転生王子の生存戦略   作:たーの

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0話 プロローグ

 

 

突然だが、俺には前世の記憶がある。

こことは、さほど変わりは無い百数年前の世界。

 

異なるのは、俺が生きているこの世界が創作物として存在していることだ。

 

『オーバーロード』

 

インターネット上で発表されたオンライン小説から始まり、後に書籍化、アニメ化された大ヒット作。

 

当時、社畜として働いていたこともあり、小説に触れることはなかったが、アニメシリーズは4期まで視聴していた。

 

続編を心待ちにしていたが、労働のストレスを飲酒で発散するタイプだった為、肝臓をダメにして、闘病虚しく病死。

 

生まれ変わったばかりの頃は、この記憶を持ち合わせてはいなかった。

 

思い出したのは、演算用にニューロン・ナノ・インターフェイス処理を脳に施した時だ。

 

直後、ナノマシンが処理しきれずに1週間ほど昏睡状態に陥ったが、無事覚醒することが出来た。

 

処理を行った会社からは、口止め料を上乗せした慰謝料を、たんまり戴いた。

 

一生とは言わないが、20年以上は無職で遊び呆けても食べていける程の額は貰えたので、そのままニート突入。

 

両親からは、高額とはいえ湯水の如く、ゲームに課金する俺に何度も釘を刺されたが

 

「これは将来への投資だから!」

 

と頑なにユグドラシルをプレイし続けた。

 

呆れた家族からは距離を置かれた。

最近病気がちな両親の老後の面倒は兄夫婦かいるから、恐らく大丈夫だろう。

 

世界の環境がもっとマシだったら、こんな傾倒的にユグドラシルをプレイしなかった。

 

だが、この世界はほんのひと握りの富裕層以外、ジリ貧。

かつて長寿大国と言われたこの日本も還暦を迎えられたら御の字と言った具合だ。

 

思い出さなかったら、きっと当たり前の事過ぎて、渇望なんてしなかっただろう。

でも、俺は思い出してしまった。

 

煮沸、濾過をしなくても安心して蛇口から使用出来る水を…

特殊な日焼け止めを塗らなくても皮膚が炎症を起こさず出歩ける毎日を…

今じゃ、大きな祝い事以外滅多に食べる事の出来ない、新鮮な野菜や肉魚…

生なんて夢のまた夢。

 

ユグドラシルはそれを取り戻す為のチケット。

 

もう間もなく運命のサービス最終日がやってくる。

 

俺は必ず取り戻す!

失った過去の宝を……!

 

…………………………

……………………

……………

……

 

なんて思っていた。

 

人が一生を振り返るなんて大業を成し遂げるか、走馬灯位しかない。

 

 

俺の大業、それは最終日を迎え転移する事。

だが、前述の通りにまだ数日先……。

 

そう、俺は今死にかけている、原因は家の倒壊に巻き込まれた為。

 

本来なら倒壊など起こるはずもない程度の地震。

 

働けと煩わしい実家を出て課金の為、費用ケチって格安の家賃で、住める家を探した。

 

老朽化はかなりのものだが、ネット環境が何故か強く、更には俺以外は空室となっている。

まさに理想の場所のはずだった。

 

それが仇となり俺はまさに今際の際。

ひとつの事に執着した結果がこれか……。

 

不思議と1度死んだ経験があるせいか、悔しいとは思うが、ある程度受け入れている自分が居た。

 

ただ願わくば、あの世界などという贅沢は言わないから、豊かな自然溢れる世界に転生したい。

 

そう思いながら俺は意識を手放した。

 

 

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(ん?俺は死んだはず……記憶をそのまま引き継いで………)

 

 

「……様。おめでとうございます。元気な男の子です。」

 

「そうか!早速名前をつけなければな。

……ザナック!お前の名前はザナックだ!

俺の元に産まれてきてくれてありがとう。」

 

 

(……はっ??)




という事でザナックに転生しました。

主人公の原作知識はまんま自分の知識ですw

性格は酒カスなところ位ですかね。

首チョンパルート回避目指して頑張ります。
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