キリトが月夜の黒猫団と無事に和解した。
キリトも、無茶なレベリングをしなくなったようだ。
そんなキリトと行動を共にしていた。
キリトから、探索を手伝って欲しいと頼まれたからだ。
今、最前線の転移門にまで戻っていた。
防具や武器の素材を集めていたのだ。
ヒロ「悪いな、キリト。手伝って貰って。」
キリト「良いさ。それに、お前には、借りがあるからな。」
ヒロ「そっか。」
そんな風に話していると、一人のプレイヤーが周囲のプレイヤーに泣きついているのが目に入った。
ヒロ「キリト、あれ………。」
キリト「泣きついてるのか?」
プレイヤー「す、すいません!どうか!どうか俺の頼みを聞いて下さい!」
そう言って、俺たちに泣きついてきた。
ひとまず、事情を聞く事にした。
ヒロ「あの………どちら様で?」
レイク「俺は………レイクって言います。シルバーフラグスってギルドのリーダーをしてたんです………。」
キリト「してた………?何があったんだ?」
レイク「実は………オレンジギルドに襲われて、俺以外のプレイヤーが、全員殺されたんです!!」
ヒロ「オレンジギルド………!?」
俺はその単語に驚いた。
オレンジギルドとは、盗みやプレイヤーの殺人を平気で行うギルドの事だ。
攻略組も頭を悩ます存在だ。
そして、オレンジギルドの裏で繋がっていると思われるのが、レッドギルド、ラフィン・コフィンだ。
ラフィン・コフィンとは、去年の年末に、フィールドで忘年会をしていた小規模集団を急襲しこれを全滅させ、翌日、情報屋や新聞屋のプレイヤーに対し犯行声明を送付した事で、存在が明るみになったギルドだ。
そのリーダー、PoHは、『本当に死んだのかなんて、確かめる術が無い。やってはいけない事は、システム的に出来ないはずだ。だが、PKは出来る。どうせ、ゲームなのだから、楽しもう。』そう言って、プレイヤー達を暴走させる。
ある意味では、血盟騎士団のヒースクリフとは真逆のカリスマを持つプレイヤーだ。
実は、PoHと思われるプレイヤーと接触した覚えがある。
俺が驚いている中、キリトは、レイクに事情を聞く。
キリト「その、オレンジギルドの名前はなんて言うんだ?」
レイク「確か………タイタンズハンドっていうギルドだった筈………。」
ヒロ「早速、アルゴに聞いてみる。」
キリト「頼む。」
俺は、アルゴにメッセージを送る。
そして、依頼内容を聞く事に。
ヒロ「それで、依頼内容は?」
レイク「アイツらを………牢獄に入れて欲しい。」
キリト「…………どうする?」
ヒロ「事情を聞いた以上、見過ごせないな。分かった。引き受ける。」
キリト「ああ。」
レイク「ありがとうございます………!これ、良かったら使って下さい。」
そう言って渡してきたのは、回廊結晶と呼ばれる物だ。
通常の転移結晶よりも濃い青色だった。
ヒロ「回廊結晶………!?」
レイク「これは、俺が全財産を叩いて買った物です。どうか、お願いします………!」
キリト「…………分かった。」
こうして、レイクから、依頼された。
レイクは、何度も頭を下げながら去っていった。
キリト「………さて、どうする?」
ヒロ「俺は、アルゴを通じて、情報を集めるわ。」
キリト「頼む。」
ヒロ「キリト。」
キリト「ん?」
ヒロ「元気そうで良かったよ。」
キリト「ああ。」
そう言って、一旦別れる事になった。
アルゴから、メッセージが返ってきた。
そこには、可能な限りのタイタンズハンドの面子の名前が記載されていた。
ちなみに、コルは後で払う事になっている。
ヒロ「………やっぱり、グリーンのプレイヤーも居るんだな。」
まあ、それもそうか。
何せ、圏内の街にオレンジカーソルのプレイヤーが入ろうとすると、異常に強いNPCガーディアンが大挙として襲ってくるのだ。
その為、グリーンのプレイヤーが獲物を見繕って、ある程度お金が貯まったら襲うという感じだ。
その後、アルゴにコルを支払い、タイタンズハンドの分かる名前を送った。
その頃、第35層にある迷いの森では。
???「随分と深くに来たな……………。」
1人の男が彷徨っていた。
その男の名前は、スノウ。
ここ最近、攻略組で有名になってきたプレイヤーだ。
スノウ「さてと、ある程度素材も集まったし、そろそろ帰るか。」
スノウはそう呟いて、帰ろうとする。
すると。
???「ピナ!!」
スノウ「っ!?」
そんな叫び声が聞こえてきて、スノウはすぐにその声がした方へと向かう。
そこに居たのは、水色の羽を持って、泣いていた少女だ。
スノウはすぐさま、自分の武器を取り、その少女の周辺にいたドランクエイプを倒していく。
少女はスノウの事を見る。
スノウは申し訳なさそうに口を開く。
スノウ「……………ごめん。君の友達を助けられなくて……………。」
???「私が……一人でもこの森を越えれるなんて考えちゃったから……ピナが……。」
スノウはそんな風に言うと、その少女は泣きながらそう言う。
するとスノウは、その少女を抱きしめる。
???「えっ!?いきなり何を!?」
スノウ「ご、ごめん!泣いている女の子を見たら、取り敢えずは落ち着かせようって思ったんだけど、これしか思いつかなくて……………。」
少女はいきなり抱きしめられた事に驚くが、スノウはそんな風に言う。
スノウがあやす様に手を動かすと、その少女は次第に落ち着いてくる。
???「………………ありがとうございます。少しは落ち着きました。」
スノウ「そ、そっか……………なら良いんだけど。」
???「………………どういう状況だ?」
少女はそんな風に礼を言うと、スノウは照れ臭そうにそう言う。
すると、別の声が聞こえてくる。
そこに居たのは、キリトだった。
スノウ「あっ!いや、これは、その…………!?」
キリト「何してんだ……………?」
スノウ「違う!これは、この子を落ち着かせようとしたからで……………!!」
???「そ、そうです!」
キリト「そ、そっか……………。」
キリトが現れたのを見て、スノウは慌ててそう言うと、キリトはそう聞く。
スノウは慌ててそう言うと、その少女もそう言う。
スノウと少女がそう説明すると、キリトは納得した。
それと同時に、経緯も聞いたのだ。
キリト「なら良いんだけど……………。その羽根だけどな。アイテム名、設定されてるか?」
キリトは少女に対して、そう聞く。
少女は手に持っている水色の羽根を見ながら、シングルクリックをする。
そこに表示されたのは、《ピナの心》という名前だった。
それを見て、その少女は再び泣きそうになる。
すると、スノウが口を開く。
スノウ「落ち着いて!心アイテムが残っていれば、まだ蘇生の可能性はあるから!」
???「えっ!?」
キリト「最近分かった事だから、まだあんまり知られてないんだ。四十七層の南に、《思い出の丘》っていうフィールドダンジョンがある。名前の割に難易度が高いんだけどな…………。」
スノウ「そこのてっぺんに咲く花が、使い魔蘇生用のアイテムなんだ。」
???「ほ、本当ですか!?」
スノウがそう言うと、その少女はスノウの事を見る。
キリトとスノウがそう説明すると、その少女は喜びの表情を浮かべるが、すぐに沈んだ表情になる。
???「四十七層……………。」
スノウ「実費や報酬を貰えれば、僕が行ってきても良いんだけど……………使い魔を亡くしたビーストテイマー本人が行かないと、肝心の花が咲かないらしくて……………。」
???「いえ……………情報だけでも、とってもありがたいです。頑張ってレベル上げをすれば……………。」
キリト「それがそうも行かないんだ。使い魔を蘇生出来るのは、死んでから3日だけらしい。」
???「そんな……………!」
その少女がそう言うと、スノウはそう言う。
少女は気丈な笑みを浮かべながら言うが、キリトがそう言うと、再び落ち込んでしまう。
すると、スノウは口を開く。
スノウ「何か、手はないですかね…………?」
キリト「そうだな……………。」
スノウがそう聞くと、キリトは何かを考え込む。
すると、キリトはアイテムを少女に送る。
???「あの……………?」
キリト「この装備で5〜6レベル分程底上げできる。俺や俺の知り合いも一緒に行けば、多分何とかなるだろう。」
スノウ「僕も手伝うよ。」
???「えっ………………?」
少女が戸惑う中、キリトとスノウはそう言う。
その少女は少し警戒しながら口を開く。
???「何で……………そこまでしてくれるんですか?」
スノウ「僕?そりゃあ、困った人は助けたいと思っているから。それだけさ。」
キリト「俺は……………笑わないって約束するなら、言う。」
???「笑いません。」
キリト「君が……………妹に、似てるから。」
少女はそう聞くと、スノウはさも当たり前の様にそう答える。
キリトはそんな風に言う。
すると、その少女は噴き出す。
キリト「わ、笑わないって言ったのに…………。」
???「いえ……………よろしくお願いします。」
スノウ「うん。僕はスノウ。よろしくね。」
シリカ「あたしは、シリカって言います。」
キリト「俺はキリト。しばらくの間、よろしくな。」
キリトがいじけた様にそう言うと、その少女はそう言う。
お互いに自己紹介をして、迷いの森から出発する。
一方、俺はと言うと、キリトからメッセージが来て、35層の主街区であるミーシェへと向かう。
そのメッセージの内容は、女の子を保護したとの事だ。
ヒロ「……………ナンパでもしたのかな?」
俺はそう呟きながら、キリトと合流する。
どうやら、女の子だけじゃなくて、男の人も居るが、話は聞いていた。
女の子はシリカ、男の人はスノウという事だ。
ヒロ「キリト!」
キリト「ヒロか。」
シリカ「あの……………‥その人は?」
ヒロ「俺はヒロ。キリトの親友ってとこだ。」
シリカ「そうなんですね。あ、私はシリカって言います。」
スノウ「僕はスノウ。よろしくね。」
ヒロ「ああ、よろしく。」
キリト達と合流すると、俺たちはそんな風に自己紹介をする。
途中、別のプレイヤーに絡まれるなんて事があったが、何とかやり過ごした。
すると、スノウが口を開く。
スノウ「シリカちゃんは、凄い人気なんだね。」
シリカ「シリカで良いですよ。……………そんな事ないです。マスコット代わりに誘われてるだけなんです、きっと。それなのに……………あたし良い気になっちゃって……………1人で森を歩いて…………あんな事に…………。」
スノウがそう言うと、シリカはそう答える。
アルゴから聞いた話だが、ビーストテイマーというのは、かなり希少な様で、マスコット的にスカウトしようとする人たちがいる様だ。
すると、スノウが口を開く。
スノウ「大丈夫。絶対に生き返らせられるよ。」
シリカ「…………はい。ありがとうございます!」
スノウはそんな風に言うと、シリカは微笑みながらそう言う。
しばらくすると、宿が見えてくる。
すると、シリカが口を開く。
シリカ「あ、皆さんは、ホームはどこに…………?」
スノウ「僕は22層だけど、今日はここに泊まろうかな。」
ヒロ「俺とキリトも50層だけど、今日はここに泊まるよ。な、キリト。」
キリト「そうだな。」
シリカ「そうですか!ここのチーズケーキが結構いけるんですよ。」
シリカがそう聞くと、俺たちはそう答える。
宿に入ろうとすると、隣の道具屋からプレイヤーの一団がやってくる。
すると。
シリカ「あっ、ロ、ロザリアさん……!」
ロザリア「あ~ら、シリカじゃない。よく一人であの森を抜けられたわね。」
赤い髪の槍使いの女性がシリカに声をかける。
こいつがロザリアか。
俺とキリトは、険しい顔を浮かべる。
すると、ロザリアは口を開く。
ロザリア「あら、あのトカゲはどうしちゃったの? ……ああ、もしかしてぇ…………?」
シリカ「……ピナは死にました……ですけど、ピナは必ず生き返らせてみせます!」
ロザリア「へぇ~……っていうことは、『思い出の丘』に行く気なんだ。でも、あんたなんかのレベルで攻略できんの?」
ロザリアは嫌な笑みを浮かべながら、そんな風に言う。
嫌味を言わないと気が済まないのか?
シリカがそう言うと、ロザリアはそう言う。
すると、スノウが口を開く。
スノウ「問題ないさ。あのダンジョンは難易度はそこまで高くないからね。」
ロザリア「……へぇ、良い装備をしてるけど、あんたたちもその子に誑し込まれたのかしら?」
スノウはそう言いと、シリカを庇いながらロザリアの前に立つ。
ロザリアは値踏みする様にスノウを見て、そう言う。
ヒロ「頼まれたからな。手伝って欲しいってさ。これ以上用がないなら、通させて貰うぜ、おばさん。」
ロザリア「なっ!?おばさん!?」
スノウ「あんまりそういう事を言わない方が良いと思いますよ?」
ロザリア「………………っ!!」
俺がそう言うと、スノウもそう言って、俺たちは中へと入っていく。
ロザリアは俺たちに怒りの視線を向けてくる。
その後、食事をする事になった。
すると、シリカがつぶやく。
シリカ「何で、私にあんな意地悪を言うのかな……?」
ヒロ「シリカはMMOはSAOが初めてか?」
シリカ「あ、はい。」
キリト「そうか。どんなオンラインゲームでも、性格が変わる人も多いんだ。」
ヒロ「あと、俺達のカーソルはグリーンだけどデュエル以外で攻撃すると、オレンジになる。だけど、SAOでは、ゲームで死んだら、現実でも死ぬ。だけど、そんな状況でも、楽しんで殺す奴もいるんだよな。」
シリカがそう呟くと、俺はそう聞く。
シリカがそう答えると、俺たちはそんな風に言う。
最たる例が、ラフコフだろう。
すると、スノウが口を開く。
スノウ「……………確かに、さっきのロザリアって人みたいに、嫌な奴も居るさ。でも、全ての人がそうとは限らないからね。」
シリカ「そうですよ!スノウさんも良い人ですよ!私を助けてくれたもん!」
スノウ「ありがとうね、シリカ。」
スノウはそんなふうに言うと、シリカはそう叫ぶ。
それを聞いたスノウは、シリカに対して礼を言う。
シリカは顔を赤くしていた。
俺たちは飯を食べた後、明日行く第47層について話し合う為にキリトの部屋へと向かう。
シリカ「キリトさん。そのアイテムは?」
キリト「これはミラージュ・スフィアっていうアイテムだよ。」
キリトがミラージュスフィアについて解説した所で、ボタンを押すと、大きな円形のホログラムが出現した。
シリカ「わぁぁ。綺麗。」
シリカは、ミラージュ・スフィアを見ながらそう言う。
ミラージュ・スフィアとは、通常のマップよりも更に詳しく、アインクラッドの構造を映す物だ。
ヒロ「今映っているのは第47層のマップだ。ここが主街区で、思い出の丘に向かうにはこの道で行くんだけど……。」
スノウ「っ!?」
俺はミラージュ・スフィアを指差しながらそう説明する。
すると、ドアの方に気配を感じて、俺とキリト、スノウは頷き合う。
スノウはシリカの方へと行かせて、俺とキリトはドアへと近寄る。
キリト「誰だ!」
ヒロ「出てこい!」
俺とキリトはそう叫びながらドアを開けると、そこには誰も居なく、誰かが階段を駆け降りていく音が聞こえただけだった。
盗み聞きとは、あまりマナーがよろしくないな。
シリカ「な、何……………!?」
スノウ「盗み聞き……………なのかな?」
ヒロ「そうだな。」
シリカ「で、でも………ドア越しに会話が聞こえるんですか?」
ヒロ「聞き耳スキルが高いと可能なんだ。まあ、そんな事をするのは、なかなか居ないけど。……………キリト。どうする?」
キリト「多分、転移結晶で逃げた。追いかけても無駄だろうな。」
シリカが驚くと、スノウはそう聞く。
俺がそう答えると、シリカはそう聞いてくるので、俺はそう言う。
恐らく、件の関係者の可能性が高いな。
俺はメッセージを打っていく。
そうして、今日は休む事にしたのだった。
今回はここまでです。
シリカの彼氏キャラがなかなか思いつかなくて、投稿出来ずにいました。
申し訳ありません。
シリカの彼氏キャラであるスノウは、イメージCVは三瓶由布子さんです。
バディファイトの大宇宙カナタをモチーフにしています。
天然気味なキャラになる予定です。
次回は、思い出の丘での話になります。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日で、東日本大震災から13年が経ちましたね。
地震は、いつどこで起こるのかは分かりません。
日頃の備えを大切にしていきましょう。
南海トラフに首都直下型地震などが起こると言われていますし。
ヒロイン達の彼氏キャラですが、リーファは立風館ソウジモチーフ、シノンは花家大我と乾巧モチーフ、リズベットはエースになる予定ですが、ユウキの彼氏キャラはどんな感じにするのかは、まだ未定です。
リクエストがあれば、活動報告から承っています。