神楽坂と古代の機械巨人   作:交響魔人

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学園祭の裏側!神楽坂と従妹!

 デュエルアカデミアの学園祭。

 そこに従妹が訪れると聞いた神楽坂は、出迎えのために港で待っていた。

 

 従妹を見かけた神楽坂は大きく手を振る。

 

 

「美夜!」

「悟!」

 

 

 駆け寄ってくるシニヨンの従妹。

 抱きしめたいが、人の目があるため我慢する神楽坂。

 

 

「ようこそ、デュエルアカデミア本校の学園祭へ!」

「すっごく楽しみ!まず、ラーイエロー寮から見て回りたいわ。」

 

 

 

 ラーイエロー寮の屋台を回り、焼きそばとお好み焼きとカレーを購入。

 

「野菜はキャベツ、ニンジン、もやしとネギ。イカ、海老、ホタテの海鮮焼きそば…あんかけもいいけど、ソースもいいわね!」

「焼きそばを海鮮にして、焼きそばには豚肉を使ったんだ。」

「味が被らないようにしたの?海鮮で統一しておけば発注と管理が楽だと思うけれど。」

「それはまぁ、そうなんだが。」

 

 従妹はカレーに目を落とす。

 

「それは樺山先生が作ったんだ。」

「んー、匂いだけで旨いってわかるわ。」

 

 

 食事を済ませた後、二人は散策する。

 

 

 

「あっちは?」

「オベリスクブルー寮だ。喫茶店をやっている。」

「あそこが、デュエルエリートの…。」

 

 

 美夜の直接の知り合いの中に、同年代で神楽坂より優れたデュエリストなど居ない。

 その神楽坂でさえ、中級どまりという現実。

 

 

「…古代の機械巨人を借りても厳しいの?」

「…だが、必ずあそこに入って見せる。」

 

 拳を握って力説する神楽坂。

 

「無理無理!お前がオベリスクブルーに入るのは!」

 

 そう居丈高に言いながら、一人の男子生徒が歩み寄ってくる。

 

 

「百黒 剛健(ひゃっこく ごうけん)…」

「知り合い?」

「友人ではない。」

 

 

「おい、猿真似野郎。そいつは誰だ?」

「お前には関係ない。」

「身の程をわきまえろ!俺はオベリスクブルーのデュエルエリートだぞ!」

 

 

 表面上笑みを浮かべ、目つきだけは一切笑っていない表情で美夜は答える。

 

 

「従妹よ。」

「ほぅ?猿真似野郎にこんな従妹がいたのか…。おい、俺と付き合え。」

「お断りよ。」

「何だと!」

 

 

 百黒が怒った顔を見て、美夜は『こんな風に怒る人はお断りだ』と内心思う。

 

 

 

「女にも選ぶ権利はあるわ。それがわからない人と一緒に回るぐらいなら、一人の方が気楽よ。」

「俺の誘いを断るのか!」

 

 

 百黒がずいっ、と前に出たことで神楽坂も前に出る。

 

 

「どけよ、猿真似野郎」

「俺の事を馬鹿にするのはいい。だけど、従妹には手を出すな。」

「聞けないなぁ。泥棒の言うことは」

 

 小馬鹿にする百黒。

 

「泥棒?何を言っているの?」

「そいつはな、デュエルキング、武藤遊戯さんのレプリカデッキを盗んだ上に、落ちこぼれのオシリスレッドに負けた雑魚なんだよ!」

「…本当なの?」

 

 信じたくない、という思いで聞いた美夜だったが、神楽坂は正直に答える。

 

「…ああ。本当の事だ。」

「ハハハハハ!」

 

 ひとしきり笑う百黒。

 

「なのに、なんでお前は退学になっていない?前から気に食わなかったが…今、この場で叩き潰してやる!」

「何?」

「ただ、オベリスクブルーのデュエルエリートとラーイエローの猿真似野郎だとハンデを付けなければデュエルにならんな…二人でかかってこい。ただし、手札は10枚で始めさせてもらう。」

 

 その提案に美夜は驚く。

 

 

「私達二人相手に、ライフ4000でデュエルするの?!」

「美夜、奴のデッキは少し特殊なんだ。」

「いいじゃない。思い知らせてやりましょう!」

 

 

 三人はデュエルディスクを構える。

 

 

 

「「デュエルッ!!」」

 

 

百黒 ライフ4000

手10 フィールド 

    魔法・罠 

神楽坂 ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

美夜 ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

 

 

「ククク、俺の先攻、ドロー!魔法カード、手札抹殺を発動!互いに手札をすべて入れ替えろ!」

「いきなり?!」

「くっ…。」

 

「よし。俺はダーク・フレームを召喚。さらに永続魔法、王家の神殿を発動してカードを1枚伏せる。王家の神殿により、罠カードは伏せたターンに発動できる。永続罠、血の代償を発動!」

「血の代償、ということは」

「ライフを500払って効果発動!ダークフレームは闇属性の通常モンスターを召喚する場合、一体で二体分の生贄になる!来い、ブラック・マジシャン!」

「ブラック・マジシャン?!」

 

 

 黒っぽい紫色の服を着たブラック・マジシャンが現れる。

 

「あれって、初期版のブラック・マジシャン?!一千万は行く超レアカードじゃない!」

「美夜、確かにブラック・マジシャンをあいつは使うが、あいつのデッキは遊戯さんとはかなり違うんだ。」

「えっ?」

 

「そうだ!デュエル・エリートの洗練されたデュエルを見せてやる!ブラック・マジシャンを生け贄に、黒魔導の執行官を特殊召喚!」

「攻撃力は変わっていないけれど…」

「フフフ、黒魔導の執行官は通常魔法が発動されるたびに、相手に1000ポイントのダメージを与える!黙する死者を発動!蘇れ、ブラック・マジシャン!そしてくらえ、猿真似野郎!」

「くそっ!」ライフ4000から3000

 

 

「魔法カード、精神統一を発動!デッキから精神統一を手札に加える…。さぁ、1000ポイントのダメージだ!猿真似野郎!」

「ぐうっ!」ライフ3000から2000

「さらに魔法カード、光の護封剣を発動!さぁ、1000ポイントのダメージだぞ!猿真似野郎!」

「ぐああああっ!」ライフ2000から1000

「これで猿真似野郎は次のターンで終わりだ!カードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

 

 

百黒 ライフ3500

手2 フィールド 黒魔導の執行官 ブラック・マジシャン

    魔法・罠 王家の神殿 血の代償 光の護封剣(3) 伏せ1

神楽坂 ライフ1000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

美夜 ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

 

 

「効果ダメージでライフを削りきるバーンデッキ…。次のターンに精神統一を発動されたら悟のライフが0に…。これが、オベリスクブルーのデュエル…。」

「俺から行く、ドロー!墓地のE・HEROネクロ・ダークマンの効果により、E・HEROを生贄なしで召喚できる!来い、エッジマン!」

「攻撃力2600?!」

 

「フン…今度はあの落ちこぼれ野郎の猿真似か。ダメヒーロー揃いのデッキなど蹴散らしてやる!」

「俺はカードを4枚ふせてターンエンドだ!」

 

 

 

百黒 ライフ3500

手2 フィールド 黒魔導の執行官 ブラック・マジシャン

    魔法・罠 王家の神殿 血の代償 光の護封剣(2) 伏せ1

神楽坂 ライフ1000

手1 フィールド エッジマン

    魔法・罠 伏せ4

美夜 ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

 

 

「私のターン、ドロー!墓地のツインヘッド・ケルベロス、ニュードリュア、冥界の魔王ハ・デスを除外して、ダーク・ネクロフィアを特殊召喚!」

「フン、何かと思えばバトルシティの決勝トーナメント。初戦敗退した糞雑魚が使っていた時代遅れのカードか。」

「…モンスターをセット、カードを1枚伏せて」

 

 ターンエンドしようとする従妹に、神楽坂は待ったをかける。

 

 

「まった!そのエンドフェイズに罠発動!エッジ・ハンマー!エッジマンを生け贄に、黒魔導の執行官を破壊して、その攻撃力分のダメージを与える!」

「なっ?ぐああああああっ!俺のエースモンスターが!この猿真似野郎!」ライフ3500から1000

「私はこれでターンエンド!」

 

 

 

 

百黒 ライフ1000

手2 フィールド ブラック・マジシャン

    魔法・罠 王家の神殿 血の代償 光の護封剣(1) 伏せ1

神楽坂 ライフ1000

手1 フィールド 

    魔法・罠 伏せ3

美夜 ライフ4000

手3 フィールド ダーク・ネクロフィア セットモンスター

    魔法・罠 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!死者転生を発動!手札の熟練の黒魔術師を墓地に送り、墓地から黒魔導の執行官を手札に戻す!」

「罠発動!ヒーローズルール1 ファイブ・フリーダムス!俺とお前の墓地から、合計が5枚になるようにカードをゲームから除外する!お前の墓地から、黒魔導の執行官、超電磁タートル、アヌビスの裁き、魔導戦士ブレイカー、マジシャンズ・ヴァルキリアを除外!」

「くそっ!魔法カード、精神統一を発動。三枚目の精神統一を手札に加えて、ターンエンド…。」

 

 

 

百黒 ライフ1000

手1 フィールド ブラック・マジシャン

    魔法・罠 王家の神殿 血の代償 光の護封剣(1) 伏せ1

神楽坂 ライフ1000

手1 フィールド 

    魔法・罠 伏せ3

美夜 ライフ4000

手3 フィールド ダーク・ネクロフィア セットモンスター

    魔法・罠 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!E・HEROフェザーマンを召喚!ターンエンド!ここで光の護封剣も消える!」

「くそっ!」

 

 

百黒 ライフ1000

手1 フィールド ブラック・マジシャン

    魔法・罠 王家の神殿 血の代償 伏せ1

神楽坂 ライフ1000

手1 フィールド フェザーマン 

    魔法・罠 伏せ3

美夜 ライフ4000

手3 フィールド ダーク・ネクロフィア セットモンスター

    魔法・罠 伏せ1

 

 

「私のターン、ドロー!セットモンスターを生け贄に、ディアバウンド・カーネルを召喚!バトル、ディアバウンド・カーネルでブラック・マジシャンを攻撃!」

「馬鹿め!ブラック・マジシャンの守備力は2100!攻撃力1800では倒せない!」

「ディアバウンド・カーネルが攻撃するとき、攻撃力を600ポイントアップする!」

「なんだと!くそっ!」

 

 撃破されるブラック・マジシャン。

 

 

「ダーク・ネクロフィアでダイレクトアタック!」

「罠発動!魔法の筒!これで攻撃は無効!効果ダメージは猿真似野郎に」

「させるか!カウンター罠、フェザー・ウインド!フェザーマンが存在する時、相手の魔法・罠カードを無効にして破壊するぜ!」

「さ、猿真似野郎…!ぐああああああっ!」ライフ0

 

 

 

 

―――――

「くそっ、俺は認めないぞ、猿真似野郎…!お前はオシリスレッドに降格するか、退学するかの二択しか無いんだ!」

 

 

 そういい捨てて逃げていく百黒。

 

 

 

「…悟。」

「美夜?」

「その、武藤遊戯さんのデッキ…手札事故を起こしたの?」

「いいや。そんなことは無い。」

「えっ?遊戯さんのデッキを使いこなした悟に勝ったのに、オシリスレッド寮なの?」

「…まぁ、あいつはサボったり遅刻したり、居眠りしているからな。」

 

 

 少し頭痛を感じてしまう美夜。

 

「実力があっても筆記が伴わないタイプなのね。」

「そういう事だ。」

 

 

 改めて、プロ志望のレベルの高さを思い知る美夜。

 

 

「そのオシリスレッドでイベントがあるみたいだが、どうする?コスプレしてデュエルするらしいが。」

「コスプレ…。いやな思いでしか無いから遠慮しておくわ。」

「何があったんだ?」

 

「コスプレデュエルのイベントを文化祭でやったの。そうしたら馬鹿な男子が写真を撮りまくった上に勝手に売ったのよ!」

「そんなことが…」

「なんで私の写真の値段がほかの女子の5分の1なのよ…!」

 

 実際のところ、桜咲美夜はほかの女子より5倍多く撮影されたからその値段になったのだが、本人がそれに気づく事はなかった。

 

 

 

 この時。美夜がコスプレデュエル大会に行き、十代及び万丈目と面識を持っていなかった事である分岐点でニアミスを起こすことになるが…。

 それはまた別の物語である。

 




 というわけで、学園祭の裏側でした。
 母親のフローラさんは来ていません。万が一にも海馬がオーナーである学園関係者に正体を知られるわけにはいかないからです。


 
百黒 剛健(ひゃっこく ごうけん)
オベリスクブルー所属のオリジナルキャラクター。
神楽坂を「猿真似野郎」と嫌っているエリート意識の強い男子生徒。
記憶力という点で神楽坂に劣っているという自覚がある。(実際、筆記だと成績は神楽坂より下)
武藤遊戯のデッキを盗んだものの、見事に使いこなしたから無罪放免、となった事件を「伝聞」で聞いたためさらに嫌うようになった。(十代VS神楽坂戦を見ていない)
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