? 右足はフェイク……! 本命は……左!?)

 

 

 右足で撃つと見せかけ、ジャグリングのように右足をボールの上に通し、そのまま飛び上がり左足を振り抜いた。見事なシュートフェイク、柊と雷市を完全に出し抜いてしまったのだ。

 

 

(……終わッ……!)

 

「まだ……終わってねぇし!」

 

「乙夜……!?」

 

 

 動けない我牙丸、完全に決まったと誰もが確信したその時、いつの間にか戻っていたのか乙夜が身を投げ出しシュートを顔面で止めた。

 

 

「拾え烏……!」

 

「最高や忍者……!」

 

 

 乙夜が弾いたボールを確保し、すぐさま前線に送り込む。絶体絶命の窮地を凌いだのだ。

 

 

「決めろや青い監獄(ブルーロック)……!」

 

「言われんでも……!」

 

 

 ボールを確保したのは氷織。パスコースを探している暇はない、最短で最もいい場所に反射し鋭いパスを出す。その先にいるのは潔だ。

 

 

(とにかく時間が無い……! 何としてもこのインプレー中に決める……!)

 

 

 ボールを持ち攻める潔。それを狙ってくる凛と馬狼が動いている。一見合理的でないが、この二人は非常に高い個人技を持っている。相手も警戒せざるを得ない、その隙を突けばあるいは。

 

 

「國神!」

 

「ああ!」

 

うッ……! 

 

 

 國神に一旦預け鬼フィジカルでキープ。その間に裏に抜けてワンツーの形で颯を攻略する。あとはDF陣4枚のみ。最短ルートでゴールへと迫る。

 

 

「行け天才!」

 

「了解、支配者(ゲームマスター)

 

 

 潔から凪へのパスが通る。吸い付くようなトラップでボールを確保したの凪がそのままシュートを放つ。

 

 

「うるァ!」

 

「……番犬(ドーベルマン)!?」

 

 

 凪のシュートは仁王に弾かれてしまった。しかしそれだけでは終わらない、ルーズボールには馬狼が走っている。

 

 

「もらったぜ!」

 

「やらせない……!」

 

「てめ……ツンツン頭!?」

 

 

 馬狼のカーブシュート、完璧な軌道だが今度は音留に防がれた。これ以上点はやらないとU-20DF陣も死ぬ気で守っているのだ。簡単には決められない。

 

 

「ヤバ……ボール拾え! 外に出たら終わりだぞ!」

 

「クリアしろ蛇来!」

 

「クソ……!」

 

「行っとる!」

 

 

 ルーズボールに向かう國神と蛇来。先に着いた方が圧倒的有利、そう思われた時予想外の伏兵がボールに飛び込んできた。

 

 

「忘れてんだろお前ら……ここにもう一人……ストライカーがいるコト!」

 

「我牙丸!?」

 

 

 我牙丸だ。何とキーパー我牙丸までもがゴールを空け攻撃参加してきた。これはさすがに予想外、完全にフリーな状態で放たれたダイビングヘッドシュート。キーパー不角は反応するも届かず、ボールはゴールへと吸い込まれていく。

 

 

「そっちこそ忘れてんな……! ストライカーならここにももう一人いるんだよ!」

 

「閃堂……!」

 

 

 ゴールラインスレスレ、あと一瞬でも遅ければ入っていたところを閃堂が死守した。撃ちあげられたボールはクロスバーに激突しペナルティエリアの外にまで飛んで行った。そのボールを確保したのは凛だ。

 

 

 それと同時に、アディショナルタイム1分を知らせるパネルが提示された。

 

 

「ベロ出してヨダレ垂らすそのクセ、まだ治ってなかったのか」

 

「コロス……!」

 

「大人しく引きこもってりゃ身の程を知らずに死ねたのにな……こんなとこにしゃしゃり出て来た自業自得だ」

 

 

 凛と冴がマッチアップする。残り一分、運命を決める最終戦のラストの結果はこの兄弟が握ることとなる。

 

 

(うっせえよマウント糞反吐お兄が……何様だてめぇ)

 

「もうわかったろ……凛、お前は世界一になれない。俺の影として生きてくカス弟だ」

 

(喋んな……もうその手は通じねぇぞ……そんな戯言で俺の自我を縛ろうとするんなゴミ兄貴……俺は……俺だ……! 俺は……お前らの何かじゃない……! この憤りに……破壊衝動に身を委ねろ……! 俺は破壊者(エゴイスト)……糸師凛なんだよ!!)

 

「なんだお前……まだそのカオできんじゃねぇか」

 

 

 凛と冴が激突する。冴の読みの更に裏を狙い、ドリブル突破を試みる凛と海外で培われた経験と広い視野、高い身体能力でボール奪取を狙う冴。戦いは互角、このままタイムアップになってしまうかと思われた。

 

 

「いいねぇベロ凛! そのエゴ最高にブットんでてLOVE細胞!! 主役にはさせねーけど!」

 

「マジそれ! 最後にボクらと遊んで負けて帰りなべロベルト!!」

 

 

 前線にいた士道と依桜が戻ってきた。そのまま冴と共に凛を囲む。3VS1、いくらなんでも凛が不利すぎる状況だ。

 

 

「おい無理だろ! こっち出せ下まつ毛!」

 

「俺が決める!」

 

 

 馬狼や凪がパスを求める。だが当然凛は出さない。糸師冴を超えるため、己の衝動に身を委ね向かっていく。

 

 

(凛の……主人公感!)

 

 

 その状況を分析した潔。脳ミソの中でパズルが組み上がった感覚、それに確かめるべく動いた。そして凛の戦いもとうとう決着を迎えることになる。

 

 

「……!?」

 

 

 一瞬ではあるが凛が冴をかわした。目を見開く冴を尻目に凛は己の全てを乗せたシュートを放つ。だが凛を止めていたのは冴だけではない、凛のシュートに反応した士道と依桜の足がボールにぶつかり、軌道が変わったのだ。

 

 

「クッ……!」

 

 

 それは近くで控えていた愛空の頭上を越え、数秒前までは誰もいなかった場所に飛んでいく。そう、誰もいなかった場所に。

 

 

「……な!?」

 

 

 だがボールを見る愛空の目に映ったのは誰もいなかったはずの場所、そこでボールに向けて足を振り抜く潔の姿だった。潔のダイレクトシュートはゴール左隅を捉え、ネットを揺らす。周囲が固まる中、潔はすぐさまボールを拾いセンターサークルへと走っていく。

 

 

「潔……」

 

「まだだ……!まだ……!速攻奪って反撃(カウンター)決めれば……!!」

 

 

 ──ピッ……ピッ……ピッ──ー!!! 

 

「……!!」

 

 

 試合終了を知らせる笛がフィールドに鳴り響く。日本サッカーの運命を左右する激闘、その決着がついた瞬間だった。

 

 

U-20日本代表VS青い監獄11傑(ブルーロックイレブン)

 

 

7ー6

 

 

 GOAL

 

 4GOAL

 姫宮依桜

 

 3GOAL

 士道龍聖

 潔世一

 

 1GOAL

 糸師凛

 凪誠士郎

 馬狼照英

 

試合終了!!! 

 

新英雄大戦 依桜君に選んで欲しい国は?

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