〖ブルーロックRPG〗実況プレイ   作:マルメロ

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殺害対象

 

 

 ……すっげぇ戦いだったな。

 

 このゲームの実況動画は数多く見てきましたが、ここまで白熱した試合は初めてかもしれません。最後の辺コントローラー握ってる手が震えてました。一分くらい燃え尽きて、段々と実感が湧いてきた感じですね。

 

 

 ……と、余韻に浸りたいところなんですがゲーム的にはここからが重要。なぜなら本来勝つはずのU-20戦でブルーロックが負けてしまいましたからね。前見た動画では普通にブルーロック解体されてバッドエンドでした。

 

 

 まぁなので私もなんだかんだわざと負けようと思ってたんですがね……あんな熱い試合見せられたらガチでやらざるをえんでしょう。

 

 

 “勝った……勝った……! 世一にリベンジして……4点決めて……さいっっこうの試合だった! ”

 

 

 ほら、依桜くんも喜んでるし結果オーライよ。こっからは私の腕の見せどころ……と、言いたいんですがその必要もないかもですね。なんせこんだけブルーロックの実力を見せたんですから、負けたからハイ解体! ってことにはならないと思ってんすがね。

 

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

 

「……世一」

 

「クソ……! チクショウ……!」

 

 

 世一くん、さすがに相当悔しかったんすね。あんなに悔しがるのは見たことないっす。ん? 依桜くん世一の方歩いてどした? 

 

 

 “ホントに紙一重だった……どっちが勝ってもおかしくない……それくらい熱い試合……だからこそ”

 

「……姫宮?」

 

 “ヤッバ……世一のこの顔……最っ高に気持ちいい♡”

 

 

 おいなんか変な癖に目覚めてないか? いや世一も二子くんぶっ倒した時同じようなこと言ってたし割と同じ穴の狢だったりする? これがブルーロッククオリティってことっすね。

 

 

「いい試合だったなお二人さん。お前らにゃやられた……試合には勝ったのに複雑な気分だ」

 

「慰めなんていらねぇよ……余計惨めになるだけだ」

 

「……あのラストプレー、あれも全部お前の読みの範疇か?」

 

「ああ……凛が糸師冴に勝つ、その主人公感を信じて……俺の一発で決めれる場所で待ってた」

 

「ハッ……! あの一瞬でそこまで判断して……そして見事に運を呼び込んだってか。完敗だ、俺個人としてはお前には勝てなかった。潔世一……お前の勝ちだ」

 

 

 おお、どうなるかと思ったけど愛空くんは清々しい顔をしてますね。試合に勝ったってよりブルーロックの凄さを実感できたのが大きいのかな? 握手して平和に…………って! 世一! 愛空くんの手をパチンって払い除けた!? 主人公のやることじゃねぇぞ! 

 

 

「ざけんな……試合に負けたら全部無意味なんだよ。俺は世界一のストライカーになる器じゃなかった……それが現実だ……俺たちは終わったんだよ」

 

「……終わらせねぇよ」

 

 

 ん? 愛空くんなんか呟いたと思ったらどっか行っちゃいましたね。どーゆーことだろ、この後のイベントで分かる感じかな? とりま他のとこ見てみましょうか。

 

 

「……凛」

 

「……!」

 

「俺が見誤ってたよ、この国にはロクなストライカーなんて生まれないと思ってた」

 

 

 あ……これアカンやつや。ちょいと冴ちゃん! 君は凛ちゃんを鼓舞してるつもりだろうけど逆効果だから! 更に拗れるからやめえや! 

 

 

「兄ちゃ……」

 

「日本にはまだ……お前とやり合えるライバルがいる。お前の本能を呼び起こし、日本のサッカーを変えるのは……潔世一、姫宮依桜……あのエゴイスト共なのかもしれない」

 

「……!?」

 

日本(この国)はまだ……変われる」

 

 

 ちょ……なに依桜くん巻き添えにしとるんじゃいΣ(゚д゚;)。世一だけでいいでしょそこは! 依桜くんまで凛ちゃんの殺害対象になっちゃいますやん! つーか士道くんも入れろよ、ここまで来たら巻き添えじゃい! 

 

 

 ……コホン、少し熱くなりました。どうやらイベントが始まるようなので見てみましょう。果たしてブルーロックは存続することが出来るのか? 

 

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

「あ、こちら来ていただきました! 見事勝利を収めたU-20日本代表主将! オリヴァ・愛空選手です! 早速ですが、今のお気持ちを一言!」

 

 

 日本中が見守る生中継。テレビのインタビュアー達の前でも愛空は表情を崩さないでいた。こんな取材やインタビューは今まで何度も受けてきた、今更緊張もしないのだが……今の彼の心境は今までのどの例とも違う、初めてのものだった。

 

 

「この試合……日本代表(おれたち)の負けだ」

 

「……え?」

 

 

 愛空の発言にマイクを向けていたインタビュアー達が静まり返る。恐らくテレビを見ている視聴者達も同じだろう。だが愛空は淡々と、真面目な顔で続けた。

 

 

「誰の目からも明らかだろ。今日、俺達が奪った7点……全て姫宮と士道のゴールだ。どう見ても凄かったのは青い監獄(ブルーロック)……俺達は何も出来なかった」

 

 

 愛空の言葉は本心だ。実際、点を決めたのは士道と依桜で、後半からは守備でも依桜頼りな面が大きかった。糸師冴の存在も決して無視できない。元の代表メンバーだけで戦っていたらどうなっていたか、想像に容易いだろう。

 

 

「今日はっきりわかった……俺達は弱い……今のままじゃ……俺達がU-20W杯で優勝するなんて夢のまた夢だ」

 

 

 愛空の話を聞いている者全員が言葉を失っている。勝利のインタビューでここまで後ろ向きな話が出てくるとは誰も思わなかっただろう。

 

 

「だが……アイツらは違う。青い監獄(ブルーロック)は本気で……馬鹿げた夢を叶えようとしている。どれだけ否定されようが、馬鹿にされようが自分の意志を貫く強さを持ってる」

 

 

 思い出すのは昔の自分。周りに流され、世界一のストライカーとしての夢を諦めた、弱かった自分だ。だからこそ、まだ夢を見ていた頃の自分と重なるブルーロックの選手達には諦めて欲しくない。

 

 

(まだ摘ませねぇぞ……お前らが必死に咲こうと足掻いてるうちは……あの時誓ったんだ……! 負けた俺が言えたコトじゃないかもしれないが、見てみたいんだよ。この国に世界一のストライカーが誕生する瞬間を……!)

 

 

 一息ついて、愛空は力強く言った。

 

 

「聞いてるか? 日本サッカー連合(JFU)のお偉いさん方。アンタらがそれでも青い監獄(ブルーロック)を潰そうってんなら……俺は日本代表を降りる!」

 

「……!?」

 

「愛空?」

 

「日本がアイツらを問答無用で潰すような腐った国に成り下がってたとしたら……断言できる。この国は未来永劫、W杯で優勝なんかできない。そんな場所で俺は……サッカーをやりたくない」

 

 

 日本全国民が見ているであろう生中継で、はっきり言い放った。これには映像を見ている不乱蔦会長や法一監督も鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしている。

 

 

「ッッ……! ……俺もだ愛空!」

 

「……閃堂」

 

「悔しいが俺は士道にも姫宮にも……青い監獄(ブルーロック)にも勝てなかった……! でも、いつか必ずリベンジする! そして世界一のストライカーになるのは俺だ! だから……アイツらがいなくなるなら……俺も日本代表にいる意味が無い!」

 

 

 割り込んできた閃堂の一声で場の空気が変わった。愛空に同調する者がいる、そしてそれは閃堂だけではなかった。

 

 

「……ワシもじゃ愛空!」

 

「俺もだ! やられっぱなしで日本代表やってられっかよ!」

 

「ぼ、僕も!」

 

「……お前ら」

 

 

 日本代表の面々から次々と声が上がる。愛空は思わず口元を緩ませた。皆思っていたことは同じなのだと。

 

 

「ぐ…………!!」

 

 

 モニターを切った不乱蔦会長。さっきまでの唖然とした態度を一変、机に拳を叩きつけ怒りを顕にした。ブルーロックの廃止は決定事項、しかしこんな放送が世間に流れてしまってはそうもいかなくなってしまう。

 

 

「絵心さん……もしかしてこうなることを予想してたんですか?」

 

「まぁ……青い監獄(ブルーロック)に賛同する奴が出てくるトコまでは。だがここまでとは俺も正直思ってなかった。それだけアイツらが生み出した熱が燃えがっていた……ただそれだけだ」

 

 

 ベンチで敗北に絶望していたアンリ、しかしこの展開を見て一筋の希望を見出した。手元の端末でいくつかのSNSを見るがどれもブルーロックを賞賛する意見ばかりだ。

 

 

「会長……! SNSでも青い監獄(ブルーロック)を擁護する声が大量に……!」

 

「ぐぬぬぬぬ……! 絵心ぉ……!」

 

 

 拳を握りしめ絵心への恨み節を吐く。恐らくこの展開も彼の想定内だったのだろう。故に姫宮依桜と士道龍聖、二人の日本代表入りをなんの抵抗もなく黙認していたのだ。

 

 

「え〜……凄い展開になってまいりましたが……ここで糸師冴選手を押し退け本日のMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出されました、姫宮依桜選手にお話を伺いたいと思います!」

 

「ボク?」

 

「ホラ、行ってこいよ女王様」

 

 

 インタビューを終えた愛空から背中を押される形でインタビュアー達の前に出ていく依桜。さすがにこれだけのカメラと照明を向けられるのは初めてなので多少顔を赤らめた。

 

 

「それではまず、ゲームを終えて率直な感想をお聞かせください」

 

「ん〜〜、まぁボクならこれくらいやれて当然っていうか? ようやくボクの時代が来たって感じでメッチャ嬉しい!」

 

「流石の自信ですね。今日の活躍でU-20代表入りも見えてきましたが、今後に向けて意気込みはありますか?」

 

 

 率直に思っていることを言うが、依桜の自信満々の言葉を軽く流されたので多少不満だ。それはそれとして次の質問には少し依桜も考えた。意気込みなんて腐るほどあるからだ。

 

 

(意気込みか……今後のボクの未来……やりたいこと……ってなるとやっぱり)

 

「……?」

 

 

 少し考えた依桜、そしてとある結論を出した。無茶苦茶だと思われてもいい、自分の思っていることを言うだけだ。

 

 

「ボクは……世界一のストライカーになる。世界のストライカー全員蹴散らして、ボクが頂点に立ってやるから! 待っててよスーパースター共! ……以上!」

 

「え? ……ちょっと……!」

 

 

 それだけ言うと依桜はカメラの前から離れていってしまった。困惑するインタビュアー、しかし依桜は何かを思い出したのかすぐに戻ってきてカメラの前にひょこっと顔を出した。

 

 

「あ、あとCMとかドラマとか映画とか! お仕事受け付けてるから、興味ある人は青い監獄(ブルーロック)まで! じゃあね〜♪」

 

 

 カメラに向かって笑顔を作り手を振ると今度こそ依桜は走っていってしまった。その足取りは軽い。これからの未来、自分が世界一のストライカーになる姿を想像するとワクワクが止まらないのだ。そのビジョンは見えている、自分ならやれるとこの試合で確信したからだ。

 

 

「進むよ……ボク。もう逃げないって決めたから……天国(そっち)で見てて……透子」

 

 

 誰にも聞こえない声で亡き親友に言葉を紡ぎ、依桜はフィールドから去っていくのだった。

 

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 ……これはブルーロック存続ってことでよろしい? さすがにあの流れで潰れるってことはないだろうし……愛空様々ってとこやね。依桜くんのインタビューも良かったし、一件落着……とはならないけどいい結末なんじゃないでしょうか? 

 

 

 “気分いいからスキップしながら青い監獄(ブルーロック)の控え室まで来た……けどなんだが空気重いな〜”

 

 

 そりゃ負けりゃあそうなるよ依桜くん……もうちっと人の心がわかる人になろうか? 

 

 

 “せっかく盛り上げてあげようと思ったのにな〜どうしよう? ”

 

 ▽テンション高く入る

 

 ▽控えめに入る

 

 

 久しぶりの選択肢来たな……いやまぁ普通に考えれば控えめに入る一択なんだけど依桜くんだからなー。テンション高く行った方がいいか。

 

 

「やっほ〜! みんなおつかれ〜!」

 

「ああ!? テメェ何しに来やがった!」

 

 

 うん、雷市くんに怒鳴られた。まぁ彼ならそうなるだろうなとわかってたけど。

 

 

「もう! 試合終わったんだから怒んないでよライチん! ボクも本当はこっち側なんだけど!」

 

「せめて空気読みやがれってんだよ! クソが!」

 

「え〜!? だってしょうがないじゃん、ボクとライチんの立場が逆だったとしても手加減なんてしてくれないでしょ?」

 

「そういう話じゃねぇ!」

 

 

 “そんな怒んないでもいいのに……怒りん坊で困っちゃうね”

 

 

 まぁ……怒られて然るべきというか、空気読めないのは本当にそうだからなんも言えねぇ

 

 

「ハイハイ、静まれお前ら」

 

 

 あ、絵心さんだ。ここまで来ると生絵心も珍しくなくなってきたな、どうでもいいけど。

 

 

「あー……惜しかった……というつもりは無い、負けは負けだ。大切なのはこの敗北をどう次に活かすか。次の選考(セレクション)はこれまでのぬるま湯とは訳が違うからな」

 

「え? てことは……」

 

「ああ、さっき銭ゲバ狸から正式に通達があった。青い監獄(ブルーロック)プロジェクトの続投……相当不本意だったようだがそうせざるを得なかったらしい」

 

 

 うっし……! とりあえずバッドエンドは回避っすね。まぁ強引に潰そうとすれば世間の反感を買うのは目に見えてるからね、しょうがないね。

 

 

「お前らとしても望んでいた形じゃないかもしれない。お情けで生き延びたと思う者もいるだろう。その悔しさを胸に叩き込め、二度と同じ思いはしたくない、勝ちたいと渇望しろ。真のエゴイストとは敗北にこそ活路を見出すものだ」

 

 

 “あ、絵心ちゃん行っちゃった。いいこと言ってたね、あんまり意味わかんなかったけど”

 

 

 依桜くんはさぁ……アンポンタンかい? そこが可愛いんですけど。

 

 

「じゃあ今日は食堂でいつもと違うメニューが食べ放題です。みんなよく頑張りました! 私からはこれくらいしか出来ないけど、今日の疲れを癒してください」

 

「だぁ! ヤケ食いだゴラァ! 次は殺す!」

 

 こういう時の雷市くん頼もしいな。声出して空気を変えてくれるのマジありがたい。ブルーロック基本的にジコチューか天然しかいないから貴重な人材ですな。

 

 

 “みんな行っちゃった。ボクも食堂行こうかな……と思ったけど世一とりんりん何話してるんだろ”

 

 

 扉の向こうからこっそり見守るストーカー依桜くん。今まさに凛ちゃんから世一への殺害予告がされようとしている! 

 

 

「死ねよ潔……もうお前だけは許さねぇから。今この瞬間から、お前は俺の宿敵(ライバル)だ。忘れるな……絶対殺すって意味だ」

 

「……! ああ……やってみろ」

 

 

 凛ちゃんはブラコンなのかい? ……ブラコンか。てかいきなり殺すとか言われてやってみろって返せる世一も相当だよな。さて……りんりん一人になった訳だが……なぜ依桜くんは凛ちゃんの元へ? 

 

 

「殺意バチバチだねりんりん♪ でも世一ばっか見てるとボクが後ろから刺しちゃうよ?」

 

「……黙れ。言っとくがお前も俺の殺害対象(ターゲット)だからな。ブッ刺されてくたばるのはお前だ姫宮」

 

「アハ♪ いいね、楽しそ!」

 

 

 あーね。依桜くんもりんりんの殺害対象に入っちまうと。そもそもサッカーで殺すだのなんだのって話が出る方がおかしいんだが。これはネオエゴも一筋縄ではいかなそうです。

 

 

 つーこって今回はここまでかな。次回はおそらく例の休暇回で、その次からネオエゴ編スタートっすかね。それじゃ、ご視聴感謝です! 

 

新英雄大戦 依桜君に選んで欲しい国は?

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