例えばこんなゲマトリアの日常 作:スカイブルーホワイトヘアー
いきなり呼び出してごめんね
でも今日じゃないといけないんだ
大丈夫、そこまで時間は取らせないよ
ちょっとだけ話がしたくて
まずは……何を伝えようかな
思っていたよりも言葉にするのって
難しいな……ホシノちゃんだったら
ちゃんと言葉に出来てるんだろうな……
……ああ、ごめんね。蔑ろにしちゃった
今日は君が主役の日だもんね
……怒ってない?やっぱり優しいね
君が怒った事なんて……あの時だけだよね
私が大怪我をして帰って来た時
あの日は全員に叱られたなぁ……
ちょっとヘマして自爆に巻き込まれただけ
そう言っても皆は聞く耳持ってくれなかったね
……そろそろ話を戻そうか
君の望みは何かな。私が叶えるよ
何でも……とは言えないけど、出来る事なら
『………』
何をやってるんだろうなぁ……
こんな事をしても君には届かないと分かっている
君だけじゃない。他の子にも二度と届く事はない
それでも私は弱いから縋ってしまう
今の居場所は暖かくて居心地が良い
皆とても良くしてくれて助かっているよ
だけど……だけどね。それは私の知る君達じゃない
同じ姿をした他人なんだ
後輩である事に変わりはないし大切な人である
ただそう簡単に受け入れられる事ではない
こんなに引きずってる姿を見たら
君達はどう思うんだろうか
情けない先輩だと笑ってくれるかな
いや、むしろ君達は肯定するのかな
「私達の先輩はこうでないと」って
……何だか随分昔の事のように感じるよ
やっぱ夜は色々考えちゃってダメだね……
「先輩、こんなところに居たんですね」
『ちょっと風に当たろうと思ってね。
君はどうしてここに?』
「部屋に貴女の姿がなかったので……
よかったらお話しませんか?
今まで二人きりで話す機会がなかったので」
『いいよ。でもその前に言いたい事があるの』
目の前に居る君と流れ星になってしまった君へ
届かないと理解しても尚贈る一つの言葉
『アヤネちゃん、誕生日おめでとう』
「……ありがとうございます」
願わくばこの言葉が理を超えて君の元へ
届け、届けと想いを込めて
ーーー
「……?」
「どうしたの?そっちには何もないわよ?」
「いえ……何だか祝われたような気がして」
「変な事を言ってどうしたのよ?
昨日変なものでも食べた?」
「昨日は何も……って此処に来てからは
何も食べてないよ」
「それもそうね。はぁ、退屈よね」
「そうだね。……そう言えば今日は
私の誕生日だったよ。すっかり忘れてた」
「ああ、だから祝われた気がしたのかもね。
おめでとう……って言うのも変な感じね」
「ふふっありがとう」
「……もしプレゼントが貰えるなら何が欲しい?」
「うーん……ちょっと前なら骨董品とか……
でも今はそうだなぁ……やっぱり……」
先輩が幸せに生きてくれる事かな。
おかしい
アヤネサンのお祝いの筈なのに重い話になってしまった