例えばこんなゲマトリアの日常   作:スカイブルーホワイトヘアー

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灰色の娘とナギちゃん散々だね

「ゲヘナに来ましたよ。とはいえ無駄に広い学園

ですので何処を探せばいいのでしょうか……」

 

ナギサが辺りを見渡しながら歩いていると普段より騒々しく感じる。娘騒動の影響だろうか

 

「どうしてこんな状況になってるのよー!!」

 

「あら、あのお方は前にサクラコさんと……

6人ほどに追いかけられていますね。

あれがファンというものなのでしょうか」

 

「あの生徒は何処にあの生徒は何処にあの生徒は」

 

「……あれはゲヘナの先生?何故棒立ちで呪文の

ように何かを呟いているのでしょうか……

やはりゲヘナは危険なのでは?」

 

魑魅魍魎のようにも見えるゲヘナの空間を歩き

ナギサが見つけたのは校庭のど真ん中で

優雅にロールケーキを食べている翼と尻尾が生えた

謎にシンパシーを感じる生徒を見つけた

 

「何ですかあの生徒は……ティーテーブルセットを

校庭の中心に配置してそこでロールケーキを?

……まさかとは思いますが……あれが?

いえ、ありえません。ロールケーキだけで判断

するのは早すぎます。もっと何か別のもので確認を

しなければなりませんね」

 

聞き耳を立てて会話を聞くなどと

トリニティのトップにあるまじき行為ではあるが

彼女も一生徒であるので問題はない

最もそんな彼女に待っていた仕打ちは……

 

「続いては私こと桐藤ワカナですわ」

 

「???????????????」

 

ーーー

 

「それじゃあ私とホシノ母さんは他の学園に

探しに行ってくるね」

 

「ええ。ゲヘナに来るようお伝えください」

 

ワカナと名乗っていた生徒は会話を終えたのか

一人でコンブチャを飲んでいる

話しかけるなら今はとても良いタイミングだが

ナギサはまだその勇気が出ていないようで

もう少しだけ用事を伺う事にした

 

「……まあ、それはコンブチャですわね。

貴女も美食の道に興味があるのですか?」

 

「あらお母様。ご一緒如何ですか?」

 

「お母様?成程。貴女が私の……うふふ。

私の恋は成就するのですわね」

 

「そうですわね。……今この時期にも既に

『ナギサお父様』と恋仲なのですか?」

 

「ナギっ……!?少々お待ちくださる!?

私の相手は黒服先生ではないのですか!?」

 

「そ、そうですよ!!何故私が美食を追い求める

頭のおかしいテロリストと恋仲に!?

詳しく説明してください!!」

 

「あらお父様。もう隠れなくていいのですか?」

 

「バレていたのですか!?」

 

「翼が見えていましたわ」

 

「あっ。……いえ、そんな事は関係ありません!

早く説明を!最速で!最短で!真っ直ぐに!」

 

「お父様が壊れる前に説明しますわね」

 

ーーー

 

「……という事で私が産まれましたの」

 

「……なるほど。だとしても!おかしいです!

何故私がハルナさんと婚約するのです!」

 

「私も同じ意見ですわ。何故美食を理解せず

ロールケーキを貪るだけのナギサさんと

結婚なんてしなければならないのですか?

そ私達は黒服先生を取り合うライバルですのよ」

 

「あまり下手な事は言えませんが……

経緯はどうであれお二人に会えただけで

私がここに来た甲斐がありましたわ」

 

「貴女としてはそうかもしれませんが!!

私とハルナさんはそう簡単に割り切れる話では

ないのですよ!?」

 

「そうですわ!!私と黒服先生は運命の赤い糸で

結ばれているのですわよ!?」

 

「貴女のくすんだ赤色ではなく透き通るような

美しい赤色の糸で結ばれている私の方に!」

 

「いえ!私の方に!」

 

「私の!」

 

「……ふう。ここでも言い争うのですわね」

 

ギャーギャー争ってる若かりし頃の親を眺めて

たい焼き味のロールケーキを一口食べて

空を仰ぎ悟る見てワカナはこう呟いた

 

「これ不味いですわね」




美味しいもの×美味しいものは美味しいとは限らない
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