例えばこんなゲマトリアの日常 作:スカイブルーホワイトヘアー
アビドス砂漠の辺境にある廃れた研究所
そこはかつて『バードツアー星野』を始めとした
よく分からない存在を秘密裏に研究していた
『クソ翻訳アーカイブ』というものを参照して
かつてのゲマトリアは概念という存在を知り
有効活用したとかしてないとか言い伝えられている
これはその概念に触れてしまった一匹の
小さな虫が引き起こしたしょうもない話
ーーー
『緊急事態です。ヒナがモップになりました』
「奇遇ですね、ホシノも猫になりましたよ」
『数センチ離れただけでシナシナになるこの子を
私は抱きしめる事しか出来ません。なので
貴方達に解決してもらいます』
明らかに声で分かるがベアは喜んでいた
相当モップ化したヒナが可愛いのだろう
……モップになったヒナとは?
このように突如としてキヴォトス中の……
主に生徒が変な事になり始めている
そして黒服が居るアビドスも例外ではなく
ホシノは猫になってウェーブキャットのように
身体を伸ばして「うへー」と鳴いている
最初は神秘に異常をきたしたのかと思ったが
真面目に考えるだけ無駄なんじゃないかと
途中から思い始めたのでどうやって治そうかと
正直なところ途方に暮れている
仕方なく『うへ猫』ことホシノをもふもふして
今後の事を考えて頭を痛くしていると今度は
マエストロから電話がかかってきた
『黒服……助けてくれないか?ミレニアムが
大混乱に陥っていて収拾がつかないんだ』
「……一応何が起きているか伺っても?」
『まずアリスが変な呪文を唱え始めた。
それとモモイが包丁を……あれはモモイなのか?
モモイと言っていいのか?なんだあれは?』
「私に聞かれても困ります」
『すまない取り乱した。……ところで黒服、
良い情報を教えてやろう。コユキで出すとこ』
初めてマエストロからの電話をガチャ切りした
これも彼の名誉を守る為だから仕方ないのだ
あんな言葉を最後まで言わせてたまるか
しかし何故皆こちらに連絡をするのだろう
ただえさえうへ猫だけで手一杯なのだから
もうしばらく連絡しないでほしい
その思いを裏切るように着信音が鳴る
「……何ですか?」
『"黒服助けて!ユウカの太ももで圧死する!
あと青封筒が迫ってきて……ギャァァァァァ‼︎"』
ここで通話は途切れた。久しぶりの出番である
彼のセリフはニ行で終わってしまった
そしてスマホの電源を落として机に置くと同時に
サンドウルフ……体操着に着替えたシロコが
謎のSEを鳴らしながら肩を揺すってくる
「黒服、黒服」
「……はい」
「ん、私とあっち向いてホイをするべき」
いつものシロコだった。不思議と安堵するが
あっち向いてホイはやらなかった
……これはどうやったら解決するのだろうか
コサックダンスをするうへ猫を尻目に
外の景色を見て現実逃避をしようとしたが
黒い巨大な生物が甘いものを貪っていた
描くのが簡単そうなその生物が居る方向は
トリニティ付近だった
この事件があってから黒服は改めて
アビドスが少人数で良かったと感じたそう
ネットミームという概念